
- ファミコン『タルるートくん』はどんなゲーム?たこ焼き・魔法・あたまたーぼくんを解説
- 『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』基本情報
- 横スクロールだけではない――ステージマップからエリアを選んで進む
- ベロで敵を攻撃し、たこ焼きも取る
- たこ焼きは体力回復ではなく「ゲーム内資産」
- セーブするにも「あたまたーぼくん」が必要
- 買い物をするとスクラッチに挑戦できる
- ステージ開始前に使う8種類のアイテム
- 魔法を覚えるだけでは使えない――「まじかるばっくん」が必要
- たこ焼きを大量に取れる専用エリアもある
- 「タルずかん」はゲーム進行と切り離された資料モード
- 全8話――同じアクションを8回繰り返す構成ではない
- 漫画連載中・TVアニメ放送中、劇場版公開直後の1991年作品
- スーパーファミコン発売後に登場したファミコン作品
- 同じ『タルるートくん』でも他機種版は別ゲーム
- 2018年、ジャンプ版ミニファミコンで公式復刻
- 2026年現在はどうやって遊べる?
- まとめ|たこ焼きが、攻略・買い物・魔法・セーブまでつないでいる
ファミコン『タルるートくん』はどんなゲーム?たこ焼き・魔法・あたまたーぼくんを解説
ファミコンの『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』には、現在のゲームではまず見かけないセーブ方法があります。
ステージの途中経過を残したければ、魔法アイテムの「あたまたーぼくん」が必要です。ゲーム開始時に3個持っていますが、一度セーブするたびに1個消費。なくなれば、ステージで集めたたこ焼きを使ってミモラのSHOPから入手しなければなりません。
しかも、たこ焼きはセーブだけに関係するものではありません。ステージ攻略中に集め、買い物の通貨として使い、ゴールにも必要になる本作の中心的なアイテムです。さらにショップを利用すればスクラッチカードをもらえ、そこから通常では手に入りにくい魔法アイテムを狙うこともできます。
見た目はタルるートを操作する横スクロールアクションですが、実際にはステージマップ、たこ焼き、ショップ、スクラッチ、魔法、そして消費型のセーブが互いにつながったゲームです。任天堂が2018年に再公開した当時の取扱説明書にも、この仕組みが詳しく残されています。
『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式タイトル | まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!! |
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ |
| 発売日 | 1991年3月21日 |
| 発売元 | バンダイ |
| ジャンル | アクション |
| プレイ人数 | 1人 |
| 価格 | 5,800円+税 |
| 型番 | BA-MT |
| ROM容量 | 2Mbit |
| セーブ | EEPROMによるデータ保存/2ファイル |
1991年3月21日発売、バンダイ、5,800円+税という基本情報はファミ通のデータと任天堂の2018年公式復刻ページで一致しています。カートリッジ解析ではPRG 128KB+CHR 128KBの計256KB、つまり2Mbitで、型番はBA-MTです。
保存方式については、旧記事の「バッテリーバックアップ」という説明は適切ではありません。
実カートリッジ基板にはXicor製X24C01PシリアルEEPROMが搭載され、基板データでも「Battery present:No」と記録されています。電池でSRAMを保持する方式ではなく、EEPROMへ記録するため、電池交換を前提としたバックアップカートリッジではありません。
横スクロールだけではない――ステージマップからエリアを選んで進む
タルるートを直接操作する場面は横スクロールアクションですが、ゲーム全体が最初から最後まで一本の横長ステージになっているわけではありません。
各話にはステージマップがあり、タルの形をしたカーソルを動かしてエリアへ入ります。マップ上にはアクションだけでなく、キャラクターとの会話、たこ焼きを増やすボーナス、魔法の入手、ワープなど役割の違う場所が配置されています。
主なエリアは次の6種類です。
| エリア | 内容 |
|---|---|
| 風船エリア | ビンゴ形式のゲームに挑戦 |
| アクションエリア | タルるートを操作してゴールを目指す |
| たこやきエリア | 制限時間内にたこ焼きを集める |
| ワープエリア | マップ上の別地点へ移動 |
| キャラクターエリア | 会話や対決、アイテム入手などが発生 |
| まじかるばっくんエリア | 新しい魔法を入手 |
説明書で風船エリアは「ハラハラドキドキのビンゴゲーム」と説明されています。旧資料などで見られる「ピンクゲーム」ではありません。
マップ内には分岐もありますが、どこからでも好きなエリアへ飛び、好きな順番で全話を攻略できるオープンマップではありません。エリア同士の接続やイベント条件に沿って進む構造です。
ベロで敵を攻撃し、たこ焼きも取る
アクションエリアで操作するのはタルるートです。
Aボタンでジャンプ、Bボタンでベロ出し。長い舌は敵への攻撃だけでなく、少し離れた場所にあるたこ焼きを取るためにも使います。SELECTボタンでは取得済みの魔法を選択し、STARTボタンはアクション中のポーズ、ステージマップではセーブ操作に使われます。
アクションエリアでは制限時間内に先へ進み、最後にゴールたこ焼きを食べればクリア。残り時間が30秒を切るとBGMのテンポも速くなります。
単純に敵を全滅させることが目的ではなく、落下や接触を避けながら時間内にゴールへ到達し、最後のたこ焼きを取るまでが一連のルールです。
たこ焼きは体力回復ではなく「ゲーム内資産」
原作でもタルるートの大好物として知られるたこ焼きは、本作では複数の役割を持っています。
通常のたこ焼きだけでなく、説明書には10倍たこ焼き、1UPたこ焼き、無敵たこ焼き、ゴールたこ焼きなどが登場します。
そして、通常ステージで集めたたこ焼きはその場限りの得点ではありません。
ステージクリア後に入れるミモラのSHOPで、魔法アイテムなどとの交換に使えます。使わなかったたこ焼きは最大500個まで蓄えておけるため、
アクションで集める
→ ショップで使う
→ 次のステージを有利にする
という循環が生まれます。
ショップで交換できるアイテムは最大99個まで持つことができます。
セーブするにも「あたまたーぼくん」が必要
本作でも特に変わっているのがセーブです。
タイトル画面では2つまでゲームデータを作成でき、それぞれ最大5文字の名前を付けられます。データはコピーや削除も可能で、セーブ機能そのものは当時としてもしっかり用意されています。
ところが、ゲーム中でセーブしたい場合には「あたまたーぼくん」を1個消費します。
開始時の所持数は3個。ステージマップでSTARTを押してセーブすると1個減ります。足りなくなれば、ミモラのSHOPなどで新たに確保しなければなりません。
つまり、たこ焼きを使い切ってしまうと買い物の選択肢が減り、結果として今後のセーブ回数にも関わってきます。
セーブそのものがゲーム内の資源管理へ組み込まれているのが、この作品のかなり珍しいところです。
買い物をするとスクラッチに挑戦できる
ミモラのSHOPにはもう一つ仕掛けがあります。
買い物をするとスクラッチカードを受け取り、6マスのうち最大3マスを削ります。同じ絵柄が3つそろえば、そのアイテムを獲得できます。最初の2つが違う絵柄なら、その時点で終了です。
スクラッチカードは最大99枚まで持つことができ、一部のアイテムはスクラッチからしか入手できません。
そのため、たこ焼きには、
ショップの商品を買うための通貨
という直接的な役割だけでなく、
買い物を通してスクラッチへ挑戦する機会を作る
という役割まであります。
アクション中の収集が、その後の装備や魔法の準備へつながる仕組みです。
ステージ開始前に使う8種類のアイテム
本作では「魔法」と「ステージ開始前に使うアイテム」が分かれています。
説明書で確認できる主な装備アイテムは次の8種類です。名前も独特なので、後年サイトの平仮名表記へ直さず正式表記のまま見たほうが分かりやすいでしょう。
| アイテム | 主な効果 |
|---|---|
| 翼 | 翼が生え、空を飛べる |
| くろーるけーきくん | 水中での移動速度が上がる |
| 韋駄天足ん | 移動速度とジャンプ力が上がる |
| みエッチん | 隠れているたこ焼きが見える |
| 玉みえ | ステージ開始時に攻略の特徴を教える |
| パワーアップルジュース | 一定時間無敵になる |
| テレポテト | スタート地点からゴール地点へワープ |
| イキフキカエル | ミスを一度だけ復活へ変える |
たとえば翼を使えば自由に飛べますが、その状態ではベロを左右にしか伸ばせず、水中では効果がありません。
韋駄天足んは移動速度とジャンプ能力を高めますが、翼やくろーるけーきくんとの併用には制限があります。
テレポテトは一気にゴール地点まで移動できる非常に強力なアイテムですが、そこへ着いただけではクリアにならず、最後のゴールたこ焼きを食べる必要があります。また、ほかの装備アイテムとの併用もできません。
「強い魔法を持っていれば全部簡単になる」のではなく、効果に応じた制約も用意されています。
魔法を覚えるだけでは使えない――「まじかるばっくん」が必要
装備アイテムとは別に、アクション中に使える魔法があります。
マップの「まじかるばっくんエリア」へ入ることで新しい魔法を覚えますが、覚えた魔法を実際のアクションステージで使うにはまじかるばっくんというバッグが必要です。
まじかるばっくん1個につき魔法を1回使用できるため、
魔法を覚えていること
と、
その魔法を何回発動できるか
は別に管理されています。
説明書に掲載されている魔法は7種類です。
| 魔法 | 効果 |
|---|---|
| 引力ん | たこ焼きをタルるートへ引き寄せる |
| 斥力ん | 敵に触れても平気になる |
| きくんだあ | 声を飛ばして敵を攻撃する |
| 風風うちわくん | 風で敵を吹き飛ばす |
| 雨雲太郎 | 雨雲がついてきて炎を消す |
| 分身ライトくん | 分身がタルるートを守る |
| ソードペンまじっくん | タルるート以外の動きを止める |
魔法にも、水中では使えなかったり、一部の敵には効かなかったりする制限があります。
装備アイテム、魔法、まじかるばっくんを別々に管理することで、ステージへ入る前の準備にも意味が生まれています。
たこ焼きを大量に取れる専用エリアもある
ステージマップにはたこやきエリアもあります。
ここでは「日本一のたこ焼き名人」として登場する松っつぁんのたこ焼きを、制限時間内にできるだけ多く集めます。
通常アクションとは違い、飛び回るたこ焼きをベロで取っていくボーナス形式で、一定数を集めれば残機も増えます。
アクションステージ内で少しずつ集めるだけでなく、たこ焼きを稼ぐこと自体を目的にしたエリアまで存在するわけです。
「タルずかん」はゲーム進行と切り離された資料モード
タイトル画面からは「タルずかん」を見ることができます。
「道具編」と「人物編」に分かれ、ゲーム本編の進行状況とは関係なく、『まじかる☆タルるートくん』に登場する魔法アイテムや人物の説明を読めます。
本丸、伊代菜、原子力、じゃば夫、累、ミモラ、ライバー、りあ・キナカーモといった人物だけでなく、作品中のさまざまな道具も収録されています。
「原作愛がある」と抽象的に評価しなくても、独立したキャラクター・道具図鑑を一本のモードとして入れているという事実だけで、原作要素をどの程度ゲームへ持ち込もうとしていたのかは十分伝わります。
全8話――同じアクションを8回繰り返す構成ではない
物語は全8話です。
ゲーム画面で確認できる各話の題名は次のとおりです。
- じゃば夫と決闘の巻
- みんなで海水浴の巻
- 勇者タルるート!の巻
- 白銀のスキー丸?の巻
- ライバーの挑戦!の巻
- 怖いるるー肝試し!の巻
- 伊代菜を救え!の巻
- お誕生会へ行こう!の巻
1話につきアクションエリアが1個だけあるわけではなく、マップ上の複数エリアを通ってイベントを進めていきます。
第1話ではじゃば夫との関係、第3話では絵本世界を舞台にした冒険、第5話ではライバー、第7話では伊代菜など、原作漫画やTVアニメで使われた人物・題材が各話へ組み込まれています。一方で、それらを原作やTVアニメの8エピソードそのままの順序で再生するゲームではありません。
集英社の原作単行本にも、絵本世界へ入る「出発!!絵本の大冒険!!」や、どわっは大王をめぐる話、後の巻にはライバーのエピソードなどが収録されています。ゲームはそうした人物や題材を使いながら、マップ制アクションとして再構成しています。
漫画連載中・TVアニメ放送中、劇場版公開直後の1991年作品
原作漫画『まじかる☆タルるートくん』は江川達也による『週刊少年ジャンプ』連載作品で、ゲーム発売時の1991年3月も連載中でした。
TVアニメは1990年9月2日に始まり、1992年5月10日まで全87話が放送されています。したがって1991年3月21日のFC版発売時は、漫画もTVアニメも展開中でした。
さらに劇場アニメ第1作『まじかる☆タルるートくん』は1991年3月9日公開。ゲームはその12日後に発売されています。映画公開に合わせてゲームを発売したとまで断定できる資料はありませんが、映像展開が続いていた時期のFC作品であることは確かです。
なお、TVアニメでタルるートをTARAKO、本丸を高山みなみ、伊代菜を冬馬由美が演じていますが、FC版はキャラクターボイスを売りにしたゲームではありません。アニメのキャストをそのまま「FC版の出演声優」とすることはできません。
スーパーファミコン発売後に登場したファミコン作品
FC版の発売は1991年3月21日です。
スーパーファミコンはすでに1990年11月に発売されていましたが、ファミコン向けソフトの発売自体はその後も1994年まで続きます。
そのため「ファミコン末期の作品」と一括するより、スーパーファミコン発売後もFC向け新作が並行して作られていた1991年のタイトルと捉えたほうが時期を正確に表せます。
ファミコンで同時期に何が発売されていたのかを確認したい場合は、つぶログの「ファミコン全タイトル一覧」でも本作を1991年3月21日・バンダイとして収録しています。
同じ『タルるートくん』でも他機種版は別ゲーム
1991~1992年には『まじかる☆タルるートくん』のゲームが複数機種で発売されていますが、同じゲームの単純移植ではありません。
特に混同しやすいのが次の3本です。
| タイトル | 機種 | 発売日 | FC初代との関係 |
|---|---|---|---|
| まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!! | FC | 1991年3月21日 | 今回の作品 |
| まじかる☆タルるートくん MAGIC ADVENTURE | SFC | 1992年3月28日 | 別ゲーム |
| まじかる☆タルるートくん | MD | 1992年4月24日 | 別ゲーム |
| まじかる☆タルるートくん2 まほうだいぼうけん | FC | 1992年6月19日 | FC続編 |
とくにメガドライブ版はゲームフリーク開発として知られていますが、ゲームフリークが1991年FC『FANTASTIC WORLD!!』を開発したわけではありません。
FC初代については、カートリッジデータベースなど複数の後年資料でトーセ開発と記録されています。一方、当時説明書には開発会社名が掲載されていないため、D&Dとの「共同開発」まで確定的に説明できる材料は不足しています。
2018年、ジャンプ版ミニファミコンで公式復刻
本作は2018年7月7日発売の、
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』
へ正式収録されました。
任天堂公式ページでも『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』について、メーカー=バンダイ、当時の発売日=1991年3月21日と明記されています。
この復刻に合わせて、任天堂は当時の25ページの取扱説明書も公式サイトで公開しました。現在でもセーブ、たこ焼き、魔法、ステージマップなどの仕様を原資料から確認できます。
ただし、ジャンプ版ミニファミコン自体はすでに生産終了しています。任天堂公式ページにもその旨が明記されています。
2026年現在はどうやって遊べる?
2026年8月現在、任天堂の現行Nintendo Classics一覧に『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』は収録されていません。PlayStation Store、Steamなどでも、この1991年FC版そのものを新規購入できる現行公式デジタル版は確認できません。
そのため正規版を現在遊ぶ方法は、
- 中古のFCカートリッジをFCソフト対応環境で使用する
- 本作を内蔵した2018年ジャンプ版ミニファミコンを中古で入手する
の2つが中心です。
2018年に正式復刻されたことと、2026年現在Nintendo Switch/Switch 2で配信されていることは別なので注意が必要です。
まとめ|たこ焼きが、攻略・買い物・魔法・セーブまでつないでいる
『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』は、タルるートを操作して右へ進み続けるだけのキャラクターアクションではありません。
各話にはステージマップがあり、アクション、キャラクターイベント、たこ焼き、ワープ、魔法入手など性格の違うエリアを移動しながら物語を進めます。
アクションではベロで敵を攻撃しながらたこ焼きを集め、そのたこ焼きをミモラのSHOPでアイテムへ交換。買い物をすればスクラッチにも挑戦でき、ステージ開始前には翼やテレポテトなどを準備できます。さらにアクション中の魔法には「まじかるばっくん」が必要で、セーブには「あたまたーぼくん」を1個消費します。
たこ焼きを集めることが、買い物や装備だけでなく、その後の魔法運用やセーブ回数にまでつながっている。
1991年のFC『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』は、作品世界の道具や食べ物を単なる演出にせず、ゲームを進める仕組みそのものへ組み込んだアクションゲームです。