『タイタニック』石田彰版とは?松田洋治版との違い・5種類の日本語吹き替えを整理

2026年9月4日・11日の「金曜ロードショー」で、映画『タイタニック』が前後編に分けて放送されます。
今回、レオナルド・ディカプリオ演じるジャックの声を担当するのは石田彰。ケイト・ウィンスレット演じるローズは冬馬由美です。
ところが、DVDやBlu-rayなどで『タイタニック』を見たことがある人は、
「ジャックって松田洋治の声じゃなかった?」
と思うかもしれません。
どちらも正解です。
『タイタニック』には日本語吹き替えが複数存在し、ジャックだけでも松田洋治、妻夫木聡、石田彰、内田夕夜、草尾毅という異なるキャストの音源があります。一般には用途や制作時期の違いから5種類の吹き替え系統として整理されています。
2026年の金曜ロードショーで使われる石田彰版は、2003年に日本テレビのテレビ放送用として制作された吹き替え版です。
しかも以前とは視聴事情が変わり、現在はテレビ放送以外にも石田彰版を見る方法があります。
まずは5種類の違いから整理していきましょう。
金曜ロードショーの『タイタニック』は石田彰・冬馬由美版
2026年9月の放送で使用されるのは、日本テレビが「金曜ロードショーオリジナル吹き替え版」と案内している音源です。
主要キャストは、
ジャック:石田彰
ローズ:冬馬由美
キャル:江原正士
モリー:一城みゆ希
ブロック・ラベット:堀内賢雄
となっています。
この吹き替えが作られたのは2003年。
石田彰本人も2021年の金曜ロードショー放送時、日本テレビのインタビューで2003年にテレビ放送用として収録した音源だと振り返っています。ジャックが19歳であることを意識し、若者らしい勢いを持たせて演じたという趣旨のコメントも残しています。
つまり石田彰版は、1997年の映画公開時から一般的な映像ソフトに収録されていた吹き替えではありません。
日本テレビで『タイタニック』を放送するために用意されたテレビ版吹き替えです。
『タイタニック』には5種類の日本語吹き替えがある
『タイタニック』の日本語吹き替えは、大きく5系統に分けられます。
「旧フジテレビ版」「新フジテレビ版」という呼び方は2種類を区別しやすくするための便宜的な表現で、正式な商品名ではありません。
| 吹き替え | ジャック | ローズ | 主な用途・初出 | 2026年現在の主な視聴状況 |
|---|---|---|---|---|
| ソフト版 | 松田洋治 | 日野由利加 | 映像ソフト | 現行Blu-ray・DVD・4K UHDなど |
| 2001年フジテレビ版 | 妻夫木聡 | 竹内結子 | フジテレビ地上波放送 | 現行公式商品に収録案内なし |
| 2003年日本テレビ版 | 石田彰 | 冬馬由美 | 金曜ロードショー | 2026年金ロー/2024年4K UHD |
| 2004年フジテレビ版 | 内田夕夜 | 岡寛恵 | フジテレビ地上波放送 | 現行公式商品に収録案内なし |
| 機内上映版 | 草尾毅 | 藤貴子 | 機内上映 | 現行公式商品に収録案内なし |
ソフト版のジャック=松田洋治、ローズ=日野由利加は、現在も20世紀スタジオ公式ページで日本語吹き替えキャストとして掲載されています。
2001年のフジテレビ地上波放送では妻夫木聡と竹内結子、2004年にはジャックを内田夕夜、ローズを岡寛恵が担当しました。内田夕夜の所属事務所も『タイタニック』の「フジテレビ2004年版」でジャックを演じたことを公式プロフィールに掲載しています。
さらに機内上映向けに、ジャック=草尾毅、ローズ=藤貴子という音源も存在します。
そのため「昔テレビで見た声とDVDの声が違う」「前にテレビで見たときとも違う」ということが実際に起こります。
記憶違いとは限りません。
石田彰版と松田洋治版は何が違う?
現在もっとも混同しやすいのが、
松田洋治・日野由利加のソフト版
と、
石田彰・冬馬由美の日本テレビ版
です。
最大の違いは、別の日本語音声として収録された吹き替えであることです。
音質だけを変えたものでも、同じ録音をテレビ向けに編集したものでもありません。
ソフト版
現在、20世紀スタジオ公式が掲載している主要吹き替えキャストは、
ジャック:松田洋治
ローズ:日野由利加
キャル:山寺宏一
モリー:谷育子
ブロック・ラベット:石塚運昇
です。
DVDやBlu-rayなどを通して『タイタニック』を見てきた人にとって、こちらの声の方が馴染み深い場合があります。
日本テレビ版
2026年の金曜ロードショーでは、
ジャック:石田彰
ローズ:冬馬由美
キャル:江原正士
モリー:一城みゆ希
ブロック・ラベット:堀内賢雄
です。
主人公二人だけでなく、複数の主要人物でソフト版とはキャストが異なります。
一方、テレビ放送用の3系統にはキャル=江原正士など共通するキャストもあり、テレビ版が作られるたびに全登場人物を最初から総入れ替えしたわけではありません。
そのため『タイタニック』の吹き替えを整理するときは、「主演2人の組み合わせ」を基準に見分けるのが簡単です。
妻夫木聡・竹内結子版は2001年のフジテレビ放送
もう一つよく検索されるのが、妻夫木聡・竹内結子版です。
これは2001年にフジテレビが『タイタニック』を地上波放送した際に使用した吹き替えで、ジャックを妻夫木聡、ローズを竹内結子が担当しました。
2001年8月31日と9月1日の2夜に分けて放送され、モリー役には小林幸子も起用されています。
現在では出演者の知名度も非常に高いため、「妻夫木聡がジャックを演じたタイタニックがあった」という事実自体が話題になることがあります。
ただし、吹き替えの好みは人によって違います。
石田彰版、松田洋治版、妻夫木聡版のどれかを「正解」と決めるのではなく、同じジャックでも声と演技が変われば人物の印象まで変わるところが、複数音源を持つ作品ならではの面白さです。
内田夕夜・岡寛恵版は2004年のフジテレビ放送
フジテレビは2004年にも『タイタニック』を放送しています。
このときジャックを担当したのが内田夕夜、ローズが岡寛恵です。
内田夕夜はその後も『インセプション』『華麗なるギャツビー』などでレオナルド・ディカプリオの吹き替えを担当しています。所属事務所の公式プロフィールでも、ディカプリオ担当作品の一つとして『タイタニック』フジテレビ2004年版が掲載されています。
2001年版と2004年版はどちらもフジテレビで放送されたため、吹き替えについて調べる際は混同しやすいところです。
2001年=妻夫木聡・竹内結子
2004年=内田夕夜・岡寛恵
と覚えると区別できます。
草尾毅・藤貴子の機内上映版もある
5種類の中で接する機会がもっとも限られるのが機内上映版です。
こちらでは、
ジャック:草尾毅
ローズ:藤貴子
という組み合わせになっています。
ソフト版やテレビ放送版とは別に、機内上映用として用意された日本語音声です。
現在の20世紀スタジオ公式商品ラインアップには、この機内上映版を収録した現行商品は案内されていません。公式の現行4K UHDに収録されている日本語吹き替えも、ソフト版と日本テレビ版の2種類です。
その意味では、2026年現在「見る機会が少ない吹き替え」という表現が最も当てはまるのは、むしろこちらかもしれません。
なぜ同じ『タイタニック』に何種類も吹き替えがあるの?
理由を難しく考える必要はありません。
『タイタニック』では、作品を見る場所や放送する局が違う過程で、別の日本語音声が作られてきたためです。
家庭用映像ソフトには松田洋治・日野由利加版。
フジテレビの2001年放送では妻夫木聡・竹内結子版。
日本テレビは2003年の金曜ロードショー用に石田彰・冬馬由美版。
フジテレビの2004年放送では内田夕夜・岡寛恵版。
さらに機内上映版があります。
現在は映画の日本語吹き替えというと、配信でもBlu-rayでも同じ音源を聞くことが多くなりました。
しかし『タイタニック』では、家庭用ソフトとテレビ放送、機内上映という異なる視聴環境で別音源が残った結果、誰の声で作品を見たかによって「自分の知っているジャック」が変わるという珍しい状態になっています。
石田彰版は2026年現在どこで見られる?
ここは過去の記事と現在で情報が変わっています。
2021年に日本テレビが『タイタニック』を放送した際には、石田彰版についてDVDや配信などでは見ることができない金曜ロードショー用の音源として紹介されていました。
しかし、現在は違います。
2024年発売の4K UHDに石田彰版を収録
2024年3月27日に発売された『タイタニック 4K UHD』には、日本語吹き替えとして、
ソフト版
と、
日本テレビ版
の2種類が収録されています。
つまり、石田彰・冬馬由美版を自宅でも正式に視聴できます。
ただし、ここには重要なポイントがあります。
日本テレビ版音声が入っているのは4K UHD本編ディスクです。
商品にはBlu-rayディスクも同梱されていますが、20世紀スタジオ公式の仕様では、通常Blu-ray本編の日本語音声はソフト版のみ。石田彰版を見るには4K UHDディスクを再生できる環境が必要です。
「4K UHD版を買えば、普通のBlu-rayプレーヤーでも石田彰版を再生できる」という意味ではないので、この点は注意が必要です。
配信では石田彰版を見られない
映画『タイタニック』そのものはデジタル配信されていますが、日本テレビは2026年9月放送について、石田彰・冬馬由美版を「配信では見る事のできない」吹き替え版と案内しています。
つまり2026年現在は、
テレビ:2026年9月の金曜ロードショーで視聴可能
パッケージ:2024年版4K UHDで視聴可能
配信:石田彰版は配信されていない
という整理になります。
かつて使われていた「テレビでしか見られない」「DVDにもBlu-rayにも入っていない」という説明は、4K UHDへの収録によって古い情報になりました。
2026年9月の金曜ロードショーはいつ放送?
2026年の放送日時は次の通りです。
前編:2026年9月4日(金)21:00~22:59
後編:2026年9月11日(金)21:00~22:54
前編は通常枠から5分拡大です。
今回の公式案内では「ノーカット放送」とは告知されていません。また、前編と後編を物語のどの場面で分けるかも事前には案内されていません。
そのため「完全ノーカット」「過去放送と同じ場所で前後編を分割」と決めつけず、今回の放送そのものを楽しむのがよさそうです。
そして今回最大の特徴は、やはり音声。
普段ソフト版の松田洋治・日野由利加で見ている人にとって、石田彰・冬馬由美で3時間を超える『タイタニック』を見る機会になります。
石田彰さん&冬馬由美さんによる日本テレビ版吹き替えを自宅で楽しみたい方におすすめなのが、2024年発売の『タイタニック 4K UHD』です。4K UHD本編ディスクには、松田洋治さん&日野由利加さんのソフト版に加え、金曜ロードショーで使用される日本テレビ版の日本語音声も収録。同じ名作を2種類の吹き替えで聴き比べられるのも大きな魅力です。※日本テレビ版音声は4K UHDディスクに収録されているため、Ultra HD Blu-ray対応の再生環境が必要です。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
まとめ|「ジャックの声が違う?」には本当に理由がある
『タイタニック』には、一般に5種類の日本語吹き替え系統があります。
松田洋治・日野由利加のソフト版
妻夫木聡・竹内結子の2001年フジテレビ版
石田彰・冬馬由美の2003年日本テレビ版
内田夕夜・岡寛恵の2004年フジテレビ版
草尾毅・藤貴子の機内上映版
です。
2026年9月4日・11日の金曜ロードショーで使われるのは、石田彰・冬馬由美の日本テレビ版。
2003年に金曜ロードショー用として制作された音源です。
そして現在はテレビだけでなく、2024年発売の4K UHDでも石田彰版を視聴できます。ただし配信については、日本テレビが2026年現在も石田彰版を見られないと案内しています。
DVDで見たジャック。
昔フジテレビで見たジャック。
金曜ロードショーで聞いたジャック。
同じ『タイタニック』なのに声の記憶が違うのは、作品そのものに複数の日本語吹き替えが残されているからです。