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SAKAMOTO DAYS(1)|伝説の殺し屋が“家族のための平和な日常”を守る

作品概要

  • 作者:鈴木祐斗
  • 掲載:週刊少年ジャンプ(集英社)/2020年連載開始
  • 単行本:ジャンプコミックス、1巻は2020年12月発売
  • アニメ:2025年アニメ化決定(Netflixにて配信予定)

太った元殺し屋という主人公像

『SAKAMOTO DAYS』は、週刊少年ジャンプで2020年から連載が始まった鈴木祐斗による作品です。主人公の坂本太郎は、かつて裏社会で恐れられた伝説の殺し屋。標的に狙われた者は誰一人逃れられなかったと言われるほどの存在でした。
ところが現在の彼は、すっかり体型が丸くなり、小さな商店を切り盛りする普通の父親。妻と娘に囲まれ、のんびりとした生活を送っています。最強の殺し屋が幸せ太りして家庭に収まる──そのギャップがまず読者の心をつかみます。

戦う理由が“家族のため”

物語の大きな魅力は、坂本の戦う動機にあります。復讐でも金銭でもなく、彼の目的はただ一つ。愛する妻と娘との平穏な暮らしを守ること。
殺し屋稼業に戻るつもりはない。けれど過去に関わった組織や暗殺者たちが、彼を放っておくはずもない。次々に現れる刺客を相手に、坂本は一見だらしない体型からは想像できない圧倒的な実力で迎え撃ちます。銃弾を避け、刃物を奪い、時には文房具や生活用品さえ武器にしてしまう。彼の戦いは派手さと同時に“生活感”があり、そのユーモラスさが作品の独自色になっています。

アクションとギャグの絶妙な融合

『SAKAMOTO DAYS』はアクション漫画でありながら、同じくらいコメディ要素も強い。真剣な銃撃戦の最中に坂本のズボンが破れてしまったり、家族からの電話に慌てて応答したり。命をかけた緊張感を笑いで一気に和らげる緩急が心地よく、シリアスすぎず軽すぎない絶妙な読後感を生み出しています。
これにより、普段アクション漫画を読まない層でも楽しめる“敷居の低さ”が実現しているのです。最強なのに愛されキャラ、命懸けの戦闘なのにどこか温かい──そんなアンバランスさが魅力を支えています。

殺し屋から父親へ

1巻で印象的なのは、坂本が“父親”として描かれている点です。彼は血塗られた過去を背負っていながらも、娘の前では優しいお父さん。暗殺者を秒殺する場面と、家で娘にデレデレする場面が同じ人物のものとして描かれる。そのギャップはギャグ以上に読者の心を温かくさせます。
彼の選択は常に“家族優先”。だからこそ戦いの理由にも説得力があり、読者は自然と坂本を応援したくなるのです。

『SAKAMOTO DAYS』1巻の魅力は、伝説の殺し屋という過去と、父親としての現在が同居している点にあります。最強のアクションと人間臭いギャグを織り交ぜながら、家庭を大切にする温かさで読者を惹きつける。
単なるアクション漫画ではなく、家族愛とコメディを武器にした“新しいタイプのジャンプ作品”として、幅広い層に届く理由がここにあるのです。


新しいヒーロー像が支持された理由

嘘を抱えて戦うヒーローの“切なさ”

坂本太郎が戦う理由は、金でも名誉でもなく、愛する家族との平穏な日常を守ること。そのために、過去の殺し屋としての力を使うべきか否かを葛藤しながら戦う――このシーンに込められた切なさは、王道とは違うヒーロー像として支持されました。

ギャグとアクションの相性のよさ

銃撃戦の緊迫感と、「ズボンが破けて慌てる」ようなコミカルさが共存している。そうした緩急のある構成が、読者の気持ちを飽きさせない原動力になっています。

多層的なキャラ関係

坂本は殺し屋の強さだけでなく、「父親としての弱さ」も併せ持つ。さらに、電話越しの妻・娘、監視役として登場する青年・シンとの交流が、物語を温かくし、誰もが自分事として読める余地を創っています。


なぜ売れたのか

  • 中年でも“英雄”になれるという希望:30代以上や家庭を持つ人にも刺さる構築が秀逸。
  • ジャンルの融合で飽きさせない構成:「アクション×コメディ×家族ドラマ」と万能型。
  • アニメ化による流通力:TMS制作、2025年1〜3月に第1クール、7月から第2クール放送、Netflixで世界配信。視聴者層が一気に拡散されました。ウィキペディアNetflixThe Times of India
  • 絶妙なタイミング(ジャンプ+&SNS拡散):無料掲載とSNSバズが重なり、単行本発売前から話題化。

アニメ最新情報

  • アニメ第1クールは2025年1月11日から3月22日まで放送され、“第2クール”が2025年7月14日スタート。ウィキペディア坂本デイズウィキThe Times of India
  • Netflixでも同時配信され、視聴ハードルが低いためグローバルな視聴者獲得につながっています。Netflixgamesradar.com
  • 特に第2クールの映像クオリティに対して「前クールより格段に良くなった」との声が目立っており、ファンの期待を高めています。indiatimes.com

まとめ

1巻は「伝説の殺し屋」が「お父さん」として生きる葛藤を、アクションと笑いで描き、人間味を伴う作品として共感を呼びました。
アニメ化+SNS直撃のタイミングも含め、「中年でもヒーローになれる」という新しい希望像を提示したことが、長期的な人気の鍵だと感じます。

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