- ファミ通40周年で思い出す、ゲーム情報を“雑誌で待っていた”時代
- ネットがなかった時代、ゲーム雑誌は“検索エンジン”だった
- 新作ゲームの情報は“雑誌の発売日”まで待つものだった
- 攻略情報は、すぐには手に入らなかった
- 友達の口コミは、かなり重要な情報源だった
- 店頭チラシとゲームショップも重要な情報源だった
- 裏技投稿と読者コーナーは、ネット掲示板の前身だった
- ファミ通クロスレビューは、買うかどうかの判断材料だった
- 攻略本は“もうひとつのゲーム体験”だった
- 発売日はお祭りだった
- 不便だったからこそ、情報に価値があった
- ネット時代になって、ゲーム情報はどう変わったのか
- ファミ通40周年は、ゲーム情報文化40年の節目でもある
- まとめ|ネットがなかった時代、ゲーマーは情報も冒険していた
ファミ通40周年で思い出す、ゲーム情報を“雑誌で待っていた”時代

2026年6月6日、ファミ通は創刊40周年を迎えます。
1986年に『ファミコン通信』として始まった雑誌が、40年にわたってゲームの歴史を追い続けてきた。
そう考えると、ゲームそのものだけではなく、ゲーム情報の集め方も大きく変わったことに気づきます。
今なら、新作ゲームの情報はスマホを開けばすぐに見られます。
公式サイト、公式X、YouTube、Nintendo Direct、PlayStation Blog、Steam、レビューサイト、攻略Wiki、SNSの口コミ、配信者のプレイ動画。
発売前の映像も、発売後の評価も、攻略情報も、数分でたどり着ける時代です。
でも、ネットが一般的ではなかった頃、ゲーマーはそう簡単に情報を手に入れられませんでした。
新作情報はゲーム雑誌で知る。
裏技は雑誌の投稿コーナーで知る。
攻略法は友達から聞く。
発売日は店頭のチラシや雑誌の発売予定表で確認する。
話題作かどうかは、ファミ通のクロスレビューや周囲の評判で判断する。
今から見ると不便です。
けれど、その不便さの中に、独特の熱量がありました。
毎週、雑誌の発売日を待つ。
ページをめくりながら、見たことのないゲーム画面に胸を躍らせる。
小さなスクリーンショットを何度も眺める。
友達と「これ買う?」と話す。
攻略記事の数行を頼りに、何日も同じ場所で詰まる。
情報が少なかったからこそ、ひとつの情報に重みがありました。
この記事では、ファミ通40周年という節目をきっかけに、ネットがなかった時代のゲーマーがどのようにゲーム情報を集めていたのかを振り返ります。
ゲーム雑誌、攻略本、店頭チラシ、友達との口コミ、裏技投稿、クロスレビュー。
便利ではなかったけれど、ゲームを遊ぶ前からすでに楽しかった時代。
あの頃のゲーマーたちは、情報を“検索”していたのではなく、“待っていた”のかもしれません。
ネットがなかった時代、ゲーム雑誌は“検索エンジン”だった
今の感覚で考えると、ゲーム情報を調べる手段はほとんど無限にあります。
発売日が知りたければ検索すればいい。
攻略で詰まったら攻略サイトを見る。
評判が気になればSNSを開く。
実際のプレイ感が知りたければ、YouTubeや配信で確認できる。
でも、ネットが一般家庭に広く普及する前の時代、ゲーマーにとって最も頼りになる情報源はゲーム雑誌でした。
ファミ通、ファミリーコンピュータMagazine、マル勝ファミコン、電撃PlayStation、Theスーパーファミコン、BEEP!メガドライブ。
時代やハードごとにさまざまなゲーム雑誌があり、そこに載っている情報が、当時のゲーマーにとっての“公式情報”に近いものでした。
新作ゲームの画面写真が数枚載るだけで、何度も読み返す。
発売予定表を見て、欲しいソフトに丸をつける。
開発中のスクリーンショットを見て、完成版を想像する。
レビューや攻略記事を読んで、買うかどうかを決める。
今なら数秒で流れていく情報でも、当時は1ページの価値がとても大きかったのです。
新作ゲームの情報は“雑誌の発売日”まで待つものだった
ネットがなかった時代、新作ゲームの第一報は、ゲーム雑誌で知ることが多くありました。
今なら、メーカーが公式XやYouTubeで新作を発表し、その日のうちにPVやスクリーンショット、開発者コメントまで広がります。
しかし当時は違いました。
雑誌を開いて初めて、
「こんなゲームが出るのか」
と知ることが多かったのです。
特にファミコン、スーパーファミコン、プレイステーション初期の頃は、紙面に載った数枚の画像がすべてでした。
キャラクターの立ち絵。
フィールド画面。
戦闘シーン。
パッケージ写真。
発売予定日。
価格。
メーカー名。
それだけの情報で、何週間もワクワクできました。
むしろ情報が少なかったからこそ、想像する余地がありました。
このゲームはどんな世界なんだろう。
このキャラは仲間になるのか。
このボスは強いのか。
この画面の奥には何があるのか。
スクリーンショット1枚から、頭の中で勝手に物語が広がっていく。
ネット時代のように、発売前から映像やレビューが大量に流れてくる時代とは、楽しみ方そのものが違っていました。
攻略情報は、すぐには手に入らなかった
今のゲーム攻略はとても便利です。
ボスに勝てない。
隠しアイテムが見つからない。
エンディング分岐がわからない。
そんなときでも、検索すればすぐに答えが出てきます。
しかし昔は、攻略情報も簡単には手に入りませんでした。
ゲーム雑誌の攻略記事を待つ。
攻略本の発売を待つ。
友達に聞く。
自分でノートにメモする。
何度も同じ場所を調べる。
これが普通でした。
特にRPGやアドベンチャーゲームでは、詰まったら本当に先へ進めなくなることがありました。
町の人のセリフを全部聞き直す。
怪しい壁を何度も調べる。
持ち物を片っ端から使う。
ダンジョンのマップを方眼紙に描く。
今なら「不親切」と言われそうな要素も、当時はゲーム体験の一部でした。
そして、数週間後に雑誌で攻略記事が載ると、
「あそこはそうすればよかったのか」
とようやく答え合わせができる。
この時間差が、当時のゲーム体験にはありました。
友達の口コミは、かなり重要な情報源だった
ネットがなかった時代、ゲーム情報は紙だけではありませんでした。
もうひとつ大きかったのが、友達との口コミです。
学校で、
「あのゲーム買った?」
「どこまで進んだ?」
「裏技知ってる?」
「あのボス倒した?」
という会話が飛び交う。
これが、当時のゲーマーにとって重要な情報交換の場でした。
もちろん、情報の正確性はかなり怪しいこともありました。
本当の裏技もあれば、勘違いもある。
誰かが盛った話もある。
完全なデマもある。
でも、それも含めて楽しかったのです。
「このコマンドを入力すると隠しキャラが出るらしい」
「何回も同じ場所を調べるとアイテムが出るらしい」
「ラスボスのあとに真のラスボスがいるらしい」
そういう噂を信じて、何時間も試す。
今ならすぐに検索して真偽を確認できます。
でも当時は、確かめる方法が限られていました。
だからこそ、友達から聞いた一言に妙な説得力がありました。
店頭チラシとゲームショップも重要な情報源だった
昔のゲーマーにとって、ゲームショップも大切な情報の場でした。
店頭に貼られた発売予定表。
予約受付中のPOP。
新作ソフトのパッケージ見本。
デモ映像が流れるテレビ。
中古ソフトの棚。
店員さんのおすすめ。
ゲームショップに行くだけで、情報がありました。
まだ買えないソフトのパッケージを眺める。
中古価格を見て、人気作かどうかを判断する。
予約特典を見て迷う。
友達と一緒に棚を見ながら盛り上がる。
これはネット通販中心の今とは大きく違う体験です。
当時のゲームショップは、ただソフトを買う場所ではありませんでした。
情報を得る場所であり、ゲーム好きが集まる場所でもありました。
裏技投稿と読者コーナーは、ネット掲示板の前身だった
ゲーム雑誌の魅力は、メーカー発表や攻略記事だけではありません。
読者投稿コーナーも大きな存在でした。
裏技、イラスト、感想、ランキング、ネタ投稿。
そこには、全国のゲーム好きの熱量が集まっていました。
今で言えば、SNSや掲示板、コメント欄に近い役割を、雑誌の読者ページが担っていたとも言えます。
もちろん、反映されるまでには時間がかかります。
ハガキを書いて送る。
編集部が選ぶ。
誌面に掲載される。
読者がそれを見る。
今のSNSのように即時ではありません。
しかし、そのぶん掲載されたときの価値は大きかったはずです。
自分の投稿が全国誌に載る。
自分の発見した裏技が紹介される。
自分のイラストが読者の目に触れる。
これは、当時のゲーマーにとってかなり特別な体験だったと思います。
ファミ通クロスレビューは、買うかどうかの判断材料だった
ファミ通といえば、やはりクロスレビューを思い出す人も多いでしょう。
4人のレビュアーがそれぞれ10点満点で採点し、合計40点満点で評価する形式は、長くファミ通の名物企画として知られてきました。
もちろん、点数がすべてではありません。
今見れば、レビューの受け止め方も人それぞれです。
ただ、ネットで大量のレビューを読めなかった時代、雑誌に載るクロスレビューは、購入前の貴重な判断材料でした。
30点以上なら安心感がある。
殿堂入りなら気になる。
40点満点なら大きな話題になる。
そんなふうに、点数そのものがゲームファンの会話になることもありました。
今は、レビューサイト、SNS、動画配信、ユーザーレビューなど、さまざまな意見に触れられます。
しかし当時は、限られた情報の中で判断するしかありませんでした。
だからこそ、クロスレビューの影響力は今よりも大きく感じられたのです。
攻略本は“もうひとつのゲーム体験”だった
ゲーム雑誌と並んで重要だったのが攻略本です。
攻略本は、ただ答えが書いてある本ではありませんでした。
マップ、アイテム一覧、キャラクター紹介、敵データ、開発者インタビュー、イラスト、設定資料。
作品によっては、ゲームの世界をより深く楽しむための資料集のような役割もありました。
特にRPGやシミュレーションゲームでは、攻略本を読みながらプレイする時間そのものが楽しかった人も多いはずです。
学校から帰ってゲームをする。
寝る前に攻略本を読む。
次の日に試したいことを考える。
ゲームをしていない時間も、攻略本があることでゲームの世界に浸ることができました。
今の攻略Wikiは便利です。
でも、ページをめくる楽しさや、分厚い攻略本を持っている安心感は、紙ならではの体験でした。
発売日はお祭りだった
ネットがなかった時代、ゲームの発売日は今よりもずっと大きなイベントでした。
今なら、ダウンロード版を予約しておけば発売日の0時に遊べることもあります。
通販で発売日に届くこともあります。
在庫状況もネットで確認できます。
でも昔は違いました。
発売日に本当に買えるのか。
近所のゲームショップに入荷するのか。
予約なしでも手に入るのか。
売り切れていたら、次にいつ買えるのか。
そうした不安も含めて、発売日は特別な日でした。
学校が終わったら、急いでゲームショップへ向かう。
予約票を握りしめてレジに並ぶ。
店頭の棚に並んだ新作パッケージを見て胸が高鳴る。
友達同士で「もう買った?」「どこまで進んだ?」と話す。
ゲームを買う前から、すでにひとつのイベントが始まっていたのです。
特に人気シリーズの発売日は、社会現象のように語られることもありました。
代表的なのが、1988年発売の『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』です。
発売日には各地の販売店に多くの人が集まり、行列や品切れが話題になりました。
それだけ多くの人が、同じ日に、同じゲームを求めて動いていたわけです。
今のようにSNSで一斉に盛り上がる時代ではありません。
それでも、発売日の店頭には確かに熱気がありました。
誰かが新作を買えば、周囲の友達も気になる。
先に進んだ人の話を聞いて、さらに欲しくなる。
攻略情報がまだ少ないからこそ、みんながほぼ同じ目線で冒険を始められる。
発売日は、ゲームを手に入れる日であると同時に、友達との会話が一気に動き出す日でもありました。
ファミ通の発売予定表を見て待ち、店頭で予約し、発売日に買いに行く。
そして家に帰って、説明書を読みながら電源を入れる。
この一連の流れそのものが、昔のゲーマーにとっては大切な体験でした。
情報を待つ。
発売日を待つ。
ソフトを手に入れる瞬間を待つ。
ネットがなかった時代のゲームには、遊ぶ前から始まるワクワクがあったのです。
不便だったからこそ、情報に価値があった
ネットがなかった時代のゲーム情報は、不便でした。
新作情報はすぐに見られない。
攻略法もすぐにはわからない。
レビューも限られている。
噂の真偽も確かめにくい。
でも、その不便さが、ゲームへの熱量を生んでいた面もあります。
雑誌の発売日を待つ。
攻略記事を切り抜く。
友達から聞いた裏技を試す。
店頭でパッケージを眺める。
攻略本を何度も読む。
情報を得ること自体が、ゲーム体験の一部でした。
今は、知りたいことをすぐに知ることができます。
それは間違いなく便利です。
でも、知るまでの時間にワクワクする感覚は、昔の方が強かったかもしれません。
ネット時代になって、ゲーム情報はどう変わったのか
インターネットの普及によって、ゲーム情報の世界は大きく変わりました。
公式発表はすぐに共有され、攻略情報は発売直後から更新され、SNSでは感想や評価が一気に広がります。
動画配信によって、買う前に実際のプレイ画面を確認することもできます。
失敗しにくくなった。
情報の偏りが減った。
マイナー作品にも出会いやすくなった。
これは大きな進歩です。
一方で、情報が多すぎる時代にもなりました。
発売前から評価が決まったように語られる。
SNSの空気で印象が左右される。
攻略を見すぎて、自分で迷う時間が減る。
ネタバレを避けるのが難しくなる。
便利になった一方で、ゲームと向き合う時間の質も変わってきたのです。
ファミ通40周年は、ゲーム情報文化40年の節目でもある
ファミ通が40周年を迎えたということは、単にひとつの雑誌が長く続いたというだけではありません。
ゲーム情報の受け取り方が、40年でどれだけ変わったのかを考えるきっかけでもあります。
1980年代、ゲーム情報は紙の中にありました。
1990年代、ゲーム雑誌は新作情報と攻略の中心でした。
2000年代、インターネットが普及し、情報の主役は少しずつ変わっていきました。
2010年代以降は、SNS、動画、配信、公式番組が当たり前になりました。
そして2020年代、ゲーマーは情報を“待つ”のではなく、“選ぶ”時代に生きています。
それでも、ゲーム雑誌が持っていた熱量は消えていません。
新作を知るワクワク。
知らないゲームに出会う楽しさ。
誰かのレビューを読んで買うか迷う時間。
発売日を待つ気持ち。
形は変わっても、ゲーム情報を楽しむ気持ちは今も続いています。
ゲーム情報を雑誌で追いかけていた時代を知るなら、やはりファミ通は外せません。40周年記念号では、ゲーム業界とともに歩んだ歴史を振り返る特集も掲載されています。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
まとめ|ネットがなかった時代、ゲーマーは情報も冒険していた
ネットがなかった時代、ゲーマーは簡単には答えにたどり着けませんでした。
新作情報は雑誌で知る。
攻略は友達や攻略本に頼る。
裏技は読者投稿で広がる。
店頭でパッケージを見て想像する。
クロスレビューを読んで買うか迷う。
今から見ると、不便なことばかりです。
でもその不便さの中に、確かな楽しさがありました。
情報を探すこと。
情報を待つこと。
情報を信じて試すこと。
それ自体が、ゲームの一部だったのです。
ファミ通40周年という節目に振り返ると、ゲームの歴史はソフトやハードの歴史だけではないとわかります。
それは、ゲーム情報をめぐる文化の歴史でもありました。
スマホで何でも調べられる今だからこそ、雑誌の発売日を待っていた時代の熱量は、少し特別に見えます。
ネットがなかった時代、ゲーマーはゲームの中だけで冒険していたのではありません。
ゲーム情報を探すことそのものも、ひとつの冒険だったのだと思います。