レトロゲーム系

1983年ファミコン全ソフト一覧|発売日・メーカー・1行解説まとめ【ファミコン元年】

目次
  1. 1983年、ファミコンの歴史が始まった年
  2. 1983年 ファミコン元年とは?
  3. 1983年発売タイトル一覧
  4. 1983年の特徴と評価
  5. 1983年 ファミコン注目作ランキング
  6. 1984年発売タイトル一覧(発売日順・1行解説)
  7. 1984年の特徴と評価
  8. 1984年 ファミコン注目作ランキング
  9. 1985年発売タイトル一覧(発売日順・1行解説)
  10. 1985年の特徴と評価
  11. 1985年の特徴と評価
  12. 1985年 ファミコン注目作ランキング
  13. 1986年発売タイトル一覧(前半50本|発売日順・1行解説)
  14. 1986年の特徴と評価
  15. 1986年 ファミコン注目作ランキング
  16. 1987年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  17. 1987年の特徴と評価
  18. 1987年 ファミコン注目作ランキング
  19. 1988年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  20. 1988年の特徴と評価
  21. 1988年 ファミコン注目作ランキング
  22. 1989年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  23. 1989年の特徴と評価
  24. 1989年 ファミコン注目作ランキング(TOP10)
  25. 1990年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  26. 1990年の特徴と評価
  27. 1990年 注目作ランキング
  28. 1991年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  29. 1991年の特徴と評価
  30. 1991年・注目作ランキング(総合TOP15|ROM限定)
  31. 1992年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  32. 1992年 ファミコンの特徴と評価
  33. 1992年 注目作ランキング
  34. 1993年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  35. 1993年 ファミコンの特徴と評価
  36. 1993年 ファミコン注目作ランキング
  37. 1994年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)
  38. 1994年のファミコンを振り返って
  39. 1994年 ファミコン注目作ランキング
  40. なぜ「1994年6月」で止まったのか
  41. “最後の数本”が教えてくれること
  42. それからの時間

1983年、ファミコンの歴史が始まった年

1983年7月15日。任天堂ファミリーコンピュータ(ファミコン)がついに発売され、日本の家庭用ゲーム文化はここから大きく動き出しました。
この年にリリースされたソフトは、わずか9タイトル。今となっては少なく見えますが、その一つひとつが「家庭でゲームを遊ぶ」という体験を広めるきっかけになった重要な作品でした。

この記事では、1983年に発売されたファミコンソフトを発売日順に一覧化し、メーカーとともに1行解説を添えてご紹介します。
「ファミコン元年」にどんなタイトルが並んでいたのか、一緒に振り返ってみましょう。

1983年 ファミコン元年とは?

ファミコンが発売された1983年は、まさに「家庭用ゲームの夜明け」と呼べる一年でした。
それまでの家庭用ゲーム機は、カセットを差し替える仕組みが一般的ではなく、アーケードの人気作をそのまま遊べる環境も整っていませんでした。

しかし、任天堂が打ち出したファミコンは、手頃な価格で家庭にアーケードの体験を持ち込むことができるハードとして登場。
しかも当初から「カートリッジを交換して遊べる仕組み」を採用し、後に数百本ものタイトルが生まれる土台を築きました。

1983年の時点で登場したソフトはまだ数が少なく、アーケード移植やボードゲーム系の作品が中心でした。
それでも、のちの「マリオ」「ゼルダ」「ドラクエ」へとつながる“ファミコン文化”の芽が、この年に確かに植えられていたのです。

1983年発売タイトル一覧

■ ドンキーコング(1983/07/15|任天堂)
── アーケード移植の象徴。3面構成で家庭用に最適化。

■ ドンキーコングJR.(1983/07/15|任天堂)
── マリオが敵役。ツル移動と鍵操作で父を救う固定画面ACT。

■ ポパイ(1983/07/15|任天堂)
── ハートや音符を集める固定画面ACT。ほうれん草で一時強化。

■ 五目ならべ 連珠(1983/08/27|任天堂)
── CPU思考と対人を備えた本格五目。家庭で手軽に対局。

■ 麻雀(1983/08/27|任天堂)
── 家庭で遊べる本格麻雀。2人打ちアレンジでテンポ良好。

■ マリオブラザーズ(1983/09/09|任天堂)
── 2人同時対戦が熱い固定画面ACT。POWで敵を反転させる。

■ ポパイの英語遊び(1983/11/22|任天堂)
── ポパイ題材の英単語学習。親しみやすい知育アクション。

■ ベースボール(1983/12/07|任天堂)
── ファミコン初の野球。簡潔操作で1P対CPU/2P対戦に対応。

■ ドンキーコングJR.の算数遊び(1983/12/12|任天堂)
── 四則演算で遊ぶ算数アクション。DKJRの輪郭を学習向けに転用。

1983年の特徴と評価

まず本数が少ない。
それでも、この“たった数本”のなかにアーケード移植/対戦ボード/教育系がそろっているのが、元年らしい面白さです。家庭でゲームを遊ぶ方法を、いくつもの角度から手探りで提案していた――そんな息づかいが伝わってきます。

アクションは固定画面が中心。
『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』『ポパイ』『マリオブラザーズ』と、当時のゲーセンを思わせるテンポの良さがそのままに、家庭向けに遊びやすく落とし込まれています。とくに『マリオブラザーズ』の2人同時プレイは、テレビの前で向かい合って笑い合う“リビングの楽しさ”を強く印象づけました。

一方で、CPU思考の対戦を持ち込んだ『五目ならべ 連珠』や『麻雀』は、“家にいながら相手がいる”体験を提示。今では当たり前のAI対戦ですが、当時は目新しく、家庭用ならではの価値を感じさせるものでした。

そして教育寄りの『ポパイの英語遊び』『ドンキーコングJR.の算数遊び』。
キャラクターゲームの親しみやすさに“学び”を添える発想は、この年からすでに始まっています。娯楽×学びの掛け合わせは、その後の長い家庭用ゲーム史でも繰り返し登場する定番の方向性になりました。

総じて1983年は、「家で遊ぶ」の原型がいくつも置かれた年
大作の数ではない、遊び方の方法論が芽吹いた年と言えるでしょう。

1983年の“いま遊ぶなら”の見どころ

  • 短時間で気持ちよく終われる固定画面アクションは、今の感覚でも“隙間時間にちょうどいい”。
  • 対面の2人プレイ(『マリオブラザーズ』『ベースボール』)は、シンプルだからこそ盛り上がる。
  • 当時の移植事情を感じたい人は『ドンキーコング』の構成差(家庭用は3面構成)に注目すると、ハードの制約と工夫が見えてきます。

ファミコン文化の“種”がまかれた一年

ラインナップ自体は小粒。
それでも、アクション・対戦・学び――家庭用らしさを育てるための種が、確かにいくつもまかれていました。翌年以降、この土台の上に横スクロールやRPG、スポーツの進化形がどっと花開いていきます。

このあと1984年に進むと、本数も話題性も一気に加速します。
当時の空気を感じながら、年ごとの“広がり方”を追いかけていきましょう。

1983年 ファミコン注目作ランキング

第1位:マリオブラザーズ(任天堂/1983年9月9日)

2人同時プレイが可能なアクションゲーム。
敵を裏返して蹴り飛ばすシンプルなルールは、兄弟や友達と夢中になれる仕掛けでした。
ファミコンが「みんなで遊ぶもの」という文化を作った原点です。


第2位:ドンキーコング(任天堂/1983年7月15日)

アーケードで人気を博した作品が、家庭で遊べるようになった大ニュース。
限られたドットで再現されたステージは、何度挑戦しても新しいドラマを生みました。
「家庭で本格アクションが楽しめる」という衝撃を与えた一本です。


第3位:ベースボール(任天堂/1983年12月7日)

当時の子供たちにとって「テレビで野球ができる」という体験そのものが新鮮でした。
ルールも直感的で、ゲームを知らない人にも受け入れやすい設計。
ここからスポーツゲームの人気が広がっていきます。


第4位:ポパイ(任天堂/1983年7月15日)

海外の人気キャラクターを題材にしたアクション。
オリーブを助けながらブルートと戦うシンプルな構図は、わかりやすく親しみやすいものでした。
アニメや漫画の世界を“遊べる”と感じさせてくれた記念碑的なソフトです。


第5位:ドンキーコングJr.(任天堂/1983年7月15日)

今度はドンキーの息子が主人公に。
ツタを使った上下の移動が新鮮で、前作との差別化がしっかり図られていました。
ファミコン黎明期に「続編の面白さ」を伝えてくれたタイトルです。

1984年発売タイトル一覧(発売日順・1行解説)

■ テニス(1984/01/14|任天堂)
── 対戦が熱い入門作。シンプル操作でラリーが続く“はじめてのテニス”。

■ ピンボール(1984/02/02|任天堂)
── なめらかな球挙動と多段フロア。ボーナス面でマリオが登場。

■ ワイルドガンマン(1984/02/18|任天堂)
── 光線銃で早撃ち勝負。実写風の悪漢を合図で撃ち抜く訓練型ACT。

■ ダックハント(1984/04/21|任天堂)
── 光線銃の定番。飛び立つアヒルを狙い撃ち、“笑う犬”でおなじみ。

■ ゴルフ(1984/05/01|任天堂)
── 3回押しショットゲージを定着させた金字塔。18ホールを収録。

■ ホーガンズアレイ(1984/06/12|任天堂)
── 犯人と民間人を瞬時に識別して撃つ。反射神経を試す射撃訓練。

■ ファミリーベーシック(1984/06/21|任天堂)
── BASICでプログラム&簡易ゲーム制作。学びと遊びのセット。

■ ドンキーコング3(1984/07/04|任天堂)
── 殺虫スプレーで迎撃する固定画面STG。主役はスタンリーに交代。

■ ナッツ&ミルク(1984/07/28|ハドソン)
── 全50面+面エディタ。“自分で作る”楽しさも備えた初期サード作。

■ ロードランナー(1984/07/31|ハドソン)
── 穴掘りで金塊回収。高い思考性とエディット機能で長く遊べる名作。

■ ギャラクシアン(1984/09/07|ナムコ)
── 編隊を崩す元祖STGの移植。ナムコ参入の狼煙を上げた一本。

■ デビルワールド(1984/10/05|任天堂)
── 画面が押し流れる迷路ACT。十字架と聖書で盤面を制圧する独特の遊び。

■ 4人打ち麻雀(1984/11/02|任天堂〈発売〉/ハドソン〈開発〉)
── ファミコン初の“4人打ち”。対局の臨場感と読み合いが一段深く。

■ F1レース(1984/11/02|任天堂)
── 疑似3Dで高速疾走。シンプル操作でもスピード感が光る初期レース。

■ パックマン(1984/11/02|ナムコ)
── 迷路でドットを食べ尽くす王道。家庭用でも不変の中毒性。

■ ゼビウス(1984/11/08|ナムコ)
── 対空&対地の二段攻撃が生む戦略性。“謎”設定も語り継がれる名移植。

■ アーバンチャンピオン(1984/11/14|任天堂)
── 路上で押し合い殴り合い。対戦格闘の原型と語られる早期作。

■ マッピー(1984/11/14|ナムコ)
── トランポリンで家財回収。ニャームコ軍団をかわす固定画面ACT。

■ クルクルランド(1984/11/22|任天堂)
── ポールにつかまり回転移動。金塊で図形を描くユニークな協力ACT。

■ エキサイトバイク(1984/11/30|任天堂)
── ジャンプと体重移動、オーバーヒート管理。コース“デザイン”搭載。

1984年の特徴と評価

1984年は、ファミコンが「一時のブーム」から「文化の基盤」へと進化し始めた年でした。
タイトル数は前年の3倍以上に増え、遊びのジャンルも一気に広がります。
まさに“ファミコンらしさ”が形になった一年といえるでしょう。

この年は、ハドソンやナムコといった大手が本格的に参入。
『ナッツ&ミルク』『ロードランナー』、そして『ギャラクシアン』『ゼビウス』『パックマン』『マッピー』と、当時のゲームセンターを代表する人気作が家庭で遊べるようになりました。

特に『ゼビウス』は、空中の敵と地上の敵を別々のボタンで攻撃するという“二層構造”の戦略性をそのまま移植。限られたハード性能の中で再現された内容に、当時のプレイヤーは驚かされたことでしょう。

『ワイルドガンマン』『ダックハント』『ホーガンズアレイ』の3本は、光線銃を使ったゲームの魅力を広めました。
テレビ画面に銃を向けて引き金を引くだけというシンプルさは、ゲームに馴染みのない家族にも直感的に伝わりやすく、リビングでの盛り上がりを後押ししました。

“笑う犬”で知られる『ダックハント』は、今でも語り草になるほどの存在感を持っています。

1984年は、“遊ぶだけ”から一歩踏み出し、“作る”体験が始まった年でもあります。
『ナッツ&ミルク』『ロードランナー』にはステージエディタがあり、自分だけの面を作って遊ぶことができました。
さらに『エキサイトバイク』では、コースを自作して走る楽しみが追加されます。

そして『ファミリーベーシック』の登場。
キーボードをつなぎ、BASIC言語でプログラムを書いてゲームを作れるという、今に続く“ユーザー参加型”の文化を切り開きました。

『ゴルフ』は3回押しのショット方式を確立し、後のゴルフゲームの基本を作り上げました。
『テニス』は2人対戦の熱さと操作のわかりやすさで、初心者から上級者まで楽しめる入門作として定着。
さらに『F1レース』は疑似3Dによるスピード感を実現し、家庭用でも“走る爽快感”をしっかり味わわせてくれました。

1983年の9本ではまだ“手探り”の段階でしたが、1984年はそこから一気に飛躍。
アーケードの移植、光線銃の新しい遊び方、そして「作る」楽しさの芽生え――

ファミコンが単なるゲーム機ではなく、“遊びの文化”として家族や友人の生活に根付いていく。その姿が、この年の20本の中にはっきりと刻まれています。

1984年 ファミコン注目作ランキング

第1位:エキサイトバイク(任天堂/1984年11月30日)

地面の凹凸を“読む”快感と、コースを自作できる“デザインモード”。
短時間で熱くなれて、遊び込むほど上達が見える——後の横スク感覚にもつながる基礎体力を作った一本。


第2位:ゼビウス(ナムコ/1984年11月8日)

空中と地上を撃ち分ける二重射撃、陰影まで感じるドット表現。
“アーケードを家に”の説得力を一段押し上げ、STGの価値観を更新。


第3位:ロードランナー(ハドソン/1984年7月20日)

“敵を埋めて抜ける”発想が鮮烈。
操作はシンプルでも、追い詰め方に人格が出る“思考系アクション”の原点的存在。


第4位:ダックハント(任天堂/1984年4月21日)

テレビに向けて撃つ——それだけで家がアミューズメント化。
Zapper対応の象徴作として、リビングの笑いを量産した名物タイトル。


第5位:ゴルフ(任天堂/1984年5月1日)

風・ライ・起伏を読み、テンポよく一打一打を積み重ねる。
“誰でも理解できるスポーツ設計”で、ファミコンの裾野を一気に広げた功労者。


第6位:クルクルランド(任天堂/1984年11月22日)

ポールにつかまって向きを変える独特の慣性操作。
“慣れた瞬間に気持ちよくなる”ニンテンドー流ルールメイクの早期サンプル。


第7位:ギャラクシアン(ナムコ/1984年9月7日)

整列からの“急降下”が生む緊張と緩和。
アーケード黄金期のリズムを、家庭で反復練習できる価値が大きい。


第8位:ナッツ&ミルク(ハドソン/1984年7月20日)

第三者メーカー初のファミコン参入作として歴史的。
見た目はかわいく、手応えはしっかり——サード拡大の狼煙。


第9位:ドンキーコング3(任天堂/1984年7月4日)

“追い上げるスプレー”で侵入を押し返す、攻守が反転する設計。
シリーズの中でもプレイ感がガラッと変わる実験色が魅力。


第10位:F1レース(任天堂/1984年11月2日)

シンプル操作で抜きつ抜かれつ。
“スピード感を家庭に”持ち込んだ初期レースのスタンダード。

1985年発売タイトル一覧(発売日順・1行解説)

■ バルーンファイト(1985/01/22|任天堂)
── ふわっと浮力で間合いを取る空中チキンレース。対戦と“バルーントリップ”で化ける名作。

■ アイスクライマー(1985/01/30|任天堂)
── ハンマーで氷を砕き、上へ上へ。2人協力の“ずれ”さえ楽しい縦スクACT。

■ エクセリオン(1985/02/11|ジャレコ)
── 慣性のある自機フィールがクセになる縦スクSTG。連射と線形弾の制御が肝。

■ ギャラガ(1985/02/15|ナムコ)
── 敵の“捕獲光線”から救出してダブルファイターへ。原作の駆け引きを家庭で。

■ ファミリーベーシックV3(1985/02/21|任天堂)
── BASIC拡張版の単体ROM。“作る遊び”を強化し、学びをリビングに持ち込んだ一枚。

■ バンゲリングベイ(1985/02/22|ハドソン)
── 攻撃ヘリで制空・補給・破壊のループ。当時としてはリアルタイム性が光る。

■ フォーメーションZ(1985/04/04|ジャレコ)
── ロボ⇄戦闘機に“変形”して戦う横スクSTG。射程と高度の使い分けが要。

■ サッカー(1985/04/09|任天堂)
── 11人制の基礎を提示した初期スポーツ。シュートとPKの駆け引きが手に汗。

■ スペースインベーダー(1985/04/17|タイトー)
── 元祖固定画面STGの家庭移植。シンプルがゆえの極限の緊張。

■ チャンピオンシップロードランナー(1985/04/17|ハドソン)
── 高難度ステージを追加した思考派ACT。掘る、逃げる、誘うの最適解を探る。

■ イー・アル・カンフー(1985/04/22|コナミ)
── 1対1の間合い・差し合いを提示。多彩な技入力で“格闘”の面白さが立ち上がる。

■ けっきょく南極大冒険(1985/04/22|コナミ)
── ペンギン疾走のタイムアタック。氷穴・アザラシ回避でリズムに乗る一本。

■ 忍者くん 魔城の冒険(1985/05/10|ジャレコ)
── 画面固定の投擲ACT。飛び移りと爆弾の“置きどころ”でテンポが化ける。

■ ちゃっくんぽっぷ(1985/05/24|タイトー)
── 風船で障害を処理する迷路ACT。のちの“泡”系の原型も覗く。

■ ディグダグ(1985/06/04|ナムコ)
── 掘る・膨らます・押し潰す。土の管理がそのまま戦術になる金字塔。

■ FLAPPY(1985/06/14|デービーソフト)
── 重力付きの岩を押して道を作る“落ちもの系”パズルの先駆。

■ レッキングクルー(1985/06/18|任天堂)
── 解体現場の手順パズルACT。壊す順番と足場管理で気持ちよくハマる。

■ スパルタンX(1985/06/21|任天堂)
── 映画題材のベルトスクACT。各階の強敵を捌き、5階到達の集中戦。

■ ハイパーオリンピック(1985/06/21|コナミ)
── 連打と入力精度の総合スポーツ。記録更新がやめられない。

■ スターフォース(1985/06/25|ハドソン)
── 連射とパターン構築で攻め切る縦スクSTG。“面”ごとの呼吸が気持ちいい。

■ エレベーターアクション(1985/06/28|タイトー)
── ビル潜入のガンアクション。昇降機の軌道を読み、最短で抜ける快感。

■ フィールドコンバット(1985/07/09|ジャレコ)
── 兵員展開と回収を繰り返す上空視点ACT。戦線の押し引きが見える。

■ ロードファイター(1985/07/11|コナミ)
── 燃料管理がスリリングなトップビューRCG。接触回避のライン取りが命。

■ ワープマン(1985/07/12|ナムコ)
── 2つのモードを切り替え遊ぶ固定画面ACT。射撃と迷路で気分転換。

■ ジッピーレース(1985/07/18|アイレム)
── バイクで追い抜きと障害回避を競う縦スクRCG。リスク管理が勝負。

■ ドアドア(1985/07/18|エニックス)
── 敵をドアに誘導して閉じ込める思考型ACT。手順最適化が楽しい。

■ スーパーアラビアン(1985/07/25|サンソフト)
── ロープ移動とジャンプで宝を集める固定画面ACT。手触りが素朴で良。

■ ブロックセット(1985/07/26|任天堂)
── “ファミコンロボ”対応の操作パズル。現実のブロック操作をゲーム化。

■ フロントライン(1985/08/01|タイトー)
── 歩兵と戦車で前線を押し上げる見下ろしACT。奪って乗る快感。

■ ドルアーガの塔(1985/08/06|ナムコ)
── “謎”解きと時間配分の究極の迷宮ACT。一本芯の通った名作。

■ アストロロボSASA(1985/08/09|アスキー)
── 推進で漂う宇宙作業ロボを操る物理ACT。慣性制御がすべて。

■ 本将棋 内藤九段将棋秘伝(1985/08/10|セタ)
── プロ監修の本格将棋。定跡と読み筋でじっくり一局。

■ ジャイロセット(1985/08/13|任天堂)
── “ファミコンロボ”同梱の『ジャイロ』セット。二つのコマで実機ギミックを動かす体験。

■ ゲイモス(1985/08/28|アスキー)
── 連結と分離の挙動がおもしろい縦スクSTG。火力配分の妙。

■ 10ヤードファイト(1985/08/30|アイレム)
── アメフト入門に最適な1プレーごとの陣取り。前進の積み上げが快感。

■ バトルシティー(1985/09/09|ナムコ)
── 破壊可能ブロックで戦況が変わる戦車ACT。2人協力が熱い。

■ スーパーマリオブラザーズ(1985/09/13|任天堂)
── 横スクACTの新基準。走る・跳ぶ・学ぶ、流れるような設計。

■ プーヤン(1985/09/20|ハドソン)
── 上下の撃ち分けでオオカミを撃退。緩急が気持ちいい固定画面STG。

■ ハイパースポーツ(1985/09/27|コナミ)
── 競技追加の“続編系”。入力精度の奥行きが増し、記録争いが白熱。

■ シティコネクション(1985/09/27|ジャレコ)
── 走って道路を“塗る”発想のRCG。横転リカバリーが勝負。

■ ルート16ターボ(1985/10/04|サンソフト)
── 16の区画を行き来する迷路RCG。画面切替の先読みが必要。

■ チャレンジャー(1985/10/15|ハドソン)
── 列車アクションから探索まで広げた多面式ACT。構成の妙が光る。

■ キン肉マン マッスルタッグマッチ(1985/11/08|バンダイ)
── 2on2の超人プロレス。投げと必殺で一気呵成に。

■ スカイデストロイヤー(1985/11/14|タイトー)
── 疾走感のある擬似3D空戦。偏差射撃の感覚が身につく。

■ 忍者じゃじゃ丸くん(1985/11/15|ジャレコ)
── 手裏剣と踏みつけで敵を一掃。軽快な横スクACTの定番。

■ マッハライダー(1985/11/21|任天堂)
── 擬似3Dの疾走と射撃が融合。コース作成も遊びの幅を広げる。

■ パックランド(1985/11/21|ナムコ)
── 横スクACTへ進化した“パック”。独自の慣性ジャンプがクセになる。

■ おにゃんこTOWN(1985/11/21|ポニーキャニオン)
── 子猫救出の見下ろしACT。敵回避と誘導の塩梅が楽しい。

■ パチコン(1985/11/21|東芝EMI)
── 家庭で手軽にパチンコ体験。狙いと運を楽しむシミュ。

■ バーガータイム(1985/11/27|ナムコ)
── 食材を落として巨大バーガー完成。追っ手かわしの定番ACT。

■ いっき(1985/11/28|サンソフト)
── 田園での“百姓一揆”を題材にした痛快ACT。二人同時も盛り上がる。

■ ポートピア連続殺人事件(1985/11/29|エニックス)
── コマンド選択ADVの金字塔。聞き込みと推理で真相に迫る。

■ カラテカ(1985/12/05|ソフトプロ)
── 映画的な間合いの空手ACT。一撃の重みが違う。

■ ルナーボール(1985/12/05|ポニーキャニオン)
── 変形テーブルのビリヤード風パズル。角度読みの快感。

■ スターラスター(1985/12/06|ナムコ)
── 宇宙マップ航行とドッグファイトを両立。疑似3D空間での索敵が要。

■ スペランカー(1985/12/07|アイレム)
── 繊細すぎる主人公で洞窟探検。“操作の精度”を徹底的に問う一本。

■ 高機動戦闘メカ ヴォルガードII(1985/12/07|デービーソフト)
── 合体で火力が変わる横スクSTG。敵配置把握が鍵。

■ 超時空要塞マクロス(1985/12/10|バンダイ)
── バルキリー変形で空中戦。演出と手触りの両立が魅力。

■ 1942(1985/12/11|カプコン)
── ロール回避とチェインの縦スクSTG。遊びやすさ抜群の移植。

■ ダウボーイ(1985/12/11|KEMCO)
── 俘虜救出の潜入ACT。動線管理と遮蔽物の使い方が勝負。

■ ボコスカウォーズ(1985/12/14|アスキー)
── 部隊を率いて押し合う“進軍系”SRPGの源流。運と采配の妙。

■ 頭脳戦艦ガル(1985/12/14|デービーソフト)
── 多層マップを探索するSTG。燃料と弾の管理が緊張を生む。

■ オバケのQ太郎 ワンワンパニック(1985/12/16|バンダイ)
── 追われる恐怖と救出のやさしさ。原作らしい賑やかさも。

■ バイナリィランド(1985/12/20|ハドソン)
── 左右反転の2体同時操作パズルACT。“揃えて動かす”快感。

■ ボンバーマン(1985/12/20|ハドソン)
── 爆風で道を拓き敵を詰める。ルールは単純、奥行きは無限。

■ テグザー(1985/12/19|スクウェア)
── レーザー貫通と変形の横スクSTG。貫通角度の設計が楽しい。

■ エグゼドエグゼス(1985/12/21|徳間書店)
── 昆虫メカを薙ぐ縦スクSTG。画面制圧の気持ちよさ。

■ ロットロット(1985/12/21|徳間書店)
── 点を“受け渡し”して整理するパズル。リソース配分の妙。

■ ぺんぎんくんWARS(1985/12/25|アスキー)
── 向かい合って物を投げ合う対戦アクション。読み合いが熱い。

1985年の特徴と評価

1985年は、ファミコンが「一家に一台」から「一家に一本必須ソフト」の時代へと加速した年でした。
前年の『ゼビウス』や『ロードランナー』で火がついた家庭用ゲームブームが、『スーパーマリオブラザーズ』の登場によって決定的になったのです。

まず大きな特徴は、ゲームのジャンルが一気に広がったこと
『スパルタンX』や『いっき』といったアクションから、『ポートピア連続殺人事件』というアドベンチャー、『ボコスカウォーズ』に見られる戦略性のある作品まで、多様性が一気に芽吹きました。
「ファミコンでここまでできるのか」という驚きが、毎月のように更新されていった年でもあります。

また、この年はナムコ・コナミ・ハドソンといった第三勢力の台頭が鮮明になりました。
『ドルアーガの塔』『スターラスター』『ハイパーオリンピック』『バンゲリングベイ』など、いずれもアーケードでの成功やパソコンゲーム文化を取り込んだタイトルです。任天堂だけでなく、他社も「家庭用ゲーム市場こそ未来」と本格的に参入し始めたのが85年でした。

一方で、この年ならではの“粗削りさ”も忘れられません。
たとえば『スペランカー』の極端にシビアな操作判定や、『いっき』のユーモア半分な題材は、賛否両論を呼びつつも語り継がれています。
これらは“完成度が低い”のではなく、新しい表現に挑戦した結果の尖り方であり、後のゲーム史に強い印象を残しました。

そして何より、『スーパーマリオブラザーズ』が発売された1985年9月13日は、まさに家庭用ゲーム史の分水嶺。
「横スクロールアクション」という基準を作り、音楽・操作感・ステージ設計に至るまで、以後の数十年を牽引するスタンダードを築きました。
この一本によって、ファミコンは“子どものおもちゃ”から“家族全員が熱中する文化”へと格上げされたと言っても過言ではありません。

総じて1985年は、“ファミコン元年”と呼ぶにふさわしい革新の年
タイトル数の急増とジャンルの多様化、そしてスーパーマリオという金字塔の誕生が、後の膨大なゲーム文化の礎を築いたのでした。

1985年の特徴と評価

1985年は、ファミコンにとって大きな飛躍の年でした。
前年までは「アーケード移植」や「小規模なオリジナル作品」が中心でしたが、この年からは家庭用ならではの体験が一気に広がっていきます。


スーパーマリオブラザーズの衝撃

9月に発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、単なるヒット作ではなく、家庭用ゲームの常識を塗り替えた作品でした。
横に続く広大なステージ、隠しアイテムやワープゾーンなどの発見要素、誰でも理解できるシンプルな操作。
「家に帰っても飽きずに遊べる」ことを決定づけ、ファミコン人気を爆発させたのです。


2人同時プレイの定着

『アイスクライマー』や『バルーンファイト』といった2人同時プレイ対応ソフトが揃い、友達や兄弟と一緒に遊ぶ文化が根づきました。
協力しながら、時に邪魔し合いながら遊ぶスタイルは、“リビングでワイワイ盛り上がる”ファミコン像を作り上げました。


サードパーティの存在感

ナムコやハドソンが積極的に参入し、スポーツや多彩なアクション作品を提供。
『エキサイティングベースボール』は後の「ファミスタ」につながり、
『チャレンジャー』は家庭用オリジナルの冒険感を強調しました。
この流れが、ファミコンを“任天堂だけのハード”から“業界全体の舞台”へと成長させたのです。


家庭用オリジナルへの進化

これまでアーケードからの移植が主流だった中、家庭用ならではの遊び方が模索されはじめたのも85年の特徴です。
例えば『チャレンジャー』の多彩なゲームモード、『バルーンファイト』の空中操作感など、
「家で長く遊べる」ことを意識した設計が増えていきました。

1985年は、ファミコンが“ただの移植機”から“家庭用の本格ハード”へ進化した転換点でした。
スーパーマリオを筆頭に、2人プレイの楽しさ、サードパーティの広がりが重なり、
ファミコンはこの年を境に“国民的ゲーム機”への道を一気に駆け上がったといえます。

1985年 ファミコン注目作ランキング

第1位:スーパーマリオブラザーズ(任天堂/1985年9月13日)

横スクロールアクションの金字塔。
広大なステージを走り抜ける感覚は、従来の固定画面アクションを一気に過去のものにしました。
ファミコンを国民的ハードへ押し上げた決定的タイトルです。


第2位:アイスクライマー(任天堂/1985年1月30日)

上へ上へと登っていくシンプルなルール。
2人同時プレイの協力と妨害のバランスが絶妙で、友達や兄弟と盛り上がれる一本。
ファミコン初期の“みんなで遊ぶ面白さ”を体現しています。


第3位:バルーンファイト(任天堂/1985年1月22日)

風船を割り合うコミカルな対戦アクション。
操作は簡単ながら、空中の挙動を制御する独特の感覚がクセになります。
後の『スマブラ』にまでつながる任天堂流“シンプル対戦”の原点。


第4位:エキサイティングベースボール(ナムコ/1985年12月10日)

ナムコスポーツの第一弾で、後の「ファミスタ」へと発展する重要作。
アーケード感覚を残しつつ、家庭用ならではの遊びやすさを実現しました。
野球ゲームのスタンダードを築いた立役者です。


第5位:チャレンジャー(ハドソン/1985年10月15日)

横スクロールと縦スクロールを融合させた野心作。
1本のゲームに多彩なステージを盛り込み、“冒険感”を演出しました。
ハドソンらしい実験精神にあふれたタイトルです。


第6位:クルクルランド(任天堂/1985年2月21日)

(※実際のリリースは1984年ですが、85年にも広く認知され継続プレイされたため注目作として再評価されることも)
ポールにつかまって進む独特の操作感が特徴。
覚えた瞬間にクセになる“慣性ゲーム”として知られています。


第7位:ゼビウス(ナムコ/1985年移植流通)

1984年に続き、85年も根強い人気を誇った縦スクロールSTG。
ファミコンで“アーケード並みの手応え”を求める層に支持されました。


1985年は、スーパーマリオブラザーズの登場でファミコンが爆発的に普及した年。
同時に、アイスクライマーやバルーンファイトなど“短時間で盛り上がれる対戦・協力プレイ”が定番化。
ナムコやハドソンの参入も本格化し、ファミコンが“国民機”へと進化する分岐点となりました。

1986年発売タイトル一覧(前半50本|発売日順・1行解説)

■ ツインビー(1986/01/04|コナミ)
── カプセルで“ベル色替え”強化。ポップな縦スクSTG。

■ ソンソン(1986/02/08|カプコン)
── 横スク自動スクロールで進む撃ち抜きACT。

■ グーニーズ(1986/02/21|コナミ)
── 映画題材の探索ACT。鍵集めと仲間救出が軸。

■ サーカスチャーリー(1986/03/04|ソフトプロ)
── 火の輪や綱渡りをこなす多彩な見世物ACT。

■ 忍者ハットリくん(1986/03/05|ハドソン)
── しんぞう救出を目指す横スク。手裏剣と変装が肝。

■ ジャイロダイン(1986/03/13|タイトー)
── ヘリで地上空中を同時攻撃する縦スクSTG。

■ ハイドライド・スペシャル(1986/03/18|東芝EMI)
── 体当たり式ARPG。成長と探索の入門編。

■ バルトロン(1986/03/19|東映動画)
── パワー管理が要の横スクSTG。連射の手応え。

■ マグマックス(1986/03/19|日本物産)
── 機体合体でパーツ強化。地上/地下の二層STG。

■ タッグチームプロレスリング(1986/04/02|ナムコ)
── タッグで連携技を決める初期プロレスACT。

■ アーガス(1986/04/17|ジャレコ)
── 空陸切替の要素を持つ縦スクSTG。火力配分が鍵。

■ アトランチスの謎(1986/04/17|サンソフト)
── 多数の隠しルートを辿る高難度横スクACT。

■ ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境(1986/04/17|バンダイ)
── 妖怪退治の横スクACT。原作技で切り抜ける。

■ 影の伝説(1986/04/18|タイトー)
── ハイスピード忍者ACT。爽快な空中移動が魅力。

■ ディグダグII(1986/04/18|ナムコ)
── 島を“切断”して敵を落とす陣取り系ACT。

■ マイティボンジャック(1986/04/24|テクモ)
── コイン集めと難所攻略。分岐で腕前が問われる。

■ グラディウス(1986/04/25|コナミ)
── カプセル選択で段階強化。横スクSTGの金字塔。

■ けいさんゲームさんすう1年(1986/04/25|東京書籍)
── 低学年向け算数ドリル。ゲーム感覚で基礎学習。

■ けいさんゲームさんすう2年(1986/04/25|東京書籍)
── 位取り・計算の反復練習。家庭学習の定番。

■ けいさんゲームさんすう3年(1986/04/25|東京書籍)
── わり算・長さ等を反復。教育系の代表作。

■ スパイvsスパイ(1986/04/26|ケムコ)
── 罠仕掛け合いの対戦型ACT。駆け引きが白熱。

■ セクロス(1986/05/15|日本物産)
── スピーダーで森林/砂漠を走破する縦スクSTG。

■ ドラゴンクエスト(1986/05/27|エニックス)
── コマンド式RPGの原点。世界を旅し成長する王道。

■ バードウィーク(1986/06/03|東芝EMI)
── 雛に餌を運ぶ育成ACT。やさしい手触りが特徴。

■ B-WINGS(1986/06/03|データイースト)
── 多彩な“ウイング”で武装換装する縦スクSTG。

■ スターソルジャー(1986/06/13|ハドソン)
── 連射と暗記パターンで攻め切る高速縦スク。

■ 魔界村(1986/06/13|カプコン)
── 鎧が剥がれる高難度ACT。武器選択と根気が試練。

■ スーパーチャイニーズ(1986/06/20|ナムコ)
── 2人対戦/協力が楽しいコミカル格闘寄りACT。

■ スクーン(1986/06/26|アイレム)
── 潜水艦で人命救助。酸素と弾の管理が緊張感。

■ チョップリフター(1986/06/26|ジャレコ)
── ヘリで救出と帰投を繰り返す救難ACT。

■ かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次(1986/07/03|サンソフト)
── 投擲で道中を切り開く和風横スクACT。

■ バベルの塔(1986/07/18|ナムコ)
── ブロック運搬で上階へ進む思考型パズルACT。

■ がんばれゴエモン!からくり道中(1986/07/30|コナミ)
── 和風ドタバタ旅ACT。お金と変装で日本各地を行脚。

■ ソロモンの鍵(1986/07/30|テクモ)
── ブロック生成で道を作る高難度パズルACT。

■ ワルキューレの冒険 時の鍵の伝説(1986/08/01|ナムコ)
── 冒険と成長を描くARPG。カギ探索が進行の軸。

■ 六三四の剣 ただいま修行中(1986/08/08|タイトー)
── 剣道少年の物語。間合いとタイミングを学ぶ対戦。

■ 北斗の拳(1986/08/10|東映動画)
── 世紀末格闘ACT。秘孔演出で敵を撃破。

■ じゃじゃ丸の大冒険(1986/08/22|ジャレコ)
── 軽快な横スクACT。乗り物と隠しで遊び幅が増す。

■ スカイキッド(1986/08/22|ナムコ)
── 反転飛行が肝の横スクSTG。爆撃任務をこなす。

■ 機動戦士Zガンダム ホットスクランブル(1986/08/28|バンダイ)
── アニメ題材のACT。武装切替で各面を突破。

■ A.S.O.(1986/09/03|SNK)
── 空陸切替の多目的戦闘機STG。パーツ収集が楽しい。

■ スーパーピットフォール(1986/09/05|ポニーキャニオン)
── 罠だらけの洞窟探検ACT。探索と操作精度が要。

■ BANANA(1986/09/08|ビクター音楽産業)
── 石動かしで道を作る倉庫番系パズル。

■ 高橋名人の冒険島(1986/09/12|ハドソン)
── フルーツで体力維持。疾走感ある横スクACT。

■ キングスナイト(1986/09/18|スクウェア)
── 4キャラを育て合体攻略する縦スクSTG風RPG。

■ スーパーゼビウス ガンプの謎(1986/09/19|ナムコ)
── 新要素を加えた縦スクSTG。謎解き的面構成。

■ ゴーストバスターズ(1986/09/22|徳間書店)
── 映画題材の退治ACT。資金運用と装備購入が特徴。

■ スペースハンター(1986/09/25|ケムコ)
── 反重力ジャンプのSF横スクACT。探索要素あり。

■ 戦場の狼(1986/09/27|カプコン)
── 走って撃つ軍事ACT。単身突撃の爽快感。

■ テラクレスタ(1986/09/27|日本物産)
── 分離合体でフォーメーション攻撃する縦スクSTG。

■ バギー・ポッパー(1986/10/08|データイースト)
── 上から視点のカーアクション。150km/h以上でジャンプし、敵車を踏み潰して突き進む。

■ オセロ(1986/10/13|河田)
── 盤面を挟んで色をひっくり返す定番ボードゲーム。対人・CPU戦で手筋の練習に最適。

■ うる星やつら ラムのウエディングベル(1986/10/23|ジャレコ)
── 原作モチーフの横スクアクション。制限時間とギミック管理がカギ。

■ けいさんゲーム算数4年(1986/10/30|東京書籍)
── 小学生向けの計算ドリル。タイム制でテンポよく解かせる教材系。

■ けいさんゲーム算数5・6年(1986/10/30|東京書籍)
── 高学年向け。分数・割合などをゲーム感覚で復習できる。

■ ミシシッピー殺人事件(1986/10/31|ジャレコ)
── 豪華客船を舞台にした探索ADV。聞き込みと証拠集めで真相へ。

■ スーパースターフォース 時空歴の秘密(1986/11/11|テクモ)
── STGに時間移動の要素を足した意欲作。行き先の時代選択が攻略を左右。

■ ファミリートレーナー アスレチックワールド(1986/11/12|バンダイ)
── 専用マット対応の体感ゲーム。走る・跳ぶで汗だくになる一本。

■ 迷宮組曲 ミロンの大冒険(1986/11/13|ハドソン)
── 音符ショットと隠しルート探索が楽しい箱庭型ACT。

■ アイギーナの予言(1986/11/21|ビック東海)
── 地上とダンジョンを往復する探索ACT。石像破壊や鍵集めが進行の要。

■ 元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険(1986/11/21|バップ)
── 広いマップを旅するアクションADV。資源管理がシビア。

■ 長靴をはいた猫 世界一周80日大冒険(1986/11/21|東映動画)
── 童話モチーフの横スクACT。ジャンプ精度が問われる。

■ 怒(IKARI)(1986/11/26|ケイ・アミューズメントリース)
── 縦スク軍事アクション。歩兵&乗り物で敵陣を突破する。

■ マッピーランド(1986/11/26|ナムコ)
── ネコをかわしつつアイテムを回収。ステージごとの趣向が光る。

■ ドラゴンボール 神龍の謎(1986/11/27|バンダイ)
── 初期DB原作ベースのACT。悟空の如意棒と雲アクションで各地を巡る。

■ キャッスルエクセレント(1986/11/28|アスキー)
── 鍵と仕掛けで数百室を解いていく重量級パズルACT。

■ タイガーヘリ(1986/12/05|ポニーキャニオン)
── ヘリSTGの源流。地上破壊の気持ちよさと2段階火力が魅力。

■ ディーヴァ ストーリー6 ナーサティアの玉座(1986/12/05|東芝EMI)
── 横スクSTG+簡易戦略を合わせた“アクティブ・シミュレーション・ウォー”。

■ トランスフォーマー コンボイの謎(1986/12/05|タカラ)
── オプティマスを操作する高難度横スクACT。瞬時の判断が命。

■ ホッターマンの地底探検(1986/12/06|ユース)
── 地中を掘り進む探索ACT。鍵4つを集めて出口へ。

■ たけしの挑戦状(1986/12/10|タイトー)
── 常識破りの自由度と理不尽さが語り草の問題作。

■ プロ野球ファミリースタジアム(1986/12/10|ナムコ)
── 直感操作と軽快さで定番化した野球ACTの金字塔。

■ シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件(1986/12/11|トーワチキ)
── 名探偵が走って蹴って調べまくるアクションADV。

■ ドラえもん(1986/12/12|ハドソン)
── 3部構成の多彩なACT。道具の使い分けで難所を越える。

■ 魔鐘(1986/12/15|アイレム)
── 不気味な世界観の横スクACT。クセの強い当たり判定に慣れが必要。

■ メトロクロス(1986/12/16|ナムコ)
── 障害物だらけのコースを駆け抜けるタイムアタックACT。

■ キングコング2 怒りのメガトンパンチ(1986/12/18|コナミ)
── 巨大コングの豪快パンチで進む痛快ACT。

■ マドゥーラの翼(1986/12/18|サンソフト)
── 女性主人公の探索型ACT。剣と魔法を育てて進行。

■ レイラ(1986/12/20|デービーソフト)
── 宇宙を舞台にした横スクACT。二人組のガンアクションが軽快。

■ コスモジェネシス(1986/12/23|アスキー)
── ワイヤーフレーム表示の3D風宇宙戦。航行管理がコアの硬派STG。

■ ファミリートレーナー2 ランニングスタジアム(1986/12/23|バンダイ)
── マット連打で短距離走。記録更新に燃える体感スポーツ。

■ 闘いの挽歌(1986/12/24|カプコン)
── 盾受けが要の剣戟ACT。対戦モードも搭載した家庭用版。

■ 聖飢魔II 悪魔の逆襲!(1986/12/25|CBSソニー)
── バンド題材の横スクACT。メンバー救出の探索が中心。

■ アルカノイド(1986/12/26|タイトー)
── 連鎖パワーアップが楽しい名作ブロック崩し。

■ クレイジークライマー(1986/12/26|日本物産)
── 超高層ビルをよじ登る縦スクACT。障害物回避が忙しい。

■ 時空の旅人(1986/12/26|ケムコ)
── 同名アニメ原作のADV。選択肢で歴史が動くマルチエンド型。

1986年の特徴と評価

1986年は、ファミコンが“遊びの大渋滞”に突入した年です。
前半だけでも名のある新作が途切れず、後半は年末ラッシュで一気に畳みかける。
ひと言でいえば、ジャンルが横に広がり、表現は縦に深くなりました。


RPGの夜明け——“旅をする”面白さが家庭に根づく

この年の象徴は、やはり『ドラゴンクエスト』。
コマンド選択、経験値とレベル、町とダンジョン——“旅の文法”が家庭用に最適化されました。
プレイヤーが自分のペースで歩き、少しずつ強くなる快感。以後のJRPGの基準がここで固まります。

※記事の本編はROMカセットの年表ですが、同年はディスクシステムの登場で“セーブを前提とした設計”も確立。
RPGやアドベンチャーの遊びの器が一段広がったのも86年の出来事です。


シューティング黄金期の本格化

『グラディウス』『スターソルジャー』『テラクレスタ』『A.S.O.』……。
スピード、火力、フォーメーション、当たり判定——“手触りの緻密さ”が一気に上がりました。
とくに『スターソルジャー』はスコア文化・大会文化を後押しし、
「覚えて攻める」快感を家庭に普及させます。

一方の『グラディウス』はパワーアップ選択という思考性を導入。
ただ撃つだけでなく、状況判断で積み上げる面白さが標準装備になりました。


アクションの多様化——“遊びの作法”が増える

『高橋名人の冒険島』のテンポ、『魔界村』のストイックな難度、
『がんばれゴエモン!からくり道中』の賑やかな和風世界、
『ソロモンの鍵』『バベルの塔』の思考型アクションまで、「走る」「跳ぶ」だけの時代が卒業

アクションは操作精度と設計の妙で差別化され、
“覚えて攻略する”“手順を組む”“探索の寄り道を楽しむ”——
複数の作法が86年で一気に揃いました。


キャラゲームの拡張——題材の幅と作りの誠実さ

『北斗の拳』『ドラゴンボール』『ゲゲゲの鬼太郎』『うる星やつら』……。
人気作品×ゲーム化が数を増やし、題材の幅が広がります。
粗削りな移植もありますが、アクションとしての骨格をきちんと作るタイトルが増え、
“原作ファンに伝わる手触り”を志向する傾向が見えてきました。


体感・周辺機器の存在感

『ファミリートレーナー アスレチックワールド』で、身体を使う遊びが本格始動。
コントローラのボタンだけではない、“動きそのものが入力”という発想がリビングに浸透します。
同じ年のスポーツ・レース群と並べて見ると、
“家族で笑う”方向に裾野が広がっているのが分かります。


総評

1985年が“標準を作る年”だとすれば、1986年は“標準を増やす年”
RPGの旅、STGの覚え撃ち、思考型アクション、キャラゲームの拡張、体感の芽生え。
どれか一つではなく、いくつもの柱が同時に太くなった結果、
ファミコンは“子どもの玩具”から“世代を越える遊びの文化”へと確実に歩を進めました。

このあと87年に入ると、いよいよ「名作が当たり前に出る時代」に突入します。
年ごとの空気を感じながら、次の年表へ進みましょう。

1986年 ファミコン注目作ランキング

※この年はディスクシステム元年。歴史性を重視して【ROM+ディスク】混在で選出しています(本文で明記)。


第1位:ドラゴンクエスト(エニックス/1986年5月27日)

家庭用RPGの扉を開いた決定打。
コマンド選択と成長の喜びを“家のテレビ”に最適化し、日本中にRPG文化を根づかせました。


第2位:ゼルダの伝説[ディスク](任天堂/1986年2月21日)

広大なフィールド、自由探索、セーブ対応。
“ステージを遊ぶ”から“世界を旅する”へ——家庭用アクションの価値観を更新した金字塔。


第3位:グラディウス(コナミ/1986年4月25日)

“ゲージ選択で強化”の設計を家庭で定着。
覚えて、通す快感。アーケード感を損なわず、夜な夜な練習させる魔力。


第4位:スーパーマリオブラザーズ2[ディスク](任天堂/1986年6月3日)

難度を上げ、プレイヤースキルに挑む“続編の作法”。
“同じだけど違う”をDiskで提示し、やり込み文化を加速させました。


第5位:メトロイド[ディスク](任天堂/1986年8月6日)

孤独な探索とつながるマップ。
“行けなかった場所に行けるようになる”設計で、後のメトロイドヴァニアを先導。


第6位:スターソルジャー(ハドソン/1986年6月13日)

全国キャラバンの象徴。
スコアアタックの熱狂と“16連射”の伝説で、STGをお茶の間スポーツへ。


第7位:グーニーズ(コナミ/1986年2月21日)

映画のワクワクを横スクに翻訳。
隠し要素とテンポの良さで“何度でも遊べる”名作に。


第8位:魔界村(カプコン/1986年6月13日)

“理不尽一歩手前”の緊張感と達成感。
覚えゲーの快感を家庭で磨いたタフな移植。


第9位:がんばれゴエモン!からくり道中(コナミ/1986年7月30日)

和風探索アクションの原点。
買い物や3D迷路などRPG的要素を盛り込み、旅情のある遊び心地に。


第10位:ドラえもん(ハドソン/1986年12月12日)

3パート構成の多彩さとキャラクター性で幅広い層に浸透。
“家族向けキャラゲー”の良質な手本。

1987年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ 火の鳥 鳳凰編 我王の冒険(1987/01/04|コナミ)
── 手塚ワールドを横スク探索で再構成。器用で歯応えもある一本。

■ ラビリンス(1987/01/07|徳間書店/トクマソフト)
── 映画モチーフの謎解きACT。迷宮の仕掛けを読み解く。

■ ドラゴンバスター(1987/01/17|ナムコ)
── 横スク+RPG風成長の源流。剣と魔法で塔を攻略。

■ ドラゴンクエストII 悪霊の神々(1987/01/26|エニックス)
── 仲間と船が加わり世界が一気に広がるJRPG続編。

■ ザ・ブラックバス(1987/02/06|ホット・ビィ)
── 天候・水温まで効く本格派釣り。1匹の重みが違う。

■ 新人類(1987/02/10|リコーエレメックス〔RIX SOFT〕)
── 原始世界の縦スクACT。投擲と回避のテンポ勝負。

■ 飛龍の拳(1987/02/14|カルチャーブレーン)
── 心眼システムの先駆け。間合いと当て所を読む格闘ACT。

■ ファミリートレーナー3 エアロビスタジオ(1987/02/26|バンダイ)
── マット対応の体感作。踏んで動いて汗をかくエアロビ体験。

■ ポケットザウルス 十王剣の謎(1987/02/27|バンダイ)
── アクション+クイズ+短編STGを詰め込んだ賑やか作。

■ いきなりミュージシャン(1987/03/05|東京書籍)
── 家庭で作曲・演奏を遊ぶ“音楽ソフト”寄りの一本。

■ ミッキーマウス(1987/03/06|ハドソン)
── 絵本のような横スクACT。軽い操作感で進める入門編。

■ Law of the West(西部の掟)(1987/03/06|ポニーキャニオン)
── 西部劇ADV。会話選択で事態が変わる翻案移植。

■ タッチ(1987/03/14|東宝)
── 原作の青春感を横スクACTで。ミニゲーム構成が特徴。

■ 花のスター街道(1987/03/17|ビクターエンタテインメント)
── 芸能界モチーフの多層ACT。ギミック攻略が肝。

■ グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦(1987/03/18|コナミ)
── 鍵探し×探索の快作。寄り道がそのまま発見に繋がる。

■ ロストワード・オブ・ジェニー(1987/03/25|タカラ)
── 女の子主人公の横スクACT。小物ギミックの使い分け。

■ 南国指令!! スパイVSスパイ(1987/03/27|ケムコ)
── 罠の仕掛け合いが白熱。対戦で真価が出る続編。


■ さんまの名探偵(1987/04/02|ナムコ)
── 芸能×推理ADV。軽妙な会話と聞き込みで事件を追う。

■ 囲碁 九路盤対局(1987/04/14|BPS)
── 9路盤で思考を磨く入門囲碁。短時間で反復練習。

■ 魔界島 七つの島大冒険(1987/04/14|カプコン)
── 『魔界村』外伝的ACT。探索寄りの構成で遊びやすい。

■ 森田将棋(1987/04/14|セタ)
── 定跡と思考時間が光る本格将棋。長く遊べる一本。

■ アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃(1987/04/17|テクモ)
── 槍投げとジャンプの爽快ACT。当時屈指のスピード感。

■ 熱血硬派くにおくん(1987/04/17|テクノスジャパン)
── 路上バトルの痛快さ。多段ヒットと投げで魅せる。

■ 北斗の拳2(1987/04/17|東映動画)
── シリーズ続編ACT。原作演出と必殺で押し切る。

■ ファミリージョッキー(1987/04/24|ナムコ)
── レース運びと鞭のタイミング。直感操作の競馬ACT。

■ 妖怪倶楽部(1987/05/19|ジャレコ)
── 陰陽×妖怪の横スクACT。道中のアイテム管理が要。

■ ダイナマイトボウル(1987/05/24|東芝EMI)
── ボウリングの球質再現が秀逸。角度と回転で攻める。

■ ファミリートレーナー4 ジョギングレース(1987/05/28|バンダイ)
── マットで走る長距離系。スタミナ配分が勝負。


■ アテナ(1987/06/05|SNK)
── 変身アイテムで攻め手を変える横スクACT。

■ 高橋名人のBUGってハニー(1987/06/05|ハドソン)
── キャラ物ACT。ジャンプとショットの素直な遊び。

■ 闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光(1987/06/12|データイースト)
── 神話世界を旅するRPG初作。素朴だが芯のある設計。

■ ファミリーボクシング(1987/06/19|ナムコ)
── リズム重視の対戦ボクシング。駆け引きが分かりやすい。

■ うっでいぽこ(1987/06/20|デービーソフト)
── 横スクARPG。鍵探しと会話で進める探索寄りの手触り。

■ 燃えろ!!プロ野球(1987/06/26|ジャレコ)
── 直感打撃で一世を風靡。野球ACTの定番に。

■ 所さんのまもるもせめるも(1987/06/27|エピック・ソニー)
── ミニゲーム集型の異色作。“守る/攻める”の二面設計。

■ 北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ(1987/06/27|アスキー)
── 旅情ADVの金字塔。聞き込みと現地感が沁みる。

■ 未来神話ジャーヴァス(1987/06/30|タイトー)
── 広域マップ型RPG。独特の育成と物価バランスが話題に。

■ ゾンビハンター(1987/07/03|ハイスコアメディアワーク)
── 敵の肉体を取り込んで強化する、クセの強い横スクACT。

■ 月風魔伝(1987/07/07|コナミ)
── 和風ホラー×探索型ACTRPG。横スクと疑似3D迷宮を往復する骨太構成。

■ ヘクター’87(1987/07/16|ハドソン)
── キャラバン向け縦STGの系譜。スコアアタック色の強い設計。

■ ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー(1987/07/17|ナムコ)
── ファルコム派生の探索ACTRPG移植。家族キャラ切替が特徴。

■ ジャンボウ(1987/07/18|ケイ・アミューズメントリース)
── 麻雀牌で消す・積む発想のパズルACT。

■ ファンタジーゾーン(1987/07/20|サンソフト)
── 名作横STGの移植。ショップ強化とビジュアルの明るさが魅力。

■ バツ&テリー 魔境の鉄人レース(1987/07/22|ユース)
── 漫画原作の横スクACT。キャラ交代でギミックを突破。

■ レインボーアイランド(1987/07/26|タイトー)
── 『バブルボブル』続編。虹が攻撃と足場を兼ねる高テンポACT。

■ カラオケスタジオ(1987/07/30|バンダイ)
── 専用マイク同梱の“歌う”ソフト。家庭のTVで採点遊び。

■ チェスターフィールド(1987/07/30|ビック東海)
── フィールド探索型ACTRPG。装備と謎解きの配合が渋い。

■ ファミリートレーナー5 迷路大作戦(1987/07/31|バンダイ)
── マット型周辺機器対応。踏んで走って出口を目指す体感迷路。

■ ハイウェイスター(1987/08/07|スクウェア)
── 疾走感重視のトップビュー・ロードレース。

■ ボンバーキング(1987/08/07|ハドソン)
── 爆弾で道を切り開く探索寄りACT。“資源管理”が肝。

■ ミラクルロビット 2100年の大冒険(1987/08/07|キングレコード)
── ロボ少年の横スクACT。アイテム活用で進行。

■ エルナークの財宝(1987/08/10|トーワチキ)
── 罠と探索が容赦ない高難度横スクACT。

■ 聖闘士星矢 黄金伝説(1987/08/10|バンダイ)
── 原作再現のACTRPG。小宇宙を高めて黄金聖闘士に挑む。

■ ファミリーマージャン(1987/08/11|ナムコ)
── 家庭向け定番ルールの4人打ち麻雀。

■ 魔城伝説II 大魔司教ガリウス(1987/08/11|コナミ)
── メトロイドヴァニア型の先駆。二人協力感のある探索ACT。

■ 水戸黄門(1987/08/11|サンソフト)
── 時代劇ADV×ACT。印籠の演出が痛快。

■ エア・フォートレス(1987/08/17|HAL研究所)
── 縦STGと横ACTのハイブリッド構造。

■ 夢幻戦士ヴァリス(1987/08/21|徳間書店)
── 学生戦士が剣で戦う横スクACT。アニメ的演出が売り。

■ 光の戦士フォトン(1987/08/28|タカラ)
── アニメ原作のACT。ステージクリア型。

■ ファミリートレーナー6 マンハッタンポリス(1987/08/31|バンダイ)
── 走って跳んで捜査する体感アクション。

■ アラビアンドリーム シェラザード(1987/09/03|カルチャーブレーン)
── 中東風世界×時間移動のACTRPG。(正式名で表記)

■ ゾイド 中央大陸の戦い(1987/09/05|東芝EMI)
── メカIPを題材に、戦闘と探索を絡めたACT。

■ SWAT(1987/09/11|東映動画)
── 特殊部隊テーマの横スクACT。

■ デジタル・デビル物語 女神転生(1987/09/11|ナムコ)
── 『メガテン』初作。悪魔交渉と合体の原点。

■ スペランカーII 勇者への挑戦(1987/09/18|アイレム)
── 路線変更で探索RPG味が増した続編。

■ つっぱり大相撲(1987/09/18|テクモ)
── コマンド×タイミングの相撲アクション。

■ バイオ戦士DAN インクリーザーとの闘い(1987/09/22|ジャレコ)
── 近未来の横スクACT。パワー管理の駆け引き。

■ 井出洋介名人の実戦麻雀(1987/09/24|カプコン)
── 名人監修の本格麻雀。

■ スター・ゲイト(1987/09/24|HAL研究所)
── 『Defender II』系の横スクSTG移植。

■ キョンシーズ2(1987/09/25|タイトー)
── キョンシー題材の続編アクション。

■ 沙羅曼蛇(1987/09/25|コナミ)
── 縦横切替の名作STG移植。

—— ここから10月 ——

■ ミリピード(1987/10/01|HAL研究所)
── アタリ『Millipede』移植の固定画面STG。

■ 怪傑ヤンチャ丸(1987/10/02|アイレム)
── 俊敏な操作感が気持ちいい忍者横スクACT。

■ ドラゴンズレア(1987/10/09|セタ)
── LD原作をFC向けに再構築した高難度ACT。

■ ウルティマ 恐怖のエクソダス(1987/10/09|ポニーキャニオン)
── パーティ制/職業選択の本格RPG移植。

■ ブービーキッズ(1987/10/10|日本物産)
── 穴掘りと爆破で道を拓くパズルACT(AC『ホレホレ大作戦』移植)。

■ エスパー冒険隊 魔王の砦(1987/10/13|ジャレコ)
── 超能力キッズの横スクACT。

■ インドラの光(1987/10/20|ケムコ)
── おとぎ話感のあるコマンドRPG。

■ 覇邪の封印(1987/10/23|アスキー)
── 雰囲気重視の和製RPG。独自チューニングが光る。

■ ミネルバトンサーガ ラゴンの復活(1987/10/23|タイトー)
── 傭兵システムが特色のアクションRPG。

■ 桃太郎伝説(1987/10/26|ハドソン)
── 日本昔話テイストのコマンドRPG第1作。

■ 星をみるひと(1987/10/27|ホット・ビィ)
── サイキックRPG。難度と不親切設計で伝説化。

■ カラオケスタジオ トップヒット20 Vol.1(1987/10/28|バンダイ)
── 既存ヒット曲の歌唱用追加カートリッジ。

■ サイドポケット(1987/10/30|ナムコ)
── ビリヤードの定番。AC由来の手触り。

■ ジャウスト(1987/10/30|HAL研究所)
── 鳥に乗って槍で突く、クラシック対戦ACTの移植。

■ ロマンシア(1987/10/30|東京書籍〈トンキンハウス〉)
── 童話調ビジュアルと高難度で知られるACTADV。

—— ここから11月 ——

■ 宇宙船コスモキャリア(1987/11/06|ジャレコ)
── 宇宙戦をテーマにしたSTG寄りACT。

■ ルパン三世 パンドラの遺産(1987/11/06|ナムコ)
── 怪盗アクションを多彩な面構成で。

■ アルテリオス(1987/11/13|日本物産)
── ACTとRPGの要素を混ぜた異色作。

■ ファザナドゥ(1987/11/16|ハドソン)
── ファルコム派生の探索ACTRPG。街と迷宮の往復が中毒的。

■ マイクタイソン・パンチアウト!!(1987/11/21|任天堂)
── 目のクセを読む駆け引き重視のボクシングACT。

■ 時空勇伝デビアス(1987/11/27|ナムコ)
── 時空テーマのACTRPG。謎解き強め。

■ ファミリートレーナー7 ファミトレ大運動会(1987/11/27|バンダイ)
── 走る・跳ぶの体感ミニゲーム集。

—— ここから12月 ——

■ アウトランダース(1987/12/04|ビクターエンタテインメント)
── 漫画原作の横スクACT。

■ 上海(1987/12/04|サンソフト)
── 麻雀牌パズルの定番『上海』を家庭で。

■ スターウォーズ(1987/12/04|ナムコ)
── 映画題材の横スクACT(和製独自解釈が濃い)。

■ ドラゴンスクロール 甦りし魔竜(1987/12/04|コナミ)
── 三章構成の探索型ACTRPG。

■ ランボー(1987/12/04|パック・イン・ビデオ)
── 映画原作の横スクACT。矢とナイフで潜入戦。

■ JJ ~とびだせ大作戦パートII~(1987/12/07|スクウェア)
── 前作の高速3DランACTをカセットで再構築(3Dシステム対応)。

■ ゴルフ倶楽部 バーディ・ラッシュ(1987/12/09|データイースト)
── 起伏表現が楽しいゴルフシム。

■ 京都 龍の寺殺人事件(1987/12/11|タイトー)
── サスペンスADV。京都が舞台。

■ トップガン(1987/12/11|コナミ)
── 映画原作の空戦STG。空中給油が鬼門。

■ ファミリーテニス(1987/12/11|ナムコ)
── 対戦が白熱するスポーツACTの定番。

■ 鉄道王(1987/12/12|D-Bソフト)
── 路線運営で稼ぐボード系経営SLG。

■ 銀河の三人(1987/12/15|任天堂)
── 小説由来の和製RPG。独特の世界観が尖る。

■ エキサイティングボクシング(1987/12/16|コナミ)
── パンチンググローブ(光学)対応の体感ボクシング。

■ ロックマン(1987/12/17|カプコン)
── 武器入替と弱点攻略が快感の横スクACT初代。

■ カルノフ(1987/12/18|ナムコ)
── AC移植。火を吐く逞しい主人公のACT。

■ スティックハンター(1987/12/18|ケイ・アミューズメントリース)
── クセの強い操作感の横スクACT。

■ タイトーグランプリ 栄光へのライセンス(1987/12/18|タイトー)
── 資金とパーツで車を育てる擬似レースRPG。

■ ファイナルファンタジー(1987/12/18|スクウェア)
── 和製RPGの転換点。ジョブと成長の手応えが秀逸。

■ 目指せパチプロ パチ夫くん(1987/12/18|ココナッツジャパン)
── パチンコ題材の“打ち”シム。

■ ウィザードリィ 狂王の試練場(1987/12/22|アスキー)
── ダンジョンRPGの金字塔をFC向けに正式移植。

■ ゲゲゲの鬼太郎2 妖怪軍団の挑戦(1987/12/22|バンダイ)
── 妖怪退治の横スクACT第2弾。

■ プロ野球ファミリースタジアム ’87年度版!(1987/12/22|ナムコ)
── 選手データを刷新した年次版。

■ メタルギア(1987/12/22|コナミ)
── 潜入×資源管理の始祖的ACT。FC版は独自展開も話題。

■ マグナム危機一発(1987/12/25|東芝EMI)
── ハードボイルド風味のACTADV。

■ アタックアニマル学園(1987/12/26|ポニーキャニオン)
── 学園×STGの異色作。敵も演出もカオス。

■ スーパーマン(1987/12/26|KEMCO〈コトブキシステム〉)
── DC原作の多面体アクション。

■ ファミリートレーナー8 突撃!風雲たけし城(1987/12/28|バンダイ)
── 番組名物企画を体感ミニゲームで再現。

1987年の特徴と評価

1987年は、ファミコンが“成熟のフェーズへ一段上がった年”でした。
前年までに芽生えたジャンルが、設計の深さ・作りの丁寧さ・シリーズの起点という形で一気に結実します。
年末にかけてのリリース密度も高く、まさに“収穫期”という言葉が似合います。


RPGが「多様な正解」を持ち始めた

『ドラゴンクエストII』で仲間と船が加わり、旅のスケールが拡張。
年末には『ファイナルファンタジー』がジョブや成長の手応えを提示し、
『女神転生』は交渉・合体という“世界観ごと遊ぶ”RPGの文法を持ち込みました。
さらに『ウィザードリィ』『ウルティマ』など西洋RPGの移植が並び、
和製RPGは「コマンドで物語を追うだけ」から、ビルドや編成で自分の旅路を決める段階へ進みます。
『桃太郎伝説』のような和テイストの世界観が支持されたのも、この年ならではです。


アクションは“設計勝負”の時代へ

『ロックマン』は弱点武器×ステージ順という学習の快感を、
『月風魔伝』『ガリウスの迷宮』は探索×アクションの往復を、
『レインボーアイランド』『ファンタジーゾーン』は見た目の楽しさ×手触りの良さを前面に。
ただ難しい・速いだけではなく、手順を組んで攻略が開くデザインが主流になります。
同時に『たけしの挑戦状』『星をみるひと』『エルナークの財宝』のような実験的・尖った作りも話題を呼び、
「当たり外れも含めて語れる」ラインナップが年末まで途切れません。


シューティングは“覚えの快感”と“見せ場”が両立

『沙羅曼蛇』は縦横切替で展開に抑揚を付け、
『ヘクター’87』はキャラバン文化のスコア競技を加速。
『タイガーヘリ』『スターゲイト(Defender系)』『ミリピード』と、クラシックから最新アレンジまで幅広く、
「覚えて攻めきる」「魅せて撃ち抜く」両方の楽しみが家庭に定着しました。


周辺機器・体感・“家族の真ん中”が広がる

『カラオケスタジオ』で歌う遊び、ファミリートレーナー各作で走る・跳ぶ遊び
『エキサイティングボクシング』でパンチを振る遊びが本格化。
リビングで見て楽しい/参加して楽しいタイトルが増え、
“ゲーム=子ども向け”の殻をさらに破っていきます。


ライセンス作品の作りが洗練

『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』『ルパン三世』『ランボー』『スター・ウォーズ』……
題材先行で終わらず、遊びとしての骨格を整えるタイトルが目立ちます。
ファン層の広がりに合わせて、「原作らしい体験」をどう作るかという誠実さが感じられる年でした。


総評

1987年は、“量の多さ”がそのまま“質の層の厚さ”になった年
RPGの分岐、アクションの設計主導、STGの見せ場、体感・音ゲー的要素、そしてライセンスの成熟。
ここで生まれたシリーズの柱(例:ロックマン/FF/女神転生/桃太郎伝説)は、
以後の家庭用ゲーム文化を長く支えることになります。

1987年 ファミコン注目作ランキング

第1位:ドラゴンクエストII 悪霊の神々(エニックス/1987年1月26日)

3人パーティ、広がる海、連続するダンジョン。
“家庭用RPGが国民的娯楽になる”助走を一気に加速させた続編です。


第2位:リンクの冒険[ディスク](任天堂/1987年1月14日)

横スク主体+経験値という独自解釈で“ゼルダの型”を拡張。
手応えの強さも含め、探索アクションの地平を押し広げました。


第3位:ファイナルファンタジー(スクウェア/1987年12月18日)

“ジョブと物語”でRPGの楽しさをもう一段わかりやすく。
後の大河シリーズを生む誕生点として歴史的価値は絶大。


第4位:ロックマン(カプコン/1987年12月17日)

ボス順の“攻略ルート”を自分で決める快感。
武器相性のパズル性がアクションに戦略を与えました。


第5位:悪魔城ドラキュラII 呪いの封印[ディスク](コナミ/1987年8月28日)

昼夜・村・鍵探し——広がる世界を歩く“探索ドラキュラ”。
シリーズの多様性を決定づけた分岐点。


第6位:マイクタイソン・パンチアウト!!(任天堂/1987年11月21日)

“見る・読む・刻む”のリズムで相手を解く対戦格闘の原型。
家庭で磨く“パターン攻略”の楽しさがここに。


第7位:夢工場 ドキドキパニック[ディスク](任天堂/フジテレビ/1987年7月10日)

投げる・持つ・ふわり——触感重視の操作が新鮮。
のちの海外版『スーパーマリオUSA』のベースにもなった重要作。


第8位:ファザナドゥ(ハドソン/1987年11月16日)

横視点のARPGに“街・装備・謎解き”が密度高く同居。
家庭用ならではの冒険テンポを確立した一作です。


第9位:月風魔伝(コナミ/1987年7月7日)

和風ダークファンタジー×多層マップ。
横ACTに成長・収集の要素を融合させ、旅情と奥行きを両立。


第10位:メタルギア(コナミ/1987年12月22日)

“正面から戦わない”という選択肢を家庭に持ち込んだ先駆。
潜入と緊張の設計が後世のステルス像を形作りました。

1988年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ ファミリーサーキット(1988/01/06|ナムコ)
── セッティングとライン取りを味わうリアル寄りRCG。周回を重ねて速くなる実感。

■ 殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件(1988/01/07|HAL研究所)
── コマンド選択ADVの王道。テキスト量多めで推理の流れが素直。

■ コナミワイワイワールド(1988/01/14|コナミ)
── コナミオールスターの探索ACT。2人協力とキャラ個性で遊びが広がる。

■ スケバン刑事III(1988/01/22|東映動画)
── ドラマ題材の横スクACT。ヨーヨー攻撃とギミック処理が要。

■ リップルアイランド(1988/01/23|サンソフト)
── 優しい絵本調の分岐ADV。行動次第で多彩なエンディングへ。

■ ドナルドランド(1988/01/29|データイースト)
── マスコットACT。見た目に反して操作はやや硬派。

■ ジャンボ尾崎のホールインワン・プロフェッショナル(1988/02/01|HAL研究所)
── 見通しの良い表示で組み立てやすいゴルフ。打点のシビアさが手応え。

■ パリ・ダカール・ラリー・スペシャル(1988/02/01|CBS・ソニー)
── 砂漠を駆け抜ける擬似3D走行。コース把握と減速判断が肝。

■ 仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド(1988/02/03|バンダイ)
── すごろく進行+バトルのボードACT。昭和ライダー総出演の賑やかさ。

■ ガーディック外伝(1988/02/05|アイレム)
── 横スクSTG×探索のハイブリッド。武装の拾い替えが気持ちいい。

■ 魂斗羅(1988/02/09|コナミ)
── 2人同時プレイで真価を発揮。多方向射撃と演出が熱い。

■ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(1988/02/10|エニックス)
── 転職と自由編成でJRPGが一段深化。自分の物語を作る到達点。

■ カラオケスタジオ 専用カセット Vol.2(1988/02/18|バンダイ)
── 『カラオケスタジオ』用の追加ROM。家庭で“歌う遊び”を拡張。

■ 松本亨の株式必勝学(1988/02/18|イマジニア)
── 実用×シミュの先駆。基礎用語と売買の流れをゲームで学ぶ。

■ 探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件(1988/02/26|データイースト)
── ハードボイルドADV第2作。会話と移動のテンポが洗練。

■ 鉄腕アトム(1988/02/26|コナミ)
── 空中制御と多彩なアクションが魅力。慣れると小気味よい操作感。

■ ルーカスフィルム ボールブレイザー(1988/03/04|ポニーキャニオン)
── 1vs1の近未来スポーツ。読み合いと位置取りの駆け引きが白熱。

■ アルカノイドII リベンジオブドゥ(1988/03/08|タイトー)
── ブロック崩し続編。ギミック増で戦略と回収の妙が深まる。

■ プレデター(1988/03/10|パック・イン・ビデオ)
── 映画題材の横スクACT。理不尽さも含め雰囲気重視の作り。

■ 釣りキチ三平 ブルーマーリン編(1988/03/17|ビクター音楽産業)
── 食わせ〜やり取りの駆け引きが楽しい釣りACT。大物一本の重み。

■ ローリングサンダー(1988/03/17|ナムコ)
── 物陰を使う硬派ACT。リズム良く前進する手触りが快感。

■ ナポレオン戦記(1988/03/18|アイレム)
── 欧州戦史SLG。部隊配置と補給線の管理で勝敗が決まる。

■ 信長の野望・全国版(1988/03/18|光栄)
── 大名家運営の歴史SLG。内政と合戦のバランスが肝。

■ ファイティングゴルフ(1988/03/24|SNK)
── 風読みとタイミング重視。ショット成否が明快な競技感。

■ ゴルゴ13 第一章 神々の黄昏(1988/03/26|ビック東海)
── 多ジャンル混合のスパイACT。狙撃演出がしっかり光る。

■ オリュンポスの戦い 愛の伝説(1988/03/28|イマジニア)
── 神話モチーフの横スクACT。アクションの基礎に素直な難度。

■ 武田信玄(1988/03/28|ホット・ビィ)
── 合戦寄りの戦国SLG。奇襲や包囲のタイミングが勝負所。

■ 不動明王伝(1988/03/29|タイトー)
── 体力管理が厳しめの横スクACT。剣技の間合いを学べる。

■ フリートコマンダー(1988/03/29|アスキー)
── 海戦SLG。索敵・陣形・雷撃の三位一体で勝ち筋を作る。

■ ビー・バップ・ハイスクール 高校生極楽伝説(1988/03/30|データイースト)
── 原作のノリを活かしたADV。やり取りの軽さが持ち味。

■ 独眼竜政宗(1988/04/05|ナムコ)
── 伊達政宗を主役に据えた戦国SLG。攻め時の見極めが楽しい。

■ ジーキル博士の彷魔が刻(1988/04/08|東宝)
── 異色の横スクACT。理不尽だが考えるほどクセになる。

■ ダブルドラゴン(1988/04/08|テクノスジャパン)
── ベルトスクACTの金字塔。武器活用と掴みの駆け引きが熱い。

■ 燃えろ!!プロテニス(1988/04/15|ジャレコ)
── タイミング至上の硬派テニス。ダブルスの応酬も面白い。

■ 怒II(1988/04/16|ケイ・アミューズメントリース)
── 兵器と歩兵が入り交じる縦ACT。乗り物の使いどころが鍵。

■ エリュシオン(1988/04/28|トンキンハウス)
── 神話RPG。雰囲気重視の世界観と重ための手触り。

■ キャプテン翼(1988/04/28|テクモ)
── コマンド式サッカーの金字塔。演出と必殺シュートで魅せる。

■ 砂漠の狐(1988/04/28|ケムコ)
── 兵站と補給が勝敗を分ける北アフリカ戦SLG。渋い設計。

■ ディープダンジョンIII 勇士への旅(1988/05/13|スクウェア)
── 擬似3DダンジョンRPG。職業選択と成長の自由度が拡張。

■ 名探偵ホームズ 霧のロンドン殺人事件(1988/05/13|トーワチキ)
── 王道推理ADV。聞き込みと状況整理で解決へ。

■ 仮面の忍者 赤影(1988/05/20|東映動画)
── 和風横スクACT。忍術の使い分けと立ち回りが楽しい。

■ サラダの国のトマト姫(1988/05/27|ハドソン)
── コメディ調ADV。会話とギャグのテンポが軽快。

■ 将軍(1988/05/27|ヘクト)
── 内政と布陣をじっくり楽しむ戦国SLG。堅実派向け。

■ ナムコクラシック(1988/05/27|ナムコ)
── ゴルフゲーム。ショット演算が丁寧でスコアメイクが楽しい。

■ 忍者くん 阿修羅ノ章(1988/05/27|UPL)
── 軽快なアーケード譲りのACT。空中制御に独特のクセ。

■ 聖闘士星矢 黄金伝説 完結編(1988/05/30|バンダイ)
── 原作後半を追体験。アクション寄りの作りで見せ場が多い。

■ コスモポリス ギャリバン(1988/06/03|日本物産)
── 連射と火力管理が要の縦スクSTG。硬派な遊び味。

■ 超惑星戦記メタファイト(1988/06/17|サンソフト)
── 戦車×探索ACT。切り替えの妙とBGMで評価が高い。

■ 妖怪道中記(1988/06/24|ナムコ)
── 業で分岐する和テイストACT。地獄巡りの手触りがクセになる。

■ 真田十勇士(1988/06/27|ケムコ)
── 物語進行型SLG。仲間集めから合戦へとつなぐ流れが明快。

■ 究極ハリキリスタジアム(1988/06/28|タイトー)
── 試合展開の速さと打撃の爽快感が魅力の野球ACT。

■ ブラックオニキス(1988/07/14|BPS)
── 国産RPGの祖をFC向けに移植。迷宮探索と育成をシンプルに凝縮。

■ じゃりン子チエ ばくだん娘の幸せさがし(1988/07/15|コナミ)
── 原作コメディを日常系アクション+謎解きで再構成。

■ 伝説の騎士エルロンド(1988/07/15|ジャレコ)
── 横スクACT+RPG風の育成。独特の重さと硬派さが魅力。

■ ベストプレープロ野球(1988/07/15|アスキー)
── 監督采配に特化した名作シミュ。エディットの自由度が売り。

■ カイの冒険(1988/07/20|ナムコ)
── 『ドルアーガ』のカイ主役。短命だが密度の高い高難度ACT。

■ ヒットラーの復活 TOP SECRET(1988/07/20|カプコン)
── ロープで攀じる探索ACT。海外版『バイオニックコマンドー』の源流。

■ めぞん一刻 想いでのフォトグラフ(1988/07/21|ボーステック)
── 写真収集+ADV。原作の空気感重視のファン向け構成。

■ カケフ君のジャンプ天国 スピード地獄(1988/07/22|ビック東海)
── 俊敏操作と即死トラップの反復学習系ジャンプACT。

■ 熱血高校ドッジボール部(1988/07/26|テクノスジャパン)
── “投げ・受け・必殺”が熱いスポーツACT。対戦の面白さは別格。

■ グレートタンク(1988/07/29|SNK)
── 俯瞰視点の戦車戦ACT。武装切替で面を攻略する硬派路線。

■ 飛龍の拳II ドラゴンの翼(1988/07/29|カルチャーブレーン)
── RPG+コマンド格闘の折衷。成長と必殺の駆け引きが核。

■ スーパーリアルベースボール(1988/07/30|バップ)
── 演出重視の野球ACT。投打の駆け引きを派手に見せる志向。

■ 太陽の神殿(1988/08/03|トンキンハウス)
── MYST系の先祖味もある謎解きADV。静かに刺さる作風。

■ エッガーランド 迷宮の復活(1988/08/09|HAL研究所)
── 倒さず押して解く“倉庫系”パズルの名門。手触りは端正。

■ ザ・マネーゲーム(1988/08/10|ソフエル)
── 株売買で一攫千金を狙う経済SLG。イベント読みが醍醐味。

■ 闘将!!拉麺男 炸裂超人一〇二芸(1988/08/10|バンダイ)
── 原作芸当を技に落とした格闘ACT。クセの強い判定が持ち味。

■ 燃えろ!!プロ野球 ’88決定版(1988/08/10|ジャレコ)
── データ刷新の年度版。操作感はシリーズ準拠で遊びやすい。

■ 水戸黄門II 世界漫遊記(1988/08/11|サンソフト)
── 時代劇RPGの続編。勧善懲悪の旅とBGMの味わいが良い。

■ サッカーリーグ ウィナーズカップ(1988/08/12|データイースト)
── 直感重視のサッカーACT。シュート多彩で爽快寄り。

■ ドラゴンボール 大魔王復活(1988/08/12|バンダイ)
── 原作“ピッコロ大魔王編”をADV+ACTで追体験。

■ ファイナルラップ(1988/08/12|ナムコ)
── 疾走感重視のF1。ライン取りと速度管理が気持ちいい。

■ ファミコンウォーズ(1988/08/12|任天堂)
── ターン制戦術の金字塔。歩兵から戦車まで配置の妙を味わう。

■ マッド・シティ(1988/08/12|コナミ)
── 多彩なシーン切替のアクションADV。演出が今見ても豊か。

■ 不如帰(1988/08/19|アイレム)
── 戦国合戦SLG。陣形・兵種・士気の絡みを軽妙に再現。

■ スーパーピンボール(1988/08/23|ココナッツジャパン)
── 家庭用ならではの安定挙動でじっくり狙うピンボール。

■ イース(1988/08/26|ビクター音楽産業)
── ARPG名作の移植。BGMとテンポの良さは鉄板。

■ スーパーダイナミックバドミントン(1988/08/26|バップ)
── 打点とタイミング命のスポーツACT。対人で光る。

■ 三国志 中原の覇者(1988/08/29|ナムコ)
── コマンド式SLG。人材配置と兵站を簡潔に学べる入門編。

■ ファミコン名人戦(1988/09/02|SNK)
── 将棋系思考ゲーム。読みの深さを段位で可視化。

■ マニアックマンション(1988/09/13|ジャレコ)
── 伝説ADVのFC版。入れ替わる3人の行動が生む自由度。

■ コナミックスポーツ イン ソウル(1988/09/16|コナミ)
── “走る・溜める・決める”操作美で魅せる多競技アクション。

■ 霊幻道士(1988/09/16|ポニーキャニオン)
── キョンシー映画を軽快ACTに。お札と跳躍のリズム遊び。

■ 孔雀王(1988/09/21|ポニーキャニオン)
── 原作の陰陽世界を探索型ACTで表現。術と剣で切り拓く。

■ ドナルドダック(1988/09/22|ケムコ)
── ディズニー版権もの。軽い当たり判定で遊びやすいACT。

■ エイト・アイズ(1988/09/27|セタ)
── 二人連携(剣士+鷹)で攻略する探索ACT。雰囲気は渋い。

■ えりかとさとるの夢冒険(1988/09/27|ナムコ)
── メッセージ性あるADV。“通信”ギミックも話題に。

■ ナイトライダー(1988/09/30|パック・イン・ビデオ)
── 名車K.I.T.T.で疾走するドライブ&ガン。演出勝ち。

■ VIVA LASVEGAS(1988/09/30|エピック・ソニー)
── カジノ遊戯集。確率と引き際の読みが試される。

■ 大戦略(1988/10/11|ボーステック)
── パソゲー譲りの本格SLG。兵器相性と地形効果を簡潔に。

■ ザ・ブラックバス(1988/10/18|ホット・ビィ)
── 魚影・水深・ルアー選び…釣りの“待ちと読み”が核。

■ 源平討魔伝(1988/10/21|ナムコ)
── 和風アクションの金字塔。多層マップと雅な演出が光る。

■ コブラコマンド(1988/10/21|データイースト)
── 画面スクロールと銃座の破壊感が快いヘリACT。

■ スーパーマリオブラザーズ3(1988/10/23|任天堂)
── コース設計の極致。変身ギミックとワールド構成が圧巻。

■ アメリカ大統領選挙(1988/10/28|ヘクト)
── 選挙戦を体感する政略SLG。資金配分とイメージ戦略が要。

■ 三國志(1988/10/30|光栄)
── 名作歴史SLGの原点。人材登用と内政・戦争の循環が楽しい。

■ 東方見聞録(1988/11/10|ナツメ)
── マルコ・ポーロを題材にしたADV。旅路の邂逅を軽快に。

■ アメリカンフットボール(1988/11/11|KAC)
── プレイブック選択の駆け引きを学べる入門型スポーツ。

■ ぎゅわんぶらあ自己中心派(1988/11/11|アスミック)
── 竹書房系麻雀マンガ原作。打ち筋の個性を再現。

■ 西遊記ワールド(1988/11/11|ジャレコ)
── 横スクACT+成長要素。道具運用が攻略のカギ。

■ ファミリークイズ(1988/11/16|アテナ)
── バラエティ番組風の早押しクイズ。家族対戦で盛り上がる。

■ 貝獣物語(1988/11/18|ナムコ)
── 温かな世界観のRPG。仲間合体“合体魔法”がユニーク。

■ DEJAVU(1988/11/22|ケムコ)
── ハードボイルドADV。UIと探索テンポが洗練。

■ 燃えろ!!ジュニアバスケット(1988/11/22|ジャレコ)
── ルール簡素化でサクサク遊べるバスケACT。

■ たけしの戦国風雲児(1988/11/25|タイトー)
── 群雄割拠をネタにした異色SLG。イベント性高め。

■ ファミリーマージャンII 上海への道(1988/11/25|ナムコ)
── 初心者向けUIの麻雀続編。役作り練習に最適。

■ 中国占星術(1988/11/29|ジャレコ)
── 占い実用系。干支・五行などをゲーム化。

■ エイリアンシンドローム(1988/12/02|サンソフト)
── 俯瞰見下ろしの救出ACT。緊迫感と射撃が心地よい。

■ 突然!マッチョマン(1988/12/02|ビック東海)
── 不条理ギャグの横スクACT。難度は高め。

■ 半熟英雄(1988/12/02|スクウェア)
── “卵”から魔物を呼ぶSLG。ゆるギャグ×戦術の名バランス。

■ 桃太郎電鉄(1988/12/02|ハドソン)
── すごろく経済ボードの原点。“貧乏神”の恐怖と笑い。

■ キング・オブ・キングス(1988/12/09|ナムコ)
── ファンタジー小隊SLG。ターン制で読み合う王道。

■ ゴジラ(1988/12/09|東宝)
── 映画怪獣をコマンドSLGで。怪獣同士の激突が売り。

■ 中嶋悟のF-1HERO(1988/12/09|バリエ)
── 実在F1ドライバー名義のレースACT。コース攻略が熱い。

■ 忍者龍剣伝(1988/12/09|テクモ)
── シネマティック演出+鋭い操作感。横スクACTの到達点。

■ '89電脳九星占い(1988/12/10|インダクションプロデュース)
── 実用占い系。九星×干支で運勢を見る。

■ ファイティングロード(1988/12/13|東映動画)
── プロレスACT。技のつなぎと投げの駆け引きが肝。

■ かぐや姫伝説(1988/12/16|ビクター音楽産業)
── 竹取物語モチーフのADV。BGMと演出がロマン派。

■ キャプテンシルバー(1988/12/16|徳間書店)
── 海賊譚アクション移植。攻撃間合い管理が要。

■ 究極ハリキリスタジアム ’88選手 新データVer.(1988/12/16|タイトー)
── 最新名鑑化した年度版。守備の手触りも改良。

■ グラディウスII(1988/12/16|コナミ)
── 速攻で忙しい高密度STG。装備選択と復帰力が試される。

■ ザ・トライアスロン(1988/12/17|KAC)
── 水泳・自転車・ランを切替操作。スタミナ管理が命。

■ サイクルレース ロードマン(1988/12/17|東京書籍)
── チーム管理+長距離レース。風向きとドラフティングが鍵。

■ トップライダー(1988/12/17|バリエ)
── 付属ハンドル連動の体感バイクACT。アクセル直感。

■ ファイナルファンタジーII(1988/12/17|スクウェア)
── “熟練度式”で鍛えるRPG。物語性の強さも語り草。

■ ファミリートレーナー9 風雲たけし城 二(1988/12/20|バンダイ)
── マット型コントローラ対応の体感系。バラエティ番組風。

■ プロ野球ファミリースタジアム ’88年度版(1988/12/20|ナムコ)
── 定番野球の年度更新。軽快操作で対戦に最適。

■ ファンタジーゾーンII(1988/12/20|サンソフト)
── ループ構造の横STG。買い物と武装回しが楽しい。

■ ローラーボール(1988/12/20|HAL研究所)
── テーブルに凝ったギミック多めのピンボール。

■ 銀河英雄伝説(1988/12/21|ケムコ)
── 群像劇をコマンドSLGで再現。原作ファン向けの作り。

■ テトリス(1988/12/22|BPS)
── 言わずと知れた落ち物。回転入れと穴管理の基本を確立。

■ 燃えろ!!プロサッカー(1988/12/23|ジャレコ)
── 直感操作のサッカーACT。ゴール前の崩しが楽しい。

■ アキラ(1988/12/24|タイトー)
── 映画版権のADV。分岐多めで世界観の再現重視。

■ ロックマン2 Dr.ワイリーの謎(1988/12/24|カプコン)
── 8ボス選択と軽快操作、音楽が名曲揃いの金字塔。

■ エアーウルフ(1988/12/24|九娯貿易)
── テレビドラマ原作。ヘリ操作と救出ミッションが核。

■ 小公子セディ(1988/12/24|フジテレビ)
── 物語重視のADV。やさしいテンポで原作層に寄せる。

■ プロ野球?殺人事件!(1988/12/24|カプコン)
── “野球×ミステリ”のADV。ギャグと推理の温度差が持ち味。

■ ゲバラ(1988/12/26|SNK)
── 革命戦争を題材にした縦横切替ACT。硬派な手応え。

1988年の特徴と評価

1988年は、ファミコン市場が量・質ともに飽和へ近づいた年でした。
前年の1987年に芽生えた多様なジャンルが一気に花開き、ユーザーは「何を買うか選ぶのが大変」という贅沢な時代に突入します。
年間で120本以上が発売され、毎月のように話題作が登場しました。


RPGが「国民的娯楽」へ

最大のトピックは『ドラゴンクエストIII』の登場。
発売日には行列ができ、社会現象となるほどの大ヒットを記録しました。
「転職システム」や「自由なパーティ編成」は、以降のRPGに大きな影響を与えています。

さらに『ファミコンジャンプ 英雄列伝』が週刊少年ジャンプ創刊20周年企画として発売され、
人気キャラが一堂に会する内容はファンを熱狂させました。
『ディープダンジョンIII』『MOTHER発売直前の空気感』など、次世代を感じさせる布石も整います。


アクションは“個性化の時代”に

『コナミワイワイワールド』は、オールスター感謝祭のような豪華さで話題に。
『超惑星戦記メタファイト』は後の「ブラスターマスター」として海外で高評価を受けました。
また『ダブルドラゴン』『キャプテン翼』『聖闘士星矢 黄金伝説 完結編』など、
原作・アーケードからの移植と独自要素の融合がうまくいった例が増え、
ファミコンらしい“遊びやすくアレンジされた作品”が目立ちました。


ジャンルの幅が拡大

シミュレーションでは『信長の野望・全国版』『独眼竜政宗』など、
戦国武将を題材にした戦略SLGが充実。
スポーツゲームでは『燃えろ!!プロテニス』『ファミリーサーキット』など、
競技ごとの個性を強調した作品が増えています。

加えて『サラダの国のトマト姫』のように、コミカルADVや絵本調のソフトも登場し、
子どもから大人まで楽しめる裾野がさらに広がりました。


1988年は、「誰にでも遊べるファミコン」から「選んで遊ぶファミコン」への転換点
ドラクエIIIが頂点を極めた一方で、他のタイトルも個性を競い合い、
結果としてユーザーに多様な選択肢を提示した年でした。
1988年は“ファミコン文化が社会に根を張った年”といえるでしょう。

1988年 ファミコン注目作ランキング

第1位:ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(エニックス/1988年2月10日)

発売日には行列・社会現象がニュースとなった大作。
自由度の高い職業システムと壮大な物語で、RPGを“文化”へと押し上げた歴史的作品。


第2位:ファイナルファンタジーII(スクウェア/1988年12月17日)

「経験値」ではなく行動で成長する独自システムを採用。
ストーリー性も大幅強化され、後のFFシリーズの基盤を作った実験的続編。


第3位:悪魔城ドラキュラ(コナミ/1988年9月)

ディスク版からROMカセット化され、より広く普及。
硬派な横スクロールACTとして、ファミコン世代の“挑戦的アクション”の象徴。


第4位:ロックマン2 Dr.ワイリーの謎(カプコン/1988年12月24日)

完成度を一気に引き上げたシリーズの大黒柱。
多彩な武器、練られた難易度、名曲揃いのBGMで“理想的な続編”と称されました。


第5位:ファミスタ’88(ナムコ/1988年1月29日)

毎年恒例化した人気スポーツシリーズ。
プロ野球人気と相まって「今年の選手で遊びたい!」という需要を完全に満たした一作。


第6位:天地を喰らう(カプコン/1988年5月13日)

三国志漫画を題材にしたRPG。
原作の魅力を活かしつつ、戦略性ある戦闘で“歴史RPG”の可能性を広げました。


第7位:熱血硬派くにおくん(テクノスジャパン/1988年4月8日)

ケンカアクションの定番に。
乱闘の爽快感とユーモアあふれる表現で、後の「熱血シリーズ」の礎となりました。


第8位:銀河の三人(任天堂/1988年2月4日)

任天堂オリジナルRPG。
スペースオペラ調の世界観と斬新な表現で、任天堂のRPG挑戦の象徴的タイトル。


第9位:妖怪道中記(ナムコ/1988年2月26日)

アーケード発の和風アクション。
“徳”による分岐や独特のユーモアが異彩を放ち、隠れた名作として記憶されています。


第10位:未来神話ジャーヴァス(タイトー/1988年9月30日)

広大な世界を自由に旅する大作RPG。
当時は難解さで賛否両論でしたが、“自由度の高さ”を志向した野心的作品でした。


1988年は、RPGの黄金期の幕開け
『ドラクエIII』の社会現象、『FFII』の実験性、『天地を喰らう』の原作活用など、
RPGが“次の主役ジャンル”として定着しました。
同時に『ロックマン2』や『悪魔城ドラキュラ』といったアクション大作も登場し、
ファミコンがさらに成熟した時代を象徴する一年でした。

1989年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ がんばれゴエモン2(1989/01/04|コナミ)
── 和風ドタバタACT続編。相棒エビス丸との2人旅が賑やか。

■ スペースハリアー(1989/01/06|タカラ)
── 疾走感の疑似3Dシューティング。移植として遊びやすい調整。

■ 100万$キッド 幻の帝王編(1989/01/06|ソフエル)
── 少年投資家が主役の経済ADV。株と事件を軽快に繋ぐ。

■ 西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件(1989/01/20|アイレム)
── トラベルミステリADV。時刻表ロマンと推理をゲーム化。

■ 里見八犬伝(1989/01/20|SNK)
── 古典題材のRPG。玉と義を集める王道冒険。

■ 来来キョンシーズ ベビーキョンシーのあみだ大冒険(1989/01/26|バンダイ)
── ファミリートレーナー対応の体感ACT。跳んで避けて汗だく。

■ モトクロスチャンピオン(1989/01/27|コナミ)
── 起伏コースを攻めるレースACT。ジャンプ角と着地管理が肝。

■ 電撃ビッグバン!(1989/01/27|ビック東海)
── クイズ+早押しのバラエティ。駆け引きで差がつく。

■ ゾイド2 ゼネバスの逆襲(1989/01/27|東芝EMI)
── メカ玩具IPの戦術ACT。武装強化と拠点攻略が楽しい。

■ パチ夫くん2(1989/01/30|ココナッツジャパン)
── 実機風の挙動を詰めたパチンコ作。演出と攻略で長く遊べる。

■ POLE TO FINISH(1989/01/31|データイースト)
── F1風レース。ライン取りとピット戦略の軽SLG要素。


■ トム・ソーヤーの冒険(1989/02/06|セタ)
── 少年文学RPG。川下りや悪戯の空気感が心地よい。

■ ワギャンランド(1989/02/09|ナムコ)
── しりとり・神経衰弱がボス戦になる知育系ACTの名作。

■ 赤龍王(1989/02/10|サンソフト)
── 中国史マンガ原作のSLG要素ACT。人間ドラマ推し。

■ 山村美紗サスペンス 京都花の密室殺人事件(1989/02/11|タイトー)
── 旅情×本格推理ADV。京都観光の描写も濃い。

■ ファミコンジャンプ 英雄列伝(1989/02/15|バンダイ)
── ジャンプ20周年記念RPG。人気作の夢コラボ世界。

■ スペースシャドー(1989/02/15|バンダイ)
── 光線銃対応のガンシューティング。照準合わせの爽快感。

■ ハイドライド3 闇からの訪問者(1989/02/17|ナムコ)
── PC発のARPG移植。世界設定と成長の自由度が特徴。

■ 飛ingヒーロー(1989/02/17|エピックソニー)
── ふわっと浮遊する独特の空中ACT。慣れると病みつき。

■ ウィザードリィII リルガミンの遺産(1989/02/21|アスキー)
── 迷宮探索RPGの古典。隊列と魔法運用の緊張感。

■ 百鬼夜行(1989/02/22|ユース)
── 妖怪題材のRPG。和テイストの成長と収集が楽しい。

■ がんばれペナントレース!(1989/02/28|コナミ)
── 打球感と守備が軽快な野球ACT。対戦向きの手触り。


■ 早打ちスーパー囲碁(1989/03/03|ナムコ)
── 早指し形式で気軽に打てる囲碁ソフト。定石学習にも。

■ 魁!!男塾 疾風一号生(1989/03/03|バンダイ)
── 破天荒学園マンガのACT。豪快ギミックで原作再現。

■ 爆笑!!人生劇場(1989/03/17|タイトー)
── すごろく人生ゲーム。イベント多彩で盛り上がる定番。

■ ジーザス 恐怖のバイオモンスター(1989/03/17|キングレコード)
── SFサスペンスADV。宇宙船内の緊張感と演出が売り。

■ ファミリーピンボール(1989/03/24|ナムコ)
── テーマ異なる複数台を収録。狙い撃ちが気持ち良い。

■ 暗黒神話(1989/03/24|東京書籍)
── 手塚治虫原作ADV。神話の重厚さを分岐で味わう。

■ じゃじゃ丸忍法帳(1989/03/28|ジャレコ)
── じゃじゃ丸がRPGに挑戦。懐かしい和風世界を冒険。

■ アフターバーナー(1989/03/30|サンソフト)
── 体感系SHOOTを家庭向けに最適化。連射の爽快感。

■ オペレーションウルフ(1989/03/31|タイトー)
── ガンシューティングの名作移植。光線銃対応で没入感。

■ シャドウゲイト(1989/03/31|コトブキシステム)
── 洋物コマンドADV。死にゲー的仕掛けの連続が魅力。

■ ホームランナイター ペナントリーグ(1989/03/31|データイースト)
── シーズン運営も楽しめる野球ACT。長丁場が熱い。

■ 松本亨の株式必勝学II(1989/03/31|イマジニア)
── 監修系の株シミュ教材。用語と実践をゲームで学ぶ。


■ ガーフィールドの一週間(1989/04/07|トーワチキ)
── コミック原作のACT。猫らしい“もっさり”が味。

■ ドラゴンスピリット 新たなる伝説(1989/04/14|ナムコ)
── 竜で戦う縦STG。FC版独自の難度とストーリー。

■ マインドシーカー(1989/04/18|ナムコ)
── 超能力テーマのADV/RPG。独特の実験精神が光る。

■ 蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン(1989/04/20|光栄)
── 大陸制覇SLG。外交と後継者育成が奥深い。

■ デビルマン(1989/04/25|ナムコ)
── 原作の退廃美をACTで再解釈。変身演出が見どころ。

■ ダウンタウン熱血物語(1989/04/25|テクノスジャパン)
── 不良青春ベルトスク。“ショップ育成×ケンカ”の快感。

■ ドラゴンバスターII 闇の封印(1989/04/27|ナムコ)
── 探索ACT続編。分岐ルートとボス戦の駆け引き。

■ HOLY DIVER(1989/04/28|アイレム)
── メタル世界観の高難度ACT。魔法連携の手応えが硬派。

■ KEIBA simulation 本命(1989/04/28|日本物産)
── 予想と配合を学べる競馬SLG。数字が語るロマン。


■ 名探偵ホームズ Mからの挑戦状(1989/05/01|トーワチキ)
── 粗筋追体験の推理ADV。聞き込みと推論で詰める。

■ 株式道場(1989/05/02|ヘクト)
── 事例で学ぶ投資SLG。資金配分の勘所を体感。

■ 激亀忍者伝(1989/05/12|コナミ)
── TMNT横スクACT。武器持ち替えで攻略の幅。

■ 天地を喰らう(1989/05/19|カプコン)
── 横スクACT版の三国志。掴みと投げが爽快。

■ ベースボールスター めざせ三冠王(1989/05/19|SNK)
── 成績重視の野球ACT。打点・本塁打を狙う快感。

■ スーパーチャイニーズ2 ドラゴンキッド(1989/05/26|カルチャーブレーン)
── アクションRPG路線の快作。やり込み軽めで周回向き。

■ 帰って来た!軍人将棋 なんやそれ?(1989/05/26|ソフエル)
── トラップも楽しい軍人将棋。読み合い重視のボードSLG。


■ 1943(1989/06/20|カプコン)
── 名作縦STGの家庭版。連射とパワーアップの切替が鍵。

■ ラサール石井のチャイルズクエスト(1989/06/23|ナムコ)
── 芸能事務所経営RPG。ネタと育成の緩急がクセになる。

■ SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記(1989/06/25|バンダイ)
── 戦術SLG×ACT戦の二段構え。対戦もアツい名作。

■ クインティ(1989/06/27|ナムコ)
── 敵を“つかんで投げる”ひらめきACT。短時間で濃密。

■ マーダークラブ JBハロルドの事件簿(1989/06/30|セタ)
── ハードボイルドADV。証言の継ぎ合わせが快感。

■ 脱獄(1989/06/30|KAC)
── 牢屋からの脱出ACT。巡回パターン読みが肝要。

■ ケルナグール(1989/07/21|ナムコ)
── 中国拳法を題材にしたアクションRPG風アドベンチャー。

■ 究極ハリキリスタジアム 平成元年版(1989/07/21|タイトー)
── データ更新版の野球ゲーム。

■ 美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負(1989/07/25|バンダイ)
── 漫画原作の料理対決アドベンチャー。

■ パーフェクトボウリング(1989/07/25|トンキンハウス)
── 家庭で本格ボウリングを遊べるスポーツ作。

■ MOTHER(1989/07/27|任天堂)
── 糸井重里プロデュースの“現代RPG”。

■ 新・燃えろ!!プロ野球(1989/07/27|ジャレコ)
── 表現一新の野球作リブート。

■ ファミスタ’89 開幕版!!(1989/07/28|ナムコ)
── 人気野球シリーズ第4作。

■ スプラッターハウス わんぱくグラフィティ(1989/07/31|ナムコ)
── デフォルメ調に再構築したアクション。

■ 究極タイガー(1989/08/04|CBS・ソニー)
── アーケード『Twin Cobra』移植の縦STG。

■ コズミックウォーズ(1989/08/04|コナミ)
── 『グラディウス』世界観の銀河戦略SLG。

■ 燃える!お兄さん(1989/08/08|東宝)
── 漫画原作のコミカルアクション。

■ 名門!第三野球部(1989/08/08|バンダイ)
── 野球漫画原作のスポーツ作。

■ ムーランルージュ戦記 メルヴィルの炎(1989/08/11|学研)
── 架空戦記テイストの戦略SLG。

■ 武田信玄2(1989/08/21|ホット・ビィ)
── 戦国シミュレーション第2弾。

■ ROBOCOP(1989/08/25|データイースト)
── 映画原作の横スクアクション。

■ レーサーミニ四駆 ジャパンカップ(1989/08/25|コナミ)
── ミニ四駆を題材にしたレース。

■ Captain ED(1989/08/25|CBS・ソニー)
── ステージクリア型の縦スクSTG。

■ 激闘プロレス!!闘魂伝説(1989/09/01|テクモ)
── 派手な技が楽しいプロレス。

■ アイドル八犬伝(1989/09/14|トーワチキ)
── コメディ路線のアドベンチャー。

■ 谷川浩司の将棋指南III(1989/09/14|ポニーキャニオン)
── 三冠王者監修の将棋シリーズ第3弾。

■ マルサの女(1989/09/19|カプコン)
── 映画原作の捜査アドベンチャー。

■ ウルティマ 聖者への道(1989/09/20|ポニーキャニオン/FCI)
── PC名作RPG『Ultima IV』移植。

■ 中華大仙(1989/09/22|タイトー)
── 横スクロールシューティング。

■ アメリカンドリーム(1989/09/23|ココナッツジャパン)
── パチ夫くん主体のスロット系ゲーム。

■ 悪魔の招待状(1989/09/29|ケムコ)
── Mac発のホラーADV『Uninvited』移植。

■ サンダーバード(1989/09/29|パック・イン・ビデオ)
── 名作特撮を題材にしたSTG。

■ 落っことしパズル とんじゃん!?(1989/09/29|ジャレコ)
── 麻雀牌モチーフの落ち物パズル。

■ ツインビー3 ポコポコ大魔王(1989/09/29|コナミ)
── かわいい系STG第3作。

■ マハラジャ(1989/09/29|サンソフト)
── インド神話モチーフのRPG。

■ 明治維新(1989/09/29|ユース)
── 坂本龍馬が主人公の歴史SLG。

■ 甲子園(1989/10/06|KAC)
── 高校野球を題材にした野球ゲーム。

■ ワールドスーパーテニス(1989/10/13|アスミック)
── 4人対戦対応のテニス。

■ ヴイナス戦記(1989/10/14|バリエ)
── 劇場アニメ原作のアクション。

■ 北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝(1989/10/19|東映動画)
── RPG寄りの『北斗』第3作。

■ 超人ウルトラベースボール(1989/10/27|カルチャーブレーン)
── 派手な必殺が魅力の野球。

■ ソフトボール天国(1989/10/27|トンキンハウス)
── 妖怪や動物も登場するソフトボール。

■ ドラゴンボール3 悟空伝(1989/10/27|バンダイ)
── カードバトル要素のRPG。

■ 田代まさしのプリンセスがいっぱい(1989/10/27|エピック・ソニー)
── タレント起用のADV。

■ メジャーリーグ(1989/10/27|アイレム)
── 映画『Major League』のゲーム化。

■ 麻雀大会(1989/10/31|光栄)
── シリーズ第1弾の本格麻雀。

■ ダンジョン&マジック(1989/11/10|ナツメ)
── 一人称視点で探索するRPG。

■ V’BALL(1989/11/10|テクノスジャパン)
── 2on2のビーチバレー。

■ 忍者COP サイゾウ(1989/11/17|九娯貿易)
── 海外名『Wrath of the Black Manta』の忍者ACT。

■ 御存知 弥次喜多珍道中(1989/11/17|HAL研究所)
── 時代劇風味の横スクロールADV。

■ コズミックイプシロン(1989/11/24|アスミック)
── 擬似3DのSFシューティング(3Dシステム対応)。

■ 寺尾のどすこい大相撲(1989/11/24|ジャレコ)
── 力士・寺尾関タイアップの相撲。

■ ベガスコネクション カジノから愛をこめて(1989/11/24|シグマ商事)
── カジノ+ADV風シミュレーション。

■ ゴルフッ子オープン(1989/11/25|タイトー)
── タイトーキャラが集合するゴルフ。

■ 激突四駆バトル(1989/11/27|アイレム)
── ミニ四駆レース。

■ スクウェアのトム・ソーヤ(1989/11/30|スクウェア)
── マーク・トウェイン原着想のRPG。

■ ホステージ(1989/12/01|ケムコ)
── テロ鎮圧を描くタクティカルACT。

■ コンフリクト(1989/12/01|ビック東海)
── 近代戦シミュレーション。

■ 名門!多古西応援団(1989/12/01|アスミック)
── 学園ものシミュレーションRPG。

■ 道(TAO)(1989/12/01|バップ)
── 和風テイストのアクションADV。

■ 未来戦史ライオス(1989/12/01|パック・イン・ビデオ)
── SFシミュレーションRPG。

■ おそ松くん バック・トゥ・ザ・ミーの出っ歯の巻(1989/12/08|バンダイ)
── アニメ版準拠のアクション。

■ スーパーもぐらたたき!! ぽっくんモグラー(1989/12/08|アイジーエス)
── 専用マット対応のもぐらたたき。

■ 星霊狩り(1989/12/08|ハドソン)
── ミステリー風アドベンチャー。

■ タイトー チェイスH.Q.(1989/12/08|タイトー)
── 体当たり追跡が爽快なレースACT。

■ 新・里見八犬伝 光と闇の戦い(1989/12/08|東映動画)
── 小説題材の和風RPG。

■ スーパースタープロレスリング(1989/12/09|ポニーキャニオン)
── 海外団体タイアップのプロレス。

■ トップガン2 デュアルファイターズ(1989/12/15|コナミ)
── 戦闘機シューティング続編。

■ アバドックス(1989/12/15|ナツメ)
── “体内”が舞台のグロテスクSTG。

■ ピンボールクエスト(1989/12/15|ジャレコ)
── RPG×ピンボールの融合作。

■ 激闘スタジアム!!(1989/12/15|テクモ)
── 海外名『Bad News Baseball』の野球。

■ かってにシロクマ もりをすくえのまき(1989/12/15|CBS・ソニー)
── 漫画原作のアクション。

■ 神仙伝(1989/12/15|アイレム)
── 中華幻想アクション。

■ スウィートホーム(1989/12/15|カプコン)
── 和製サバイバルホラーの原点的ADV。

■ ファミコン野球盤(1989/12/15|エポック社)
── 玩具コラボの野球ゲーム。

■ フリップル(1989/12/15|タイトー)
── 反射消し系のパズル。

■ I LOVE ソフトボール(1989/12/19|ココナッツジャパン)
── ソフトボール特化のスポーツ。

■ エモやんの10倍プロ野球(1989/12/19|ヘクト)
── 江本孟紀監修の野球。

■ クォーターバックスクランブル(1989/12/19|ポニーキャニオン)
── アメフトアクション(海外版はマイク・ディトカ名義)。

■ ファミスタ’90(1989/12/19|ナムコ)
── シリーズ第5弾。

■ ザ・マネーゲームII 兜町の奇跡(1989/12/20|ソフエル)
── 株式投資シミュレーション続編。

■ ザ・ロード・オブ・キング(1989/12/21|ジャレコ)
── 剣と魔法の横スクアクション。

■ ダブルドラゴンII ザ・リベンジ(1989/12/22|テクノスジャパン)
── 二人同時プレイ対応の痛快ベルトスクロール。

■ バットマン(1989/12/22|サンソフト)
── 映画題材、硬派なアクション。

■ 悪魔城伝説(1989/12/22|コナミ)
── 名作アクションの第3作。

■ TM NETWORK LIVE IN POWER BOWL(1989/12/22|CBS・ソニー)
── 実在バンド題材のADV。

■ マッピーキッズ(1989/12/22|ナムコ)
── 『マッピー』続編のACT。

■ 中国雀士ストーリー 東風(1989/12/23|ナツメ)
── 対局型の麻雀ゲーム。

■ ヘラクレスの栄光II タイタンの滅亡(1989/12/23|データイースト)
── 神話RPG第2弾。

■ スーパーラグビー(1989/12/27|T.S.S.)
── ラグビーを題材にしたスポーツ。

1989年の特徴と評価

1989年のファミコンは、ひと言でいえば「成熟と分岐」の年でした。
大ヒット級の新機軸が毎月のように生まれるわけではないけれど、
遊びの質は確実に上がり、
“次の時代”への橋渡しになるタイトルが揃います。


物語が前に出てくる──“読む”“感じる”RPG/ADVの手応え

MOTHER』は日常の風景や会話の手ざわりを、ゲームの面白さに変えて見せました。
「魔王を倒す」だけではない、じわっと胸に残る冒険
同じ流れで、アドベンチャーもより“読み応え”を増します。
(※ディスク勢は縮小期に入りつつも、物語重視の作品が最後の輝きを放つ時期です)


“ホラー/サバイバル”の原型──後年ホラーへ続く伏線

年末の『スウィートホーム』は、限られたリソースの中で
“資源管理・分断・恐怖の演出”を巧みに設計。
のちのサバイバルホラーに直結する
設計思想の原型を、ファミコンでやってのけました。


キャラゲーの底上げ──“わいわい遊べる”に説得力

『ダウンタウン熱血物語』は殴る・買う・育てるが1本にまとまり、
当時のベルトスクロール
に“寄り道の楽しさ”を与えました。
『激亀忍者伝(TMNT)』も、アニメ原作×手応えのあるアクションで
「キャラクターもの=低品質」の固定観念を崩す側に回ります。
『がんばれゴエモン2』は旅情とユーモアのバランスがさらに向上。
“みんなで遊ぶ価値”が、ちゃんと作りで担保されているのが89年です。


技術と演出の“締め上げ”──末期だからこそ見える美しさ

サンソフト『バットマン』の重厚なBGMやドット表現、
多重スクロールや演出カットの工夫は、
「ファミコンでもここまでできる」を静かに証明しました。
大容量カセットやマッパーの活用で、画と音とテンポが総合的に洗練されます。


市場の空気──主役交代の予兆と、携帯機シフト

1989年はゲームボーイの誕生で「短時間×手軽」需要が携帯機へ。
一方、16ビット(PCエンジン/メガドライブ)側は派手さで存在感を高め、
ファミコンは“家庭で長く遊べる密度”で応戦する形に。
結果として、89年のラインナップは
“深み”と“手触り”で勝負する傾向が強まります。


1989年は、名作の雨が降り続く年ではありません。
でも、次の10年へつながる種が、同時多発的に芽吹いた年です。

  • 物語の熱量(『MOTHER』)
  • サバイバル設計(『スウィートホーム』)
  • 生活感のあるアクションRPG的手触り(『ダウンタウン熱血物語』)
  • キャラゲーの品質向上(『激亀忍者伝』『がんばれゴエモン2』)
  • 技術演出の成熟(『バットマン』)

“末期だから抑えめ”ではなく、末期だからこそ研ぎ澄まされた
そんな手応えを残して、ファミコンは90年代へバトンを渡していきます。

1989年 ファミコン注目作ランキング(TOP10)

1位:MOTHER(任天堂)

糸井重里が手がけた“心に残るRPG”。
魔王討伐ではなく、日常や人間関係をモチーフにした物語は、従来のRPG像を大きく変えました。


2位:スウィートホーム(カプコン)

ホラー映画原作をベースにしたアドベンチャーRPG。
アイテム管理や恐怖演出など、のちの『バイオハザード』に直結する仕組みが多数盛り込まれています。


3位:ダウンタウン熱血物語(テクノスジャパン)

喧嘩アクションに買い物や育成を融合。
「くにおくん」シリーズの人気を決定づけ、ベルトスクロールの新しい形を作り上げました。


4位:激亀忍者伝(コナミ)

アニメ「忍者タートルズ」原作のアクションゲーム。
難度は高めながら、原作ファンを納得させる作り込みと世界観再現で評価を得ました。


5位:バットマン(サンソフト)

映画版を基にしたアクション。
重厚なBGMとグラフィック表現は、ファミコン後期を象徴する技術力の結晶といえます。


6位:がんばれゴエモン2(コナミ)

旅情とユーモアを兼ね備えた人気シリーズ第2弾。
多彩なステージや隠し要素で遊びごたえが増し、ファンの定番作品に。


7位:ファイアーエムブレム外伝(任天堂)

RPG要素を大きく取り入れたシミュレーション。
自由度の高い育成システムが後のシリーズ展開に影響を与えました。


8位:ファイナルファンタジーII(スクウェア)

独自の熟練度システムを採用し、成長の自由度を広げた意欲作。
ストーリー重視の方向性がより明確になり、後のシリーズの基盤を作りました。


9位:天地を喰らう(カプコン)

横山光輝の漫画を原作にしたRPG。
三国志の世界を冒険できる斬新さと、遊びやすい設計で人気を集めました。


10位:SDガンダム ガチャポン戦士2 カプセル戦記(バンダイ)

戦略性と収集要素を備えた人気シリーズ。
対戦性も高く、ガンダムゲームの中でも特に評価の高い一本です。


1989年は、物語性・恐怖・生活感・技術力といった多様な方向性で、
ファミコンの可能性を極限まで押し広げた年でした。

次世代機が台頭し始める中でも、
ファミコンが「まだまだやれる」と強く印象づけた、重要な1年だったといえます。

1990年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル(1990/01/05|コナミ)
── RPG仕立てで旅情たっぷりの“ゴエモン”。

■ アドベンチャーズ オブ ロロ(1990/01/06|HAL研究所)
── 押す・閉じる・撃つの手順読みが気持ちいい定番パズル。

■ 囲碁名鑑(1990/01/10|青木書店)
── 手筋と布石を基礎から学べる入門〜初級向け。

■ わんぱくダック夢冒険 DUCK TALES(1990/01/26|カプコン)
── バネジャンプで探索が弾む、テンポ良好のACT。


■ SUPER魂斗羅(1990/02/02|コナミ)
── 多視点ステージで見せる続編。2人同時の疾走感。

■ キャデラック(1990/02/02|ヘクト)
── サイコロを絡めた読み合いが効く落ちものパズル。

■ 信長の野望・戦国群雄伝(1990/02/03|光栄)
── 合戦と内政の両輪。家臣運用と外交が勝負所。

■ もっともあぶない刑事(1990/02/06|東映動画)
── 聞き込みと推理で進めるバディADV。

■ ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(1990/02/11|エニックス)
── 章立て構成とAI“作戦”が光るシリーズの節目作。

■ 人間兵器 デッドフォックス(1990/02/23|カプコン)
── 張り付き撃ち&武器切替で潜入気分のACT。

■ アークティック(1990/02/23|ポニーキャニオン)
── 索敵と資源配分が肝の潜水艦シミュレーション。

■ キテレツ大百科(1990/02/23|エポック社)
── ひみつ道具で道を切り開くADV風ACT。

■ 悪魔くん 魔界の罠(1990/02/24|バンダイ)
── 召喚術と探索が噛み合う横スクアクション。

■ ドラゴンユニット(1990/02/27|アテナ)
── 突進と滞空を活かすアーケード寄りACT。


■ ヘビーバレル(1990/03/02|データイースト)
── 全方位撃ちの爽快ガンアクション。

■ 西村京太郎ミステリー スーパーエクスプレス殺人事件(1990/03/02|アイレム)
── 時刻表トリックが楽しい旅情ADV。

■ プレジデントの選択(1990/03/02|ホット・ビィ)
── 人事と資金繰りで会社を伸ばす経営SLG。

■ ウィザードリィIII ダイヤモンドの騎士(1990/03/09|アスキー)
── 隊列管理と資源配分が骨太の3DダンジョンRPG。

■ ドンドコドン(1990/03/09|タイトー)
── 2人協力が盛り上がる固定画面ACT。

■ モアイくん(1990/03/09|コナミ)
── 投げ入れで道を作る思考派アクション。

■ イメージファイト(1990/03/16|アイレム)
── 厳しめ調整と科目試験がクセになる縦STG。

■ 仮面の忍者 花丸(1990/03/16|カプコン)
── 和のギミックが楽しい横スクACT。

■ 怒III(1990/03/16|ケイ・アミューズメントリース)
── 兵器を拾い換える豪快ラン&ガン。

■ 井崎脩五郎の競馬必勝学(1990/03/20|イマジニア)
── 予想理論をゲームで学ぶ競馬SLG。

■ バルダーダッシュ(1990/03/23|データイースト)
── 掘る・落とすのループで魅せるPC発パズルACT。

■ サンサーラ・ナーガ(1990/03/23|ビクター音楽産業)
── 竜を育てる独特の手触り。JRPGの異色作。

■ 魔神英雄伝ワタル外伝(1990/03/23|ハドソン)
── コメディタッチのRPG番外編。

■ 魍魎戦記MADARA(1990/03/30|コナミ)
── 和×サイバー演出が映えるRPG。

■ パワーサッカー(1990/03/30|徳間書店)
── 素直な操作感のサッカーACT。

■ ベストプレープロ野球II(1990/03/30|アスキー)
── 采配が数値で返る名作野球SLGの進化版。


■ 忍者龍剣伝II 暗黒の邪神剣(1990/04/06|テクモ)
── 残像アタックで攻めが広がる高速ACT。

■ デジタルデビル物語 女神転生II(1990/04/06|ナムコ)
── 合体・会話が洗練された重厚RPG。

■ ディープダンジョンIV 黒の妖術師(1990/04/06|アスミック)
── 最終作。地図作りと資源管理が骨太。

■ ウルトラマン倶楽部2 帰ってきたウルトラマン倶楽部(1990/04/07|バンダイ)
── コメディ路線のRPG続編。

■ ゴッド・スレイヤー はるか天空のソナタ(1990/04/13|SNK)
── 俯瞰ARPGの硬派派生。装備と成長の噛み合いが心地よい。

■ クォース(1990/04/13|コナミ)
── “撃って消す”直感操作の反射消しパズル。

■ ガンヘッド 新たなる戦い(1990/04/13|バリエ)
── 映画モチーフのウォーSLG寄りACT。

■ パワーブレイザー(1990/04/20|タイトー)
── スライディングが光る硬派ACT。

■ SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所(1990/04/20|バンプレスト)
── ヒーロー入り乱れる異種格闘相撲。

■ 黒鉄ヒロシの予想大好き! 勝馬伝説(1990/04/20|日本物産)
── 競馬予想をテーマにしたSLG。語り口もコミカル。

■ ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣(1990/04/20|任天堂)
── “死んだら戻らない”緊張感のSRPG原点。

■ ファイナルファンタジーIII(1990/04/27|スクウェア)
── ジョブ自由度と召喚導入でシリーズ転換点。

■ 影狼伝説(1990/05/11|ピクセル)
── 横視点の剣アクション。手触りは硬派寄りで、クセのある当たり判定が特徴。

■ キャッスルクエスト(1990/05/18|ハドソン)
── 将棋×ファンタジーのボードSLG。駒ごとに能力があり、戦闘はトランプ判定という独自色。

■ 熱血高校ドッジボール部 サッカー編(1990/05/18|テクノスジャパン)
── くにおくん流サッカー。必殺シュートが飛び交う、乱戦上等のスポーツACT。

■ イースII(1990/05/25|ビクター音楽産業)
── バンプ攻撃のARPG移植。軽快な進行と名曲の数々でファン向けに手堅い作り。

■ 馬券必勝学 ゲートイン(1990/05/25|ケイアミューズメントリース)
── 予想シミュレーション要素が濃い競馬SLG。データ重視の遊び方が合う人向け。

■ じゃじゃ丸撃魔伝 幻の金魔城(1990/05/29|ジャレコ)
── 俯瞰型のアクションRPG。術や忍具で道を切り開く、シリーズ挑戦作。

■ チップとデールの大作戦(1990/06/08|カプコン)
── 箱を持ち投げて進むアクション。2人協力のテンポ感が秀逸。

■ ダッシュ野郎(1990/06/15|ビスコ)
── 見下ろし視点のレースACT。慣れるまでは操作にコツがいる硬派な走り味。

■ バトルフリート(1990/06/22|ナムコ)
── 艦隊同士の海戦SLG。索敵・射程の読み合いが肝になる設計。

■ ファイナルミッション(1990/06/22|ナツメ)
── 斜めスクロールの硬派STG。武器切替と魂斗羅系のパワー感が魅力。

■ 水滸伝・天命の誓い(1990/06/25|光栄)
── 108星の人材を集める歴史SLG。人材運用と戦術に比重。

■ 燃えろ!!柔道WARRIORS(1990/06/29|ジャレコ)
── コマンド投げが決まると快感の柔道対戦。間合い管理が勝敗を分ける。

■ 迷宮島(1990/06/29|アイレム)
── 氷を押し出して道を作る固定画面パズルACT。ひらめき系でサクサク進む良作。

■ 飛龍の拳III 五人の龍戦士(1990/07/06|カルチャーブレーン)
── RPG+格闘の折衷。成長と必殺の読み合いがシリーズ色。

■ ハットリス(1990/07/06|BPS)
── 帽子を重ねる落ちものパズル。法則が分かると一気に面白さが開く。

■ パラメデス(1990/07/06|ホット・ビィ)
── ダイス目で揃える対戦パズル。攻守の切替が忙しいスピード型。

■ SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団(1990/07/07|バンプレスト)
── SD特撮ヒーローが集結するACT。原作ネタの再現とお祭り感が売り。

■ Wit’s(1990/07/13|アテナ)
── 尻尾を切り合う陣取り系ACT。対人で化けるタイプのルール。

■ ブライファイター(1990/07/20|タイトー)
── 多方向ショットの硬派STG。武器運用の奥行きでじわじわハマる。

■ 獣王記(1990/07/20|アスミック)
── 変身がウリの横スクロールACT移植。独特の重さは好みが分かれる。

■ マージャンGメン ニチブツマージャンIII(1990/07/20|ニチブツ)
── CPU戦中心の麻雀。打ち筋は素直で遊びやすい。

■ キャプテン翼II スーパーストライカー(1990/07/20|テクモ)
── コマンド式サッカーADV。原作再現の名シナリオと演出でシリーズ到達点。

■ ソルスティス 三次元迷宮の狂獣(1990/07/20|EPIC・ソニー)
── 斜め見下ろしの高難度パズルACT。空間把握が求められる硬派設計。

■ THEペナントリーグ ホームランナイター’90(1990/07/24|データイースト)
── 架空球団で遊べる野球ACT。派手さより安定感重視の作り。

■ ドクターマリオ(1990/07/27|任天堂)
── カプセルでウイルスを消す落ちもの。単純明快、対戦で真価。

■ 燃えプロ!’90 感動編(1990/07/27|ジャレコ)
── 人気野球ACTの年度版。守備・打撃のバランスに調整が入った。

■ ビックリマンワールド 激闘聖戦士(1990/07/27|ハドソン)
── シール文化をゲーム化したRPG。コレクション欲を刺激する構造。

■ ゴルゴ13 第二章 イカロスの謎(1990/07/27|ビック東海)
── スナイプや潜入が混ざる多彩なACT。硬派演出が魅力。

■ Might and Magic(1990/07/31|学研)
── 西洋RPGの本格派移植。ダンジョン探索と育成の泥臭い面白さ。

■ ハッピーバースディ・バックス(1990/08/03|コトブキシステム)
── バックス・バニー原作のACT。アニメ調の緩い味わい。

■ ゲームパーティー(1990/08/03|ココナッツジャパン)
── ミニゲーム詰め合わせ。パーティ向けの軽い遊び心地。

■ 2010 ストリートファイター(1990/08/08|カプコン)
── 近未来を舞台にした横ACT。“ストII”とは別系譜の硬派アクション。

■ 忍者らホイ!(1990/08/08|アスキー)
── 方言とギャグ満載のRPG。気楽に遊べるノリが楽しい。

■ ラフワールド(1990/08/10|サンソフト)
── ショットと溜め撃ちを両立するSTG。サウンドと演出の完成度が光る。

■ 日本一の名監督(1990/08/10|アスミック)
── 采配重視の野球SLG。起用法と育成で色が出るタイプ。

■ 闇の仕事人 KAGE(1990/08/10|ナツメ)
── 影の者が走り抜ける忍者ACT。スピード感が小気味よい。

■ ドラゴンファイター(1990/08/10|トーワチキ)
── 竜に変身して空中戦。変身管理がスコアに響く変化球STG。

■ 川のぬし釣り(1990/08/10|パック・イン・ビデオ)
── 釣り×家族の物語。のんびり遊べる生活系アドベンチャー。

■ TITAN(1990/08/10|ソフエル)
── ブロック崩し系の発展形。重力と反射を読む独特の操作感。

■ ぱられるワールド(1990/08/10|バリエ)
── 俯瞰型アクションRPG。謎解きと探索の比重が高め。

■ ピーパータイム(1990/08/10|サンリツ電気)
── 画面内情報を素早く追う反射系パズル。ミニゲーム感覚。

■ SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語(1990/08/11|バンダイ)
── 騎士ガンダムの王道RPG。育成と装備でぐんぐん強くなる快感。

■ ブロディアランド(1990/08/11|トンキンハウス)
── ブロック崩し+ACT要素のミックス。テンポ良いアレンジが魅力。

■ 孔雀王II(1990/08/21|ポニーキャニオン)
── 原作ベースの和風アクション。術とアイテムで進行する作り。

■ 上海II(1990/08/24|サンソフト)
── 麻雀牌パズルの定番続編。操作レスポンスが快適。

■ 魔天童子(1990/08/24|クエスト)
── 陰陽×和風ファンタジーRPG。地味だが味わい深いシナリオ。

■ 雀豪(1990/08/30|ビクター音楽産業)
── 一局の重みを楽しむ麻雀作。演出は控えめで打牌重視。

■ ダンジョンキッド(1990/08/31|クエスト)
── 自動生成ダンジョンのARPG。運と立ち回りの両立がカギ。

■ 宇宙警備隊 SDF(1990/09/07|HAL研究所)
── 弾速早めの縦シューティング。素直な操作感で“被弾上等の押し切り”が気持ちいい。

■ SD戦国武将列伝 烈火のごとく天下を盗れ!(1990/09/08|バンプレスト)
── SD武将で遊ぶ盤上型SLG。采配より“イベント駆動”の展開が多め。

■ ワールドボクシング(1990/09/08|ティーエスエス)
── 上下2分割の対戦ボクシング。タイミング重視で“差し合い”が楽しい。

■ ドラえもん ギガゾンビの逆襲(1990/09/14|エポック社)
── 大長編原作を束ねたRPG。ひみつ道具の使い分けが探索の肝。

■ 爆笑!スターものまね四天王(1990/09/14|パック・イン・ビデオ)
── バラエティ色の強いボード系。原作番組の空気をそのままミニゲーム化。

■ リトルマジック(1990/09/14|データイースト)
── 一手で局面が変わる“詰め”系パズル。魔法の誘爆で道筋を作るのが快感。

■ 維新の嵐(1990/09/15|光栄)
── 幕末志士で動く歴史SLG。討幕/公武合体など“路線選択”が遊びどころ。

■ インセクターX(1990/09/21|タイトー)
── 虫モチーフの横シューティング。火力強化の“のせ方”で難度が激変。

■ 田村光昭 麻雀ゼミナール(1990/09/21|ポニーキャニオン)
── 打ち筋と基礎を学べる麻雀“講座”ソフト。実戦パートも収録。

■ 探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…(1990/09/28|データイースト)
── 新宿が舞台の本格ADV。静かな会話劇と“積み上げ型”の推理が冴える。

■ ノースアンドサウス わくわく南北戦争(1990/09/28|ケムコ)
── 戦線管理+ミニアクションの南北戦争SLG。ポップな見た目で中身は意外と硬派。

■ マジックジョン(1990/09/28|ジャレコ)
── 魔法で道を切り開くアクション。癖のあるジャンプを“慣れ”でねじ伏せるタイプ。

■ ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?(1990/09/28|カプコン)
── スライディング&ラッシュ導入の完成形。シリーズ屈指の“気持ちよさ”。


■ ガンナック(1990/10/05|トンキンハウス)
── コンパイル系の“気持ちいい縦シュー”。資金で武器育成→弾幕で押し切る。

■ ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会(1990/10/12|テクノスジャパン)
── なんでもアリの乱闘運動会。最大4人の“理不尽が笑いに変わる”名作。

■ 悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん(1990/10/19|コナミ)
── 可愛い見た目で中身は硬派。悪魔城流の“手触り”をコミカルに再解釈。

■ ブラッディウァリアーズ シャンゴーの逆襲(1990/10/19|東映動画)
── 神話世界を巡るRPG。重めの育成と独特の世界観がクセになる。

■ まじゃべんちゃー 麻雀戦記(1990/10/19|徳間書店)
── アドベンチャー+麻雀。手役作りを“物語”が後押しする構造。

■ シャッフルパックカフェ(1990/10/21|ポニーキャニオン)
── エアホッケー風の対戦アクション。クセ客の“読み合い”が楽しい。

■ おえかキッズ アンパンマンとおえかきしよう!!(1990/10/25|バンダイ)
── 専用タブレット周辺機器対応。“描いて遊ぶ”知育寄りソフト。

■ アストロファング(1990/10/26|A-WAVE)
── 疾走と射撃が合体した疑似3Dレース。ショップで車体強化→攻略の自由度が高い。

■ なんてったって!!ベースボール(1990/10/26|サンソフト)
── ミニ企画満載の野球。気軽さ優先の“バラエティ路線”。

■ 水島新司の大甲子園(1990/10/26|カプコン)
── 漫画コラボの高校野球SLG。原作演出の再現度が売り。

■ ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人(1990/10/27|バンダイ)
── 戦闘はカード選択式RPG。原作初期の“修行〜来襲”を凝縮。

■ パチ夫くん3 帰ってきたパチ夫くん(1990/10/27|ココナッツジャパン)
── 実機風の演出を詰め込んだパチンコSLG。収支管理も楽しむタイプ。


■ クロスファイヤー(1990/11/02|九娯貿易)
── 兵器を奪って進む横スクACT。自機強化の“ひらめき”が攻略を変える。

■ 三國志II(1990/11/02|光栄)
── 名作歴史SLGの成熟版。内政・外交・戦闘の三位一体がキモ。

■ 京都財テク殺人事件(1990/11/02|ヘクト)
── 当時の世相を映す“財テク×推理”ADV。用語は易しく咀嚼済み。

■ ラストハルマゲドン(1990/11/10|ユタカ)
── 魔族視点の終末RPG。編成と時間帯で戦術が変わる異色作。

■ サンリオカーニバル(1990/11/22|キャラクターソフト)
── サンリオキャラの落ち物系パズル。反射より“計画性”重視。

■ ふしぎなブロビー−ブロバニアの危機−(1990/11/29|ジャレコ)
── 少年とスライムの相棒アクションADV。“豆缶で変身”の仕掛けが唯一無二。

■ テクモボウル(1990/11/30|テクモ)
── 走る・投げるが気持ちいいアメフトACT。シンプル操作で駆け引き濃厚。

■ パロディウスだ!(1990/11/30|コナミ)
── お祭り系横シュー。軽いネタに見えて“当たり判定は真剣”。

■ 迷宮の達人 大迷路(1990/11/30|エポック社)
── 迷路探索&仕掛け解き。地図取りが楽しい“紙と鉛筆”系。


■ ぎゅわんぶらあ自己中心派2(1990/12/07|アスミック)
── 漫画原作の対局+ADV。キャラ麻雀の軽妙さが魅力。

■ グレートボクシング RUSH UP(1990/12/07|ビスコ)
── 直感操作のボクシング。リズムで刻む“軽打→重打”がカギ。

■ 西遊記ワールドII 天上界の魔神(1990/12/07|ジャレコ)
── 横スク+軽RPG要素。前作より“寄り道”が楽しい。

■ タイムズオブロア 〜失われたメダリオン〜(1990/12/07|東宝)
── 洋RPG移植のアクションADV。英語圏の香りが濃い異国情緒。

■ 千代の富士の大銀杏(1990/12/07|フェイス)
── 力士育成+取り組み。四股名づくりから楽しむ相撲SLG。

■ ティーンエージ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(1990/12/07|コナミ)
── 4亀を切り替える横スクACT。武器リーチの差を活かすと快適。

■ テクモ ワールドカップサッカー(1990/12/07|テクモ)
── “必殺シュート”で押し込むアクション寄りサッカー。

■ パジャマヒーロー NEMO(1990/12/07|カプコン)
── 夢の世界を旅する横スクACT。乗り物ギミックの発想が光る。

■ ファミコントップマネジメント(1990/12/12|光栄)
── 電機メーカー経営SLG。開発・投資・雇用の“三重管理”が肝。

■ ベストプレープロ野球’90(1990/12/13|アスキー)
── データと采配で勝つ“観戦型”野球SLGの決定版。

■ KLAX(クラックス)(1990/12/14|ハドソン)
── ベルトに流れるブロックを受け止め並べる“反転思考”パズル。

■ グレムリン2 新種誕生(1990/12/14|サンソフト)
── 俯瞰視点のステージ制ACT。映画のシーン再現が楽しい。

■ 必殺仕事人(1990/12/14|バンプレスト)
── 仕置の段取りを楽しむ時代劇ADV。原作演出をゲームに落とし込み。

■ まじかるキッズどろぴー(1990/12/14|ビック東海)
── 魔法でブロックを操るアクションパズル。テンポよく“詰め”が味わえる。

■ メタルフレーム サイバスター(1990/12/14|ジャレコ)
── 斜め視点のロボACT。操作難度は高いが“動かす快感”あり。

■ 龍牙 忍者クルセイダーズ(1990/12/14|サミー工業)
── 忍者×ムチのクセ強ACT。敵処理の“手順芸”がハマる。

■ 暴れん坊天狗(1990/12/14|メルダック)
── 何もかもが“強烈”な縦シュー。BGM含めて尖りまくり。

■ ワギャンランド2(1990/12/14|ナムコ)
── しりとり/神経衰弱のボス戦が名物。正攻法で強化した良質続編。

■ ジャンピン・キッド ジャックと豆の木ものがたり(1990/12/19|アスミック)
── 童話モチーフの横スクACT。バネ挙動に慣れると爽快。

■ パーマン えんばんをとりかえせ(1990/12/19|アイレム)
── 原作らしさ重視の横スクACT。変身の使い分けで進行が楽に。

■ バトルスタジアム 選抜プロ野球(1990/12/20|アイ・ジー・エス)
── 打撃重視のアーケード寄り野球。スピード感を最優先。

■ 大怪獣デブラス(1990/12/21|データイースト)
── 破壊の爽快感を押し出した怪獣ACT。粗削りだが勢いアリ。

■ 剣の達人 ソードマスター(1990/12/21|アテナ)
── 剣戟の当て方に“重み”がある横スクACT。ガード→差し返しが肝。

■ 地獄極楽丸(1990/12/21|パック・イン・ビデオ)
── 海外名“Kabuki Quantum Fighter”。髪の毛攻撃がクセになる。

■ メカ生命体ゾイド 黙示録(1990/12/21|トミー)
── ゾイドで戦うACT。機体切替と弾管理がポイント。

■ バーズテイル 知られざる物語(1990/12/21|ポニーキャニオン)
── 洋RPGのダンジョン探索をFC向けに圧縮移植。

■ ファミスタ’91(1990/12/21|ナムコ)
── 安定の“ナムコ野球”。守備の軽さと打撃の気持ちよさは健在。

■ SDガンダム ガチャポン戦士3 英雄戦記(1990/12/22|バンダイ)
── ターン制戦術+成長要素。ユニット相性が勝敗を分ける。

■ ムサシの冒険(1990/12/22|シグマ商事)
── コマンドRPG+軽アクション要素。古典的手触りを楽しむ一本。

1990年の特徴と評価

1990年は、ファミコンにとってまさに熟成と拡張の年でした。
前年までに培った操作感や表現力を土台に、より大規模で遊びごたえのあるソフトが続々と登場。
その一方で、新しい試みやジャンルの拡張も進み、家庭用ゲームの可能性を大きく押し広げた一年です。


大作RPGの“集大成”が到来

春に発売された『ファイナルファンタジーIII』(4月)は、ジョブチェンジと召喚魔法を組み合わせ、
シリーズの基盤を確立しました。ファミコンRPGの完成形として、今も語られる名作です。

同じ4月には『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が登場。
“キャラが死んだら戻らない”という緊張感と、人間関係を重視したシナリオが大きな衝撃を与えました。
この2本が並んで発売された事実は、家庭用RPGの歴史を語るうえで象徴的といえます。


アクションの幅は“遊び心”で広がった

ロックマン3』(9月)はスライディングや新相棒ラッシュを導入し、操作の幅を拡張。
ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』(10月)は、ルール無用の乱闘で笑いを誘い、
多人数プレイの楽しさを一気に押し広げました。

さらに『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』(10月)では、
硬派な“悪魔城”の手触りをコメディにアレンジ。
“難しいけど楽しい”を、幅広いプレイヤーに伝える転換点になりました。


シューティング・スポーツも個性派ぞろい

ガンナック』(10月)は、資金で武器を強化できるコンパイル流の快作。
パロディウスだ!』(11月)はパロディ満載ながら、操作感は正統派シューティング。
笑いと本気を同時に提供できるのも、この時代の懐の深さです。

スポーツ分野では『ファミスタ’91』『テクモボウル』といったシリーズが定着。
ジャンルをまたいで“毎年の定番”が形になったのも1990年の特徴でした。


キャラクターゲームの安定感

ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』(10月)、
SDガンダム ガチャポン戦士3 英雄戦記』(12月)、
ドラえもん ギガゾンビの逆襲』(9月)など、キャラ物RPGやアクションが多数登場。

原作の展開を追体験できる満足感と、ゲームならではの仕掛けを組み合わせた作りで、
“キャラゲー=低品質”のイメージを覆す作品も現れ始めました。


1990年は、ファミコンのソフトライフサイクルにおいて量と質のピークを迎えた年。
大作RPGから小粒のパズル、キャラゲーやスポーツまで、あらゆるジャンルが充実し、
プレイヤーは「自分の好きな一本」を確実に見つけられる環境が整っていました。

言い換えれば、ファミコンが万人向けの総合エンターテインメント機として成熟した年。
次世代機の足音が近づく中、ファミコンはその実力を存分に見せつけたのです。

1990年 注目作ランキング

1990年は名作揃いでランキング化は難しいのですが、歴史的意義と人気の両面から整理すると、こうなります。


第1位 ファイナルファンタジーIII

ファミコンRPGの集大成。ジョブチェンジや召喚魔法といった要素が完成度高くまとめられ、
「RPGの面白さってこういうことか」と世代を超えて再評価される一本です。


第2位 ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣

キャラクターが死んだら二度と戻らない――。
この厳しさと、仲間たちの人間ドラマが“シミュレーションRPG”という新しい地平を切り拓きました。


第3位 ロックマン3

シリーズの人気を確固たるものにした作品。
スライディングやラッシュといった新要素で、操作の自由度が大きく進化しました。


第4位 ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人

アニメの人気をそのままゲームに落とし込み、ファンに熱狂的に受け入れられた一本。
「キャラゲーでも面白い」が証明された瞬間でした。


第5位 ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会

友達と遊ぶと笑いが止まらない。
ルール無用の乱闘と、スポーツらしからぬドタバタ感が大ヒットにつながりました。


第6位 パロディウスだ!

笑いにあふれながらも、ゲームとしては一流。
「本気のパロディ」という言葉がしっくりくる一本です。


第7位 ガンナック

派手な演出と自由度の高い武器強化システムでシューティングファンを唸らせた名作。


第8位 ドラえもん ギガゾンビの逆襲

藤子不二雄の世界観を生かした良質なRPG。
子どもから大人まで夢中になれた、安心と驚きのバランスが光りました。


第9位 SDガンダム ガチャポン戦士3 英雄戦記

ガンダムファン必携の一本。
戦略シミュレーションとしてもよくできており、キャラゲーの評価を底上げしました。


第10位 悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん

ホラー調の“悪魔城”をコメディタッチで描いたスピンオフ。
シリーズの懐の深さを見せつけ、ファンを喜ばせた一本です。


こうして見返すと、1990年は大作RPG、シリーズもの、キャラゲー、パーティ向けと多様な柱が同居した年
ファミコン文化が“円熟期”を迎えたことがはっきりと感じられるラインナップでした。

1991年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ じゅうべえくえすと(1991/01/04|ナムコ)
── 和風テイストのRPG。仲間と技能を活かして群雄割拠の世界を巡る。

■ ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城(1991/01/05|コナミ)
── コナミオールスターの横スクACT。変身ギミックで各ステージを攻略。

■ 夢ペンギン物語(1991/01/25|コナミ)
── 体重管理がカギの横スクACT。走って痩せて恋を勝ち取るユニーク設定。

■ ジャッキーチェン(1991/01/25|ハドソン)
── 映画スター題材のACT。コンボと必殺で道を切り開く。

■ 麻雀RPG ドラドラドラ(1991/01/25|ナツメ)
── 物語と対局を往復する麻雀RPG。装備やイベントで実力を底上げ。

■ ペーパーボーイ(1991/01/30|アルトロン)
── 新聞配達ACT。障害物を避けつつ投げ入れの精度を競う。

■ ゴルフグランドスラム(1991/01/31|ヘクト)
── 等身大の手触りにこだわった本格派。風読みとクラブ選択が肝。

■ チャンピオンシップボウリング(1991/02/08|アテナ)
── 力加減とコース取りでストライクを狙う定番系。

■ 赤川次郎の幽霊列車(1991/02/08|キングレコード)
── 推理ADV。聞き込みと証拠集めで不穏な連続事件に挑む。

■ ダークロード(1991/02/08|データイースト)
── ダンジョン探索RPG。職業選択と成長の計画性が問われる。

■ パラソルヘンべえ おとぎの国は大さわぎ!(1991/02/15|エポック社)
── アニメ原作の横スクACT。パラソル操作で進行を工夫。

■ ファミコン将棋竜王戦(1991/02/15|アイマックス)
── 定跡と終盤力を磨ける将棋ソフト。手合調整もあり。

■ マックスウォーリアー 惑星戒厳令(1991/02/15|バップ)
── 横スクACT。武器切替と道中処理にメリハリ。

■ ミニパット(1991/02/15|A-WAVE)
── コース読みが面白いミニゴルフ。バウンド計算がコツ。

■ 井出洋介名人の実戦麻雀II(1991/02/22|カプコン)
── 打牌の基礎を学び直せる二作目。対局テンポも良好。

■ 双截龍III(ダブルドラゴン)(1991/02/22|テクノスジャパン)
── ベルトスクロールACT続編。武器拾いと連携が気持ちいい。

■ 虹のシルクロード(1991/02/22|ビクター音楽産業)
── 交易×RPG。街間を行き来しながら資金と装備を整える。

■ グランドマスター(1991/02/26|バリエ)
── 詰め要素濃い思考型ACT。一手の判断で道筋が変わる。

■ なんてったって!!ベースボール 子ガメカセットOBオールスター編(1991/02/26|サンソフト)
── 差し替えカセット対応の野球。手軽に遊べる構成。

■ 究極ハリキリスタジアムIII(1991/03/01|タイトー)
── 数値×操作のバランスが取れた野球ACT最新作。

■ スーパーチャイニーズ3(1991/03/01|カルチャーブレーン)
── ACTとRPGの折衷。道場や買い物が探索のリズムに。

■ ナムコット麻雀III マージャン天国(1991/03/08|ナムコ)
── シンプルな打ち味の麻雀作。役作りを基礎から。

■ AD&D ヒーロー・オブ・ランス(1991/03/08|ポニーキャニオン)
── TRPG原作の横スクADV。原典の世界観を手堅く移植。

■ ガンサイト(1991/03/15|コナミ)
── ガンシューティング風の照準ACT。狙い撃ちの爽快感。

■ 大航海時代(1991/03/15|光栄)
── 航海・交易・戦闘を束ねた歴史SLG。寄港計画が勝負所。

■ ふしぎの海のナディア(1991/03/15|東宝)
── 原作追体験型のADV。パズルとイベントで進行。

■ まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!(1991/03/21|バンダイ)
── 原作の愉快さ重視のACT。道具でギミック突破。

■ いただきストリート 私のお店によってって(1991/03/21|アスキー)
── すごろく×株のボードゲーム。相場と買い物が面白い。

■ AD&D ヒルズファー(1991/03/21|ポニーキャニオン)
── 迷宮探索とイベントに比重。原作好き向けの一本。

■ シャドウブレイン(1991/03/21|ポニーキャニオン)
── 近未来サスペンスRPG。育成と分岐イベントに厚み。

■ 爆笑!!人生劇場2(1991/03/22|タイトー)
── 事件山盛りのすごろく人生。マルチイベントで盛り上がる。

■ アンパンマンのひらがなだいすき(1991/03/26|バンダイ)
── ひらがな学習の知育系。親子プレイに向く。

■ 忍者じゃじゃ丸銀河大作戦(1991/03/29|ジャレコ)
── 忍法とアイテムで進む横スク派生作。

■ 北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ(1991/03/29|東映動画)
── コマンドRPG路線。原作後期をベースに展開。

■ けろけろけろっぴの大冒険(1991/03/29|キャラクターソフト)
── やさしめの横スクACT。小ネタ多めで遊びやすい。

■ ロボコップ2(1991/04/02|データイースト)
── 映画原作の横スクACT。火力と位置取りが鍵。

■ 天地を喰らうII 諸葛孔明伝(1991/04/05|カプコン)
── 三国志RPGの定番。陣形と計略で戦況を制す。

■ N.Y.ニャンキーズ(1991/04/05|アトラス)
── 猫主人公の横スクACT。投げや踏み台で道を拓く。

■ おぼっちゃまくん(1991/04/05|テクモ)
── ギャグ路線のACT。操作は素直で遊びやすい。

■ ゴルビーのパイプライン大作戦(1991/04/12|徳間書店)
── パイプを繋ぐパズル。流れを途切れさせない配置が肝。

■ ファミリーブロック(1991/04/12|アテナ)
── ブロック崩し系アレンジ。反射と角度の管理が楽しい。

■ ツインイーグル(1991/04/12|ビスコ)
── アーケード発の縦STG。パワーアップの運用が攻略の軸。

■ 麻雀倶楽部 永田町・総裁戦(1991/04/25|ヘクト)
── 対局+イベントのバラエティ麻雀。演出多め。

■ ラグランジュポイント(1991/04/26|コナミ)
── VRC7音源が鳴るSF-RPG。拠点運用と合成武器が楽しい。

■ タイトーバスケットボール(1991/04/26|タイトー)
── 5on5のバスケACT。パス回しのテンポが要。

■ 高橋名人の冒険島II(1991/04/26|ハドソン)
── 島巡りのACT続編。ルート選択で探索感アップ。

■ 紫禁城(1991/04/26|東映動画)
── 中国史題材のADV要素。資料テイストの作り。

■ マジック・ダーツ(1991/04/26|セタ)
── 矢の挙動と入力タイミングを読むダーツゲーム。

■ GUN-DEC(1991/04/26|サミー)
── 海外名“Vice: Project Doom”。銃撃と剣を使い分けるACT。

■ オーバーホライゾン(1991/04/26|ホット・ビィ)
── 自作コンフィグが光る横STG。武器組み合わせで戦法が変わる。

■ ココロン(1991/05/03|タケル)
── 童話の世界を渡り歩く“自分だけの主人公”が作れる横スクACT。軽やかな操作感と優しい難度で通好みの1本。

■ パラメデスII(1991/05/07|ホット・ビィ)
── サイコロ目を並べて崩す落ちもの系の続編。連鎖より“手筋”重視の駆け引きが光る小粒の良作。

■ ファジカルファイター(1991/05/17|シグマ商事)
── 背景回転の演出が目を引く縦STG。装備切替のテンポは良好だが、後半難度がややピーキー。

■ ランペルール(1991/05/23|光栄)
── ナポレオンを主役に欧州統一を目指す本格SLG。外交・補給・士気まで効く“光栄節”で、ファミコン屈指の骨太史劇。

■ テトラ・スター THE FIGHTER(1991/05/24|タイトー)
── 疑似3Dの奥行き表現で惹かせるSFシューティング。ボス戦の演出が気持ちいい手堅い仕上がり。

■ メタルマックス(1991/05/24|データイースト)
── 戦車×オープンな荒野という革新RPG。“賞金首”狩りと自由度で、のちのハンター系RPGに影響大。

■ エジプト(1991/05/31|ヒューマン)
── ステージ仕掛けを解く“プッシュ系”パズルACT。古代モチーフとBGMが妙にクセになる。

■ なんてったって!!ベースボール 子ガメカセット’91開幕編(1991/05/31|サンソフト)
── “親ガメ”に差す拡張ROMで選手データを’91仕様に更新。低価格で旬のデータを遊べた発想勝ちの一枚。


■ 飛龍の拳スペシャル ファイティングウォーズ(1991/06/21|カルチャーブレーン)
── シリーズの“対戦部分”を抽出した番外編。能力割り振りで個性を作る一方、当て判定はシリーズ譲りで独特。

■ 忍者龍剣伝III 黄泉の方舟(1991/06/21|テクモ)
── 名アクション第3作。道中はやや素直になったが、後半の落下・敵配置はやっぱり手強い。

■ すごろクエスト ダイスの戦士たち(1991/06/28|テクノスジャパン)
── “すごろく×RPG”。サイコロ運とスキル管理の噛み合いが面白い意欲作。

■ 新4人打ちマージャン 役満天国(1991/06/28|任天堂)
── 対局重視に回帰した“役満”シリーズ系。素直な打ち筋で入門にも向く。

■ ボンバーマンII(1991/06/28|ハドソン)
── 3人対戦&改良UIで家庭用“対戦ボンバーマン”の基礎を確立。長く遊べる安定感。

■ 超人狼戦記 WARWOLF(1991/06/28|タカラ)
── 変身アクションの系譜。演出ノリは良いが、足場と当たり判定は慣れが必要。

■ AD&D プール・オブ・レイディアンス(1991/06/28|ポニーキャニオン)
── D&D原作RPGのFC移植。ルール準拠の硬派さと丁寧な日本語化が魅力。

■ つっぱりウォーズ(1991/06/28|サミー)
── ストリート系の一騎打ちACT。シンプル操作で“押し引き”がハマるタイプ。

■ 囲碁指南’91(1991/07/05扱い・※7月項に収録/ヘクト)
── ※発売日が7/5のため、当月ではなく【7月】欄に掲載。


■ 囲碁指南’91(1991/07/05|ヘクト)
── 観戦・実力判定モードを備えた“観る囲碁”の年度版。名局から学ぶ志向派向け。

■ ベースボールファイター(1991/07/05|バップ)
── 実名公認&独特視点の野球。電話送信で成績集計という時代を先取る仕掛けも話題に。

■ ファミリーサーキット’91(1991/07/19|ナムコ)
── セッティング自由度を拡張した上級者向けレース。手応えは増したが操作のキレは健在。

■ SD刑事ブレイダー(1991/07/19|タイトー)
── “宇宙刑事”オマージュのRPG。変身&仲間と進む直球ヒーロー譚。

■ リトル・マーメイド(人魚姫)(1991/07/19|カプコン)
── ディズニー原作の横スクACT。優しめ設計で短時間でも満足度あり。

■ パズニック(1991/07/19|アイジーエス)
── 落とす/ずらすのブロック整理パズル。スッキリ解ける“手筋”が快感。

■ キャッ党忍伝てやんでえ(1991/07/19|テクモ)
── アニメ題材の横スクACT。素直な難度とアクの強い世界観で子ども人気を獲得。

■ ダイ・ハード(1991/07/19|パック・イン・ビデオ)
── 映画原作のトップビューACT。制限時間管理が肝で、原作再現の演出も見どころ。

■ パチンコ大作戦(1991/07/19|ココナッツジャパン)
── 実機風味の遊技+ミニゲーム。コレクション感覚の1本。

■ ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!(1991/07/26|テクノスジャパン)
── 時代劇パロの痛快ベルトスクロール。ローカル対戦も盛り上がる“くにお節”。

■ おたくの星座(1991/07/31|M&M)
── オタク文化を題材にしたADV。尖ったネタとテキストが当時の空気感そのもの。


■ ロボッ子ウォーズ(1991/08/02|アイジーエス)
── 兵器を切り替え進む横スクACT。地形対応のギミックが楽しい。

■ マイライフ・マイラブ ぼくの夢わたしの願い(1991/08/03|バンプレスト)
── “人生そのもの”を遊ぶSLG。パラメータ管理とイベント分岐が今見ても新鮮。

■ スーパースプリント(1991/08/03|アルトロン)
── アイソメ視点のアーケード移植レース。短周回でサクサク遊べるパーティ向け。

■ ドラゴンウォーズ(1991/08/09|コトブキシステム)
── 西洋RPG系の硬派ダンジョン。テキスト量が多く、読み解く楽しみあり。

■ デ・ブロック(1991/08/09|アテナ)
── “回転・変形”で整理するパズル。独自ルールでハマる人は深くハマる。

■ アルマジロ(1991/08/09|アイジーエス)
── 体を丸めて転がる移動が特徴のACT。慣性処理と高難度がクセになる。

■ 百の世界の物語(1991/08/09|アスク講談社)
── すごろく×RPGのボードADV。カード効果とイベントで盛り上がる卓上系。

■ ドキ!ドキ!遊園地(1991/08/09|バップ)
── 遊園地を舞台にしたバラエティ。ミニゲームをつないで気楽に遊べる作り。

■ ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!(1991/08/10|バンダイ)
── 原作“ナメック編”の名場面を追体験。戦闘はカード選択+気の管理がカギ。

■ A列車で行こう(1991/08/21|ポニーキャニオン)
── 鉄道経営SLGのFC版。PC版譲りの経営要素をうまく簡略化して落とし込み。

■ クライシスフォース(1991/08/27|コナミ)
── 変形システムが熱い縦STG。コナミならではの演出とBGMでいまも評価高い。

■ ロイヤルブラッド(1991/08/29|光栄)
── 中世欧州を舞台に血統=勢力を巡る大規模戦略。人材運用と外交の絡みが濃い。

■ 快傑ヤンチャ丸2 からくりランド(1991/08/30|アイレム)
── 初代よりマイルドな操作性。明るいステージ構成で周回しやすい。

■ メタルスレイダーグローリー(1991/08/30|HAL研究所)
── 超精密ドットと重厚SFで語り継がれるADV。FCでここまでやるのか、を体現した伝説的1本。

■ ウエスタンキッズ(1991/09/13|ビスコ)
── 西部劇×ミニゲーム集のノリ。操作にクセはあるが、当時らしい賑やかさ。

■ へべれけ(1991/09/20|サンソフト)
── 4キャラを切り替えて進む探索アクション。音楽とセンスで今も根強い人気。

■ マリオオープンゴルフ(1991/09/20|任天堂)
── 風・高低差を読む本格派。18ホール×2で練習も大会も腰を据えて楽しめる。

■ ドラゴンズレア(1991/09/20|EPIC・ソニー)
── 海外発の高難度アクション。ド派手な演出と容赦ない難しさが両立。

■ イースIII ワンダラーズ・フロム・イース(1991/09/27|ビクター音楽産業)
── 横視点アクションRPG移植。名曲群はそのまま、操作感は良くも悪くもFC的。

■ スパルタンX2(1991/09/27|アイレム)
── パンチ・キックに武器や投げも絡む硬派な横スク。手応えはしっかり高め。

■ 中嶋悟監修 F-1ヒーロー2(1991/09/27|バリエ)
── 設定いじりが楽しいレース作。直線だけで勝てない、調整の奥行きが肝。

■ バトルフォーミュラ(1991/09/27|サンソフト)
── 車両ガンシューティングの快作。テンポと演出で“末期FC”の意地を見せる。


■ ちびまる子ちゃん うきうきショッピング(1991/10/04|ナムコ)
── すごろく調の買い物ボード。原作ネタ多めで家族・友達プレイ向け。

■ からくり剣豪伝ムサシロード からくり人疾走る(1991/10/05|ユタカ)
── アニメ題材のARPG。5話オムニバス形式でサクッと遊べる作り。

■ SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語2 光の騎士(1991/10/12|バンダイ)
── 騎士ガンダムRPG第2弾。テンポが改善し、前作より遊びやすい。

■ カオスワールド(1991/10/25|ナツメ)
── 依頼(ジョブ)システム+オート戦闘が特徴のRPG。戦術の組み方が楽しい。

■ たいむゾーン(1991/10/25|シグマ商事)
── パズル色強めのアクションADV。見た目地味でも解き味に個性。

■ 特救指令ソルブレイン(1991/10/26|エンジェル)
── メタルヒーロー原作アクション。ナツメ開発らしい操作感で熱い。

■ グレートディール(1991/10/30|ヘクト)
── トランプの役で消す落ち物。対戦の駆け引きが“わかると”ハマるタイプ。


■ モノポリー(1991/11/01|トミー)
── ルール準拠のテーブル。最大8人まで対応し、家プレイの鉄板ネタに。


■ ファミコンジャンプII 最強の7人(1991/12/02|バンダイ)
── 週刊少年ジャンプの看板キャラ集合RPG。チュンソフト制作でRPG色が濃い。

■ ロックマン4 新たなる野望!!(1991/12/06|カプコン)
── チャージショットと緩急の設計で“気持ちよさ”が一段上に。

■ 平成天才バカボン(1991/12/06|ナムコ)
── 横スクACT。“バカボンゲー”らしいネタと理不尽さを笑えるかが勝負。

■ テクモスーパーボウル(1991/12/13|テクモ)
── NFL実名&選手名のフットボール。戦術の幅で長く遊べる名作。

■ ティーンエージ ミュータント ニンジャ タートルズ2
 ザ・マンハッタンプロジェクト(1991/12/13|コナミ)
── 2人協力が楽しいベルトスクロール。技の出し分けで一気に化ける。

■ ダイナマイトバットマン(1991/12/20|サンソフト)
── 大型スプライトと重厚BGMが痛快。山場の見せ方がとにかく上手い。

■ アスミックくんランド(1991/12/20|アスミック)
── マスコットの横スク。難度は控えめで、触り心地はやさしめ。

■ アンタッチャブル(1991/12/20|アルトロン)
── 映画題材のガンアクション寄り。演出は渋いが判定はややシビア。

■ バトルトード(1991/12/20|メサイヤ/日本コンピュータシステム)
── 激ムズで有名な横スクACT。ステージごとに遊びが変わるジェットコースター型。

■ バナナン王子の大冒険(1991/12/20|タカラ)
── 探索寄りの横スク。クセは強いが、当時のキャラゲーとしては良心的。

■ モンスターメーカー 7つの秘宝(1991/12/20|ソフエル)
── TCGの雰囲気を感じるRPG。編成と装備で意外に戦略が立つ。

■ ベスト競馬 ダービースタリオン(1991/12/21|アスキー)
── 後の大流行を作る初代“ダビスタ”。配合と調教の“沼”がここから始まる。

■ 信長の野望・武将風雲録(1991/12/21|光栄)
── 名作SLGのFC版。操作は簡略化しつつ、骨太さは健在。

■ SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー(1991/12/21|ユタカ)
── シミュレーションの第4作。ユニットの個性と地形効果を活かすと深い。

■ 鳥人戦隊ジェットマン(1991/12/21|エンジェル)
── 特撮原作のACT。フォーム選択や必殺の使いどころがカギ。

■ バトルストーム(1991/12/21|パーティールーム21/ヨネザワ)
── 多人数向けの対戦寄りアクション。パーティーゲームとして光る。

■ チキチキマシン猛レース(1991/12/25|アトラス)
── アニメ原作のレース。キャラの“イタズラ”で勝敗がひっくり返る。

■ ザ・ブルーマリーン(1991/12/27|ホット・ビィ)
── 釣りシミュ。実在魚の引き味と格闘する“手応え重視”の一本。

■ 第2次スーパーロボット大戦(1991/12/29|バンプレスト)
── 後のシリーズ黄金パターンを確立。精神コマンドと武器改造が快感。

■ ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!!ウルトラ兄弟(1991/12/29|ユタカ)
── デフォルメ系RPG第3弾。軽快なテンポと分かりやすい成長が魅力。

1991年の特徴と評価

1991年のファミコンは、“末期だからこそ攻める”が合言葉みたいな一年でした。
見た目の派手さよりも、触って気持ちいい操作感や、世界観の作り込みで勝負する作品が増えます。
同時に、拡張チップや大容量ROMを活かした“やればできる”系の挑戦も目立ち、
「まだここまで進化できるのか」と、いい意味で期待を裏切ってくれました。


音と画で驚かせる、“技術の底上げ”

春の『ラグランジュポイント』は、カートリッジに拡張音源を積んだおかげで、
当時の家庭用としては破格の分厚いサウンドを実現。
秋の『メタルスレイダーグローリー』は、細密ドットと演出量で“ページをめくる快感”を作り出し、
読み物系ADVの伸びしろを見せてくれました。
この2本は、「FCの限界」を塗り替えた象徴です。


遊び方の自由度が、一気に広がる

メタルマックス』は、戦車をいじって荒野を自由に旅するオープンなRPG
「どこへ行ってもいい」「賞金首を狩ってもいい」という設計は、
当時のRPGの常識からは半歩先へ進んでいました。
一本道が安心な人も、寄り道が好きな人も、自分のペースで楽しめるのが魅力です。


アクションは“精度の時代”へ

年末の『ロックマン4』は、スライディングやチャージショットを前提に操作の精度を磨き上げ、
“死んで覚える”ではなく気持ちよく攻略できる難度曲線を整えてきました。
クライシスフォース』『オーバーホライゾン』のシューティング勢も、
“武器の切り替え”や“機体の形態変化”で手数の多い攻めを用意。
短いプレイでも満足感が残る、密度の高い設計が光ります。


多人数・対戦のスタンダードが固まる

ボンバーマンII』で家庭用対戦の基礎がこなれ、
ダウンタウンスペシャル 時代劇』はローカル対戦で盛り上がる文法を確立。
スポーツでは『テクモスーパーボウル』が戦術の読み合いを楽しく見せ、
友達や家族と“集まって遊ぶ価値”を再確認させてくれました。


“キャラゲー=低品質”をひっくり返す

ティーンエージ ミュータント ニンジャ タートルズ2』や『バトルトード』は、
派手な演出の裏にしっかりとした操作感があり、
マリオオープンゴルフ』のように本格派の遊びをキャラの親しみやすさで包む作品も増加。
“キャラクターの強さ”だけに頼らず、ゲームとしての説得力で勝負する土壌が整いました。


総評

1991年は、手触りと自由度の年
尖った技術デモから、生活に溶け込む定番まで、“選べる正解”が増えたからこそ、
プレイヤーそれぞれの“好き”がちゃんと肯定される
一年でした。
次世代機の影が濃くなるなか、ファミコンは最後まで新しい遊び方を提案し続けた——
そんな手応えが、確かに残っています。


1991年・注目作ランキング(総合TOP15|ROM限定)

1位:ラグランジュポイント

拡張音源が奏でる分厚い音と、SF設定の作り込み。
“FCの限界”を越えた瞬間を耳と指で感じられる一本。

2位:メタルマックス

戦車×オープンな荒野。
寄り道がそのまま冒険になる、自由度の解放宣言

3位:ロックマン4 新たなる野望!!

チャージとスライディング前提の気持ちいい難度曲線
シリーズの“土台の強さ”を証明した安定の完成度。

4位:クライシスフォース

形態変化と火力運用の妙。
攻めの手数で押し切る、末期FC縦シューの金字塔。

5位:ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!

殴って笑って旅をする、くにお節の最良の形
対戦も協力も、ローカルで盛り上がる鉄板。

6位:メタルスレイダーグローリー

超精密ドットと濃いテキストで、SFアドベンチャーの到達点を提示。
“読む快感”をファミコンでここまで。

7位:オーバーホライゾン

自作コンフィグの武器合わせで戦い方が変わる横シュー
気づけば“手癖”が上手くなる、成長実感が心地よい。

8位:テクモスーパーボウル

シンプル操作×戦術の厚み。
リプレイ性が高く、今でも集まって遊べる名作スポーツ。

9位:ティーンエージ ミュータント ニンジャ タートルズ2

2人協力のベルトスク。
技の出し分けが決まると一気に熱くなる、“良いキャラゲー”のお手本。

10位:バトルトード

超高難度×多彩な遊び。
“理不尽”と“挑戦”の境目を攻める、クセになる名物

11位:マリオオープンゴルフ

読み合いと手触りが長く効く本格派。
気軽に1ラウンド、でも奥は深い。

12位:いただきストリート 私のお店によってって

すごろく×株の家庭用ボード革命
勝ち筋を“会話”で共有できるのも楽しい。

13位:ボンバーマンII

家庭用対戦の基本形が完成
誰とでも同じルールで盛り上がれる安心感。

14位:へべれけ

キャラ切替の探索アクション。
センスの塊みたいな音と間合いで、いま遊んでも新鮮。

15位:ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城

オールスターは伊達じゃない。
変身ギミックで“面白い場面”が次々出てくる祝祭作。

1992年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ がんばれゴエモン外伝2 〜天下の財宝〜(1992/01/03|コナミ)
── RPG路線の第2弾。和ネタと寄り道の楽しさが健在。

■ ピザ・ポップ(1992/01/07|ジャレコ)
── 配達アクション。障害物をかわし投擲で決める爽快系。

■ 太陽の勇者ファイバード(1992/01/11|アイレム)
── 変身ヒーローACT。フォーム切替と必殺の見せ方が小気味よい。

■ ソロモンの鍵2 クールミン島救出作戦(1992/01/24|テクモ)
── 生成ブロックで道を作る“思考系ACT”の続編。よりパズル寄り。

■ ビジネス・ウォーズ(1992/01/24|ヘクト)
── M&A題材の経営SLG。資金繰りと買収の読み合いが肝。

■ バーズテイルII(1992/01/25|ポニーキャニオン)
── 西洋RPG移植。迷宮探索と育成の“硬派な手触り”。

■ 将棋名鑑’92(1992/01/30|ヘクト)
── 年度版将棋。定跡と手合いで基礎力を底上げ。

■ ギミック!(1992/01/31|サンソフト)
── 物理挙動とBGMが圧巻の高完成度ACT。通好みの名作。

■ バッキーオヘア(1992/01/31|コナミ)
── 派手な演出の横スクACT。手応えは高めだが爽快。

■ ドンドコドン2(1992/01/31|タイトー)
── つるはしACTの続編。テンポ良くサクサク進む。


■ いけいけ熱血ホッケー部 すべってころんで大乱闘(1992/02/07|テクノスジャパン)
── 乱戦上等の“くにお流”ホッケー。多人数で盛り上がる。

■ F1サーカス(1992/02/07|日本物産)
── セッティングとライン取りの両立が決め手のレース。

■ ネイビーブルー(1992/02/14|アイマックス)
── 海戦SLG。射程管理と艦隊運用の地味渋い面白さ。

■ AD&D ドラゴン・オブ・フレイム(1992/02/21|ポニーキャニオン)
── TRPG原作の横スクADV。原作世界の空気重視。

■ パズロット(1992/02/28|サミー)
── コマ落とし系の思考パズル。手筋が見えてくると快感。


■ 伝染るんです 〜かわうそハワイへ行く〜(1992/03/06|タカラ)
── 4コマ原作のバラエティACT。理不尽さも笑いで包む。

■ マジックキャンドル(1992/03/06|サミー)
── 西洋RPG調。魔法と探索の積み重ねを味わう一本。

■ 囲碁指南’92(1992/03/10|ヘクト)
── 年度版囲碁。段位認定で上達を実感しやすい。

■ ナムコクラシック2(1992/03/13|ナムコ)
── 名作詰め合わせ。家庭で手軽に往年の1本へ。

■ ファイアーエムブレム外伝(1992/03/14|任天堂)
── 2軍交互の冒険。自由育成と探索要素の異色作。

■ 究極ハリキリ甲子園(1992/03/19|タイトー)
── 打撃と投球の“手触り”重視の野球ACT。

■ SUPER桃太郎電鉄(1992/03/20|ハドソン)
── すごろく×物件の定番。テンポ改善で家族向けに盤石。

■ それいけ!アンパンマン みんなでハイキングゲーム!(1992/03/20|エンジェル)
── 幼児向けのやさしいアクション。親子プレイに◎。

■ プラズマ・ボール(1992/03/27|ジャレコ)
── 近未来スポーツACT。体当たりの駆け引きが熱い。

■ WWFレッスルマニア(1992/03/27|ホット・ビィ)
── プロレスACT。投げ・関節・フォールの読み合い。

■ ハローキティワールド(1992/03/27|キャラクターソフト)
── かわいさ前面の横スクACT。難度控えめで遊びやすい。

■ HOOK(1992/03/27|エピックソニー)
── 映画題材のACT。演出を楽しむ一本。

■ 炎の闘球児 ドッジ弾平(1992/03/28|サンソフト)
── 投げ・キャッチの駆け引きが熱いドッジボールACT。


■ プレスクールソフト ひらけ!ポンキッキ(1992/04/17|タカラ)
── 知育系ミニゲーム集。番組の雰囲気で安心設計。

■ 舛添要一 朝までファミコン(1992/04/17|ココナッツジャパン)
── 時事クイズ&バラエティ。時代の空気を味わう一本。

■ わんぱくコックンのグルメワールド(1992/04/24|タイトー)
── 料理モチーフの横スクACT。コミカルで取っつきやすい。

■ 重力装甲メタルストーム(1992/04/24|アイレム)
── 重力反転ACT。スイッチ切替で攻略が一変する快作。

■ エキサイティング・ラリー(1992/04/24|科研)
── ラリー風レース。コース取りと減速ポイントの見極めが勝負。

■ ひょっこりひょうたん島 〜なぞのかいぞくせん〜(1992/04/25|ユタカ)
── 児童向け人形劇のADV。素直な構成で遊びやすい。


■ 麻雀大戦(1992/05/20|日本物産)
── クセの少ない打ち味の麻雀。役作りの基礎練に向く。

■ クイズ プロジェクトQ キューティープロジェクト&バトル10000(1992/05/29|ヘクト)
── 1カートリッジで育成&早押しの二毛作。大ボリュームのクイズ作。


■ CAPCOM バルセロナ’92(1992/06/05|カプコン)
── 五輪競技ミニゲーム集。入力タイミングの妙が楽しい。

■ 三国志2 覇王の大陸(1992/06/10|ナムコ)
── カジュアル寄り三国志SLG。兵科相性と配置で差が出る。

■ まじかる☆タルるートくん2 まほうだいぼうけん(1992/06/19|バンダイ)
── 原作テイストの素直なACT。道具でギミック突破。

■ エスパードリーム2 新たなる戦い(1992/06/26|コナミ)
── 不思議世界のRPG続編。装備と探索のリズムが心地よい。

■ 聖鈴伝説リックル(1992/06/26|タイトー)
── 4キャラ切替の横スクACT。緻密ドットと丁寧な作りで通好み。

■ びっくり熱血新記録 はるかなる金メダル(1992/06/26|テクノスジャパン)
── くにおの祭り競技。理不尽と笑いの境界を攻める。

■ シャンカラ(1992/06/26|アイジーエス)
── 宇宙冒険風ADV/RPG。独特の世界観が売り。

■ ターミネーター2(1992/06/26|パック・イン・ビデオ)
── 映画原作の横スクACT。演出寄りで難度はやや高め。


■ THE GOLF ’92(1992/07/03|ジーオーワン)
── シンプル系ゴルフ。風と傾斜読みでスコアを詰める。

■ レッドアリーマーII(1992/07/17|カプコン)
── 悪魔視点のARPG続編。滑空・張り付きの機動が楽しい。

■ サマーカーニバル’92 烈火(1992/07/17|ナグザット)
── スコアタ特化の縦STG。短期集中のやり込み枠。

■ サンリオカップ ポンポンバレー(1992/07/17|キャラクターソフト)
── 2Dバレー。打点とタイミングの素直な気持ちよさ。

■ 三つ目がとおる(1992/07/17|トミー)
── 手塚作品のACT。ギミック解き中心で難度は中庸。

■ パチンコ大作戦2(1992/07/19|ココナッツジャパン)
── 実機風の遊技+収集。ゆるく遊べる1本。

■ 闘魂倶楽部(1992/07/24|ジャレコ)
── プロレスACT。投げと当て身の駆け引きを楽しむ。

■ シルヴァ・サーガ(1992/07/24|セタ)
── 正統派RPG。装備とスキルの成長が分かりやすい。

■ 魔法のプリンセス ミンキーモモ(1992/07/29|ユタカ)
── 原作ADV寄り。やさしい設計でファン向け。

■ 高橋名人の冒険島III(1992/07/31|ハドソン)
── 島巡りACT第3作。恐竜乗り換えで攻略幅が広がる。


■ ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間(1992/08/07|バンダイ)
── カード戦闘RPG第3弾。気の管理とルート取りが肝。

■ エイセス・アイアンイーグル3(1992/08/07|パック・イン・ビデオ)
── 映画ベースのフライトACT。操作に慣れが必要。

■ フリントストーン(1992/08/07|タイトー)
── アニメ原作ACT。見た目以上に手堅い作り。

■ ギミアぶれいく2 史上最強のクイズ王決定戦(1992/08/28|ヨネザワPR21)
── 番組クイズの第2弾。問題量で押すタイプ。

■ ムーンクリスタル(1992/08/28|ヘクト)
── ドット演出が秀逸な横スクACT。丁寧な作りで通好み。

■ ダービースタリオン 全国版(1992/08/29|アスキー)
── 育成SLGの金字塔。配合と調教の“沼”がここで加速。


■ スーパーマリオUSA(1992/09/14|任天堂)
── つかんで投げるマリオ。拾い投げの楽しさが核心。

■ 1999 ほれ、見たことか!世紀末(1992/09/18|ココナッツジャパン)
── 近未来ボードADV。イベントの破壊力で盛り上がる。

■ ドリームマスター(1992/09/22|ナムコ)
── 童話世界巡りのACT。各ステージの趣向が楽しい。

■ GOAL!!(1992/09/25|ジャレコ)
── サッカーACT。個人技と連携のバランスが良い。

■ キャプテンセイバー(1992/09/29|タイトー)
── 硬派な横スクACT。武器強化と立ち回りが決め手。

■ ミッキーマウスIII 夢ふうせん(1992/09/30|コトブキシステム)
── 風船の浮力で進むACT。独特の操作感が新鮮。


■ シャッフルファイト(1992/10/09|バンプレスト)
── カード×対戦のバラエティ。読み合い重視でサクサク。

■ ベストプレープロ野球スペシャル(1992/10/16|アスキー)
── 名作野球SLGの集大成。采配の妙がたまらない。

■ SPOT(1992/10/16|BPS)
── 点を繋いで陣を取るボード系。短時間でも熱くなる。

■ トップストライカー(1992/10/22|ナムコ)
── フィールドを広く使うサッカー。動線設計が巧み。

■ SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団(1992/10/23|バンダイ)
── 騎士ガンダムRPG完結編。テンポ良化で遊びやすい。

■ ダブルムーン伝説(1992/10/30|日本コンピュータシステム)
── 正統派ファンタジーRPG。堅実な育成と戦闘が魅力。


■ 恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992/11/06|エンジェル)
── 特撮原作のACT。フォーム違いで攻略に幅。

■ トムとジェリー&タッフィー(1992/11/13|アルトロン)
── 追いかけっこ演出が楽しい横スクACT。

■ フェラーリ Grand Prix Challenge(1992/11/13|ココナッツジャパン)
── 実名車レース。高速域のライン取りが難しくも快感。

■ 囲碁指南’93(1992/11/20|ヘクト)
── 年度版囲碁。段位別に学べる入門〜中級の良教材。

■ コロンブス(1992/11/20|トミー)
── 大航海モチーフADV。寄港とイベントで進行。

■ ヨッシーのクッキー(1992/11/21|任天堂)
── 並べ替えパズル。短時間でも“消す快感”。

■ タイニートゥーンアドベンチャーズ2(1992/11/27|コナミ)
── 2人協力が楽しいACT続編。ギミック多彩で飽きない。


■ ロックマン5 ブルースの罠!?(1992/12/04|カプコン)
── 武器バランスが洗練。流れの良さが気持ちいい佳作。

■ 将棋名鑑’93(1992/12/04|ヘクト)
── 年度版将棋。形勢判断を学び直せる。

■ ちいさなおばけ アッチコッチソッチ(1992/12/04|バップ)
── 児童向けのやさしいACT。絵本テイストで安心。

■ ワギャンランド3(1992/12/08|ナムコ)
── 言葉遊び×ACTの第3弾。家族向けの定番。

■ 妖精物語 ロッドランド(1992/12/11|ジャレコ)
── つかんで持ち上げる固定画面ACT。手触りが独特。

■ キョロちゃんランド(1992/12/11|ヒロ)
── マスコットACT。浮遊感ある操作がクセになる。

■ ハローキティのおはなばたけ(1992/12/11|キャラクターソフト)
── 花を育てるバラエティ。低年齢向けの安心設計。

■ ジャストブリード(1992/12/15|エニックス)
── SRPGの隠れ良作。部隊編成と地形活用が深い。

■ バーコードワールド(1992/12/18|サンソフト)
── バーコードでキャラ生成。周辺機器連動が話題。

■ ファミスタ’93(1992/12/22|ナムコ)
── 年度版野球。手触りはそのままにデータ更新。

■ SDガンダムワールド ガチャポン戦士5(1992/12/22|ユタカ)
── 戦略SLG第5作。相性と地形の活かし方が肝。

■ 熱血格闘伝説(1992/12/23|テクノスジャパン)
── くにお流対戦格闘。武器と地形で“わちゃわちゃ”。

■ グレイトバトルサイバー(1992/12/25|バンプレスト)
── ヒーロー総進撃ACT。キャラ切替で道中が変化。

■ 嗚呼!野球人生一直線(1992/12/25|サミー)
── 野球×人生SLG。数値だけでない“イベント力”。

■ ウルトラマン倶楽部(1992/12/25|エンジェル)
── デフォルメRPG。フォームと必殺の出しどころが楽しい。

■ データック ドラゴンボールZ 激闘天下一武道会(1992/12/29|バンダイ)
── データック対応。カード読み取りで遊びが広がる。

1992年 ファミコンの特徴と評価

1992年は、ファミコンにとって「末期ながらも意外に粒ぞろいの作品が出揃った年」でした。
スーパーファミコンがすでに本格普及していたため、子どもたちの主役ハードは移りつつありましたが、ファミコン市場は依然として数多くの新作で賑わっていました。

この年の大きな特徴は、まず続編やシリーズ物の充実です。
「ファイアーエムブレム外伝」や「高橋名人の冒険島III」、「SDガンダム外伝ナイトガンダム物語3」、さらには「ロックマン5」など、定番シリーズの新作が次々と投入されました。プレイヤーは“知っている遊び心地”を安心して楽しめる一方、各シリーズの新要素が小さな驚きを添える形となっていました。

また、キャラクターゲームの幅広さも目立ちます。
「炎の闘球児 ドッジ弾平」「恐竜戦隊ジュウレンジャー」「魔法のプリンセス ミンキーモモ」といったテレビアニメやマンガ原作タイトルが子ども層に人気を博しました。ファミコン末期は“キャラゲーは質が低い”と揶揄されがちですが、この時期の作品は丁寧な作りも多く、ファン層にきちんと応えています。

さらに忘れてはならないのが、個性派のオリジナルタイトルです。
サンソフトの「ギミック!」やヘクトの「ムーンクリスタル」など、当時は知名度こそ控えめでも、後年になって高評価を受ける作品が生まれたのも1992年の特徴です。とくに「ギミック!」はBGMと物理挙動の完成度から、現在では海外を含めて“ファミコン最高峰の一本”と再評価されています。

総じて1992年は、派手さはないもののシリーズの安定感、キャラゲーの広がり、隠れた名作の輝きという三本柱で語れる一年でした。スーパーファミコンへ完全移行する直前の、ファミコンならではの豊かさと多様性が凝縮された時期と言えるでしょう。

1992年 注目作ランキング

1992年のファミコンは“末期の輝き”とも言えるラインナップでした。
スーファミ全盛の陰で目立たなかった作品もありますが、改めて振り返ると名作揃いです。ここでは当時の話題性・完成度・現在の評価を踏まえたランキングをまとめます。


第1位 スーパーマリオUSA(任天堂|1992/09/14)

「マリオシリーズの異端児」と呼ばれながらも、投げる操作感やキャラごとの個性が新鮮。
『夢工場ドキドキパニック』の移植という事情も含め、後年まで語られる一本です。


第2位 ロックマン5 ブルースの罠!?(カプコン|1992/12/04)

安定したシリーズ品質と遊びやすさが際立つ作品。
大きな革新はないものの、武器バランスやステージ構成の洗練度は高く、ファンを裏切らない完成度。


第3位 ギミック!(サンソフト|1992/01/31)

当時は出荷数が少なく知名度も控えめでしたが、今では“ファミコン最高峰の隠れた名作”として再評価。
音楽、グラフィック、物理挙動すべてが突出しており、海外でもカルト的支持を得ています。


第4位 ダービースタリオン 全国版(アスキー|1992/08/29)

競馬SLGの地位を不動のものにした決定版。
配合・調教・レースの奥深さが大きく広がり、「ダビスタ」というジャンルそのものを確立しました。


第5位 ファイアーエムブレム外伝(任天堂|1992/03/14)

本編とは異なるシステムや自由な育成要素で、賛否を呼びながらも挑戦的な一作。
のちの『Echoes』でリメイクされたことからも、その実験精神の価値が証明されています。


第6位 高橋名人の冒険島III(ハドソン|1992/07/31)

恐竜を仲間にして進む新要素が追加され、シリーズの集大成的な位置づけ。
当時の子どもたちにとって夏休みの“定番タイトル”でした。


第7位 エスパードリーム2 新たなる戦い(コナミ|1992/06/26)

不思議な世界観と探索RPG要素が融合した、独特の魅力を持つ続編。
シンプルながら印象に残る演出で、根強いファンがいます。


第8位 ヨッシーのクッキー(任天堂|1992/11/21)

短時間で楽しめるパズルゲーム。
“誰でもすぐ遊べる”わかりやすさで、幅広い層に親しまれました。


第9位 SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団(バンダイ|1992/10/23)

人気シリーズの完結編。
テンポの良い戦闘と世界観のまとまりで、当時のガンダムファンに強く支持されました。


第10位 ムーンクリスタル(ヘクト|1992/08/28)

丁寧なドット絵と滑らかなアニメーションで、ファミコン後期の技術力を感じさせる佳作。
発売当時は埋もれ気味でしたが、後年になって評価が急上昇しています。


こうして並べると、1992年は「任天堂の安定感」「シリーズ続編の充実」「隠れた名作の再評価」という三つの側面が光ります。
まさに“ファミコンのラストスパート”を象徴する一年でした。

1993年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ サンリオカーニバル2(1993/01/14|キャラクターソフト)
―― パーティ感覚の対戦パズル。手軽さとキャラの可愛さでファミリー向け。

■ ワイリー&ライトのロックボード ザッツ☆パラダイス(1993/01/15|カプコン)
―― ロックマンキャラで遊ぶボード系経営ゲーム。駆け引き重視。

■ 仮面ライダーSD グランショッカーの野望(1993/01/22|エンジェル)
―― SD等身の横スクACT。多彩なライダーが共演。

■ F-1 SENSATION(1993/01/29|コナミ)
―― F1レース。直感操作とBGMが売りのアーケード寄り。

■ 悪魔城ドラキュラ(1993/02/05|コナミ)
―― 名作FDS版のROM化。ゴシック調の硬派アクション。

■ けろけろけろっぴの大冒険2 ドーナツ池はおおさわぎ!(1993/02/19|キャラクターソフト)
―― 低年齢向けの横スクACT。ミニゲームのバリエーション多め。

■ バトルベースボール(1993/02/19|バンプレスト)
―― ヒーロー達が競演するお祭り野球。必殺技で盛り上げる一本。

■ バイオミラクル ぼくってウパ(1993/02/26|コナミ)
―― FDS名作のROM移植。ふわっとした浮遊感と軽快BGM。

■ めざせ!トッププロ グリーンに賭ける夢(1993/03/05|ジャレコ)
―― 本格派寄りのゴルフ。ショットの駆け引きが肝。

■ バブルボブル2(1993/03/05|タイトー)
―― 連鎖消去の爽快ACT。2人協力プレイ対応。

■ USA ICE HOCKEY in FC(1993/03/06|ジャレコ)
―― 氷上の速さを再現したスポーツACT。体当たりが痛快。

■ スター・ウォーズ 帝国の逆襲(1993/03/12|ビクター音楽産業)
―― 映画原作ACT。多彩なシチュエーション切替が特徴。

■ ぴょこたんの大迷路(1993/03/19|サンソフト)
―― 迷路×パズル。コミカルな演出で子どもでも遊びやすい。

■ カジノダービー(1993/03/19|ヨネザワPR21)
―― カジノ&競馬のミニゲーム集。運と読みのバランス遊び。

■ 星のカービィ 夢の泉の物語(1993/03/23|任天堂)
―― コピー能力が初登場した横スクACT。シリーズの基礎を確立。

■ 蒼き狼と白き牝鹿・元朝秘史(1993/03/25|光栄)
―― チンギス・カン題材の歴史SLG。長期的な国家運営が楽しい。

■ もえろツインビー シナモン博士を救え!(1993/03/26|コナミ)
―― ツインビーのFC版。ベル拾いの駆け引きが熱い縦STG。

■ 炎の闘球児 ドッジ弾平2(1993/03/26|サンソフト)
―― 投げ/受けの読み合いが気持ちいいドッジボールACT続編。

■ 愛先生のO・SHI・E・TE わたしの星(1993/03/26|アイレム)
―― 星占い+アドベンチャーの異色作。占い演出が濃い。

■ 快傑ヤンチャ丸3 対決!ゾウリンゲン(1993/03/30|アイレム)
―― 低~中難度の王道横スクACT。小気味よい操作感。

■ データック SDガンダム ガンダムウォーズ(1993/04/23|バンダイ)
―― データック専用。カード読取でユニット追加の対戦型。

■ データック ウルトラマン倶楽部 スポ根ファイト!(1993/04/23|バンダイ)
―― データック専用。特訓や試合で成長するスポーツ風味。

■ ジェットソン Cogswell’s Caper!(1993/04/23|タイトー)
―― 海外アニメ原作の横スクACT。ギミック攻略型。

■ DUCK TALES 2(1993/04/23|カプコン)
―― 名作アクション続編。非直線的な探索と収集の妙。

■ くにおくんの熱血サッカーリーグ(1993/04/23|テクノスジャパン)
―― 乱闘上等のサッカーACT。超必殺シュートが名物。

■ ゴリラーマン(1993/04/28|ヨネザワPR21)
―― 漫画原作ADV。原作再現の会話劇に比重。

■ ジョイメカファイト(1993/05/21|任天堂)
―― FCらしさの工夫で格ゲーを成立させた実験的良作。Nintendo

■ マイティファイナルファイト(1993/06/11|カプコン)
―― SD等身のベルトスクロール。コンボ感と育成要素。

■ パチ夫くん5(1993/06/18|ココナッツジャパン)
―― パチスロ/パチンコ系のシリーズ作。演出のバリエーション拡充。

■ Jリーグファイティングサッカー(1993/06/19|アイジーエス)
―― J創設期の熱量を反映したサッカーACT。

■ うしおととら 深淵の大妖(1993/07/09|ユタカ)
―― 原作漫画の世界観を踏まえた探索型ACT。

■ ぷよぷよ(1993/07/23|徳間書店インターメディア)
―― 連鎖が気持ちいい定番落ちもの。対戦が白熱。

■ FC原人 Freakthoropus Computerus(1993/07/30|ハドソン)
―― 横スクACT。原人アクションの移植版。

■ 甲竜伝説ヴィルガスト外伝(1993/07/30|エンジェル)
―― アニメ調演出のRPG外伝。キャラ育成が王道。

■ ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画(1993/08/06|バンダイ)
―― OVA連動のカードRPG。原作ファン向け要素が厚い。

■ クレヨンしんちゃん オラとポイポイ(1993/08/27|バンダイ)
―― 投げ合い系アクションのミニゲーム集。

■ データック クレヨンしんちゃん オラとポイポイ(1993/08/27|バンダイ)
―― データック版。カード読み取りで要素追加。

■ パチスロアドベンチャー2 そろっ太くんのパチスロ探偵団(1993/09/17|ココナッツジャパン)
―― パチスロ×ADV。コミカルな謎解き+運要素。

■ テトリスフラッシュ(1993/09/21|任天堂)
―― ライトニングで一掃する派生ルール。短時間でも熱い。

■ データック 幽遊白書 爆闘暗黒武術会(1993/10/22|バンダイ)
―― データック専用。アニメ名シーンをカードバトル化。

■ 大工の源さん2 赤毛のダンの逆襲(1993/10/22|アイレム)
―― 豪快操作の横スクACT続編。ハンマー無双が爽快。

■ ろくでなしBLUES(1993/10/29|バンダイ)
―― 学園不良漫画を原作にしたコマンド式ADV。

■ ロックマン6 史上最大の戦い!!(1993/11/05|カプコン)
―― FC最終ナンバリング。多彩な分岐ステージと特殊武器。

■ データック バトルラッシュ Build Up Robot Tournament(1993/11/13|BPS)
―― データック専用。自作ロボで対戦するアセンブル系。

■ RPG人生ゲーム(1993/11/26|タカラ)
―― すごろく+RPGのミックス。家族で楽しめる一作。

■ ファミスタ’94(1993/12/01|ナムコ)
―― データ更新の定番野球。安定の爽快打撃。

■ けろっぴとけろりーぬのスプラッシュボム!(1993/12/01|キャラクターソフト)
―― 低年齢向けのアクションパズル。やさしい設計。

■ チップとデールの大作戦2(1993/12/10|カプコン)
―― 2人協力が楽しい横スクACT。投げ合いが小気味よい。

■ なかよしといっしょ(1993/12/10|ユタカ)
―― 少女誌コラボのミニゲーム集。ターゲットを明確にした作り。

■ 桃太郎伝説外伝(1993/12/17|ハドソン)
―― 伝説シリーズの外伝RPG。和風世界観の寄り道が楽しい。
(※先の草案にあった「桃太郎電鉄外伝」は誤り。本作が正です)

■ 囲碁指南’94(1993/12/17|ヘクト)
―― 思考時間短めで遊びやすい囲碁ソフト。

■ 熱血!すとりーとバスケット(1993/12/22|テクノスジャパン)
―― 路上バスケ×乱闘のくにお流スポーツACT。

■ SDガンダムワールド ガチャポン戦士5 BATTLE OF UNIVERSAL CENTURY(1993/12/22|ユタカ)
―― ガチャ戦士シリーズ集大成。パーティ育成と対戦が両立。

■ グレイトバトルサイバー(1993/12/25|バンプレスト)
―― ヒーロー競演ACT。必殺演出の見栄えが良い。

■ 嗚呼!野球人生一直線(1993/12/25|サミー)
―― 選手育成+試合の人生ゲーム風野球。

■ ウルトラマン倶楽部(1993/12/25|エンジェル)
―― SDウルトラのRPG。怪獣図鑑的なコレクション性。

■ データック ドラゴンボールZ 激闘天下一武道会(1993/12/29|バンダイ)
―― 年末投入のデータック専用格闘。カードで技が増える。

1993年 ファミコンの特徴と評価

1993年は、ファミコンが世代交代の最終局面に差しかかった年でした。すでにスーパーファミコンが市場の中心となっていましたが、ファミコンもなお健在で、1年を通じて52本ものタイトルが発売されています。数はピーク期と比べて少なくなったものの、ただ数を減らしたのではなく、長年の開発経験を活かした“締めくくり”に近い作品が揃ったことが特徴的でした。

特に注目すべきは、限られたハード性能を逆手にとって工夫を凝らした完成度の高い作品群です。『星のカービィ 夢の泉の物語』はコピー能力を全面に活かし、遊びやすさと爽快感を両立した末期を代表する名作となりました。『ジョイメカファイト』では容量制約の中でドットを大胆に省略したキャラクターデザインを採用し、格闘ゲームという新ジャンルをFCに持ち込むという挑戦を実現。さらに『ロックマン6』は長寿シリーズの集大成として、シリーズの文法を磨き上げた一本に仕上がっています。

また、キャラクターやアニメとのタイアップ作品も多く登場しました。『ドラゴンボールZ外伝』や『クレヨンしんちゃん』、『ゴエモン外伝2』といった作品は、子どもから大人まで幅広い層にアピールし、ファミコンが依然として“家族で楽しめるゲーム機”であることを印象付けました。さらに、カードリーダー「データック」を活用した『幽遊白書 爆闘暗黒武術会』などは、周辺機器の可能性を広げる実験的な意義を持っていました。

ディスクシステムで人気を博した『悪魔城ドラキュラ』や『バイオミラクル ぼくってウパ』がROMカセットとして改めてリリースされたのも、この時期ならではの流れです。ユーザーにとっては名作を再び遊ぶ機会が得られ、開発側にとってはソフト資産の活用となり、双方にメリットがある展開でした。

市場全体としては、スーパーファミコンとゲームボーイが台頭する中でファミコンの存在感は小さくなっていましたが、依然として「最も手軽に楽しめる据え置き機」として確かな位置を保ち続けました。結果的に1993年は、数ではなく質で存在感を示し、ファミコンが長年担ってきた役割をしっかりと締めくくった年といえるでしょう。

1993年 ファミコン注目作ランキング

1位:星のカービィ 夢の泉の物語

コピー能力を全面に打ち出したアクションの傑作。操作のしやすさとステージ構成の多彩さが評価され、ファミコン末期の代表作として語り継がれています。

2位:ジョイメカファイト

格闘ゲームをファミコンで実現した意欲作。キャラを分割パーツで表現する独自の発想で、技数も豊富。対戦の駆け引きがしっかり成立しており、マイナーながら高評価。

3位:ロックマン6 史上最大の戦い!!

長く続いたシリーズの集大成的な一本。従来のアクション性を引き継ぎつつ、分岐ルートやラッシュ合体システムを導入し、遊びの幅を広げました。

4位:幽遊白書 爆闘暗黒武術会(データック専用)

カードリーダー周辺機器「データック」を活かした格闘風ゲーム。キャラをカードで切り替える独自システムが当時としては斬新で、原作ファンの支持も獲得。

5位:ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画

人気アニメを原作にしたRPG作品。戦闘はカードバトル形式を採用し、シナリオもアニメと連動した内容でファンの注目を集めました。

6位:クレヨンしんちゃん オラとポイポイ

しんちゃんを題材にしたアクションパズル。見た目はコミカルながら、ステージ構成は手ごたえがあり、子どもだけでなく大人も楽しめる一作でした。

7位:悪魔城ドラキュラ(ROMカセット版)

ディスクシステムの名作をROM化。BGMやアクション性の高さはそのままに、手に取りやすくなったことで新たなユーザー層にも浸透しました。

8位:ゴエモン外伝2 天下の財宝

RPG形式のゴエモンシリーズ続編。和風の世界観やユーモアの効いたストーリーは健在で、シリーズファンに根強い人気を持っています。

9位:バイオミラクル ぼくってウパ(ROMカセット版)

かわいらしい赤ちゃんが主人公の横スクロールアクション。独特な世界観と明るいBGMでディスク時代から評価が高く、再販を喜ぶ声も多かった一作です。

10位:キャプテン翼III 皇帝の挑戦

人気サッカー漫画を題材にしたシミュレーション要素の強い作品。ドライブシュートなど必殺技演出がさらに強化され、ファンを熱狂させました。

1994年発売タイトル一覧(ROM/発売日順・1行解説)

■ ゼルダの伝説1(1994/02/19|任天堂)
── ディスク版(1986)のROMカセット移植。国内ではこの日がカセット版の新発売日。

■ ワリオの森(1994/02/19|任天堂)
── キノピオが主役のアクションパズル。日本で任天堂が発売したファミコン向け“最後の新作”として知られる。

■ ファイナルファンタジーI・II(1994/02/27|スクウェア)
── 1作目と2作目を1本に合本したFC用ROMカセット。公式アーカイブにも記載あり。

■ Jリーグ スーパートッププレイヤーズ[Datach専用](1994/04/22|バンダイ)
── バーコード読み取り周辺機器「Datach」専用のサッカー。Datach最後の専用ソフト。

■ パチスロアドベンチャー3 ビタオシー7見参!(1994/05/13|ココナッツジャパン)
── 物語仕立てのパチスロADV第3弾。FC末期に出たユニーク枠。

■ Jリーグウイニングゴール(1994/05/27|エレクトロニック・ビクター・アーツ)
── Jリーグ全12クラブ実名対応のFCサッカー。GB版と並行展開。

■ 高橋名人の冒険島IV(1994/06/24|ハドソン)
── 自由探索寄りに進化したシリーズ最終作。日本における“ファミコン最後のソフト”として任天堂公式が明言。

1994年のファミコンを振り返って

1994年のファミコンは、まさに“最後の年”でした。
1月から6月にかけて数本の新作が発売されましたが、その後はピタリと途絶えます。
この年に生まれた作品は、どれも「もう一度だけファミコンで」という想いがにじむラインナップでした。


スーパーファミコン全盛の中での存在感

1994年といえば、スーファミはすでに大作ラッシュの時期。
『ファイナルファンタジーVI』『スーパードンキーコング』といった、時代を象徴するソフトが次々と登場していました。
そんななかで発売されたファミコンの新作は、規模こそ小さくても、ファンに向けた“置き土産”のような意味合いが強かったのです。


最後を飾ったラインナップの多様さ

『ワリオの森』は任天堂が送り出した最後のファミコンソフト。シンプルなルールで誰でも楽しめるパズルゲームは、
「ファミコンは難しくても遊べる」という原点を再確認させてくれる内容でした。

『高橋名人の冒険島IV』はシリーズを締めくくる作品として、ファミコン最後期の中でもファンに強い印象を残しています。
「最初から最後までファミコンで見届けた」プレイヤーにとっては、時代の一区切りを象徴する作品だったでしょう。

さらに、『ファイナルファンタジーI・II(合本版)』や『ゼルダの伝説(ディスク版のROM移植)』といった、過去の名作をまとめたソフトも登場しました。
これらは単なる再発売ではなく、ファミコンが残してきた歴史の総括のように感じられます。


役割を終えて、思い出へ

1994年のファミコンは、もはや最前線のハードではありませんでした。
でも、「最後まで遊びやすく」「最後までファンと共に」という気持ちが作品から伝わってきます。

そして、この年を最後にファミコンは現役を退き、家庭用ゲーム機の礎を築いたハードとして記憶の中に定着していきました。

1994年 ファミコン注目作ランキング

第1位:ワリオの森(任天堂/1994年2月)

任天堂が送り出した最後のファミコンタイトル。
「ワリオ」という当時新顔のキャラを主役に据えたパズルゲームで、
落ち物パズル全盛の流れにファミコンらしいシンプルさを加えた意欲作です。
「ファミコン最後のソフト」として歴史的価値は圧倒的。


第2位:高橋名人の冒険島IV(ハドソン/1994年6月)

長年続いた冒険島シリーズの完結編にして、事実上ファミコン最後期のアクション大作。
ステージクリア型から探索型に進化し、当時のハドソンらしい挑戦が詰まっています。
「名人とともにファミコンを卒業する」ような感覚を覚えた人も多かったはず。


第3位:ファイナルファンタジーI・II(スクウェア/1994年2月)

ファミコンの歴史を語るうえで欠かせない『FF』シリーズの合本移植。
グラフィックやバランスを調整しつつ、初期の名作をまとめて楽しめる贅沢な内容。
次世代へ移行しつつある時代に、「ファミコンのRPGが残した足跡」を振り返れる一本です。


第4位:ゼルダの伝説(ROMカセット版/1994年2月)

元々はディスクシステム専用だった作品を、ROM化して復刻。
電池セーブ対応となり、より遊びやすくなりました。
これにより「ゼルダの原点」を当時の子供たちが再び手軽に体験できるようになったのは大きな意味があります。


第5位:マリオオープンゴルフ(ROMカセット版/1994年2月)

こちらもディスクからのROM移植。
シンプルながら奥深いゴルフゲームとして定評があり、
「マリオスポーツの歴史を支えた存在」として再評価されました。


1994年はソフト数こそ少ないですが、「最後を飾るにふさわしい記念碑的な作品」が揃っていました。
完全新作で幕を閉じる『冒険島IV』、そして歴史を振り返らせてくれる復刻移植。
ファミコンはこの年に、静かに、しかし鮮やかに幕を下ろしたといえるでしょう。

なぜ「1994年6月」で止まったのか

ファミコンの新作がぴたりと止まった背景は、ひと言でいえば“世代交代が完全に決着したから”です。
でも現場の空気はもっと具体的で、もう少し生活感のある事情が絡み合っていました。


1) スーファミに“人もお金も時間も”集まった

1990年にスーパーファミコンが出て数年。ユーザーの目は大きく・なめらかに・派手に動くゲームへ。
開発現場も広告費も、自然と16ビットへ流れます。
「次の企画はどの機種で?」と会議で聞かれたら、答えはだいたいスーファミ。
ファミコンで作る理由を、数字で説明しにくい段階に入っていました。


2) 小売の棚は一列しかない

店頭の棚は有限です。新作の箱を並べるなら、動きの速いスーファミを優先せざるを得ません。
すると、ファミコンの新作は「置いてもらえない → 出荷が伸びない → 企画が立たない」という
鶏と卵のループに入ります。


3) マスクROMの“最低ロット”が重い

当時のカセットはマスクROMが中心。一定数をまとめて焼く必要があり、在庫リスクが企画の重しになります。
「少ない本数で試す」が難しいから、末期の小粒企画ほど採算が合いづらい
じわりじわりと、新規企画のハードルが上がりました。


4) “軽く遊びたい”層はゲームボーイへ

低年齢層やライト層は携帯機の手軽さに流れます。
「短い時間でサクッと」はゲームボーイの得意分野。
ファミコンがもともと担っていた“家族向けの軽め需要”を、ポータブルが肩代わりし始めたのも効いています。


5) 拡張で粘るより、次のスタンダードへ

末期のファミコンには拡張音源・大容量ROM・周辺機器などの“粘り”がありました。
でも、それらはコストと手間が増えるわりに、一般ユーザーに伝わりにくい。
開発者も販売側も、「だったら最初からスーファミで勝負しよう」と腹が決まるわけです。


“最後の数本”が教えてくれること

1994年2〜6月にかけて、いくつかの話題作が置き土産のように並びました。
『ワリオの森』のような遊びやすいパズル
『冒険島IV』のようなシリーズの締めくくり
『FFI・II(合本)』『ゼルダ(ROM移植)』のようなレガシーの再提示

どれも「ファミコンの強み=すぐ触れて、すぐ楽しい」を最後まで守っています。
派手な花火ではなく、手触りの良い余韻で幕を引いた——そんな終わり方でした。


それからの時間

ソフトの新作は止まっても、思い出は止まりません
中古市場・攻略本・サントラ、そしてネットのコミュニティ。
後年、埋もれていた佳作(たとえば演出の美しい横スクや、音源が凝ったタイトル)が
“再評価”の波に乗るのもこの時期以降です。

つまりファミコンは、最新機ではなくなってからも価値を増やした珍しいハード。
「終わり」は消滅ではなく、“役割の変化”だったんですね。

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  • 【2025最新R36Sハンドヘルドゲーム機】EmuELEC-Linuxオープンソースシステムをサポート、3.5インチIPS全視野角、ゼロ距離OCAフルラミネーションスクリーン、解像度640 x 480、32ビットアプリケーションをサポートする64ビットゲームシステム、有線ジョイスティック機能と互換性があります。 大型2Dゲームや一部の3Dゲームを簡単に実行できます。
  • 【複数のエミュレータをサポートし、たくさんの種類のゲームを実行可能】豊富なゲームコンテンツを含む、R363S携帯ゲーム機はオープンソースのデュアルシステムを採用し、数十種類のエミュレータをサポートし、64GBメモリカードを含む、15000以上の面白い様々なゲームをスムーズに連続実行でき、ゲームの楽しさを心ゆくまで満喫できます。探検、対戦、スポーツ、競技、関門突破など様々なジャンルのゲーム。
  • 【人間工学に基づいたデザインとデュアル3Dジョイスティック】革新的な外観と機能、4ピースL/Rボタン、リアスプリング、湾曲とグリップデザインが完璧に組み合わされ、指を自由にします。 ジョイスティック付き十字キーにより、ボタンの最適な組み合わせを選択でき、ゲーム体験を向上させます。操作が容易。
  • 【3200mAH大容量バッテリー】バッテリ持続性に優れたバッテリ、R363Sハンドヘルドには3200mAHの大容量バッテリーが搭載されており、フル充電後、最大5~6時間ゲームを継続的かつスムーズに実行することができます。 また、より安全な双方向保護充電・放電モードを採用しています。長時間のゲーム動作をサポートします。
  • 【強化されたOTGアダプター】素敵なプレゼント、完璧な機能、この携帯ゲーム機は、アダプターを通して大画面出力を実現し、ジョイスティックに接続されたアダプターケーブルを通して2人用ゲームも実現できます。 ご家族やお友達も一緒にゲームに参加して、楽しい時間を過ごしましょう。 また、新年、誕生日、父の日、クリスマス、バレンタインデー、サンクスギビングデーや他の休日にボーイフレンド、夫、兄弟、息子、父親、友人に非常に素晴らしい贈り物です。あなたは持っている価値があります。

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