デジタル文化

Yahoo! JAPANはなぜ“ネットの玄関”だった?1996年のディレクトリ検索から始まった日本のWeb案内所

Yahoo! JAPAN初期のインターネット検索文化を振り返るイメージ

1990年代後半、インターネットを始めた人の多くにとって、最初に開くページの代表格がYahoo! JAPANでした。

現在の検索エンジンは、知りたい言葉を入力すれば大量のWebページを自動で探してくれます。しかしYahoo! JAPANが始まった1996年は、まだ「どんなサイトが存在するのか」を人が分類して案内するディレクトリ型検索が大きな役割を持っていました。

Yahoo! JAPANは1996年4月1日に始まった

LINEヤフーの公式沿革によると、Yahoo! JAPANは1996年4月1日午後3時20分にサービスを開始しました。

最初に用意されていたのは、約1万5000サイトを集めた「ディレクトリ検索」と「キーワード検索」。スタッフがWebサイトを一件ずつ確認し、カテゴリーへ分類して登録していました。

現在の検索エンジンがロボットでWebを巡回するのに対し、初期Yahoo!は人が作った巨大なリンク集に近い存在だったのです。

なぜ“検索”よりカテゴリーをたどった?

当時は、Web上にある情報量そのものが現在とは比べものにならないほど少なく、ユーザー側も「検索すれば何でも見つかる」という感覚をまだ持っていませんでした。

そこで、「ゲーム」「音楽」「スポーツ」「ニュース」とカテゴリーを順にたどり、面白そうなサイトを見つける使い方が自然でした。

これは本棚や電話帳に近い発想です。何を探すか完全には決まっていなくても、ジャンルの中を歩けば新しいサイトに出会えました。

Yahoo! JAPANが“ポータル”になった理由

Yahoo! JAPANは検索だけのサービスでは終わりませんでした。

  • 1996年7月:Yahoo!ニュース、Yahoo!天気情報
  • 1997年:Yahoo!ファイナンス、Yahoo!きっず
  • 1998年:Yahoo!地図情報、Yahoo!ゲーム、Yahoo!路線情報
  • 1999年:Yahoo!オークション

検索をしなくても、ニュース、天気、株価、地図、交通、ゲームへ同じ入口から移動できる。こうしてYahoo! JAPANは、ネットへ入ったらまず立ち寄るポータルサイト=玄関になっていきます。

個人サイトにとって“Yahoo!カテゴリ掲載”は大きかった

初期のWebでは、サイトを作っただけで人が来るわけではありませんでした。SNSも検索広告もなく、アクセスを増やすにはリンク集や検索サービスから見つけてもらう必要があります。

人の目で選ばれたディレクトリへ掲載されることは、サイトの存在を多くの人へ知らせる大きな入口でした。

現在なら検索順位やSNSの拡散がアクセスを左右しますが、当時は「どのリンク集から来てもらえるか」が重要だったのです。

なぜディレクトリ検索は主役ではなくなった?

Webサイトの数が爆発的に増えると、人の手で分類する方法には限界が出てきます。

Googleなど、Webページを自動収集して検索結果を順位付けするロボット型検索が強くなり、「カテゴリーから探す」より「言葉を入力して直接探す」方が便利になりました。

Yahoo! JAPAN自身も検索の仕組みを変え、ディレクトリ型の「Yahoo!カテゴリ」は2018年3月に終了しています。

それでも“ポータル”という考え方は残った

ディレクトリ検索は消えても、Yahoo! JAPANのトップページにはニュース、天気、災害、路線、ショッピングなど多くのサービスが集まっています。

「ネットで何をするか決める前に、とりあえず入口を開く」というポータルの考え方は、その後のWebにも長く残りました。

時系列で見るYahoo! JAPAN初期

年主な動き
1996年1月ヤフー株式会社設立
1996年4月1日Yahoo! JAPAN開始。ディレクトリ検索・キーワード検索を提供
1996年7月ニュース・天気情報を開始
1997年ファイナンス、Yahoo!きっずなどを開始
1998年地図、ゲーム、路線情報などを拡充
1999年Yahoo!オークション開始
2018年3月Yahoo!カテゴリ終了

まとめ|検索サイトではなく“ネットの案内所”だった

初期のYahoo! JAPANは、現在のGoogleのような検索窓だけの存在ではありませんでした。

人が選んだサイトをカテゴリーから探し、ニュースや天気を見て、そこからまた別のサービスへ移る。インターネット全体を案内してくれる「玄関」だったことが、当時の強さです。

そのころの接続環境はテレホーダイと深夜ネット文化、個人サイトの雰囲気はMIDIが鳴る個人ホームページで振り返っています。

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