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80年代〜2020年代の芸人勢力図|その時代を支配した芸人たちをTier表で振り返る

目次
  1. 80年代〜2020年代の芸人Tier表で見えてくる“時代の主役”とは
  2. 1980年代の芸人勢力図|テレビ黄金期を動かした怪物たち
  3. 萩本欽一は“視聴率100%男”と呼ばれた別格の存在
  4. ビートたけしは“毒”と“知性”でテレビの空気を変えた
  5. 明石家さんまは“しゃべりの怪物”として時代をまたいだ
  6. とんねるずは“若者のノリ”をテレビの中心に持ち込んだ
  7. ドリフと志村けんは“前時代の王者”でありながら80年代も強かった
  8. タモリは“静かな革命”としてテレビの中心に入っていった
  9. 島田紳助は80年代に存在感を固めた“論理型”の強者
  10. A Tierは漫才ブームとバラエティ移行期を支えた人たち
  11. B Tierは次の時代を作る前夜の若手たち
  12. 1980年代まとめ|家族のテレビから若者のテレビへ変わり始めた時代
  13. 1990年代の芸人勢力図|第三世代がテレビの主役になった時代
  14. ダウンタウンは90年代に“笑いの基準”を変えた
  15. とんねるずは90年代テレビの“スター感”を背負っていた
  16. ウッチャンナンチャンは“親しみやすさ”と“企画力”で時代を取った
  17. 明石家さんまは90年代も第一線に残った“継続する怪物”
  18. タモリは90年代も“日常にいるスター”だった
  19. ナインティナインは90年代後半に“次の主役”として現れた
  20. 爆笑問題は90年代後半から知的な笑いで存在感を高めた
  21. A Tierは90年代バラエティを厚くした実力者たち
  22. B Tierは2000年代に爆発する前の助走段階
  23. 1990年代まとめ|第三世代がテレビの笑いを完全に変えた
  24. 2000年代の芸人勢力図|若者バラエティからMC時代へ移った10年
  25. ナインティナインは2000年代若者バラエティの中心だった
  26. 爆笑問題は“知性と毒”をテレビの中心に持ち込んだ
  27. くりぃむしちゅーは2000年代にMC力で一気に伸びた
  28. ダウンタウンは王者のまま“勢いの中心”から“格の中心”へ移った
  29. 明石家さんまは2000年代も“テレビを回す怪物”だった
  30. ロンドンブーツ1号2号は“企画で刺す”2000年代らしい強者だった
  31. 雨上がり決死隊は“芸人を並べて面白くする”時代の中心にいた
  32. ネプチューンはゴールデン番組で安定した強さを見せた
  33. とんねるずはAでも“格落ち”ではなく長期王者の位置づけ
  34. タモリとウッチャンナンチャンは“個人・番組単位”で強さを維持した
  35. さまぁ〜ず・ココリコ・今田耕司・東野幸治は番組を支える重要人物だった
  36. B Tierは賞レースとネタ番組から伸びた実力派
  37. 2000年代まとめ|芸人は“笑わせる人”から“番組を動かす人”になった
  38. 2010年代の芸人勢力図|再ブレイクとコメント力がテレビを動かした時代
  39. 有吉弘行は“再ブレイク”からテレビの中心へ返り咲いた
  40. マツコ・デラックスは“芸人ではないのに芸人Tierで語りたくなる”存在
  41. バナナマンは設楽統のMC力と日村勇紀の愛され力で強くなった
  42. オードリーは“2010年代最強テレビスター”と呼びたくなる安定感があった
  43. 千鳥は2010年代後半に“次の主役”として一気に来た
  44. くりぃむしちゅーはMC型コンビとして安定した強さを維持
  45. サンドウィッチマンは好感度と実力で“信頼される芸人”になった
  46. 博多華丸・大吉は“朝の顔”にもなった安定型の強者
  47. 山里亮太は“言葉の芸人”として2010年代に強くなった
  48. フット後藤は“たとえツッコミ”と司会力で番組に欠かせない存在へ
  49. ダウンタウンがAなのは“格”ではなく“2010年代の勢い”で見ているから
  50. 明石家さんま、ナインティナイン、今田耕司、東野幸治は第一線継続組
  51. 小峠英二とハライチは2010年代の番組内で強い役割を持った
  52. B Tierはブレイクと試行錯誤が混ざった層
  53. 2010年代まとめ|テレビは“誰が何を言うか”の時代になった
  54. 2020年代の芸人勢力図|テレビだけでは測れない時代へ
  55. 千鳥は2020年代の“バラエティの顔”になった
  56. かまいたちは“量と質”の両方で一気に伸びた
  57. 川島明は朝の番組で“芸人MCの完成形”を見せた
  58. 設楽統は“出すぎているのに邪魔にならない”異常なMC
  59. 澤部佑は“どこに入れても成立する”2020年代型テレビ芸人
  60. オードリーはテレビ・ラジオ・配信時代でも強い
  61. チョコレートプラネットはキャラ・ネタ・テレビ適性で強い
  62. 霜降り明星は“若きスター候補”として2020年代を動かした
  63. アルコ&ピース平子祐希は2024年に一気に存在感を増した
  64. 有吉・マツコ・ダウンタウンはAでも別格の“継続王者”
  65. くりぃむしちゅー、サンド、華大は信頼感で残る強者
  66. 見取り図・ニューヨークは次世代MC候補として存在感を増した
  67. B Tierは賞レースとブレイクの熱量が高い層
  68. 2020年代まとめ|芸人の勢いはテレビだけでは測れなくなった
  69. なぜ“格”と“勢い”は違うのか
  70. レジェンドは“常に強い”からこそTier表では扱いが難しい
  71. ダウンタウンは90年代SS、2010年代Aでも矛盾しない
  72. とんねるずも“落ちた”のではなく時代の役割が変わった
  73. 有吉弘行とマツコ・デラックスは2010年代SS、2020年代Aでもおかしくない
  74. Tier表は“誰が一番面白いか”ではなく時代の地図である
  75. コメントが分かれそうなポイントこそ、この企画の面白さ
  76. まとめ|芸人Tier表は“時代の主役”を振り返るための道具である

80年代〜2020年代の芸人Tier表で見えてくる“時代の主役”とは

お笑い芸人の歴史を振り返るとき、単純に「誰が一番面白いのか」で比べるのは、かなり難しいものがあります。

ビートたけし、明石家さんま、タモリ、萩本欽一、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、ナインティナイン、有吉弘行、千鳥、かまいたち――。

名前を並べるだけでも、時代によってテレビの中心にいた芸人、若者文化を動かした芸人、バラエティの形を変えた芸人、再ブレイクで勢力図を塗り替えた芸人がまったく違うことがわかります。

そこで今回は、1980年代から2020年代までの芸人たちを、あえて「勢い」という視点でTier表にして振り返っていきます。

ただし、これは芸の優劣を決めるランキングではありません。

ここで見るのは、その年代にどれだけテレビや世間を動かしていたか。冠番組の強さ、出演本数、視聴率、社会現象化、若者への浸透度、後の芸人への影響などを総合した“時代支配力”です。

だからこそ、格としては別格の芸人でも、その年代のTierではあえてSSではなくAに置く場合があります。逆に、芸歴や格では先輩に及ばなくても、その時代の空気を大きく変えた芸人は上位に入ります。

たとえば、2010年代のダウンタウンをどう見るのか。
2000年代のとんねるずは、まだ時代の中心だったのか。
2020年代の千鳥やかまいたちは、歴代のレジェンドたちと並べて語れるのか。

こうした議論が生まれるところに、この企画の面白さがあります。

この記事では、80年代、90年代、2000年代、2010年代、2020年代に分けて、各時代の芸人勢力図を整理していきます。懐かしさだけでなく、「なぜその芸人がその時代に強かったのか」「テレビバラエティの主役はどう変わっていったのか」まで、できるだけ丁寧に振り返っていきます。

1980年代の芸人勢力図|テレビ黄金期を動かした怪物たち

1980年代のお笑い界は、今の感覚では考えにくいほど「テレビの力」が強かった時代です。

この時代の芸人Tierを考えるうえで重要なのは、単にネタが面白いかどうかではありません。

家族全員がテレビの前に集まり、翌日の学校や職場で同じ番組の話をする。そうした時代に、誰が“お茶の間の中心”にいたのか。ここを基準にすると、1980年代の芸人勢力図はかなり見えてきます。

Tier芸人・グループ位置づけ
SS萩本欽一、ビートたけし、明石家さんま、とんねるず時代の空気を作った中心人物
Sザ・ドリフターズ、志村けん、タモリ、島田紳助テレビの第一線で圧倒的な存在感
AB&B、ツービート、横山やすし・西川きよし、コント赤信号、片岡鶴太郎漫才ブーム・バラエティ番組で強い存在感
Bウッチャンナンチャン、ダウンタウン、爆笑問題など若手勢次の時代を作る前夜

萩本欽一は“視聴率100%男”と呼ばれた別格の存在

1980年代前半のテレビを語るうえで、萩本欽一さんは外せません。

欽ちゃんは「お笑い芸人」という枠を超えて、家庭のテレビに最も深く入り込んだ存在のひとりでした。『欽ちゃんのどこまでやるの!』は1983年6月22日放送回で42.0%、『欽ドン!良い子悪い子普通の子』は1982年7月26日放送回で38.8%を記録しています。これはビデオリサーチの芸能・バラエティ高世帯視聴率番組にも掲載されている数字です。

この数字だけでも異常ですが、さらにすごいのは複数の冠番組を同時に走らせていたことです。

テレビ東京系の紹介でも、萩本欽一さんは1970〜80年代にかけて週3本の冠番組を持ち、その視聴率の合計が100%を超えたことから「視聴率100%男」と呼ばれたと説明されています。

欽ちゃんの強さは、過激さではありません。

安心して家族で見られる笑い。
素人っぽさを活かした会話。
出演者を“いじる”のではなく、温かく転がす空気。
番組から新しい人気者を生み出す力。

このあたりが、当時の家庭向けテレビと抜群に合っていました。

今の感覚で見ると、萩本欽一さんは「派手なボケで爆笑を取る芸人」というより、番組全体の空気を作るプロデューサー型のスターに近い存在です。

だから1980年代Tierでは、SSに置くのが自然です。

ビートたけしは“毒”と“知性”でテレビの空気を変えた

1980年代のお笑いを語るなら、ビートたけしさんもSSです。

たけしさんはツービートとして漫才ブームを牽引したあと、『オレたちひょうきん族』などでテレビバラエティの空気を大きく変えました。

欽ちゃんの笑いが「家庭の安心感」だとすれば、たけしさんの笑いは「毒」「スピード」「知性」「危うさ」でした。

それまでのお茶の間向けバラエティとは違い、少し大人っぽく、少し乱暴で、でも妙に頭が良い。そういう空気をテレビに持ち込んだ存在です。

この変化はかなり大きいです。

1980年代のテレビは、家族で見る時代でありながら、同時に若者向けの新しい笑いも台頭していきました。たけしさんは、その境目にいた人物です。

しかも、たけしさんの場合はお笑いだけでは終わりません。

司会、トーク、映画、文化人化、ニュース・情報番組への進出など、後の「芸人がテレビ全体を動かす」流れをかなり早い段階で作っていました。

単純な出演本数や視聴率だけでなく、「芸人の立ち位置を広げた」という意味でも、1980年代のSSでいいと思います。

明石家さんまは“しゃべりの怪物”として時代をまたいだ

明石家さんまさんも、1980年代のSSに置きたい存在です。

さんまさんのすごさは、特定の番組だけでなく、「しゃべり」そのものがテレビ向きだったことです。

ひな壇、トーク、司会、ゲスト、どの位置にいても空気を動かせる。
誰かの発言を拾い、広げ、笑いに変える。
場が止まりそうになっても、さんまさんがいると番組が前に進む。

この能力は、テレビバラエティとの相性が非常に高いものでした。

1980年代のさんまさんは、『オレたちひょうきん族』などの流れの中で一気に存在感を高め、以降も長くテレビの中心に居続けます。

ここで大事なのは、1980年代だけの一発屋的な勢いではないことです。

80年代に大きく伸び、90年代、2000年代、2010年代まで第一線に残り続けた。これは普通ではありません。

Tier表では各年代ごとに位置を変える必要がありますが、1980年代の「勢い」という意味では、さんまさんは間違いなくSS級です。

とんねるずは“若者のノリ”をテレビの中心に持ち込んだ

1980年代後半の勢いで考えると、とんねるずもSSに入れたいです。

とんねるずの登場は、欽ちゃんやドリフ、たけし・さんまとはまた違う意味で大きな転換でした。

とんねるずは、テレビの中に「学校の人気者」「部室のノリ」「若者の悪ふざけ」のような空気を持ち込みました。

これは当時かなり新しかったはずです。

完成された芸を見せるというより、画面の中で勢いよく暴れ、内輪ノリも含めて笑いにしていく。そこに若者が熱狂した。

とんねるずは1980年代後半から1990年代にかけてさらに大きくなりますが、すでに80年代の時点で次のテレビバラエティの空気を作り始めていました。

だから、1980年代のTierでは「後半の爆発力」を評価してSSに置くのが面白いと思います。

もし「80年代全体で見るならSでは?」という意見もあるかもしれません。

ただ、この記事のTierは“格”ではなく“勢い”です。

1980年代後半から90年代へつながるテレビの空気を変えた存在として、とんねるずSSは十分に成立します。

ドリフと志村けんは“前時代の王者”でありながら80年代も強かった

ザ・ドリフターズは、1980年代TierではSに置きました。

理由は、1980年代に入っても圧倒的な実績がある一方で、時代の中心が少しずつ欽ちゃん、たけし・さんま、とんねるず方面へ動いていくからです。

ただし、数字だけ見ればドリフはとんでもなく強いです。

『8時だョ!全員集合』は1969年から1985年まで約16年にわたり放送され、TBS公式でも最高世帯視聴率50.5%を記録した番組として紹介されています。

また、ビデオリサーチの芸能・バラエティ高世帯視聴率番組では、1981年2月21日放送の『8時だョ!全員集合』が47.6%で掲載されています。

これはもう、バラエティ番組としては怪物です。

そのうえでSにした理由は、80年代の「新しい勢い」という観点では、全員集合は長期王者の終盤に入っていたからです。

一方で、志村けんさん個人は1980年代後半以降も非常に強い存在でした。

『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』は1987年11月21日放送回で36.0%を記録しており、これもビデオリサーチの高視聴率番組に掲載されています。

つまり、ドリフは「昭和バラエティの王者」であり、志村けんさんはそこから個人としても次の時代へ残っていった存在です。

SSに置くかSに置くかは議論が分かれるところですが、今回は「80年代に新しい空気を作った中心」をSS、「前時代からの圧倒的王者として80年代も強かった存在」をSとして整理しています。

タモリは“静かな革命”としてテレビの中心に入っていった

1980年代のタモリさんは、たけし・さんま・欽ちゃんのような派手な勢いとは少し違います。

しかし、Sに置く価値は十分あります。

タモリさんの強さは、テレビの空気を「大声で盛り上げる」方向ではなく、日常的に居続ける方向へ変えたことです。

『笑っていいとも!』が始まったのは1982年。そこから2014年まで続く昼の帯番組になりました。

1980年代におけるタモリさんは、まさに「昼の顔」になっていく時期です。

バラエティの世界では、派手なコントや漫才、体を張った企画が注目されがちですが、タモリさんは違いました。

力を抜いた会話。
独特の知識。
妙な趣味性。
相手を必要以上に追い込まない距離感。

このスタイルは、後のテレビ司会にも大きな影響を与えたと思います。

ただ、1980年代の“勢い”という意味では、欽ちゃんやたけし、とんねるずのような爆発力とは少しタイプが違うため、今回はSに置いています。

島田紳助は80年代に存在感を固めた“論理型”の強者

島田紳助さんも、1980年代ではSに入れたい存在です。

紳助さんは、漫才コンビ「紳助・竜介」として注目され、その後は司会者・トークの強者として存在感を増していきます。

1980年代の段階では、後年の『行列のできる法律相談所』『クイズ!ヘキサゴンII』のような圧倒的MC時代にはまだ到達していません。

しかし、しゃべりの構成力、場の支配力、論理的に笑いを作る力は、すでにかなり強い。

たけしさんやさんまさんのようなスター性とは別方向で、「言葉で番組を動かす芸人」としての存在感がありました。

そのため、80年代ではSSではなくSが妥当だと思います。

A Tierは漫才ブームとバラエティ移行期を支えた人たち

A Tierには、B&B、ツービート、横山やすし・西川きよし、コント赤信号、片岡鶴太郎さんなどを置きました。

この層は、1980年代のバラエティを語るうえで欠かせません。

特にB&Bやツービートは漫才ブームの象徴です。

1980年代初頭の漫才ブームは、それまでの演芸番組的な漫才を、若者も熱狂するテレビコンテンツへ押し上げました。

横山やすし・西川きよしも、漫才の実力とテレビでの存在感を両立した大きな存在です。

コント赤信号や片岡鶴太郎さんは、『オレたちひょうきん族』などを通じて、80年代のバラエティらしい賑やかさを支えました。

ただし、TierとしてはSSやSに置いた人たちほど「時代全体の中心を作った」とまでは言い切れないため、Aにしています。

B Tierは次の時代を作る前夜の若手たち

1980年代のB Tierには、ウッチャンナンチャン、ダウンタウン、爆笑問題など、後に巨大な存在になる若手勢を置きました。

ここはかなり重要です。

なぜなら、1990年代の主役たちは、1980年代の終わりにはすでに動き始めていたからです。

お笑い第三世代という言葉は、1980年以降にデビューした若手お笑い芸人たちを指す言葉として使われ、とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウン、爆笑問題などがその代表格として語られます。

ただし、1980年代の時点では、ダウンタウンやウンナンはまだ全国のお茶の間を完全に支配する段階ではありません。

本格的に時代の中心へ出るのは1990年代です。

だから1980年代ではB。

しかし、このBは低評価ではありません。

「次の時代を作る前夜」という意味です。

ここを入れておくことで、90年代編への流れがかなり自然になります。

1980年代まとめ|家族のテレビから若者のテレビへ変わり始めた時代

1980年代のお笑い勢力図を一言でまとめるなら、「家族のテレビ」と「若者のテレビ」が入れ替わり始めた時代です。

前半には、萩本欽一さんの家族向けバラエティが圧倒的な強さを持っていました。

ドリフもまだ強く、『8時だョ!全員集合』は怪物番組としてテレビ史に残る数字を出しています。

そこへ、ビートたけしさんや明石家さんまさんが、よりスピード感のある笑いを持ち込みました。

さらに後半には、とんねるずが若者のノリをテレビの中心へ押し上げていきます。

そして、その裏側ではウッチャンナンチャン、ダウンタウン、爆笑問題といった次世代が育っていました。

つまり1980年代は、昭和のお茶の間バラエティがまだ強かった時代でありながら、平成のテレビバラエティへ向かう準備が始まっていた時代でもあります。

この流れを踏まえると、1990年代はさらに大きく変わります。

次の主役は、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャン。

テレビの笑いが、いよいよ“第三世代”中心へ移っていく時代です。

1990年代の芸人勢力図|第三世代がテレビの主役になった時代

1990年代のお笑い界は、1980年代に芽を出した第三世代が本格的にテレビの中心へ出てきた時代です。

80年代が「家族で見るテレビ」と「若者向けの新しい笑い」が入れ替わり始めた時代だとすれば、90年代はその流れが完全に表へ出た時代でした。

この時代の中心にいたのは、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャン。

この3組は、それぞれまったく違う形でテレビバラエティを変えました。

ダウンタウンは、笑いの価値観そのものを変えた存在。
とんねるずは、スター性と悪ふざけでテレビをショーにした存在。
ウッチャンナンチャンは、コント・企画・人柄のバランスで幅広い層に届いた存在。

そして90年代後半には、ナインティナインが次の時代の若者バラエティを背負い始めます。

Tier芸人・グループ位置づけ
SSダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャン90年代バラエティの主役
S明石家さんま、タモリ、ナインティナイン、爆笑問題第一線の継続組と次世代の台頭
A今田耕司、東野幸治、出川哲朗、キャイ〜ン、ネプチューン、ココリコ番組を支え、次の2000年代へつながる層
B雨上がり決死隊、ロンドンブーツ1号2号、さまぁ〜ず、くりぃむしちゅー前夜の海砂利水魚など2000年代に大きく伸びる準備段階

ダウンタウンは90年代に“笑いの基準”を変えた

1990年代のダウンタウンは、SSでいいと思います。

理由は単純な人気だけではありません。ダウンタウンは、この時代に「何が面白いとされるのか」という基準そのものを変えた存在だからです。

『ダウンタウンのごっつええ感じ』は1991年から1997年まで放送され、コント番組として非常に強い存在感を持ちました。関東地区での最高視聴率は1995年11月12日の24.2%、1995年には平均視聴率18.9%を記録したとされています。

90年代の『ごっつええ感じ』がすごかったのは、単に高視聴率だったことではありません。

「わかりやすく全員を笑わせる」だけではなく、少し不条理で、少し尖っていて、見る側にもセンスを問うような笑いをゴールデン帯に持ち込んだことです。

これは当時かなり大きな変化でした。

松本人志さんの発想、浜田雅功さんのツッコミと進行力、そして今田耕司さん、東野幸治さん、130R、YOUさん、篠原涼子さんらを巻き込んだ空気は、従来の家族向けバラエティとは違う“若者が語りたくなるテレビ”を作っていました。

さらに『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『ダウンタウンDX』『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』など、コント、トーク、音楽番組まで幅広く展開していきます。

90年代のダウンタウンは、視聴率だけでなく、後の芸人が目指す笑いの方向性にまで影響を与えました。

だからこの時代のSSは外せません。

とんねるずは90年代テレビの“スター感”を背負っていた

とんねるずも、1990年代ではSSです。

80年代後半に若者のノリをテレビに持ち込んだとんねるずは、90年代に入ると完全にテレビスターとして巨大化します。

代表的なのが『とんねるずのみなさんのおかげです』です。

同番組は総平均視聴率20.1%、シリーズ最高視聴率29.5%を記録した人気番組でした。数字はいずれもビデオリサーチ調べ・関東地区として報じられています。

平均20.1%というのは、今の感覚ではかなり異常です。

しかも、とんねるずの強さは数字だけではありませんでした。

パロディコント。
歌。
スポーツ選手や俳優との絡み。
派手なロケ。
番組全体に漂う「テレビで遊んでいる」感じ。

とんねるずの番組には、テレビを大きな遊び場に変えてしまうような力がありました。

ダウンタウンが笑いの価値観を変えた存在だとすれば、とんねるずはテレビのスケール感を変えた存在です。

大物ゲストを巻き込み、音楽活動にも広がり、番組発のキャラクターや企画が話題になる。まさに90年代フジテレビの勢いを象徴する存在でした。

90年代のとんねるずは、単なるお笑いコンビではなく、テレビそのものの華やかさを背負っていたと言えます。

ウッチャンナンチャンは“親しみやすさ”と“企画力”で時代を取った

ウッチャンナンチャンも、90年代ではSSに置きたいです。

ダウンタウン、とんねるずと比べると、ウンナンはやや柔らかいイメージがあります。

しかし、90年代の勢いで見ると、間違いなくテレビの中心にいました。

『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』は1990年から1993年まで放送され、番組歴代最高視聴率20.4%、全放送回の平均視聴率16.2%とされています。

この番組は、とんねるずやダウンタウンとはまた違う形で90年代前半のフジテレビを支えました。

ウンナンの強さは、コントの完成度と親しみやすさの両立にあります。

内村光良さんは、キャラクターを作り込み、コントや企画を成立させる職人型。
南原清隆さんは、明るさと前向きさで番組を広げるタイプ。

このバランスが、幅広い視聴者に届きました。

さらに90年代後半には、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』が大きな人気を集めます。

ポケットビスケッツ、ブラックビスケッツなど、番組発の音楽ユニットも社会的な話題になりました。

ウンナンは、単に笑わせるだけでなく、企画から人気者を生み出す力がありました。

この「番組内から文化を作る力」は、90年代のテレビバラエティにおいて非常に大きかったと思います。

明石家さんまは90年代も第一線に残った“継続する怪物”

1990年代の明石家さんまさんは、SSではなくSに置きました。

これは低評価ではありません。

むしろ、80年代から続く怪物が90年代でも第一線にいた、という意味でのSです。

さんまさんの場合、どの年代でもテレビの中心にいるため、Tierの扱いが難しい存在です。

90年代にも『踊る!さんま御殿!!』につながるトークの強さ、特番での存在感、司会者としての安定感がありました。

ただし、90年代の“時代を変えた勢い”という意味では、ダウンタウン、とんねるず、ウンナンの第三世代のインパクトが強かった。

そのため、今回はSSではなくS。

格で見れば、さんまさんはどの時代でもSS級。
しかし、90年代の勢力図を「その時代を新しく動かした人」で見るなら、SSは第三世代が中心になると言う見方です。

タモリは90年代も“日常にいるスター”だった

タモリさんも90年代ではSです。

タモリさんの場合、爆発的なブームというより、生活に溶け込む強さがありました。

『笑っていいとも!』は1982年に始まり、90年代を通じても昼のテレビの中心にあり続けました。

毎日お昼にタモリさんがいる。

これは派手なようでいて、実はものすごいことです。

大ブームとして語られるタイプではないかもしれませんが、日常の中に長く存在し続けることは、テレビタレントとして非常に強い。

90年代は、夜のバラエティで第三世代が大きく伸びた時代ですが、昼のテレビではタモリさんの安定感が圧倒的でした。

このため、90年代の勢いTierではSが妥当だと思います。

ナインティナインは90年代後半に“次の主役”として現れた

ナインティナインは、1990年代ではSに置きます。

理由は、90年代後半から2000年代にかけての流れを考えると、ここで既に大きな存在になっていたからです。

特に重要なのが『めちゃ×2イケてるッ!』です。

『めちゃイケ』は1996年に放送開始し、2018年まで続いたフジテレビの看板バラエティでした。フジテレビ公式によると、放送開始から2017年10月28日放送分までの番組平均視聴率は14.4%、歴代最高視聴率は33.2%を記録しています。

90年代の時点では、ナイナイはまだダウンタウンやとんねるずのような絶対王者ではありません。

しかし、若者向けバラエティの次の主役としての存在感は非常に強くなっていました。

岡村隆史さんの身体能力、矢部浩之さんの進行力、めちゃイケメンバーとのチーム感。

この構造は、2000年代のバラエティへ直結します。

つまり、90年代のナイナイは「完成した王者」というより、「次の時代を背負う勢いの塊」でした。

そのため、90年代ではS。2000年代に入ると、さらに上げる余地があります。

爆笑問題は90年代後半から知的な笑いで存在感を高めた

爆笑問題も、90年代ではSに置きたい存在です。

爆笑問題は、ダウンタウンやとんねるずのように90年代のゴールデンバラエティを一気に支配したタイプではありません。

しかし、太田光さんの毒と知性、田中裕二さんの安定した受けと進行力によって、90年代後半から独自の存在感を強めていきます。

特に爆笑問題は、バラエティだけでなく、時事、政治、社会、言葉遊びにも踏み込めるコンビでした。

これは後の2000年代にかなり効いてきます。

お笑い芸人が単にネタやコントをするだけでなく、ニュースや社会を語る存在にもなっていく。

その流れの中で、爆笑問題は非常に重要です。

90年代だけで見るとSSまでは行かないかもしれません。

しかし、2000年代に大きく伸びる前段階として、Sに置く価値は十分あります。

A Tierは90年代バラエティを厚くした実力者たち

A Tierには、今田耕司さん、東野幸治さん、出川哲朗さん、キャイ〜ン、ネプチューン、ココリコなどを置きました。

この層は、90年代バラエティの厚みを作った人たちです。

今田耕司さん、東野幸治さんは、ダウンタウン周辺の番組で存在感を高め、後にMC・司会・情報番組でも活躍していきます。

出川哲朗さんは、リアクション芸人として90年代から独自のポジションを築いていきます。当時は“いじられ役”としての印象が強かったかもしれませんが、後の再評価まで含めると、テレビバラエティに欠かせない存在でした。

キャイ〜ン、ネプチューン、ココリコは、90年代後半から2000年代にかけてゴールデン番組で活躍する層です。

特にネプチューンやココリコは、2000年代に入るとさらに存在感を増していきます。

このA Tierは、SSのように時代全体を塗り替えたというより、90年代のテレビバラエティを支え、次の時代の形へつなげた層と言えます。

B Tierは2000年代に爆発する前の助走段階

B Tierには、雨上がり決死隊、ロンドンブーツ1号2号、さまぁ〜ず、海砂利水魚時代のくりぃむしちゅーなどを置きました。

ここは低評価ではありません。

むしろ、2000年代編への伏線です。

ロンドンブーツ1号2号は、90年代後半から若者向け番組で存在感を出し始めます。
雨上がり決死隊も、後にバラエティ番組の中心へ入っていきます。
さまぁ〜ずは、バカルディ時代から活動し、2000年代に改名後さらに存在感を増していきます。
海砂利水魚は、後のくりぃむしちゅーとして大きく飛躍します。

つまり、90年代のB Tierは“弱い芸人”ではありません。

2000年代に主役級へ上がっていく前夜の人たちです。

この見方を入れておくと、年代別Tier表が単なる順位表ではなく、芸人勢力図の移り変わりとして見えてきます。

1990年代まとめ|第三世代がテレビの笑いを完全に変えた

1990年代のお笑い勢力図をまとめると、主役は明らかに第三世代です。

ダウンタウンは、笑いの基準を変えました。

とんねるずは、テレビのスケール感とスター性を象徴しました。

ウッチャンナンチャンは、コントと企画力で幅広い視聴者に届きました。

この3組がいたことで、90年代のバラエティは1980年代とはまったく違う空気になりました。

一方で、さんまさんやタモリさんのような前時代からのスターも消えたわけではありません。むしろ第一線に残りながら、新しい世代と並走していました。

そして90年代後半には、ナインティナイン、爆笑問題、ネプチューン、ロンブー、雨上がり、さまぁ〜ず、くりぃむしちゅーへとつながる流れが見え始めます。

つまり1990年代は、第三世代が時代を取り、次の2000年代の主役たちが準備を始めた時代でした。

ここから2000年代に入ると、テレビバラエティはさらに変わります。

コント番組の時代から、トーク、企画、ドッキリ、クイズ、ひな壇、MC力がより重視される時代へ。

次の中心に来るのは、ナインティナイン、爆笑問題、くりぃむしちゅー、ロンブー、雨上がり、そして継続するダウンタウン・さんま・とんねるずです。

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2000年代の芸人勢力図|若者バラエティからMC時代へ移った10年

2000年代のお笑い界は、90年代とはかなり空気が変わります。

90年代は、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンという第三世代がテレビの笑いを大きく変えた時代でした。

一方、2000年代は、その流れを受け継ぎながらも、より「番組を回す力」「企画を成立させる力」「ひな壇で結果を出す力」が重要になっていきます。

この時代の中心にいたのは、ナインティナイン、爆笑問題、くりぃむしちゅー。

さらに、ロンドンブーツ1号2号、雨上がり決死隊、ネプチューン、さまぁ〜ず、ココリコなどが、ゴールデン・深夜・企画番組の中で存在感を強めていきました。

Tier芸人・グループ位置づけ
SSナインティナイン、爆笑問題、くりぃむしちゅー2000年代テレビバラエティの中心へ伸びた存在
Sダウンタウン、明石家さんま、ロンドンブーツ1号2号、雨上がり決死隊、ネプチューン第一線の継続組と企画番組の強者
Aとんねるず、タモリ、ウッチャンナンチャン、さまぁ〜ず、ココリコ、今田耕司、東野幸治格・実績は大きく、テレビの重要ポジションを維持
Bアンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、タカアンドトシ、次長課長、フットボールアワー賞レース・ネタ番組・ひな壇で存在感を高めた層

ナインティナインは2000年代若者バラエティの中心だった

2000年代のSSにナインティナインを置くことは、かなり自然だと思います。

理由はやはり『めちゃ×2イケてるッ!』の存在です。

『めちゃイケ』は1996年に始まり、2018年まで続いたフジテレビの看板バラエティでした。フジテレビ公式によると、2017年10月28日放送分までの番組平均視聴率は14.4%、歴代最高視聴率は2004年10月9日放送の特番で33.2%。放送回数も717回を数えたとされています。

2000年代のめちゃイケは、単なるバラエティ番組ではありませんでした。

岡村隆史さんのオファー企画。
抜き打ち期末テスト。
中居正広さんとの日本一周企画。
メンバー同士の関係性。
時にドキュメンタリーのように見える長期企画。

これらは、当時の若者にとってかなり大きな共通体験でした。

ナインティナインの強さは、ダウンタウンのように笑いの価値観を根底から変えたというより、「テレビの中で青春や無茶を見せる」ことにありました。

岡村さんは体を張り、矢部さんは番組全体を見ながら進行する。

このバランスが、2000年代のフジテレビ的バラエティと非常に相性が良かったのです。

2000年代の若者向けバラエティを代表するコンビとして、ナインティナインはSSでいいと思います。

爆笑問題は“知性と毒”をテレビの中心に持ち込んだ

爆笑問題も2000年代ではSSに置きたいです。

90年代後半から存在感を高めていた爆笑問題は、2000年代に入ると、単なる漫才コンビではなく、テレビの中で社会や時事を扱える芸人として大きくなっていきます。

太田光さんの毒と批評性。
田中裕二さんの受けと進行力。
漫才師でありながら、ニュース、雑学、教養、政治、時事まで扱える幅の広さ。

この特徴は、2000年代のテレビにかなり合っていました。

バラエティ番組が、ただ笑わせるだけではなく、知識、クイズ、雑学、ニュース、時事ネタを扱うようになっていく中で、爆笑問題は非常に使いやすく、なおかつ独自性のある存在でした。

2000年代の爆笑問題をSSにする理由は、爆発的な若者人気だけではありません。

「芸人が知的番組・社会派番組にも自然に入っていく流れ」を強めた存在だからです。

これは後の芸人MC時代にもつながります。

くりぃむしちゅーは2000年代にMC力で一気に伸びた

くりぃむしちゅーは、2000年代のSSに置きたい筆頭です。

90年代は海砂利水魚として活動していましたが、2000年代に入ると、くりぃむしちゅーとして一気にテレビの中心へ近づいていきます。

特に強かったのは、上田晋也さんのMC力です。

ツッコミ、進行、情報整理、いじり、ゲストとの距離感。
これらを高いレベルでこなせる上田さんは、2000年代以降のテレビに非常に合っていました。

有田哲平さんも、ボケ、企画、キャラクター、深夜番組的な悪ふざけまで幅広く対応できる存在でした。

2000年代のテレビは、コント番組だけではなく、トーク番組、クイズ番組、雑学番組、深夜バラエティ、特番などが強くなっていきます。

その中で、くりぃむしちゅーは「どの番組にも対応できるMC型コンビ」として急成長しました。

『くりぃむナントカ』のような深夜バラエティの濃さと、ゴールデン番組の進行力を両方持っていたことが大きいです。

だから、2000年代の「勢い」という意味ではSSで十分成立します。

ダウンタウンは王者のまま“勢いの中心”から“格の中心”へ移った

2000年代のダウンタウンはSに置きました。

ここは議論が出る部分かもしれません。

「ダウンタウンがSSではないのか?」という意見は当然あります。

2000年代のダウンタウンは、もちろん第一線にいました。『ダウンタウンDX』『ガキの使いやあらへんで!』、特番、音楽番組、個人仕事など、存在感は非常に大きい。

しかし、90年代のように「笑いの基準そのものを変えている最中」というより、すでに確立された王者としてテレビに君臨していた印象が強くなります。

つまり、勢いの方向が変わったのです。

90年代は革命の中心。
2000年代は格の中心。

この違いを出すために、今回はSSではなくSにしています。

これは低く見ているわけではありません。

むしろ、2000年代でもSに残る時点で異常です。

明石家さんまは2000年代も“テレビを回す怪物”だった

明石家さんまさんもSです。

さんまさんは、どの年代でもテレビの第一線に残るため、Tier表では非常に扱いが難しい存在です。

2000年代も、トーク番組、特番、バラエティの司会で圧倒的な存在感を持っていました。

さんまさんの強さは、番組形式が変わってもあまり揺らがないことです。

コントの時代でも、トークの時代でも、ひな壇の時代でも、ゲストの人数が多くても少なくても、場を前に進めることができる。

2000年代のテレビは、出演者が多い番組や、トーク中心の番組が増えていきました。

その中で、さんまさんの「全員を巻き込んで笑いにする力」はますます重要でした。

ただし、2000年代の新しい勢力図を作った中心というより、すでに完成された怪物が変わらず強かったという位置づけです。

そのため、Sに置いています。

ロンドンブーツ1号2号は“企画で刺す”2000年代らしい強者だった

ロンドンブーツ1号2号は、2000年代ではSに置きたいです。

理由は『ロンドンハーツ』の存在です。

テレビ朝日の公式サイトでも、現在まで続くロンドンブーツ1号2号のバラエティ番組として紹介されている『ロンドンハーツ』は、2000年代に若者向けバラエティとして大きな存在感を持ちました。

ロンブーの強さは、漫才やコントというより、企画そのものにありました。

恋愛。
ドッキリ。
格付け。
芸能人の本音。
少しヒリヒリする人間関係。

これは2000年代のテレビらしい刺激です。

特に田村淳さんは、出演者の感情や関係性を番組の面白さに変えるのが非常にうまかった。

優しいだけではない。
予定調和でもない。
少し危なっかしいから見てしまう。

ロンハー的な面白さは、現在ではやや難しくなった部分もありますが、2000年代のテレビではかなり強い武器でした。

だから、ロンブーは2000年代Sが妥当だと思います。

雨上がり決死隊は“芸人を並べて面白くする”時代の中心にいた

雨上がり決死隊も、2000年代ではSです。

特に大きいのは『アメトーーク!』です。

『アメトーーク!』は、特定のテーマに詳しい芸人や、共通点を持つ芸人たちを集めて語らせる形式で、2000年代以降のバラエティに大きな影響を与えました。

この番組の重要性は、芸人そのものをコンテンツにしたことです。

家電芸人。
中学イケてない芸人。
運動神経悪い芸人。
特定作品や趣味を語る企画。

芸人がただネタをするのではなく、自分の趣味、欠点、人生、キャラクターを語ることで番組が成立する。

これは2000年代以降のテレビバラエティにおいてかなり大きな変化です。

雨上がり決死隊は、その中心にいました。

2000年代のひな壇文化、芸人トーク文化を考えるなら、Sに置く価値は十分あります。

ネプチューンはゴールデン番組で安定した強さを見せた

ネプチューンも2000年代ではS寄りです。

90年代後半から存在感を高めたネプチューンは、2000年代に入るとゴールデン番組やクイズ・バラエティで安定した強さを見せます。

ネプチューンの特徴は、トリオとしてのバランスです。

名倉潤さんの進行力。
堀内健さんの予測不能なボケ。
原田泰造さんの親しみやすさと俳優としての存在感。

この3人のバランスが、ゴールデン番組に非常に向いていました。

とんがった深夜番組というより、家族で見られるゴールデンバラエティに適応した強さです。

2000年代のテレビは、クイズ番組や雑学番組、家族向けバラエティも強くなっていきます。

その流れの中で、ネプチューンは非常に使いやすく、長く強い存在でした。

とんねるずはAでも“格落ち”ではなく長期王者の位置づけ

2000年代のとんねるずをAに置くのは、かなり悩むところです。

格で見れば、もちろんSS級です。

90年代のテレビを代表する存在であり、2000年代も『とんねるずのみなさんのおかげでした』を中心に、第一線で存在感を持っていました。

ただ、2000年代の“勢い”で見ると、ナイナイ、くりぃむ、爆笑問題、ロンブー、雨上がりのような新しい番組構造を作っていた組に比べると、やや「前時代から続く王者」という印象が強くなります。

これは決して低評価ではありません。

むしろ、90年代にあれだけ時代を取ったコンビが、2000年代にもAに残ること自体がすごい。

「とんねるずがAは低すぎる」と感じる人もいるはずです。

その違和感は正しいと思います。

でも、このTier表は“格”ではなく“2000年代の勢い”を見るものです。

その意味では、Aが一番自然な置き場所だと思います。

タモリとウッチャンナンチャンは“個人・番組単位”で強さを維持した

タモリさん、ウッチャンナンチャンもAに置きました。

タモリさんは『笑っていいとも!』を中心に、昼のテレビの顔であり続けました。

一方、ウッチャンナンチャンはコンビとしての一体感よりも、内村光良さん、南原清隆さんそれぞれの活動が目立つ時期へ移っていきます。

内村さんはコント・企画・後進との番組作りに強く、南原さんはバラエティや情報番組方面へ広がっていきました。

90年代にSSだったウンナンを2000年代でAにするのは、少し厳しく見えるかもしれません。

ただ、2000年代の勢いという意味では、コンビとして時代全体を支配した90年代とは違い、個人・番組単位で強さを維持した印象が強いです。

これも、格落ちではなく役割の変化です。

さまぁ〜ず・ココリコ・今田耕司・東野幸治は番組を支える重要人物だった

A Tierの中でも、2000年代のテレビを語るうえで重要なのが、さまぁ〜ず、ココリコ、今田耕司さん、東野幸治さんです。

さまぁ〜ずは、ゆるい空気と鋭い言葉のバランスで独自のポジションを築きました。

ココリコは『ガキの使い』周辺の存在感に加え、ゴールデン番組でも活躍しました。

今田耕司さん、東野幸治さんは、ダウンタウン周辺から出発しながら、司会、情報番組、特番、ひな壇のまとめ役として存在感を増していきます。

2000年代のテレビは、主役だけでは成立しません。

番組を回せる人。
場を整えられる人。
主役を引き立てながら自分も笑いを取れる人。

こうした存在が非常に重要になりました。

その意味で、このA Tierはかなり厚いです。

B Tierは賞レースとネタ番組から伸びた実力派

B Tierには、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、タカアンドトシ、次長課長、フットボールアワーなどを置きました。

この層は、2000年代のお笑いブームを語るうえで欠かせません。

M-1グランプリの影響もあり、ネタの強いコンビが一気に注目される時代になりました。

フットボールアワー、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアルなどは、賞レースで評価を高め、その後テレビバラエティへ広がっていきます。

また、タカアンドトシや次長課長のように、ネタ番組やひな壇、ゴールデン番組で存在感を増したコンビも多くいました。

ただし、2000年代全体のテレビを支配したかというと、SSやSの層とは少し違います。

このB Tierは、次の時代への供給源です。

ネタ番組で注目され、ひな壇で試され、MCや冠番組へ進めるかが問われる。

2000年代は、芸人の出世ルートがかなり多様化した時代でもありました。

2000年代まとめ|芸人は“笑わせる人”から“番組を動かす人”になった

2000年代のお笑い勢力図をまとめると、芸人の役割が大きく変わった時代だったと言えます。

90年代までは、コンビやグループそのもののキャラクター、コント、冠番組の爆発力が強く見えていました。

しかし2000年代になると、芸人にはより多くの能力が求められます。

番組を回す力。
ゲストをいじる力。
ひな壇で結果を出す力。
クイズや雑学に対応する力。
社会や時事を語る力。
ドッキリや恋愛企画を成立させる力。
深夜の濃い笑いをゴールデンへ持ち込む力。

その中で、ナインティナインは若者バラエティの中心として、爆笑問題は知性と毒を持つ芸人として、くりぃむしちゅーはMC型コンビとして大きく伸びました。

一方で、ダウンタウン、さんまさん、とんねるず、タモリさん、ウンナンといった前時代の王者たちも、形を変えながら第一線に残りました。

つまり2000年代は、新旧が入れ替わったというより、役割が再編された時代です。

次の2010年代に入ると、この流れはさらに進みます。

有吉弘行さんの再ブレイク、マツコ・デラックスさんの台頭、バナナマン、オードリー、千鳥、サンドウィッチマンなどの存在感。

テレビバラエティは、さらに「MC力」「コメント力」「キャラクターの濃さ」が問われる時代へ入っていきます。

2010年代の芸人勢力図|再ブレイクとコメント力がテレビを動かした時代

2010年代のお笑い界は、かなり難しい時代です。

なぜなら、この頃からテレビの見られ方そのものが変わり始めるからです。

視聴率だけで単純に測る時代ではなくなり、出演本数、MCとしての安定感、SNSでの話題性、番組内でのコメント力、キャラクターの濃さがより重要になっていきました。

2000年代が「番組を回せる芸人」の時代だったとすれば、2010年代は「一言で番組の空気を変えられる芸人」「どの番組に出ても役割を作れる芸人」が強くなった時代です。

その中心にいたのが、有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、バナナマン、オードリー、千鳥でした。

Tier芸人・タレント位置づけ
SS有吉弘行、マツコ・デラックス、バナナマン、オードリー、千鳥2010年代のテレビ空気を大きく変えた中心層
Sくりぃむしちゅー、サンドウィッチマン、博多華丸・大吉、山里亮太、フットボールアワー後藤MC・好感度・コメント力で強かった層
Aダウンタウン、明石家さんま、ナインティナイン、今田耕司、東野幸治、小峠英二、ハライチ第一線の継続組と番組内で強い役割を持った層
B平成ノブシコブシ吉村、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、ピース、パンサー、メイプル超合金、霜降り明星ブレイク・賞レース・ひな壇で存在感を出した層

有吉弘行は“再ブレイク”からテレビの中心へ返り咲いた

2010年代のSS筆頭は、有吉弘行さんです。

有吉さんのすごさは、一度大きく売れたあとに低迷し、そこから再ブレイクしてテレビの中心に戻ってきたことです。

しかも、ただ戻っただけではありません。

2010年代のバラエティにおける「毒舌」「あだ名」「観察眼」「力を抜いたMC」の空気を作った存在でもあります。

ニホンモニターの番組出演本数ランキングでは、2011年に有吉弘行さんが499番組で年間1位になっています。2012年も上位に入り、2013年も設楽統さん、近藤春菜さんに続いて3位にランクインしたと報じられています。

この数字は、有吉さんが単なる一時的なブレイクではなく、テレビのあらゆる番組に必要とされる存在になっていたことを示しています。

有吉さんの強さは、番組の主役にもなれるし、ひな壇でも強いし、MC側にも回れることです。

さらに、毒を吐いてもどこか軽く見える。
相手を切っているようで、番組全体は壊さない。
大げさに熱くならず、冷めた目線で笑いを作る。

このスタイルは、2010年代のテレビにかなり合っていました。

だから、2010年代の芸人勢力図では有吉さんをSSに置くのが自然です。

マツコ・デラックスは“芸人ではないのに芸人Tierで語りたくなる”存在

マツコ・デラックスさんをこの表に入れるかどうかは、少し迷うところです。

厳密には芸人ではありません。

ただ、2010年代のバラエティを語るなら、マツコさんを外すのはかなり難しいです。

マツコさんは、2010年代に入ってから『マツコ&有吉の怒り新党』『月曜から夜ふかし』『アウト×デラックス』『マツコの知らない世界』など、複数の人気番組で存在感を発揮しました。『マツコの知らない世界』はTBS公式サイトでも、マツコさんとゲストが1対1でサシトークを行い、ゲストが得意ジャンルをプレゼンしていく番組として紹介されています。(tbs.co.jp)

マツコさんの強さは、コメントの説得力です。

ただ毒舌なだけではありません。

視聴者のモヤモヤを言葉にする力。
相手を面白がりながら、ちゃんと受け止める力。
世間とズレすぎず、でも少し斜めから見る視点。
食べ物、街、商品、人物、文化を語るときの言語化能力。

このあたりが非常に強かった。

2010年代のテレビは、ただ騒がしいだけではなく、「この人がどう言うか」を見たい時代でもありました。

その意味で、マツコさんは芸人ではないものの、バラエティの勢力図ではSS級です。

バナナマンは設楽統のMC力と日村勇紀の愛され力で強くなった

バナナマンも2010年代ではSSに置きたいです。

2000年代から実力派として評価されていましたが、2010年代に入るとテレビでの存在感が一気に増します。

特に大きいのが、設楽統さんのMC力です。

ニホンモニターの2013年タレント番組出演本数ランキングでは、設楽統さんが2012年に続いて年間1位になったと報じられています。さらに2019年のランキングでも、設楽さんは6年連続2位とされ、2010年代を通じて非常に高いテレビ出演量を維持していたことがわかります。

設楽さんの強さは、番組を邪魔しないMC力です。

強く前に出すぎず、でも必要なところで笑いを取る。
ゲストや共演者の話を整理しながら、番組のテンポを作る。
情報番組、バラエティ、トーク、特番のどれにも対応できる。

一方、日村勇紀さんは、愛されるキャラクターと身体性が強い。

バナナマンは、尖ったコント師としての評価と、テレビでの使いやすさを両立したコンビでした。

特に2010年代は、乃木坂46との番組なども含めて、若い層への浸透もありました。

そのため、2010年代のSSに置いて違和感は少ないと思います。

オードリーは“2010年代最強テレビスター”と呼びたくなる安定感があった

オードリーもSSです。

2008年のM-1グランプリをきっかけに大きく注目され、その後2010年代を通じてテレビに定着しました。

ニホンモニターの調査では、2010年のテレビ番組出演本数1位がオードリーで、507番組に出演したと報じられています。また、2019年にも若林正恭さんが428本で7位、春日俊彰さんが398本で12位に入り、ORICONは「2010年代のテレビスター」としてオードリーを取り上げています。

オードリーのすごさは、コンビでありながら個人でも強いことです。

若林正恭さんは、トーク、MC、分析、言語化、ラジオ的な深さで存在感を増しました。

春日俊彰さんは、キャラクターの強さ、身体能力、ロケ、ドッキリ、クイズ番組での粘り強さがありました。

片方が司会・言語化で伸び、もう片方がキャラクターと身体性で伸びる。

この分岐の仕方が非常に強いです。

さらに、オードリーはラジオ人気も大きく、テレビだけでは測れないファンの熱量を持っていました。

2010年代のテレビ出演本数、コンビの継続力、個人活動の広がりを考えると、SSに置く価値は十分あります。

千鳥は2010年代後半に“次の主役”として一気に来た

千鳥は、2010年代全体で見ると少し扱いが難しい存在です。

前半からずっとテレビの中心だったわけではありません。

しかし、2010年代後半の勢いはかなり強烈でした。

千鳥は2014年にテレビ埼玉で『いろはに千鳥』を開始し、2016年にはテレビ東京で『NEO決戦バラエティ キングちゃん』が始まります。2017年にはニホンモニターの「ブレイクタレントランキング」で5位となり、番組出演本数は337番組、前年から175番組増だったとされています。(ja.wikipedia.org)

千鳥の強さは、ロケ、ツッコミ、方言、粗さ、そして言葉のフックです。

大悟さんの破天荒さ。
ノブさんのツッコミのキャッチーさ。
「クセがすごい」に代表される、真似したくなる言葉。

2010年代後半の千鳥は、テレビだけでなくSNSでも語られやすい存在になっていきました。

ここが重要です。

2010年代後半は、番組をリアルタイムで見た人だけでなく、SNSで切り抜き的に話題になる力も重要になっていきます。

千鳥は、その時代に非常に合っていました。

2010年代前半からの支配力で見るとSという意見もあるかもしれません。

ただ、2010年代後半から2020年代へつながる“勢い”まで考えると、SSに置くのが面白いと思います。

くりぃむしちゅーはMC型コンビとして安定した強さを維持

くりぃむしちゅーは2010年代ではSに置きます。

2000年代に大きく伸びたコンビですが、2010年代もテレビの中心で安定した強さを持っていました。

上田晋也さんのMC力は、この時期さらに盤石になります。

情報整理、ゲストいじり、番組進行、クイズ番組、トーク番組。

どれも高いレベルでこなせるため、テレビ局にとって非常に頼れる存在でした。

有田哲平さんも、深夜的な企画力や、独自のボケ、演技的なキャラクター作りで存在感を維持しました。

ただし、2010年代の“新しい空気を作った”という意味では、有吉さん、マツコさん、オードリー、千鳥、バナナマンの伸び方がより象徴的です。

そのため、くりぃむしちゅーはSSではなくS。

これは低評価ではなく、すでに完成された強者としてのSです。

サンドウィッチマンは好感度と実力で“信頼される芸人”になった

サンドウィッチマンも2010年代ではSです。

2007年のM-1グランプリ優勝以降、ネタの実力は早い段階から評価されていました。

2010年代になると、その実力に加えて、好感度の高さ、ロケの安定感、人柄の良さ、東日本大震災後の活動なども含めて、非常に信頼される存在になっていきます。

サンドウィッチマンは、派手なスキャンダル性や攻撃性で話題になるタイプではありません。

しかし、どの番組に出ても安心して見られる。
ネタも強い。
ロケも強い。
二人の関係性も良い。
幅広い世代に嫌われにくい。

これは2010年代のテレビにおいて、かなり大きな武器でした。

お笑い界全体が少しずつクリーンさや安心感も求められるようになる中で、サンドウィッチマンは非常に強いポジションを築いたと思います。

博多華丸・大吉は“朝の顔”にもなった安定型の強者

博多華丸・大吉もSに入れたい存在です。

華丸・大吉は、漫才、ロケ、トーク、司会、情報番組まで幅広く対応できるコンビです。

特に大きかったのは、博多大吉さんのMC・コメント力と、コンビとしての穏やかな空気です。

2010年代の後半には、NHK『あさイチ』のキャスターにも就任し、バラエティ芸人が朝の情報番組の顔になる流れを象徴しました。

これは芸人の役割が広がったことを示しています。

昔なら、芸人は夜のバラエティや演芸番組の人というイメージが強かったかもしれません。

しかし2010年代には、芸人が朝の情報番組でも自然に受け入れられるようになりました。

華丸・大吉は、その象徴的な存在のひとつです。

勢いの爆発力というより、信頼感と安定感でSに置きたいコンビです。

山里亮太は“言葉の芸人”として2010年代に強くなった

南海キャンディーズの山里亮太さんも、2010年代ではSに入れたいです。

山里さんは、コンビとしての南海キャンディーズで注目されたあと、個人としてラジオ、ナレーション、MC、コメント、情報番組などへ活動を広げていきます。

山里さんの強さは、言葉の細かさです。

自分の嫉妬や劣等感を笑いに変える。
共演者の魅力を言語化する。
番組の状況を俯瞰してコメントする。
ラジオ的な熱量をテレビにも持ち込む。

2010年代は、ただ明るいだけの芸人よりも、内面や言葉に奥行きがある芸人が評価される時代でもありました。

その流れで、山里さんは非常に強い存在感を持ちました。

フット後藤は“たとえツッコミ”と司会力で番組に欠かせない存在へ

フットボールアワー後藤輝基さんも、2010年代のSに入れたいです。

後藤さんは、ツッコミの言語化能力が非常に高く、ひな壇でもMCでも機能するタイプです。

特に「たとえツッコミ」のわかりやすさ、声の通り方、番組を前に進める力は、2010年代のバラエティにかなり合っていました。

フットボールアワーとしての漫才実績に加えて、後藤さん個人の司会力が高まったことで、さまざまな番組に起用されるようになります。

2010年代のテレビでは、主役級のMCだけでなく、サブMC、進行、ひな壇のまとめ役が非常に重要でした。

後藤さんは、そのポジションで強かった人物です。

ダウンタウンがAなのは“格”ではなく“2010年代の勢い”で見ているから

ここはかなり議論が起きると思います。

2010年代のダウンタウンをAに置くのは、低く見えるかもしれません。

しかし、これは格の話ではありません。

ダウンタウンは、お笑い界全体の格で言えば別格です。

2010年代も『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『ダウンタウンDX』『水曜日のダウンタウン』などで大きな存在感を持っていました。

特に『水曜日のダウンタウン』は、2010年代以降のテレビバラエティの中でも非常に話題性が高く、ネットでも語られやすい番組でした。

それでもAに置いた理由は、2010年代の“勢いの主語”が、有吉さん、マツコさん、バナナマン、オードリー、千鳥のような新しく伸びた層に移っていたからです。

ダウンタウンは、時代を追いかける存在ではなく、すでに上にいる存在でした。

だからSSではなくA。

このTier表では、レジェンドとしての格ではなく、その年代の空気をどれだけ新しく動かしたかを見ています。

明石家さんま、ナインティナイン、今田耕司、東野幸治は第一線継続組

A Tierの中で、さんまさん、ナインティナイン、今田耕司さん、東野幸治さんは、第一線継続組としての位置づけです。

さんまさんは、2010年代も当然のようにテレビの中心にいました。

ナインティナインも、2000年代ほどの爆発力ではないにせよ、テレビの重要ポジションを維持していました。

今田さん、東野さんは、MC、情報番組、特番、バラエティの進行役として非常に強い存在です。

この層は、2010年代に新しくブレイクしたというより、長年の経験を武器にテレビを支えた人たちです。

そのため、SSやSではなくAにしています。

ただし、Aだから弱いわけではありません。

むしろ、この年代でAに残れること自体がかなり強いです。

小峠英二とハライチは2010年代の番組内で強い役割を持った

小峠英二さん、ハライチもAに置きたい存在です。

小峠さんは、バイきんぐとして2012年のキングオブコントで優勝し、その後バラエティで一気に存在感を高めました。

「なんて日だ!」というフレーズの浸透もあり、ツッコミ、ロケ、いじられ役、コメント役として非常に使いやすい存在になりました。

ハライチは、岩井勇気さんと澤部佑さんそれぞれの個性があり、特に澤部さんはテレビ出演本数の多いタレントとして定着していきます。

2010年代のバラエティでは、番組を一人で支配するだけでなく、どこに入っても役割を作れる芸人が重宝されました。

小峠さんやハライチは、その意味で非常に強いA Tierです。

B Tierはブレイクと試行錯誤が混ざった層

B Tierには、平成ノブシコブシ吉村さん、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、ピース、パンサー、メイプル超合金、霜降り明星などを置きました。

この層は、2010年代のバラエティをかなり賑やかにした人たちです。

ノブコブ吉村さんは破天荒キャラで多くの番組に出演しました。

ピースは又吉直樹さんの芥川賞受賞も含め、芸人の活動範囲を広げた存在です。

メイプル超合金は、カズレーザーさんの知性とキャラクターで一気に注目を集めました。

霜降り明星は2018年のM-1グランプリ優勝をきっかけに、2010年代末から2020年代へ向かう新世代として台頭します。

一方で、ブラックマヨネーズやチュートリアルは2000年代の賞レース後に強かった層ですが、2010年代の勢いという意味では、やや前時代からの継続感が強くなります。

B Tierは低評価ではありません。

むしろ、2010年代のバラエティが多様化していたことを示す層です。

2010年代まとめ|テレビは“誰が何を言うか”の時代になった

2010年代のお笑い勢力図をまとめると、テレビバラエティは「誰が何をするか」から「誰がどう言うか」へ大きく寄っていった時代だったと思います。

もちろん、企画力や身体を張る力も重要でした。

しかし、それ以上に、コメント力、言語化、空気の読み方、MC力、キャラクターの説得力が重視されるようになります。

有吉さんは、再ブレイクからテレビの中心へ戻りました。

マツコさんは、芸人ではないにもかかわらず、バラエティの空気を大きく動かしました。

バナナマンは、MC力と愛されるキャラクターで定着しました。

オードリーは、コンビでも個人でも2010年代のテレビに深く根を張りました。

千鳥は、2010年代後半から2020年代へ向かう次の主役として一気に伸びました。

一方で、ダウンタウン、さんまさん、ナイナイ、今田さん、東野さんのようなレジェンド・中堅上位層も消えたわけではありません。

ただ、彼らは「新しく時代を変える勢い」より、「テレビを支える格と技術」の側に移っていきました。

2010年代は、芸人がただネタを見せるだけではなく、番組の空気を読み、言葉で場を動かす時代だったのです。

そして2020年代に入ると、この流れはさらに変化します。

テレビ出演本数、YouTube、配信、SNSでの拡散、TVerでの見られ方、賞レース後のスピード感。

芸人の勢いは、もはやテレビだけでは測れない時代へ入っていきます。

2020年代の芸人勢力図|テレビだけでは測れない時代へ

2020年代のお笑い界は、これまでの年代とかなり違います。

1980年代はテレビ視聴率の時代。
1990年代は第三世代の時代。
2000年代は企画番組とMC力の時代。
2010年代はコメント力と再ブレイクの時代。

そして2020年代は、テレビ出演本数、冠番組、TVer、YouTube、SNS、賞レース後の拡散力が複雑に絡み合う時代になりました。

つまり、もうテレビだけでは「勢い」を完全には測れません。

それでも、地上波テレビの出演本数や冠番組の数は、今も芸人の勢いを見るうえで重要な指標です。ニホンモニターの2023年ランキングでは、麒麟・川島明さんが586番組で関東1位、ハライチ澤部佑さんが581番組で2位、バナナマン設楽統さんが576番組で3位でした。2024年には澤部佑さんが578番組で初の年間首位、設楽統さんが541番組で2位、川島明さんが539番組で3位となっています。

Tier芸人・グループ位置づけ
SS千鳥、かまいたち、麒麟・川島明、バナナマン設楽統、ハライチ澤部佑2020年代前半〜中盤のテレビ露出・MC・番組支配力が特に強い層
Sオードリー、チョコレートプラネット、霜降り明星、山里亮太、アルコ&ピース平子祐希テレビ・配信・ラジオ・SNSで強い存在感を持つ層
A有吉弘行、マツコ・デラックス、ダウンタウン、くりぃむしちゅー、サンドウィッチマン、博多華丸・大吉、見取り図、ニューヨーク格・実績・番組影響力を維持しつつ、2020年代も存在感のある層
Bマヂカルラブリー、錦鯉、空気階段、やす子、ヒコロヒー、令和ロマン、マユリカ、ヤーレンズ、タイムマシーン3号賞レース・ブレイク・次世代感で注目された層

千鳥は2020年代の“バラエティの顔”になった

2020年代のSSに千鳥を置くのは、かなり自然だと思います。

千鳥は2010年代後半から勢いを増し、2020年代に入ると完全にバラエティの中心層へ入りました。

ノブさんのツッコミは、短く、わかりやすく、SNSで切り取られやすい。
大悟さんは、破天荒さ、色気、粗さ、ロケ適性を持ち、今のテレビでは少なくなった“芸人らしい危うさ”を残しています。

千鳥の強さは、コンビでありながら、番組の色そのものを変えられることです。

スタジオでも強い。
ロケでも強い。
大喜利でも強い。
後輩芸人を活かすこともできる。
少し荒い企画でも、千鳥がいると番組として成立する。

2020年代は、コンプライアンスの影響もあり、昔ほど無茶なバラエティが作りにくくなった時代です。

その中で、千鳥は“危なすぎないけれど、ちゃんと芸人らしい”絶妙なラインを保っている存在だと思います。

だから2020年代のSSは外せません。

かまいたちは“量と質”の両方で一気に伸びた

かまいたちも2020年代ではSSに置きたいです。

2021年の年間テレビ出演本数ランキングでは、かまいたちがコンビそろって大きく順位を上げ、躍進が報じられました。濱家隆一さんは『ZIP!』水曜パーソナリティ就任などで出演機会を増やし、山内健司さんも多数の番組で存在感を高めています。

かまいたちの強さは、漫才・コント・ロケ・トーク・MC・YouTubeの全部に対応できることです。

山内さんは、理屈っぽさ、狂気、毒、分析力が強い。
濱家さんは、進行、親しみやすさ、リアクション、MC適性が強い。

この組み合わせが、2020年代のテレビと非常に合いました。

さらに、かまいたちはYouTubeでも存在感を出しました。

ここが重要です。

2020年代の芸人は、テレビだけでなく、YouTubeや配信でファンとの距離を作れるかも大きい。かまいたちはテレビの露出とYouTubeの親密さを両立したコンビです。

千鳥が“バラエティの顔”だとすれば、かまいたちは“2020年代型の総合芸人”という印象があります。

川島明は朝の番組で“芸人MCの完成形”を見せた

麒麟・川島明さんも、2020年代のSSです。

2023年のニホンモニター番組出演本数ランキングでは、川島さんが586番組で関東1位。『ラヴィット!』など多くのレギュラー番組での活躍が紹介されています。2024年も539番組で関東3位に入り、テレビ露出の面で非常に高い水準を維持しています。

川島さんの強さは、芸人MCとしてのバランスです。

声が聞きやすい。
進行が安定している。
ボケもツッコミも拾える。
情報番組の空気を壊さず、バラエティの面白さも出せる。
若手芸人やアイドル、俳優、文化人まで扱える。

特に『ラヴィット!』での存在感は大きいです。

朝の情報番組でありながら、バラエティ色が強い。
でも荒れすぎない。
出演者の個性を活かしながら、番組全体を成立させる。

この難しい役割を担えるのは、かなり特殊です。

かつての芸人MCは夜のバラエティのイメージが強かったですが、2020年代は朝の番組でも芸人が中心に立つ時代になりました。

川島さんは、その象徴だと思います。

設楽統は“出すぎているのに邪魔にならない”異常なMC

バナナマン設楽統さんもSSに置きたい存在です。

2023年の番組出演本数ランキングでは576番組で関東3位、2024年も541番組で2位。2010年代から続く高いテレビ出演量を、2020年代にも維持しています。

設楽さんのすごさは、「出ている量が多いのに、視聴者に圧迫感を与えにくい」ことです。

これはかなり大きいです。

毎日の帯番組にも出る。
ゴールデン番組にも出る。
特番にも出る。
コンビ番組にも出る。

それでいて、番組の色を壊さない。

強烈なキャラクターで押し切るタイプではなく、番組ごとに必要な温度へ合わせられるMCです。

2020年代のテレビは、過度に尖りすぎると使いにくくなります。

その点、設楽さんは笑いを取りながらも、情報番組・家族向け番組・グルメ番組・トーク番組に対応できる。

これは現代テレビにおける非常に強い能力です。

澤部佑は“どこに入れても成立する”2020年代型テレビ芸人

ハライチ澤部佑さんもSSに置きます。

2024年のニホンモニター番組出演本数ランキングでは、澤部さんが578番組で関東1位。『ぽかぽか』『日曜日の初耳学』『バスケ☆FIVE』などの出演番組が挙げられています。

澤部さんの強さは、どんな番組にも入れることです。

ひな壇でも強い。
MC補佐もできる。
ロケもできる。
情報番組もできる。
スポーツ番組にも入れる。
家族向けでも深夜寄りでも対応できる。

そして、強すぎる毒がない。

2020年代のテレビでは、これはかなり重要です。

一言で爆発的に時代を変えたタイプではないかもしれません。

しかし、テレビ局にとって「困ったら澤部さんを入れたい」と思わせるような安定感があります。

これは出演本数にも表れています。

勢いという言葉を「社会現象」だけで見るなら別の名前も挙がりますが、「2020年代のテレビに最も必要とされた芸人」という意味では、澤部さんはSSに置いていいと思います。

オードリーはテレビ・ラジオ・配信時代でも強い

オードリーは2020年代ではSに置きます。

2010年代にSS級の存在感を持ったオードリーは、2020年代も非常に強いです。

若林正恭さんは、MC、エッセイ的な言語化、番組構成への理解、ラジオ的な熱量で存在感を維持しています。

春日俊彰さんは、身体を張る企画、クイズ、ロケ、キャラクターの強さで安定しています。

さらにオードリーは、ラジオ人気が非常に強い。

テレビ出演本数だけでなく、ファンコミュニティの熱量という意味でも、2020年代のお笑い界で大きな存在です。

ただし、2020年代の“テレビの量と新しい中心感”では、千鳥、かまいたち、川島さん、設楽さん、澤部さんの勢いがより前面に出ているため、今回はSにしています。

これは低評価ではなく、2010年代SSから2020年代もSで残る継続力の評価です。

チョコレートプラネットはキャラ・ネタ・テレビ適性で強い

チョコレートプラネットも2020年代ではSです。

2023年のニホンモニターお笑い芸人部門ランキングでは、松尾駿さんが470番組で関東4位に入っています。

チョコプラの強さは、入口の多さです。

コントが強い。
モノマネが強い。
キャラクターが強い。
YouTube的な短尺との相性も良い。
バラエティでの対応力もある。

TT兄弟、モノマネ、企画動画的な見せ方など、テレビとネットの両方で届きやすい武器を持っています。

2020年代は、テレビで見たものがSNSや動画で再消費される時代です。

その点で、チョコプラは非常に現代的な芸人です。

霜降り明星は“若きスター候補”として2020年代を動かした

霜降り明星もSです。

2018年のM-1グランプリ優勝以降、2010年代末から2020年代にかけて一気にテレビの中心へ近づきました。

せいやさんは、キャラクター、モノマネ、リアクション、瞬発力が強い。
粗品さんは、ツッコミ、音楽、YouTube、ギャンブルキャラ、個人発信力が強い。

霜降り明星は、テレビだけでなくネットでの存在感も大きいコンビです。

ここが2020年代らしいところです。

かつての若手芸人は、テレビ番組で結果を出すことが中心でした。

しかし霜降り明星は、テレビ、YouTube、ラジオ、個人チャンネル、SNSでの発信まで含めて勢いを作っています。

そのため、テレビ出演本数だけでは測れない存在です。

まだ歴代レジェンド級と並べるには議論があるかもしれませんが、2020年代の象徴的な若手としてSに置きたいです。

アルコ&ピース平子祐希は2024年に一気に存在感を増した

アルコ&ピース平子祐希さんも、2020年代中盤の勢いで見るとS候補です。

2024年のニホンモニターランキングでは、平子さんが478番組で関東4位にランクイン。前年から70本以上増やしたことも紹介されています。

平子さんの強さは、独特のキャラクターです。

少し大げさで、ナルシスト的で、理屈っぽくて、でも笑える。

この“濃さ”は、2020年代のテレビでかなり武器になっています。

番組に一人いるだけで空気を変えられる。
コメントにクセがある。
普通の返しではなく、妙な角度から笑いを作れる。

2020年代のバラエティは、無難な人だけでは埋もれやすい時代です。

その中で、平子さんのような濃いキャラクターは非常に強い。

有吉・マツコ・ダウンタウンはAでも別格の“継続王者”

A Tierには、有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、ダウンタウンを入れています。

ここも議論が起きそうです。

有吉さんやマツコさんは、2010年代ならSSでした。

2020年代ももちろん強いです。

ただ、2020年代の“新しい勢い”という意味では、川島さん、澤部さん、かまいたち、千鳥、設楽さんのテレビ露出や番組の広がりがかなり目立ちます。

そのため、今回はAに置きました。

ダウンタウンも同じです。

格でいえば別格です。

しかし2020年代の勢いTierでは、「時代を新しく取りに来ている存在」というより、すでに巨大な基盤を持つレジェンドとしての位置づけが強い。

これは低評価ではありません。

A Tierは、むしろ“王者として残っている層”です。

くりぃむしちゅー、サンド、華大は信頼感で残る強者

くりぃむしちゅー、サンドウィッチマン、博多華丸・大吉もAに置きます。

この3組は、2020年代に入っても非常に安定しています。

くりぃむしちゅーはMC力。
サンドウィッチマンは好感度とロケ・ネタの強さ。
華丸・大吉は朝の番組や安定した進行力。

この層は、爆発的な新鮮味というより、テレビ局が安心して任せられる存在です。

2020年代のバラエティは、攻めるだけでは成立しません。

安心感、好感度、炎上しにくさ、番組全体を穏やかに成立させる力も必要です。

その意味で、このA Tierは非常に強いです。

見取り図・ニューヨークは次世代MC候補として存在感を増した

見取り図、ニューヨークもAに入れています。

この2組は、賞レースや劇場、テレビ、配信をまたいで2020年代に存在感を高めたコンビです。

見取り図は、盛山晋太郎さんの強いキャラクターと、リリーさんの柔らかさのバランスが魅力です。

ニューヨークは、少しひねった視点、YouTube・配信との相性、芸人界隈での存在感が強い。

どちらも、すでにテレビにかなり出ている一方で、まだ「時代の完全な中心」と言い切るには少し早い。

そのため、Aが自然だと思います。

ここは今後の数年で変わる可能性があります。

B Tierは賞レースとブレイクの熱量が高い層

B Tierには、マヂカルラブリー、錦鯉、空気階段、やす子さん、ヒコロヒーさん、令和ロマン、マユリカ、ヤーレンズ、タイムマシーン3号などを入れました。

この層は、2020年代の面白さを象徴しています。

M-1、キングオブコント、THE W、R-1などの賞レース。
YouTubeや配信。
SNSでの切り抜き。
ラジオ人気。
キャラクターの拡散。

ブレイクの経路が非常に多様です。

たとえば錦鯉は、年齢を重ねてからのブレイクという意味で、2020年代らしい希望を感じさせました。

空気階段は、コントの評価とラジオ・配信的な濃いファン層を持っています。

やす子さんやヒコロヒーさんは、キャラクターとコメント力でテレビに定着しました。

令和ロマン、マユリカ、ヤーレンズは、賞レースや劇場人気を背景に、2020年代後半へ向けてさらに伸びる可能性があります。

B Tierは、現時点ではSSやSほどテレビ全体を支配しているわけではありません。

しかし、次の時代を作る候補が多く含まれています。

2020年代まとめ|芸人の勢いはテレビだけでは測れなくなった

2020年代の芸人勢力図は、これまで以上に複雑です。

テレビ出演本数で見れば、澤部佑さん、川島明さん、設楽統さんの強さが目立ちます。

冠番組やバラエティの顔として見れば、千鳥、かまいたちの存在感が大きい。

配信やYouTubeまで含めると、霜降り明星、ニューヨーク、令和ロマン、マユリカのような層も無視できません。

さらに、有吉さん、マツコさん、ダウンタウン、くりぃむしちゅー、サンドウィッチマンのような継続王者もいます。

つまり2020年代は、ひとつの指標だけでは語れない時代です。

視聴率だけでは足りない。
出演本数だけでも足りない。
賞レースだけでも足りない。
YouTube登録者数だけでも足りない。
SNSの話題性だけでも足りない。

だからこそ、2020年代のTier表は暫定であるべきです。

数年後には、令和ロマンやマユリカ、ヤーレンズがもっと上に来ているかもしれません。

あるいは、今はまだ名前が出ていない新しい芸人が、配信や賞レースから一気に時代を変えるかもしれません。

2020年代は、芸人の勢いがテレビの中だけで完結しなくなった時代です。

だからこそ、これまでの年代よりも変化が速く、予想が難しく、そして見ていて面白い時代なのだと思います。

なぜ“格”と“勢い”は違うのか

この芸人Tier表で、もっとも誤解されやすいのが「格」と「勢い」の違いです。

たとえば、ダウンタウンを2010年代でAに置くと、「さすがに低すぎる」と感じる人は多いと思います。

とんねるずを2000年代でAに置いても、同じように違和感を覚える人がいるはずです。

有吉弘行さんやマツコ・デラックスさんを2020年代でAに置くことにも、「まだまだテレビの中心では?」という意見が出るかもしれません。

その感覚は、かなり正しいです。

なぜなら、彼らは格で見れば間違いなく上位だからです。

ダウンタウンは、お笑い界全体の歴史で見れば別格です。
とんねるずも、90年代のテレビを象徴する存在でした。
有吉さんやマツコさんも、2010年代以降のバラエティを大きく動かした存在です。

ただし、今回のTier表は「歴代で誰が一番偉大か」を決めるものではありません。

見ているのは、その年代にどれだけ新しく空気を動かしたか。
どれだけテレビや世間の中心にいたか。
どれだけ“今この人が来ている”という感覚を作ったか。

つまり、格ではなく、その時代の勢いです。

レジェンドは“常に強い”からこそTier表では扱いが難しい

レジェンド芸人は、年代別Tierでは非常に扱いが難しい存在です。

明石家さんまさんは、1980年代から2020年代まで第一線にいます。

タモリさんも、長くテレビの日常に存在し続けました。

ダウンタウンも、90年代にテレビの笑いを変えたあと、2000年代、2010年代、2020年代まで強い影響力を残しています。

こうした人たちは、どの年代にも入ってきます。

ただ、すべての年代でSSにしてしまうと、その時代ごとの変化が見えにくくなります。

たとえば、2010年代のダウンタウンはもちろん強いです。

しかし、2010年代の空気を新しく作ったのは、有吉さんの再ブレイク、マツコさんの言語化力、バナナマンやオードリーのテレビ定着、千鳥の後半からの急上昇でした。

だから、ダウンタウンをAにするのは「低く見る」ためではありません。

その時代に新しく伸びた人たちを見えやすくするためです。

ここを間違えると、Tier表はただの“偉人ランキング”になってしまいます。

ダウンタウンは90年代SS、2010年代Aでも矛盾しない

ダウンタウンを例にすると、この考え方がわかりやすいです。

1990年代のダウンタウンはSSです。

これはかなり自然だと思います。

『ごっつええ感じ』や『ガキ使』を通じて、テレビの笑いの価値観を変えた。若者文化にも強く刺さった。後の芸人たちに与えた影響も大きかった。

この時代のダウンタウンは、まさに“時代を作っている最中”でした。

一方、2010年代のダウンタウンはどうでしょうか。

もちろん強いです。
もちろん別格です。
もちろんテレビに影響力があります。

しかし、90年代のように「今まさに新しい時代を作っている」というより、すでに完成された巨大な存在として君臨している印象が強くなります。

これは、価値が下がったという話ではありません。

役割が変わったという話です。

革命者だった存在が、基準そのものになる。
挑戦者だった存在が、業界の中心に座る。
その結果、Tier表では“勢い”より“格”の側に移る。

だから、90年代SS、2010年代Aでも矛盾しません。

とんねるずも“落ちた”のではなく時代の役割が変わった

とんねるずも同じです。

1990年代のとんねるずはSSでいいと思います。

『みなさんのおかげです』の強さ、テレビをショーにするスケール感、スター性、パロディ、歌、スポーツ選手や俳優を巻き込む力。

90年代のフジテレビ的な華やかさを象徴していました。

しかし、2000年代になると、テレビバラエティの主軸は少しずつ変わっていきます。

コントやパロディの大きな番組から、トーク、ひな壇、クイズ、ドッキリ、恋愛企画、芸人同士の関係性を見せる番組へ。

そうなると、とんねるずの存在感はまだ大きくても、“時代を新しく動かす勢い”という意味では、ナインティナイン、くりぃむしちゅー、爆笑問題、ロンブー、雨上がりなどの方が前に見えてきます。

だから2000年代のとんねるずをAに置くのは、「落ちた」という意味ではありません。

90年代に時代を取ったコンビが、2000年代にも第一線に残っていた。

その継続力を評価したAです。

有吉弘行とマツコ・デラックスは2010年代SS、2020年代Aでもおかしくない

有吉弘行さんとマツコ・デラックスさんも、同じ考え方です。

2010年代で見れば、二人はSS級です。

有吉さんは再ブレイクからテレビの中心へ戻り、毒舌、あだ名、冷めた視点、力の抜けたMCで時代の空気を作りました。

マツコさんは、芸人ではないにもかかわらず、バラエティで圧倒的な言語化力と存在感を見せました。

この二人が2010年代のテレビに与えた影響はかなり大きいです。

では、2020年代ではどうか。

もちろん強いです。

ただ、2020年代の“新しい勢い”で見ると、川島明さん、澤部佑さん、設楽統さん、かまいたち、千鳥のテレビ露出や番組支配力がより目立ってきます。

有吉さんやマツコさんは、すでに「来ている人」ではなく「定着した人」になりました。

だから2020年代ではA。

これも低評価ではなく、時代の中でポジションが変わったという見方です。

Tier表は“誰が一番面白いか”ではなく時代の地図である

お笑い芸人をTier表にすると、どうしても「誰が上か」「誰が下か」に見えます。

しかし本当に面白いのは、上下関係ではありません。

どの時代に、どんなタイプの芸人が求められたのか。
テレビが何を必要としていたのか。
視聴者がどんな笑いを見たがっていたのか。
どの芸人が次の時代への橋渡しをしたのか。

そこを見ることです。

1980年代は、家族で見るテレビの時代でした。

欽ちゃん、ドリフ、たけし、さんま、とんねるずが、それぞれ違う形でお茶の間を動かしました。

1990年代は、第三世代がテレビの笑いを変えた時代でした。

ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンが主役になり、ナインティナインや爆笑問題が次の時代へ向かって伸びていきました。

2000年代は、芸人が番組を回す時代でした。

ナインティナイン、爆笑問題、くりぃむしちゅー、ロンブー、雨上がり、ネプチューンが、企画番組やMC時代を作っていきました。

2010年代は、コメント力と言語化の時代でした。

有吉さん、マツコさん、バナナマン、オードリー、千鳥が、テレビの空気を大きく変えました。

2020年代は、テレビだけでは測れない時代です。

千鳥、かまいたち、川島さん、設楽さん、澤部さんに加え、配信、YouTube、賞レース、SNSから新しい勢いが生まれています。

こうして見ると、Tier表は単なるランキングではなく、テレビとお笑いの変化を映す地図になります。

コメントが分かれそうなポイントこそ、この企画の面白さ

このTier表には、あえて議論が残る部分があります。

ダウンタウンは2010年代でもSSではないのか。
とんねるずは2000年代Aでいいのか。
ナイナイは2000年代SSで高すぎないか。
マツコさんを芸人Tierに入れていいのか。
千鳥は歴代レジェンドと並べて語れるのか。
令和ロマンやマユリカは、まだBでいいのか。

こうした疑問は、むしろ自然です。

全員が納得するTier表は、おそらく面白くありません。

なぜなら、お笑いの記憶は世代によってまったく違うからです。

80年代をリアルタイムで見ていた人にとっては、欽ちゃんやドリフの存在はとてつもなく大きい。

90年代に青春を過ごした人にとっては、ダウンタウン、とんねるず、ウンナンの印象が強い。

2000年代の若者にとっては、めちゃイケ、ロンハー、アメトーーク!が記憶の中心かもしれません。

2010年代以降の視聴者にとっては、有吉さん、マツコさん、オードリー、千鳥、かまいたちの存在感が大きいはずです。

つまり、芸人Tier表は世代ごとの記憶も映します。

だからこそ、多少のズレや異論が出ること自体が、この企画の面白さでもあります。

平成ネット史 永遠のベータ版

テレビが絶対王者だった時代から、ネットやSNSが当たり前になった時代へ。芸人勢力図の変化を“メディア側”から見ると、時代の流れがさらに面白く見えてきます。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

まとめ|芸人Tier表は“時代の主役”を振り返るための道具である

1980年代から2020年代まで、芸人の勢力図は大きく変わってきました。

1980年代は、テレビがお茶の間の中心にありました。

萩本欽一さん、ビートたけしさん、明石家さんまさん、とんねるず、ドリフ、タモリさんたちが、それぞれの形でテレビを動かしていました。

1990年代になると、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンの第三世代が主役になり、笑いの価値観そのものが大きく変わります。

2000年代は、ナインティナイン、爆笑問題、くりぃむしちゅー、ロンブー、雨上がり決死隊などが、企画番組やMC時代を支えました。

2010年代は、有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、バナナマン、オードリー、千鳥が、コメント力やキャラクターの強さでテレビの空気を変えていきました。

そして2020年代は、千鳥、かまいたち、川島明さん、設楽統さん、澤部佑さんを中心に、テレビだけでなく配信やSNSも含めた新しい勢力図が生まれています。

もちろん、このTier表が絶対の正解ではありません。

人によっては、ダウンタウンをすべての年代でSSにしたいかもしれません。

とんねるずをもっと高くしたい人もいるでしょう。

ナインティナインやくりぃむしちゅー、オードリー、千鳥の評価も、世代によって大きく変わるはずです。

ただ、それでいいのだと思います。

お笑いは、数字だけで決まるものではありません。

どの番組を見て育ったか。
誰の言葉で笑ったか。
どの時代の空気を覚えているか。

その記憶によって、芸人の見え方は変わります。

だからこそ、年代別の芸人Tier表は面白いのです。

これは「誰が一番面白いか」を決める表ではありません。

その時代、誰がテレビの中心にいて、誰が空気を変え、誰が次の時代へ橋をかけたのか。

それを振り返るための、ひとつの地図なのです。

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