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PCエンジンミニ2は出る?発売の可能性と収録ラインナップ予想|神枠・隠れ名作も徹底考察

PCエンジンミニ2は実現するのか?可能性と収録ラインナップを徹底予想

2020年に発売された「PCエンジン mini」は、豊富な収録ラインナップと高い再現度で大きな話題を呼びました。日本版と海外版で異なるタイトルを収録し、さらに隠しタイトルまで仕込まれていたこともファンを驚かせ、復刻ハードの中でも完成度の高さが際立つ一台となりました。

その成功を受けて、ゲームファンの間では「次はPCエンジンミニ2では?」という期待の声が今も根強く存在します。しかし、新たな収録候補となるサードパーティタイトルのライセンス問題や、CD-ROM²作品の容量とコストの兼ね合いなど、実現にはいくつもの課題が横たわっているのも事実です。

本記事では、もし「PCエンジンミニ2」が実現するとしたら──発売の可能性を丁寧に整理しつつ、本命ラインナップから“入っていたら神!”と呼べる超プレミア枠、そして知る人ぞ知る隠れた名作まで、徹底的に予想していきます。

初代PCエンジンミニの評価と課題

初代「PCエンジン mini」は、2020年3月19日に発売(日本)。収録作は日本版・海外版で構成が分かれる“てんこ盛り仕様”で、ミニ系の中でもラインナップの厚みが強く評価されました。開発・エミュレーションにはM2が関与し、公式のゲームリストや製品情報はコナミの特設サイトで公開されています。なお北米や欧州は新型コロナの影響で発売が遅れ、地域ごとにローンチ時期がズレたのも特徴でした。

手触りの面でも“ちゃんとしている”という声が多かった機種です。電源や映像出力は他のミニ同様USB給電+HDMI。純正パッドはフルサイズで、ケーブル長が長めで扱いやすい設計。マルチタップ対応で多人数プレイの下地も整っていました。実機にあった拡張バスのカバー意匠を小型筐体に落とし込むなど、細部の作り込みも話題に。

“遊び心”も忘れていません。公式が公開した大枠の収録リストに加え、特定操作で現れる隠しコンテンツ(アーケードに近い挙動の移植バージョンやミニゲーム)が仕込まれており、発見報がコミュニティで盛り上がりました(小ネタ枠としての評価)。

一方、次を見据えたときの“課題”もはっきりしています。
まずはライセンス。PCエンジンは自社(旧ハドソン)に加えてサードの名作が屋台骨で、音源・声優・版元など権利のレイヤーが多層。とくにCD-ROM²以降の大作は楽曲・ボイスの権利が複雑で、再収録のコストと工数が跳ねやすい領域です。加えて、当時のCD容量に起因するストレージ計画や価格設定、実際に売り切れる数量の見込みの難しさも“ミニ2”の編成を難しくします。初代で地域別に発売時期がズレたように、生産・物流の不確実性も無視できません。

総じて、初代は“ラインナップ×仕立ての良さ”で高評価を獲得。だからこそ続編では、単なる再録ではない“新鮮味”をどう作るか――たとえば未収録の本命作、キャラバン系の特別モード、あるいは“入っていたら神!”と呼ばれるプレミア枠――この辺りの打ち出しが鍵になります。

以下、PCエンジンミニに収録されたタイトルです。

PCエンジン版タイトル(34本)

  • THE 功夫
  • 邪聖剣ネクロマンサー
  • ギャラガ’88
  • ファンタジーゾーン(near Arcade版も同時収録の特別仕様)
  • ドラゴンスピリット
  • あっぱれ!ゲートボール
  • ネクタリス
  • ダンジョンエクスプローラー
  • ニュートピア
  • PC原人
  • イースI・II
  • 源平討魔伝
  • スーパーダライアス(CD-ROM²)
  • スプラッターハウス
  • スーパースターソルジャー(ボタン入れ替え版の特別仕様も同時収録)
  • 大魔界村(SUPER GRAFX)
  • ワルキューレの伝説
  • オルディネス(SUPER GRAFX)
  • 精霊戦士スプリガン(CD-ROM²)
  • ニュートピアII
  • グラディウス(near Arcade版も同時収録の特別仕様)
  • スーパー桃太郎電鉄II
  • 忍者龍剣伝
  • 天外魔境II 卍MARU(SUPER CD-ROM²)
  • スターパロジャー(SUPER CD-ROM²)
  • スプリガン mark2(SUPER CD-ROM²)
  • SNATCHER(SUPER CD-ROM²)
  • グラディウスII -GOFERの野望-(SUPER CD-ROM²)
  • 超兄貴(SUPER CD-ROM²)
  • 悪魔城ドラキュラX 血の輪廻(SUPER CD-ROM²)
  • ボンバーマン’94
  • ときめきメモリアル(SUPER CD-ROM²/『フォースギア』『ツインビーりたーんず』単体起動可)
  • ボンバーマン ぱにっくボンバー(SUPER CD-ROM²)
  • 銀河婦警伝説サファイア(ARCADE CD-ROM²)

TurboGrafx-16版タイトル(日本版に収録の英語版・24本)

  • Alien Crush(=実際の収録はPCエンジン版「エイリアンクラッシュ」。※表記訂正あり)
  • Victory Run(ビクトリーラン)
  • Blazing Lazers(ガンヘッド)
  • Neutopia(ニュートピア)
  • Dungeon Explorer(ダンジョンエクスプローラー)
  • R-Type(R-TYPE I & II を1本化)
  • Moto Roader(モトローダー)
  • Power Golf(パワーゴルフ)
  • Ys Book I & II(イースI・II)
  • Ninja Spirit(最後の忍道)
  • J.J. & Jeff(カトちゃんケンちゃんの海外版差し替え)
  • Space Harrier(スペースハリアー)
  • Military Madness(ネクタリス)
  • Chew-Man-Fu(ビーボール)
  • Psychosis(パラノイア)
  • Bonk’s Revenge(PC原人2)
  • Parasol Stars(パラソルスター)
  • Cadash(カダッシュ)
  • New Adventure Island(高橋名人の新冒険島)
  • Air Zonk(PC電人)
  • Neutopia II(ニュートピアII)
  • Soldier Blade(ソルジャーブレイド/特別版同時収録)
  • Lords of Thunder(ウィンズ オブ サンダー)
  • Bomberman ’93(ボンバーマン’93)

PCエンジンミニ収録タイトルを踏まえて、もしPCエンジンミニ2が実現したら収録されそうなタイトル予想へ入ります。

収録ラインナップ予想

  • ★★★=実現可能性が高い(過去に復刻実績あり/権利が比較的シンプル)
  • ★★☆=可能性はある(人気は高いが、権利やコストがやや難しめ)
  • ★☆☆=夢枠(話題性は抜群だが、権利・希少性で実現ハードルが高い)

本命ライン(20本)

  • ★★★ PC原人3 — シリーズ完結編、再収録も十分可能。
  • ★★★ デビルクラッシュ — ハドソン系、自社IPで復刻実績あり。
  • ★★☆ ゲート・オブ・サンダー — 音楽権利の調整はあるが望みはある。
  • ★★★ ファイナルソルジャー — キャラバンSTG枠、実現しやすい。
  • ★★☆ NEXZR — 人気は高いがサードとの契約要。
  • ★★☆ Cotton — 他機種で復刻例あり、権利調整で可能性あり。
  • ★★☆ RAYXANBER III — ニッチながら需要あり、やや権利難。
  • ★★★ ストリートファイターII’ ダッシュ — カプコン移植枠、可能性高め。
  • ★★☆ パワードリフト — セガ枠、サターンミニ等の precedent があれば。
  • ★★★ イースIII — Falcom系、他プラットフォーム復刻例多。
  • ★★★ イースIV The Dawn of Ys — Falcom系、PCE版独自色は課題だが可能性あり。
  • ★★★ 風の伝説ザナドゥ — Falcom大作、復刻例あり。
  • ★★☆ 風の伝説ザナドゥII — セットなら望みあり。
  • ★★★ ぽっぷるメイル — Falcom系、復刻多数で実現度高。
  • ★★☆ エメラルドドラゴン — 復刻例あるが調整が必要。
  • ★★☆ ラングリッサー 光輝の末裔 — メサイヤ枠、交渉次第。
  • ★★★ パロディウスだ! — コナミ自社、実現度高。
  • ★★☆ TERraforming — NCS枠、可能性は中程度。
  • ★★☆ ダンジョンエクスプローラーII — ハドソンIPで可能性あり。
  • ★★☆ 雷電/スーパー雷電 — 権利の所在で調整必要。

神枠(8本)

  • ★☆☆ マジカルチェイス — Huカード屈指のプレミア、夢枠。
  • ★☆☆ シルフィア — 美麗STGだが希少性ゆえ難易度高。
  • ★★☆ レニーブラスター — 後期タイトル、権利調整できれば奇跡。
  • ★★☆ コリューン — 人気高いがマイナー、実現可能性は中。
  • ★★★ スターパロジャー 完全版 — コナミ枠、強化版なら実現可能。
  • ★☆☆ サマー・カーニバル’92 Recca(特別移植) — FC作品、実現はほぼ夢枠。
  • ★★☆ 天外魔境 風雲カブキ伝 — 人気大作、音楽権利突破が条件。
  • ★★☆ スナッチャー(完全版) — 名ADV、権利次第で再収録可能。

隠れた名作(16本)

  • ★★☆ 改造町人シュビビンマン3 — 可能性は中程度。
  • ★★☆ イメージファイトII — アイレム枠、復刻の難易度は高め。
  • ★★☆ L-Dis — NCS系、権利関係が鍵。
  • ★★☆ Neo Nectaris — ハドソン系、実現可能性あり。
  • ★★☆ Time Cruise — ニッチだが権利次第で。
  • ★★☆ Out Live — サンソフト系、復刻難度はやや高。
  • ★★☆ Xak I・II — マイクロキャビン系、権利交渉次第。
  • ★★☆ Dungeon Master セロンのクエスト — 海外権利も絡むため調整必須。
  • ★★★ カダッシュ — タイトー作品、復刻例あり。
  • ★★☆ Atomic Robo-Kid Special — 権利所在が不明瞭で難易度高。
  • ★★☆ Pop’n Magic — ハドソン系、可能性あり。
  • ★★☆ Dead Moon — プレミア度は低いが権利次第。
  • ★★☆ Psychic Storm — 変形STG、難易度は中。
  • ★★☆ Crest of Wolf — ベルトACT、やや難。
  • ★★☆ ヴァリスIV — 近年リメイク展開あり、実現度は比較的高。
  • ★★☆ 忍者ウォーリアーズ — タイトー枠、復刻例あり。

PCエンジンミニ2、気になるのは価格と収録本数

やはりファンがいちばん気にするのは、「いくらで出るのか?」そして「何本遊べるのか?」という2点でしょう。ここをしっかり見ておくと、実現のイメージもぐっと具体的になります。

価格の予想レンジ

まず価格。前作のPCエンジン miniは2020年3月に発売され、希望小売価格は税抜10,500円でした。収録タイトルは58本とかなりの大盤振る舞い。
一方、メガドライブミニは税抜6,980円、続編のメガドライブミニ2は税込10,978円で登場しています。

この流れを見ると、PCエンジンミニ2も標準モデルは税込1万1千〜1万3千円前後がもっとも現実的です。収録ラインナップがCD-ROM²主体になるならストレージや検証コストもかさみますが、それでも“手の届く価格帯”を外すことはないでしょう。

もちろん、周辺機器を同梱した限定版が用意される可能性もあります。例えば2本目のパッドやマルチタップをセットにしたパッケージなら、税込1万4千〜1万6千円ほどに上がっても不思議ではありません。逆に標準版はあくまで買いやすい構成にして、限定版で“多人数プレイの楽しさ”を提案するのが一番現実的なシナリオです。

タイトル数の見込み

次に気になるのが収録タイトル数。前作は日本版と海外版を合わせて58本というボリュームでした。これが高評価の大きな理由のひとつでもあります。さらにメガドライブミニ2は60本という数字を打ち出し、こちらもファンを喜ばせました。

この実績を踏まえると、PCエンジンミニ2も50〜58本程度が最有力です。
少し絞って45〜50本にする“現実路線”も考えられますが、やはり前作と同等、もしくはそれ以上にしてこそ「買ってよかった」と感じられるでしょう。最大で60本級の大盤振る舞いになる可能性も十分にあります。

数よりも体験価値

ただし、大切なのは本数そのものよりも“体験価値”です。前作では隠しタイトルや多人数プレイ対応など、遊びの幅を広げる工夫がありました。ミニ2でもキャラバンモードや資料ギャラリー、低遅延オプションなどが加われば、本数が多少前後しても満足感はむしろ高まるはずです。

落としどころ

結論としては、標準版が税込1.1万〜1.3万円で50〜58本収録。そして、2パッドやマルチタップを同梱した限定版が税込1.4万〜1.6万円。これがもっとも現実的かつファンも納得できる落としどころでしょう。

PCエンジンミニ2が実現するうえでの壁

ここまで理想のラインナップをあれこれ想像してきましたが、冷静に考えると“実現するために越えなければならない壁”もあります。
ファンの夢を現実に変えるには、次の3つが大きなポイントになりそうです。


1) 権利の問題は避けられない

PCエンジンの名作には、ハドソン(現コナミ)以外のメーカー作品が数多く含まれています。
FalcomのRPG、タイトーやカプコンの移植作、さらにCD-ROM²時代の大作は声優のボイスやCD音源の楽曲まで絡みます。
つまり、単純に「復刻したい」と思っても、確認や交渉のハードルが高いのです。

前作でも『スプラッターハウス』の表現差など、地域ごとに異なる事情をクリアして収録していました。
今回も「誰の作品で、どこに確認するのか」を一つひとつ整理する作業が必須になります。


2) CDソフトの再現には手間がかかる

前作のミニは、M2による高品質なエミュレーションが高く評価されました。
だからこそ、ミニ2でも「大丈夫だろう」と期待できる部分はあります。

ただし、CD-ROM²のソフトを中心に収録するとなると話は別です。
ロードの挙動や音声と映像のズレ、独特の演出タイミング……こうした部分を一本ずつ丁寧に検証しなければなりません。
収録本数が増えれば増えるほど、その分だけ調整の労力も膨らむのは避けられません。

とはいえ、いまのハード性能とM2の経験を考えれば、実現不可能ではなく「やればやるほど報われる領域」だとも言えます。


3) 販売体制と海外展開

もう一つ忘れてはいけないのが、発売体制です。
2020年に出た初代PCエンジンミニは、世界同時発売を掲げながらも、海外では情勢の影響で発売が遅れる事態になりました。

この経験を踏まえれば、次に出すときは「まずは日本、のちに海外」といった段階的な発売や、初回ロットを絞って安定供給を優先する可能性があります。
また、国内と海外で収録タイトルをどう最適化するかも課題です。
日本ではRPGやアニメ寄りの作品、海外ではシューティングやアーケード移植の人気が高い――この違いをうまく活かせれば、むしろ話題を広げるチャンスになります。


結局のところ、PCエンジンミニ2を出すには「権利」「技術」「供給」の3つをどう乗り越えるかがカギになります。
逆にいえば、ここを丁寧にクリアすれば、ファンの期待に十分応えられる“夢のミニハード”が形になるはずです。

まとめ

もし「PCエンジンミニ2」が登場するとしたら――。
ファンが気にするのは、やはりどんなタイトルが収録されるか、そして価格と本数はどうなるかという点でしょう。

本命とされる未収録の名作に加え、マジカルチェイスやシルフィアといった“夢枠”が一つでも入れば、それだけで伝説的なミニハードになります。
さらに、隠れた名作やキャラバンモードといった追加要素があれば、遊び心地はグッと広がるはずです。

一方で、権利の問題やCD作品の検証コスト、海外展開での調整など、乗り越えるべき壁は小さくありません。
それでも、前作の成功やM2のノウハウ、コナミがIPを握っているという強みを考えれば、可能性は決して低くないのも事実です。

最終的に求められるのは「数の多さ」だけではなく、“遊んで楽しい”体験設計
ファンが長く語り続けられるようなラインナップと仕掛けが揃えば、PCエンジンミニ2はただの復刻ではなく、再びゲーム史に刻まれる出来事になるでしょう。

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