- FFレゾナンスはなぜ高評価?Steam好評率97%、支持された理由を考察
- FFレゾナンスはSteamで97%好評!どれほど評価されている?
- 高評価の理由① ターン制バトルが「古い」どころか面白い
- 高評価の理由② ビジョン育成が『FFV』を思わせる
- 高評価の理由③ HD-2Dが「昔のFFはこう進化してほしかった」を形にした
- 高評価の理由④ クリスタルと飛空艇が生む「冒険している感覚」
- 高評価の理由⑤ FFBEを買い切りRPGとして再構築した
- それでも欠点はある|97%好評と不満は両立する
- Steam好評率97%とメタスコアの評価が違うのはなぜ?
- なぜここまで支持された?昔のFFを求める人との相性
- FFレゾナンスの成功は、今後のFFにも影響する?
- 今から遊ぶ価値はある?高評価でも向き不向きはある
- まとめ|FFレゾナンスは「昔のFFだから」高評価なのではない
FFレゾナンスはなぜ高評価?Steam好評率97%、支持された理由を考察

『ファイナルファンタジー レゾナンス』が、発売直後から驚くほど高い評価を集めている。
2026年10月27日時点のSteamユーザーレビューでは、2,617件中97%が好評。評価区分は「圧倒的に好評」となった。発売から間もない新作RPGとして、注目すべき数字だ。
近年の『ファイナルファンタジー』シリーズがアクション性の高い戦闘やリアルな3Dグラフィックを追求してきたのに対し、本作が選んだのはドット絵とターン制コマンドバトル。かつてのFFを思わせる方向性である。
では、昔のFFに戻ったことが高評価の理由なのだろうか。
それだけでは説明できない。戦闘にはブレイクを中心とした駆け引きがあり、育成にはビジョンとアビリティを組み合わせる自由度がある。さらに、飛空艇で世界を巡る冒険やHD-2Dによる映像表現も、現代のRPGとして作り込まれている。
本作が支持された最大の理由は、懐かしいFFを再現したことではなく、昔ながらのFFの楽しさを、今でも夢中になれるゲームとして成立させたことにあるのではないか。
一方で、物語の展開や戦闘の繰り返しには厳しい意見もある。97%という数字だけで、欠点のない傑作と判断するのも早い。
なぜこれほど好評なのか。実際のゲームシステム、プレイヤー評価、評価が分かれた部分を整理しながら、その理由を考えていこう。
FFレゾナンスはSteamで97%好評!どれほど評価されている?
『ファイナルファンタジー レゾナンス』は2026年10月22日に発売されたRPGで、Steam版は日本時間10月23日にリリースされた。
発売直後からSteamで好意的なレビューが集まり、10月23日夜の時点では約770件のレビューで好評率96%以上を記録。さらに週末を経てレビュー件数が増加しても、97%という極めて高い割合を維持した。
10月27日時点で確認できたSteam公式の表示は、次のとおりだ。
ただし、ここでいう97%は「ゲームの完成度が100点満点中97点」という意味ではない。
Steamのユーザーレビューは、基本的に作品を他の人へおすすめするかどうかを好評・不評で表す仕組みだ。気になる部分がいくつかあっても、最終的に「おすすめできる」と判断すれば好評となる。
また、集計対象はSteamでレビューを投稿したユーザーであり、購入者全員や、PS5・Nintendo Switch 2などを含む全機種のプレイヤーを調査した結果ではない。
発売から数日という時期でもあるため、長期間遊んだ後の評価が今後どう変化するかは、まだ分からない。
それでも、数千件規模のレビューが集まった段階で97%を維持している事実は、初期の購入者から非常に強い支持を得ていることを示している。
Steam同時接続も4万人を突破
注目度の高さはレビューだけではない。
Steamの非公式データベース「SteamDB」では、10月25日に最大同時接続プレイヤー数が4万2,000人を突破したことも確認されている。
Steam版が発売された10月23日には、Steam公式の世界売上チャートで2位、日本のチャートで1位を記録した。
つまり、少数の熱心なファンだけが高い点を付けている状況とは異なり、発売直後から相当数のプレイヤーが集まっていたことになる。
もちろん、同時接続数は販売本数を示すものではない。また、過去のFF作品とはPC版の発売時期が異なるため、この数字だけでシリーズ史上最大のヒットと判断することもできない。
重要なのは、購入の勢いと好評率が同時に確認されている点だ。多くの人が興味を持って購入し、レビューを投稿した人の大多数が好意的な評価を残している。
高評価の理由① ターン制バトルが「古い」どころか面白い
本作の評価を語るうえで、最初に取り上げたいのが戦闘だ。
近年の『FFXV』『FFXVI』は、リアルタイムの操作やアクション性を重視してきた。一方、レゾナンスは敵味方の行動順を確認し、コマンドを選んで戦うターン制を採用している。
この違いは、単に操作方法が変わったという話ではない。
反射神経ではなく、敵の特徴を把握し、能力を組み合わせ、次の一手を考えることが勝敗に大きく影響する。プレイヤーが何を面白いと感じるか、その中心が異なっている。
ブレイクを狙うだけでも戦術が生まれる
レゾナンスの戦闘で重要になるのが、敵のブレイクゲージだ。
敵にはHPとは別にブレイクゲージが用意されており、弱点属性などで攻撃してゲージを削り切るとブレイク状態になる。
ブレイクした敵はそのターンに行動できなくなり、防御力も低下する。さらに、敵をブレイクさせたキャラクターは、ターンの最後に発生する「エクストラフェイズ」で追加行動できる。
敵全員をブレイクさせれば「フルブレイク」となり、パーティー全員が追加行動できるうえ、ビジョン固有の必殺技「レゾナンス」も発動可能になる。
ここで面白いのは、目の前の敵へ最大火力を叩き込むことが、必ずしも最善ではないところだ。
例えば敵が3体いる場合、1体を集中攻撃して早く倒す方法もある。しかし、攻撃対象を分散させて全員をブレイクできれば、追加行動を利用して一気に戦況を変えられる。
逆に、無理にフルブレイクを狙って危険な敵の行動を許してしまうくらいなら、特定の相手だけを確実に止める方がよいこともある。
攻撃する順番、使う属性、仲間の役割。ひとつの戦闘の中に、いくつもの判断が生まれる。
コマンドを選ぶという昔ながらの操作に、敵の行動を制御する駆け引きが加わっている。ターン制バトルを好む人にとって、この仕組みはかなり魅力的だろう。
強いボスほど、考えることに意味が出てくる
通常の敵なら、弱点を突いて攻撃を重ねるだけでも勝てる場面はある。しかし、強力なボスが相手になると事情は変わる。
回復に行動を使うのか。補助魔法で守りを固めるのか。それとも危険を承知でブレイクを狙い、敵の攻撃を封じるのか。
同じキャラクターでも、習得したアビリティや装備しているビジョンによって取れる戦術が変わるため、強敵に勝てない時には編成から考え直せる。
レベルを上げて力押しする以外にも、突破口が用意されているわけだ。
考えて編成を作り、その編成が狙いどおりに機能した時の満足感。これこそ、アクション主体のFFとは別の方向で、本作が提供している楽しさだ。
高評価の理由② ビジョン育成が『FFV』を思わせる
戦闘と並ぶ大きな魅力が、ビジョンによるキャラクター育成だ。
ビジョンは、歴代FFの英雄たちの想いが結晶化した力。クラウドやティナをはじめとする歴代シリーズのキャラクターが登場し、その能力を借りながら戦える。
ただし、単に人気キャラクターがゲスト出演するだけの仕組みではない。
キャラクターにビジョンを装備させて戦闘を重ねると、マスタリーランクが上昇し、新しいアビリティを習得していく。
そして重要なのが、一度習得したアビリティは、別のビジョンへ変更した後も利用できることだ。
この仕組みは、『ファイナルファンタジーV』のジョブシステムを思わせる。
『FFV』ではジョブを育てることで能力が増え、異なるジョブのアビリティを組み合わせて独自の戦い方を作れた。レゾナンスのビジョンは同一のシステムではないものの、育成した成果を別の構成に生かせるという魅力を受け継いでいる。
新しいビジョンを手に入れるたび、育成の可能性が広がる
例えば、あるキャラクターを物理攻撃に特化させて育てていたとする。
そこへ属性魔法を扱うビジョンを装備させ、魔法系のアビリティを習得させれば、物理攻撃だけでは対処しにくかった敵への新しい選択肢が生まれる。
回復役に補助能力を覚えさせたり、防御に優れたキャラクターへ攻撃手段を持たせたりすることも考えられる。
強い装備を入手した時だけではなく、アビリティをひとつ覚えた時にも編成を見直したくなる。ここが育成RPGとしての強みだ。
しかも、ビジョンを装備するキャラクターと、ビジョンそのものの組み合わせを考えられるため、単純に強いビジョンを順番に装備するだけでは終わらない。
歴代FFの人気キャラクターが、懐かしい顔ぶれとして登場するだけでなく、育成や戦闘に関わる重要な存在になっている。
この点が、シリーズファンへのサービスと、RPGとしてのゲーム性をうまく結び付けている。
戦闘と育成が互いを面白くしている
ブレイクを中心とした戦闘と、ビジョンによる育成は別々の要素ではない。
新しいアビリティを覚えれば、これまで難しかったブレイクの狙い方が可能になるかもしれない。強敵に苦戦すれば、今度は別のビジョンを育てて能力の組み合わせを変えたくなる。
戦うことで育成が進み、育成することで戦い方が広がる。
この循環が成立しているからこそ、単に昔ながらのターン制RPGを再現した作品にとどまっていない。
育成好きのプレイヤーなら、次の目的地に進む前に、もう少しだけアビリティを覚えさせたくなる。そんな寄り道そのものが楽しいゲームになっている。
高評価の理由③ HD-2Dが「昔のFFはこう進化してほしかった」を形にした
レゾナンスは、シリーズ初となるHD-2D表現を採用したFF作品だ。
HD-2Dとは、ドット絵のキャラクターと立体的な背景、光や影の表現などを組み合わせた映像スタイル。『オクトパストラベラー』などでも知られている。
本作では、ドット絵の温かみを残しながら、ダイナミックなカメラワークや奥行きのある演出を取り入れている。
特に印象的なのは、ドット絵だからといって、演出まで昔のゲームに合わせて制限していないことだ。
キャラクターや世界の見た目には懐かしさがある。しかし、イベントシーンではカメラが動き、光や背景によって場面の雰囲気が変化する。歴代FFキャラクターが使うレゾナンスでは、3Dグラフィックによる迫力ある必殺技も用意されている。
昔のFFが持っていた想像力を刺激する世界と、現代の映像表現。その両方を楽しめる。
かつて『FFIV』『FFV』『FFVI』に夢中になった人なら、もしあの時代のドット絵が途切れずに発展していたら、どんなFFが生まれていただろうと考えたことがあるかもしれない。
レゾナンスは、その想像を具体的なゲームとして提示している。
音楽と映像が、冒険の記憶を強く残す
映像だけでなく、音楽も本作の魅力を支えている。
町を歩く時の落ち着いた雰囲気、戦闘へ突入する時の緊張感、重要な場面での盛り上がり。昔ながらのRPGを遊んでいた時に感じた高揚感を、音楽と映像が一緒になって作り出している。
ドット絵だから懐かしい、過去作のキャラクターが登場するから嬉しい。それだけではなく、ひとつの冒険として印象に残る演出が用意されていることが大きい。
公式のファイナルトレーラーでは、HD-2Dの映像、キャラクター、戦闘演出などを確認できる。
『ファイナルファンタジー レゾナンス』ファイナルトレーラー/PlayStation Japan公式
本作の音楽が気に入った人には、公式サウンドトラックもおすすめだ。FFBE時代の楽曲に『FFレゾナンス』の新曲33曲を加えた全120曲をCD4枚組に収録。戦闘曲から旅の途中で耳にした音楽まで、冒険の余韻をじっくり楽しめる。
『FFレゾナンス』の新曲33曲を含む全120曲を収録した、CD4枚組の公式サウンドトラック。壮大な戦闘曲や心に残るフィールド曲など、ゲームの世界を音楽でも楽しめます。
2026年10月28日発売予定。メーカー希望価格4,620円(税込)。コレクターズエディション同梱CDと同じ内容です。
高評価の理由④ クリスタルと飛空艇が生む「冒険している感覚」
本作が大切にしているのは、戦闘や育成だけではない。
クリスタルを巡る物語、チョコボ、幻獣、飛空艇。昔からFFを遊んできた人にはおなじみの要素が、冒険の中に組み込まれている。
中でも飛空艇の存在は大きい。
序盤には行けなかった場所が、冒険の進行によって新たな目的地になる。まだ訪れていない土地を見つけ、そこに何が待っているのかを確かめに行く。
かつてのFFには、物語を追うだけでなく、世界を自由に旅できるようになる瞬間の喜びがあった。
レゾナンスでも、世界各地にはビジョンを入手できる祠や、育成したパーティーの力を試せる強敵が用意されている。
寄り道して手に入れたものが、新しいアビリティや強力な装備につながる。探索の報酬が、そのまま次の戦闘を面白くしてくれる。
近年の大作RPGでは、広大なフィールドや膨大なサブクエストが評価されることも多い。しかし、冒険の面白さは世界の広さだけで決まるものではない。
新しい場所へ行くことで何かを発見できる。発見したものが冒険を変えてくれる。そして、さらに遠くへ行きたくなる。
その流れがあるからこそ、世界を巡ること自体が楽しい。
レゾナンスは、かつてのFFで多くの人が親しんだ冒険の構造を、現代のRPGとして取り戻した作品ともいえる。
高評価の理由⑤ FFBEを買い切りRPGとして再構築した
もうひとつ、本作の評価を考えるうえで欠かせないのが『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)』との関係だ。
レゾナンスは、スマートフォン向けRPGとして展開されていたFFBEの第1シーズンを土台に制作されている。
主人公レインとラスウェル、記憶を失った少女フィーナ、クリスタルを巡る物語など、原作の中心となる要素を引き継いでいる。
しかし、スマートフォン版を単純に家庭用ゲーム機へ移植したわけではない。
戦闘、育成、探索、映像、シナリオの見せ方などを大幅に再構築している。開発者も、原作からシナリオの大筋とキャラクター以外を大きく作り直したことを説明している。
特に重要なのは、スマートフォン版にあったガチャによるキャラクター獲得を、そのまま持ち込まなかったことだ。
レゾナンスは買い切り型のRPGとして設計され、ビジョンもゲーム内の探索やクエストなどを通じて獲得していく。
強い能力が欲しければ、世界を探索し、敵を倒し、ビジョンを育てる。ゲームを進めることそのものが成長につながる仕組みだ。
スマホゲーム出身という先入観を超えられたのか
スマートフォン向けゲームを家庭用に作り直す場合、元の課金構造や繰り返し遊ぶ仕組みが残り、買い切りRPGとしてのまとまりに不安を感じる人もいるだろう。
しかし、本作ではキャラクターを育て、物語を進め、エンディングを迎えるという一本のRPGとしての構成が用意されている。
もちろん、元のFFBEを遊んでいた人には懐かしさもある。一方、FFBEを知らなかった人にとっては、レインたちの物語を初めて楽しむ機会になる。
ここで注目したいのは、サービスを終了したスマートフォン作品の物語やキャラクターが、新たなゲームとして再び触れられる形になったことだ。
本作の商業的な成功や長期的な評価を現時点で断定することはできない。それでも、かつての作品を単に保存するだけでなく、現在のプレイヤーが新しいRPGとして楽しめるように作り直した意義は大きい。
それでも欠点はある|97%好評と不満は両立する
ここまで高評価につながった要素を見てきたが、レゾナンスがあらゆる面で絶賛されているわけではない。
海外メディアのレビューでも、戦闘や育成、HD-2Dの映像表現を高く評価する意見がある一方で、物語の構成やゲームのテンポについては厳しい批評が見られる。
むしろ、こうした欠点があるにもかかわらず高い好評率を獲得している点が、本作の興味深いところだ。
物語の王道らしさは、長所にも弱点にもなる
レインとラスウェルの冒険は、クリスタルを巡る争いを中心とした王道ファンタジーだ。
正義感の強い主人公、慎重な相棒、記憶を失った少女、強大な敵との対決。登場人物や物語の目的が理解しやすく、昔ながらのFFが好きな人には親しみやすい。
一方で、こうした設定には既視感もある。
物語の意外性や、登場人物の複雑な心理描写を最優先する人には、展開が予測しやすく感じられるかもしれない。
海外レビューでも、仲間同士の掛け合いや王道の冒険を好意的に受け止める評価がある一方、ストーリーの独創性や人物描写に物足りなさを指摘する批評がある。
ここは好みが分かれる部分だろう。
複雑な設定を追いかけるより、分かりやすい冒険に身を任せたい人にとっては長所になる。しかし、物語そのものに強烈な驚きや深い人間ドラマを求める人なら、評価は下がる可能性がある。
ブレイク中心の戦闘が単調になる場面もある
戦闘についても、長所がそのまま弱点になる部分がある。
敵の弱点を突いてブレイクさせる仕組みは面白い。しかし、敵の弱点や有効な攻撃手順が分かってしまえば、同じ行動を繰り返す場面も増えてくる。
通常戦闘では、毎回異なる戦術が求められるわけではない。高難度の戦闘でも、攻略手順が固まった後は、同じ攻撃と回復を何ターンも繰り返す展開になり得る。
ブレイクという仕組みが優れていることと、すべての戦闘が最後まで新鮮であることは別問題だ。
新しい戦術を考える楽しさがある一方で、その戦術が完成した後には作業的になりやすい。この両面を持っている。
オートバトルがないことをどう評価するか
本作にはオートバトルが用意されていない。
開発側は、プレイヤー自身がコマンドやビルドを考える楽しさを重視したと説明している。実際、強敵との戦闘では、自分で判断することに大きな意味がある。
しかし、ビジョン育成のために戦闘を繰り返す場面では、話が変わってくる。
すでに倒し方が分かっている弱い敵との戦闘でも、毎回コマンドを入力する必要がある。戦闘速度を上げても、操作そのものの手間は残る。
ターン制RPGでは手動で考えることが面白さにつながる。しかし、育成のために何度も同じ戦闘を繰り返す時まで、同じ負担が必要だったのかという疑問は残る。
この点は、長時間遊ぶほど気になりやすい部分だろう。
レゾナンスの戦闘が高く評価される理由も、操作の負担が指摘される理由も、プレイヤーに自分で考えさせる設計にある。
高評価と不満が矛盾しているわけではない。戦闘の面白さを強く感じた人でも、育成周回の手間については改善してほしいと考えることがあるはずだ。
Steam好評率97%とメタスコアの評価が違うのはなぜ?
レゾナンスはSteamで非常に高い好評率を獲得している一方、海外メディアの評価は必ずしも満点に近いものばかりではない。
メタスコアは発売初期に機種別でおおむね80点台を記録しており、全体として好意的な評価ではあるものの、ゲームメディアによって採点には差がある。
これはSteamユーザーとゲームメディアの意見が完全に対立しているということではない。
そもそも、数字が表している内容が異なっている。
| 比較する指標 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| Steam好評率 | レビュー投稿者のうち、好評とした人の割合 | 作品の完成度を100点満点で採点した数値 |
| メタスコア | 複数のメディアによる批評スコアの集計 | 一般購入者全体の満足度 |
| Steam同時接続数 | 同じ時刻にSteam版を利用している人数 | 全機種合計の販売本数や購入者の評価 |
例えば、ゲームメディアが作品を80点と評価したとしても、その作品を十分楽しめた読者ならSteamでは好評を選ぶかもしれない。
物語に少し不満があっても、戦闘が抜群に面白かった。育成の手間は気になるが、それ以上に冒険が楽しかった。そうしたプレイヤーも、最終的におすすめできると感じれば好評を付ける。
逆に、完成度の高い部分が多くても、物語やテンポを重視する批評では、そこが減点理由になる場合がある。
つまり、Steamの97%は「不満がほとんどない」という意味ではなく、不満があってもなお、おすすめしたいと考えたレビュー投稿者が非常に多いことを表している。
この違いを理解すると、本作の評価がより分かりやすくなる。
なぜここまで支持された?昔のFFを求める人との相性
では、数あるRPGの中で、なぜレゾナンスがここまで強い支持を集めているのだろうか。
ここからは、ゲームの特徴と確認できた評価傾向を踏まえた考察になる。
ひとつ考えられるのは、レゾナンスがどのようなゲームなのか、発売前から非常に分かりやすかったことだ。
ドット絵のFF、ターン制コマンドバトル、ジョブシステムを思わせる育成、クリスタルと飛空艇の冒険。これらの要素を見ただけで、自分の好みに合うかどうかを想像しやすい。
近年のFFの方向性が好きな人もいれば、昔ながらのFFをもう一度遊びたいと思っていた人もいる。
レゾナンスは、後者の期待にかなり明確な形で応えた作品だ。
さらに、発売前には第1章を遊べる無料体験版が配信され、セーブデータを製品版へ引き継ぐこともできた。
購入前にターン制バトルやビジョン育成の感触を確かめ、自分に合うと感じた人が製品版を選びやすい環境も整っていた。
こうした作品の方向性と購入者の好みの一致が、高い好評率につながった可能性はある。
ただし、体験版を経由して購入した人の割合や、過去のFFを好むユーザーがどの程度レビューを投稿したかについて、十分な統計があるわけではない。
「昔のFFファンが中心だから97%になった」と断定することはできない。
そのうえで、本作は好き嫌いの分かれる方向性を曖昧にせず、ターン制RPGの魅力を正面から追求した。そこに、強い支持を集めた理由のひとつがあると考えられる。
原点回帰だけなら、ここまで評価されたとは限らない
昔のFFらしいゲームを作るだけなら、ドット絵にして、ターン制バトルを採用し、クリスタルを登場させれば形にはなる。
しかし、それだけでは懐かしいという感想で終わってしまう。
レゾナンスには、ブレイクによる攻防の駆け引き、ビジョンを使った育成の自由度、現代的な映像演出、探索と成長を結び付ける仕組みがある。
懐かしい世界に戻るだけでなく、その世界で新しい戦い方や育成を試したくなる。
昔のFFを知っている人には懐かしさがあり、知らない人には戦略的なターン制RPGとして楽しめる内容が用意されている。
本作の強みは、その両方が成立しているところだろう。
FFレゾナンスの成功は、今後のFFにも影響する?
今回の高評価を受けて、今後のFFもターン制に戻るのではないかと期待する人もいるかもしれない。
しかし、現時点でレゾナンスの評価が今後のナンバリング作品の戦闘方式を変えると決まったわけではない。
そもそも、FFシリーズは作品ごとに新しい仕組みへ挑戦してきた歴史がある。
ターン制からアクティブ・タイム・バトルへ、さらにリアルタイム要素の強い戦闘やアクションへと変化してきたことも、その一部だ。
だからこそ、レゾナンスの高評価を「これからのFFはすべてターン制にすべきだ」と結び付ける必要はない。
むしろ注目したいのは、FFというシリーズの中で、異なる方向性の作品が支持される余地があることだ。
リアルな映像とアクションを追求するFFがあってもいい。ドット絵とターン制で、編成や育成をじっくり楽しむFFがあってもいい。
レゾナンスが発売初期に示したのは、昔ながらのコマンドバトルや冒険の仕組みが、現在でも十分にプレイヤーを惹き付けられるという可能性だ。
ただし、長期的な売上や評価の推移が明らかになるまでは、今後のシリーズ展開への影響を断定すべきではないだろう。
今から遊ぶ価値はある?高評価でも向き不向きはある
ここまでの評価を踏まえると、レゾナンスは特に次のような人と相性がよい作品だ。
- 『FFIV』『FFV』『FFVI』など、昔ながらのFFが好きな人
- 敵の弱点を調べ、行動順を考えるターン制バトルを楽しみたい人
- アビリティを覚え、組み合わせを試す育成が好きな人
- 飛空艇で世界を巡り、隠された強敵や装備を探したい人
- ドット絵と現代的な映像表現を組み合わせたRPGに魅力を感じる人
反対に、アクション主体の戦闘を求める人や、物語の独創性を最優先する人には、必ずしも最適とは限らない。
また、ビジョンをじっくり育成することが本作の大きな魅力である以上、繰り返しの戦闘を負担に感じる人も慎重に判断した方がよい。
迷っているなら、まずは無料体験版でバトルの感触を確かめるのがいいだろう。第1章を遊べるうえ、製品版にセーブデータを引き継げるため、本格的に購入する前の判断材料になる。
なお、つぶログでは本作の戦闘・育成・ストーリー・快適性・機種ごとの違いを詳しく整理した『ファイナルファンタジー レゾナンス』忖度なしレビューも公開している。購入を検討している場合は、あわせて確認してほしい。
まとめ|FFレゾナンスは「昔のFFだから」高評価なのではない
『ファイナルファンタジー レゾナンス』がSteamで97%という高い好評率を獲得した背景には、いくつもの魅力がある。
ターン制バトルでは、敵の弱点を見極め、行動順を考えながらブレイクを狙う楽しさがある。ビジョン育成では、新しいアビリティを覚えるたびに戦い方の可能性が広がっていく。
HD-2Dの映像と音楽は冒険を盛り上げ、クリスタルや飛空艇の存在は、かつてのFFで感じた世界を旅する喜びを思い起こさせる。
しかも、本作はスマートフォン向けに生まれたFFBEの物語を、買い切り型のRPGとして大きく作り直した作品でもある。
一方、物語の展開には既視感があり、ブレイクを中心とした戦闘も繰り返すうちに単調になりやすい。オートバトルがないことも、育成を深める人ほど気になる部分だろう。
高評価だからといって、こうした欠点が消えるわけではない。
それでも多くのレビュー投稿者が好評を選んだのは、そうした不満を上回る楽しさを感じたからだと考えられる。
昔のFFに戻ったことが評価されたのではない。昔のFFで楽しかったことが、今でも十分に面白いと感じられる形で戻ってきた。
戦い方を考え、新しい能力を覚え、まだ見ぬ土地へ向かう。レゾナンスの高評価には、そんなRPGの根本的な楽しさが深く関わっているのではないだろうか。
発売から間もない現時点では、長期的な評価がどこに落ち着くかは分からない。しかし、ドット絵とターン制を選んだ新しいFFが、多くのプレイヤーから支持されていることは確かだ。