- ジェラードンはなぜ2人になった?海野裕二の脱退からキングオブコント2026優勝まで
- ジェラードンはなぜ2人になった?海野裕二の脱退理由と現在のメンバー
- ジェラードンのメンバープロフィール|アタック西本・かみちぃ・海野裕二
- ジェラードンの結成秘話|2008年に3人組となった経緯と名前の由来
- 2021年にキングオブコント初決勝|トリオ時代は5位・462点
- 海野裕二の休養から正式脱退まで|2021〜2025年の経緯
- 海野裕二は現在どうしている?2026年には優勝を祝福
- 2人になって苦戦した理由|ツッコミ役がいなくなった問題
- 2025年にはキングオブコント準決勝を辞退|アタック西本の負傷
- キングオブコント2026で初優勝|2本とも671点の完全優勝
- 1本目「酔っ払い」はトリオ時代のネタを2人用に再構成
- 2本目「マジックバー」は前年の失敗したキャラクターが出発点
- 2本とも671点|審査員の採点はどう違った?
- ジェラードンはなぜ優勝できた?本人発言から見える4つの要素
- 優勝後に語った海野への思い|「トリオの方が良さを出せていた」
- ジェラードンの今後|2026年優勝後に目指す活動
- まとめ|ジェラードンは3人時代の経験を受け継ぎ、2人でキングオブコント王者になった
ジェラードンはなぜ2人になった?海野裕二の脱退からキングオブコント2026優勝まで

2026年10月17日、『キングオブコント2026』で優勝したジェラードン。アタック西本さんとかみちぃさんの2人が、3445組の頂点に立ちました。
1本目の「酔っ払い」で671点、2本目の「マジックバー」でも671点。合計1342点を獲得し、第19代王者に輝いています。
しかし、ジェラードンといえば、以前は3人組だったことを覚えている人も多いのではないでしょうか。
もともとはアタック西本さん、かみちぃさん、海野裕二さんによるトリオでした。2021年には3人でキングオブコント決勝に進出しましたが、海野さんの休養が長期化。2025年2月9日付で吉本興業との契約が終了し、正式に2人体制となりました。
ただし、2人で活動するようになったのは2025年が最初ではありません。海野さんが休養に入った2021年12月から、残る2人は仕事を続けていました。
そして2025年には、キングオブコント準決勝への進出を決めながら、アタック西本さんの負傷によって出場を辞退するという出来事もありました。
翌2026年に優勝を果たした2本のコントには、実はトリオ時代のネタや、前年にうまくいかなかったキャラクターが生かされています。
この記事では、吉本興業の公式発表と本人たちのインタビューをもとに、ジェラードンが2人になった理由、海野さんの現在、結成から優勝までの経歴、そして2人体制でコントを作り直した過程を振り返ります。
ジェラードンはなぜ2人になった?海野裕二の脱退理由と現在のメンバー
ジェラードンが正式に2人組になったのは、2025年2月です。
2025年2月7日、吉本興業は海野裕二さんとのマネジメント契約を、同月9日付で終了すると発表しました。
発表によると、海野さんは以前から体調を崩しており、休養と復帰を繰り返していました。その後、メンバーとも話し合った結果、体調の改善を最優先にしたいという本人からの申し出を受け、契約終了に合意したと説明されています。
吉本興業は同時に、ジェラードンは今後、アタック西本さんとかみちぃさんの2人で活動を継続すると発表しました。
つまり、公式に説明されている脱退理由は、海野さんの体調改善を優先するための本人からの申し出です。
メンバー間の不仲や、コントの方向性をめぐる対立が原因だったという発表はありません。また、本人からの申し出による契約終了であり、事務所から一方的に解雇されたと説明するのも正確ではありません。
この発表は、吉本興業の公式発表を掲載したFANYマガジン(2025年2月7日)で確認できます。
2021年12月からすでに2人で活動していた
ここで区別したいのが、「正式にコンビになった時期」と「2人で活動を始めた時期」です。
海野さんが最初に長期休養を発表したのは、2021年12月14日でした。
吉本興業の発表によると、海野さんは12月13日から休養に入り、ジェラードンの3人での活動はいったん休止。一方、アタック西本さんとかみちぃさんは仕事を継続することになりました。
その後も海野さんは復帰と休養を繰り返しており、残る2人はその間、舞台やテレビなどで活動しています。
したがって、2026年の優勝時に報道された「コンビ2年目」は、2025年2月の正式な2人体制への移行を基準にした表現です。
芸人としての活動歴が2年しかなかったという意味ではありません。ジェラードン自体は2008年結成で、2人での舞台経験も2021年から積み重ねていました。
出典:吉本興業「ジェラードン 海野 一時休養のお知らせ」(2021年12月14日)
ジェラードンのメンバープロフィール|アタック西本・かみちぃ・海野裕二
ジェラードンは吉本興業所属、NSC東京校12期生によって結成されたお笑いグループです。
現在のメンバー2人と、2025年まで所属していた海野さんの基本情報を整理します。
| 項目 | アタック西本 | かみちぃ | 海野裕二(元メンバー) |
|---|---|---|---|
| 生年月日 | 1987年7月14日 | 1987年7月24日 | 1987年11月17日 |
| 年齢 | 39歳 | 39歳 | 38歳 |
| 出身地 | 愛知県名古屋市 | 宮崎県高鍋町 | 愛知県 |
| 身長 | 168cm | 172cm | ― |
| 血液型 | B型 | AB型 | ― |
| 主な役割 | ボケ・キャラクター演技 | ボケ・役柄に応じたツッコミ | トリオ時代の主なツッコミ |
年齢は2026年10月26日時点。現在のメンバーの生年月日、身長、出身地などは吉本興業の公式プロフィールを基準にしています。
海野さんのプロフィールは、トリオ時代の公式登録や当時の取材記録に基づきます。現在確認できない項目は、推測で補っていません。
アタック西本|角刈りと身体表現で強い印象を残す
アタック西本さんは愛知県名古屋市出身。1987年7月14日生まれで、NSC東京校12期生です。
以前は「西本武徳(にしもと・たけのり)」という名前で活動しており、2017年のインタビューでもこの名前が使用されています。
現在は角刈りの外見や、特徴的な人物を演じるコントで知られています。絵を描くことも得意で、ライブのポスター制作などに関わった経験があります。
ジェラードンでは、人物の見た目や身体の動きそのものを笑いにつなげる役柄が多く、2026年の「マジックバー」でも独特な外見と動作が印象的でした。
2017年の『タウンワークマガジン』の取材では、街中で見かけた特徴的な人物を観察し、コントの参考にすることがあると説明しています。
日常で見つけた人物の特徴を、大げさな演技へ変えていく発想は、長年の芸風にもつながっています。
かみちぃ|女性役やダンスも得意な演技派
かみちぃさんは宮崎県高鍋町出身。1987年7月24日生まれで、アタック西本さんと同じNSC東京校12期生です。
バスケットボールやK-POPダンスを得意とし、マイム芸にも取り組んでいます。
コントでは女性役や独特な性格の人物を演じることがあり、声や表情、体の動きによって役柄を作り分けています。
トリオ時代は主にボケを担当していましたが、海野さんの休養後にはツッコミを担う場面も増えました。
ただし、現在のジェラードンでは、かみちぃさんが常にツッコミを担当しているわけではありません。ネタの設定に応じて役割を変えています。
なお、古いM-1グランプリの登録では、かみちぃさんの誕生日が11月17日となっていますが、現在の吉本興業公式プロフィールでは7月24日です。この記事では現行の所属事務所資料を採用しています。
海野裕二|トリオ時代のツッコミを担当
海野裕二さんは1987年11月17日生まれ。愛知県出身で、アタック西本さんとは高校時代からの同級生でした。
トリオ時代は主にツッコミを担当。西本さんとかみちぃさんが演じる強烈な人物に対して、状況を整理したり、反応したりする役割でした。
2017年のインタビューで海野さんは、もともと西本さんから誘われてお笑いを始めたと話しています。
3人の関係は芸人になってから突然生まれたものではなく、学生時代からの友人関係にも支えられていました。
ジェラードンの結成秘話|2008年に3人組となった経緯と名前の由来
ジェラードンが結成されたのは2008年10月です。
最初にコンビを組んでいたのは、高校の同級生だった西本さんと海野さん。その後、ピン芸人として活動していたかみちぃさんが加入し、トリオとなりました。
3人ともNSC東京校12期生。同期には渡辺直美さんやジャングルポケットなどがいます。
結成当初からコントを中心に活動しており、人物の外見や動き、予想外の言動を使った笑いを追求していました。
コンビ名はサッカー選手スティーヴン・ジェラードが由来
「ジェラードン」という名前は、元イングランド代表のサッカー選手スティーヴン・ジェラードに由来しています。
この由来は、2017年11月17日に公開された『タウンワークマガジン』の本人インタビューに付属するプロフィールでも紹介されています。
名前の響きが似ているからという推測ではなく、トリオ時代の取材資料に残っている情報です。
出典:タウンワークマガジン「ジェラードンインタビュー」(2017年11月17日)
キングオブコント以前にも賞レースで結果を残していた
ジェラードンが全国的な注目を集める以前にも、ライブやオーディション大会での実績がありました。
2017年11月12日には、タウンワークが主催したお笑いオーディションライブ「BAKE-MON」で優勝しています。
披露したのは「地下アイドルの握手会」のコント。特徴的な人物の外見や言動を生かしたネタでした。
当時、かみちぃさんはネタ作りについて、まず強いキャラクターが必要だという考えを語っています。
2026年の優勝ネタでも、2人の見た目や動作が笑いの中心となっていたことを考えると、この方向性は長年続いてきたものだと分かります。
また、2018年には「大宮セブン」に加入。劇場やYouTubeでさまざまなコントを披露し、活動の幅を広げていきました。
2021年にキングオブコント初決勝|トリオ時代は5位・462点
2021年10月2日、ジェラードンは初めてキングオブコントの決勝に進出しました。
このときはアタック西本さん、かみちぃさん、海野さんの3人体制です。
結果は462点で5位。ファイナルステージには進めませんでしたが、ロバートの秋山竜次さんが96点をつけるなど、3人のキャラクターを生かしたコントが評価されました。
この年の優勝は空気階段。ジェラードンは10組中5位という成績でした。
2026年の優勝を、初めて全国的な賞レースで認められた結果と説明するのは正確ではありません。すでに2021年の時点で、トリオとして決勝に進出する実力を示していました。
ただし、2021年は審査員5人による500点満点、2026年は7人による700点満点です。462点と671点という数字を直接比較して、ネタの水準が何点分上がったと判断することはできません。
大会結果はお笑いナタリーのキングオブコント2021結果一覧で確認できます。
海野裕二の休養から正式脱退まで|2021〜2025年の経緯
ジェラードンが現在の2人体制となるまでには、休養と復帰を繰り返した数年間がありました。
主な出来事を時系列で整理します。
| 年月日 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2021年10月2日 | 3人体制でキングオブコント初決勝・5位 |
| 2021年12月13日 | 海野裕二が休養開始 |
| 2021年12月14日 | 吉本興業が休養を正式発表 |
| 2022年7月11日 | トークライブで一時復帰 |
| 2022年7月14日 | 再休養を発表 |
| 2025年1月6日 | 海野が再び舞台復帰 |
| 2025年2月7日 | 吉本興業が契約終了を発表 |
| 2025年2月9日 | 海野との契約終了。正式に2人体制へ |
海野さんは2022年7月11日のトークライブで復帰しましたが、わずか数日後には再び休養することを発表しています。
2025年1月6日には約2年半ぶりに舞台へ戻りました。しかし、その約1カ月後に契約終了が発表されました。
この経緯について、吉本興業は本人の体調改善を優先したいという意向があったことを説明しています。
過去の病歴や現在の健康状態について、公式に公表されていない情報を推測することはできません。
また、事務所との契約終了やグループ脱退と、芸能界からの完全引退は同じ意味ではありません。海野さんの今後の活動についても、確認できた発表の範囲で判断する必要があります。
海野裕二は現在どうしている?2026年には優勝を祝福
2025年2月にジェラードンを脱退した海野さんですが、その後も元メンバーとの交流が確認されています。
2026年1月には、アタック西本さんが海野さんを含む3人で食事をした際の写真をInstagramに投稿したことが報じられました。
そして2026年10月17日、ジェラードンがキングオブコントで優勝すると、海野さんもInstagramを更新。2人のコントの面白さに驚きながら、祝福の言葉を送りました。
投稿では、披露された2本が自分の知らないネタだったことや、かみちぃさんのツッコミを称賛する言葉もあり、元ツッコミ担当らしい反応を見せています。
10月19日放送の『ラヴィット!』では、アタック西本さんとかみちぃさんも、この祝福投稿について言及しました。
かみちぃさんは、自分たちの優勝なのに海野さんの投稿が注目されていると冗談交じりに反応。西本さんも軽口を返し、スタジオの笑いを誘いました。
こうしたやり取りから、脱退後も交流が続いていることは分かります。
一方、2026年10月26日時点で、海野さんがジェラードンに正式復帰するという発表は確認できません。
「また3人で活動するのではないか」と期待する声があっても、SNSでの交流と正式な再加入は区別する必要があります。
優勝当日の本人投稿については、クランクイン!の2026年10月18日付報道でも確認できます。
2人になって苦戦した理由|ツッコミ役がいなくなった問題
ジェラードンが2人体制になったとき、最も大きな問題の一つが、コント内の役割分担でした。
トリオ時代は、アタック西本さんとかみちぃさんが主にボケ、海野さんがツッコミという形でした。
ところが海野さんが休養に入ると、ボケを担当していた2人だけでコントを成立させる必要が生じます。
2026年10月16日に公開されたFANYマガジンの決勝直前インタビューで、かみちぃさんは、最初は2人ともボケのままでよいと考えていたことを明かしています。
しかし、実際にネタを作ると、それだけでは成立しにくい部分がありました。
そこで、かみちぃさんがツッコミを担当するようになります。
ただ、本人によれば、もともとツッコミを専門としてきた芸人のようにはうまくできなかったそうです。
アタック西本さんも、かみちぃさんにツッコミを任せたいという思いがあったことを、冗談交じりに説明しています。
そこで2人は、従来のボケとツッコミを単純に入れ替えるのではなく、自分たちに合うコントの形を探しました。
かみちぃさんは、現在のようなスタイルに変えたことで、ツッコミもしやすくなり、コンビとしての手応えを感じるようになったと語っています。
これは「海野さんの代わりをかみちぃさんが務めるようになった」という説明だけでは足りません。
トリオ時代の役割分担をそのまま再現するのではなく、2人の個性に合わせてコントの構造そのものを変えていったことが重要です。
出典:FANYマガジン「ジェラードン キングオブコント2026決勝直前インタビュー」
2025年にはキングオブコント準決勝を辞退|アタック西本の負傷
2人体制での活動を続けていたジェラードンですが、2025年のキングオブコントでは思わぬ出来事が起こります。
ジェラードンは準決勝進出を決めていましたが、アタック西本さんが肉離れを起こし、出場できなくなったのです。
2025年9月3日、大会公式はジェラードンの準決勝辞退を発表しました。
代わりに、準々決勝で敗退していたスクールゾーンが次点から繰り上げとなり、準決勝へ進出しています。
そのため、2025年のジェラードンの成績は「準決勝進出・出場辞退」です。準決勝でネタを披露して敗退したわけではありません。
この負傷が、翌2026年の優勝ネタにつながることになります。
原因となったコント「女子プロレスラー」
2026年10月19日のFANYマガジンのインタビューで、かみちぃさんは前年の負傷について詳しく説明しています。
2025年の準決勝直前、ルミネtheよしもとの寄席で「女子プロレスラー」というコントを披露しました。
ところが、思うように観客の反応が得られませんでした。
そこで西本さんが普段より激しく動いた結果、肉離れを起こしてしまったそうです。
この出来事は、ジェラードンにとって大きな痛手となりました。準決勝出場の機会を失っただけでなく、2人体制で試行錯誤していたネタも十分な結果につながっていなかったからです。
しかし、2人はこのコントのすべてを捨てたわけではありませんでした。
西本さんが演じていた女子プロレスラーの外見については、面白さを感じていたのです。
そのキャラクターの特徴を残しながら、別の設定へ作り直すことを考えました。
そして生まれたのが、2026年のキングオブコント決勝で披露する「マジックバー」でした。
前年にうまくいかなかったネタから、翌年の優勝を決めるコントが生まれたことになります。
出典:お笑いナタリー「ジェラードン西本の肉離れと準決勝辞退」
キングオブコント2026で初優勝|2本とも671点の完全優勝
2026年10月17日、ジェラードンはキングオブコントで5年ぶり2回目の決勝に進出しました。
ただし、現在の2人体制では初めての決勝です。
大会には3445組がエントリー。2026年から初めて敗者復活戦が導入され、準決勝からの直接進出10組と敗者復活1組の計11組が決勝に出場しました。
ジェラードンはファーストステージで671点を獲得し、1位で通過。上位3組によるファイナルステージでも671点を獲得し、合計1342点で優勝しました。
| 最終順位 | コンビ | 1本目 | 2本目 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 優勝 | ジェラードン | 671 | 671 | 1342 |
| 準優勝 | 蛙亭 | 661 | 648 | 1309 |
| 3位 | ヤッホイ | 653 | 629 | 1282 |
ジェラードンと準優勝の蛙亭との差は33点。ファーストステージでもファイナルステージでも1位となり、第19代王者に輝きました。
優勝賞金は1000万円です。
大会全11組の順位、敗者復活戦、審査員別の得点については、つぶログのキングオブコント2026結果・決勝得点一覧でも詳しく整理しています。
ここからは、優勝した2本のコントがどのように生まれたのかを見ていきます。
1本目「酔っ払い」はトリオ時代のネタを2人用に再構成
ファーストステージで披露した「酔っ払い」は、会社員同士が飲み会で盛り上がるコントです。
2人は相手が酔っ払っていると思い込み、互いに酔ったような振る舞いを続けます。しかし、実際にはどちらも酔っていません。
状況を理解している観客からすると、酔っていない2人が本気で酔った演技をしていること自体がおかしく、そこから身体を使った大げさな動きが次々と登場します。
このネタは、2026年に突然生まれたものではありません。
もともとは3人体制のころ、YouTubeで公開していたコントでした。
アタック西本さんは、ツッコミを置かずに2人だけで成立するネタを考えていた際、この作品を作り直せるのではないかと提案しました。
かみちぃさんも、舞台上で一人になる場面に必要な説明を加えれば、2人だけでも観客に状況が伝わると考えたそうです。
こうしてトリオ時代のコントを改良し、2人用の勝負ネタへと仕上げていきました。
結果は671点。かまいたちの山内健司さんが98点をつけるなど、高い評価を獲得しています。
この制作過程から分かるのは、3人体制のころに蓄積したネタが、現在のジェラードンにとっても重要な資産になっていたことです。
公式動画|ジェラードン「酔っ払い」
ジェラードン公式YouTubeチャンネルでは、2026年10月17日にキングオブコントで披露した「酔っ払い」が公開されています。
動画:ジェラードン公式YouTube「酔っ払い」【キングオブコント披露ネタ】
2人の身体表現や、観客にだけ分かる状況を使った笑いを見ると、トリオ時代からのコントをどのように現在の形へ変えたのかが伝わります。
2本目「マジックバー」は前年の失敗したキャラクターが出発点
ファイナルステージで披露した「マジックバー」は、アタック西本さんが奇妙な風貌のマジシャン、かみちぃさんが女性客を演じるコントです。
マジシャンの独特な見た目と不可解な動き、そして「今君は何を思う?」という決め台詞が強い印象を残しました。
しかし、このキャラクターの原型は、2025年に披露していた「女子プロレスラー」にあります。
そのネタは思うように受けず、西本さんが激しく動いた結果、負傷して準決勝を辞退することになりました。
それでも、2人はキャラクターの外見には面白さがあると感じていました。
そこで、女子プロレスラーの要素を残しながら、マジシャンという新しい設定へ変更します。
頭に巻いていた包帯はバンダナに変え、口元の装飾も調整。荒々しかった話し方も、かみちぃさんの提案によって変更しました。
さらに、ネタ合わせの際に西本さんが即興的に動いたり、話したりした内容から、現在の決め台詞も生まれたそうです。
つまり「マジックバー」は、最初から完成された台本に沿って作られたものではありません。
失敗した別ネタのキャラクターを再利用し、外見や話し方を変え、演じながら新しい笑いを見つけて完成させた作品です。
結果は671点。1本目と同じ得点を獲得し、ジェラードンの優勝が決まりました。
前年の負傷という苦い出来事から生まれたキャラクターが、翌年の優勝を決めるネタになったことは、今回の歩みの中でも特に印象的なエピソードです。
公式動画|ジェラードン「マジックバー」
こちらもジェラードンの公式YouTubeチャンネルで、2026年10月17日に公開されています。
動画:ジェラードン公式YouTube「マジックバー」【キングオブコント決勝披露ネタ】
動画を見る際には、西本さんの人物演技だけでなく、かみちぃさんが客としてどのように反応しているかにも注目すると、2人体制で見つけたコントの形が分かりやすいでしょう。
両ネタの誕生秘話は、FANYマガジンの2026年10月19日付インタビューで本人たちが詳しく説明しています。
2本とも671点|審査員の採点はどう違った?
「酔っ払い」と「マジックバー」は、どちらも671点でした。
ただし、7人の審査員が2本に同じ得点をつけたわけではありません。
QJWebが掲載した審査員別得点を比較すると、次のようになります。
| 審査員 | 酔っ払い | マジックバー |
|---|---|---|
| 秋山寛貴(ハナコ) | 96 | 97 |
| 堂前透(ロングコートダディ) | 96 | 94 |
| じろう(シソンヌ) | 96 | 97 |
| 山内健司(かまいたち) | 98 | 97 |
| 秋山竜次(ロバート) | 96 | 97 |
| 小峠英二(バイきんぐ) | 94 | 95 |
| 飯塚悟志(東京03) | 95 | 94 |
| 合計 | 671 | 671 |
1本目では山内健司さんが98点をつけ、2本目では秋山寛貴さん、じろうさん、山内さん、秋山竜次さんの4人が97点をつけています。
興味深いのは、ジェラードン自身が審査前に不安を抱えていたという点です。
2026年10月19日のインタビューでは、2人は自分たちとは芸風が異なると感じていた東京03の飯塚悟志さんや、2021年の決勝で90点をつけた山内さんの評価を気にしていたと話しています。
しかし、2026年は飯塚さんが1本目に95点、山内さんが98点をつけました。
かみちぃさんは、かつて90点だった山内さんに高い評価をもらえたことを喜んでいます。
2021年の決勝経験があったからこそ、今回の得点には特別な意味があったのでしょう。
出典:QJWeb「キングオブコント2026採点・結果まとめ」
ジェラードンはなぜ優勝できた?本人発言から見える4つの要素
2026年のジェラードンが優勝できた理由を、単純に「2人になったから」と説明することはできません。
本人たちのインタビューをたどると、少なくともいくつかの具体的な変化が見えてきます。
① 2人に合うコントの構造を見つけた
海野さんの休養後、ジェラードンは主なツッコミ担当を欠いた状態になりました。
かみちぃさんがツッコミに挑戦する時期もありましたが、最終的には、必ずしも明確なツッコミ役を置かないネタや、役になりきって相手の行動に反応するネタへと変化していきます。
「酔っ払い」は2人の思い込みと身体表現が中心。「マジックバー」は、奇妙なマジシャンと女性客のやり取りが中心です。
どちらも、トリオ時代のボケ2人とツッコミ1人という構造をそのまま使ったものではありません。
この変化が、2人体制のジェラードンに合うコントを作るうえで重要だったと考えられます。
② 過去のネタや失敗したアイデアを作り直した
優勝した2本はいずれも、過去のネタから生まれています。
「酔っ払い」はトリオ時代のYouTubeネタを再構成したもの。「マジックバー」は、不評だった女子プロレスラーのキャラクターを別の設定へ作り直したものです。
つまり、過去の作品をすべて捨てて新しいものを作るのではなく、面白いと感じた要素を別の形で生かしています。
2025年の負傷という挫折さえ、結果的には翌年の優勝ネタの制作につながっていました。
③ 寄席で繰り返し披露し、動きを磨いた
2026年10月16日の決勝直前インタビューで、かみちぃさんは、大会に向けてネタを1年間にわたり寄席で繰り返し披露していたと説明しています。
あまりにも長く演じていたため、自分たちでも本当に面白いのか不安になることがあったそうです。
それでも毎回、観客から笑いが起こることで手応えを確認できていました。
準決勝では、動きが自然に出るほどネタが体になじんでおり、大きなミスなく演じられたと語っています。
決勝の舞台でも同じように演じられたことは、日頃のライブ経験が生かされた例といえるでしょう。
④ 2021年の決勝経験が精神的な支えになった
ジェラードンは2021年にもキングオブコント決勝に出場していました。
2026年の大会後、かみちぃさんは、以前の決勝経験によって大会当日の空気や、出番順による難しさを理解できていたと話しています。
西本さんも、スタッフの多さやスタジオの雰囲気を以前に経験していたことで、必要以上に緊張せずに済んだという趣旨の発言を残しました。
もちろん、決勝経験だけで優勝が決まるわけではありません。
しかし、初めて決勝へ進出した2021年とは違い、今回は大会の雰囲気を知ったうえで準備できたことは、本人たちにとって支えになっていたようです。
これらの本人発言を総合すると、2人に合うネタの構造を見つけ、過去の作品を改良し、舞台で繰り返し磨いてきたことが、2026年の結果につながったと考えられます。
ただし、どれか一つが優勝の決定的な原因だったと証明されたわけではありません。コントの完成度、当日の演技、審査員の評価などが重なって決まった結果です。
優勝後に語った海野への思い|「トリオの方が良さを出せていた」
2026年10月17日の優勝会見では、元メンバーの海野さんについても話題になりました。
アタック西本さんは、名古屋へ帰った際には海野さんと友人として食事に行くことがあり、その場でも海野さんが芸人時代のようにツッコミを入れてくると、笑いながら語っています。
一方、かみちぃさんは、今回の優勝によってトリオ時代より大きな結果を残せたものの、自分たちの強みが最も生きていたのは3人のころだったのではないかという考えを明かしました。
さらに、海野さんには、自分が抜けたから優勝できたと思わないでほしいという思いも伝えています。
これは今回の優勝を理解するうえで、とても重要な本人発言です。
ジェラードンが2人体制で優勝したことは事実です。しかし、それを「海野さんが抜けたことで面白くなった」と説明するのは、本人たちの考えとも一致しません。
3人で活動していたころにも、キングオブコント決勝5位という実績がありました。その時代に作っていたネタを2人用に再構成したことが、2026年の優勝にもつながっています。
つまり、現在のジェラードンの成功には、トリオ時代からの積み重ねも含まれているのです。
海野さん自身も優勝を祝福しており、元メンバーとの関係を単純な対立として捉えることはできません。
出典:FANYマガジン「キングオブコント新王者・ジェラードン優勝会見」(2026年10月18日)
ジェラードンの今後|2026年優勝後に目指す活動
キングオブコント2026の優勝後、ジェラードンにはテレビ出演や取材など、さまざまな仕事が続いています。
2026年10月19日のFANYマガジンのインタビューでは、2人が今後の活動についても語りました。
これまでキングオブコントのためにネタを作り続けてきたことから、今後は大会以外の場でも新しいコントを披露することを楽しみにしているようです。
また、コント番組への出演についても意欲を示しています。
ただし、本人が出演を希望していることと、具体的な番組出演が決定していることは別です。今後の仕事については、それぞれの公式発表を確認する必要があります。
2027年には、キングオブコント2026のファイナリストが出演する「キングオブコント2026LIVE」も予定されています。
優勝ネタを見た観客に、次はどのようなコントを披露するのか。
2人の新しい芸風が定着した今、ジェラードンはこれまでとは違う期待を背負って活動していくことになります。
まとめ|ジェラードンは3人時代の経験を受け継ぎ、2人でキングオブコント王者になった
ジェラードンは、2008年10月にアタック西本さん、かみちぃさん、海野裕二さんの3人で結成されたお笑いグループです。
2021年にはキングオブコント決勝で5位となりましたが、同年12月から海野さんが休養。残る2人が活動を続け、2025年2月9日付で正式に2人体制へ移行しました。
海野さんの脱退について、吉本興業は本人が体調の改善を優先したいと申し出たことを説明しています。不仲や方向性の対立が理由だったという公表はありません。
2人になってからは、ツッコミ役をどうするかなど、コントの作り方にも変化がありました。
2025年にはアタック西本さんの肉離れによってキングオブコント準決勝を辞退。しかし、そのときにうまくいかなかったキャラクターを作り直し、翌2026年の優勝ネタ「マジックバー」へとつなげています。
もう一つの優勝ネタ「酔っ払い」も、トリオ時代のYouTubeコントを2人用に改良したものでした。
そして2026年10月17日、2本とも671点、合計1342点でキングオブコント初優勝を達成。3445組の頂点に立ちました。
今回の優勝は、3人から2人になったことで突然面白くなったという単純な話ではありません。
トリオ時代の蓄積があり、休養や脱退による変化があり、ネタ作りの試行錯誤と負傷による挫折もありました。
その長い経験を生かしながら、2人に合う新しいコントの形を見つけたことが、2026年の優勝につながっています。
優勝後、かみちぃさんがトリオ時代の強みを改めて認め、海野さんも2人を祝福したことは、この歩みを象徴する出来事でした。
ジェラードンは3人で築いたものを失ったのではなく、その経験を受け継ぎながら、2人で新たな結果を残したといえるでしょう。
主な参考資料
- 吉本興業|ジェラードン公式プロフィール
- 吉本興業|ジェラードン海野 一時休養のお知らせ(2021年12月14日)
- FANYマガジン|海野裕二とのマネジメント契約終了発表(2025年2月7日)
- タウンワークマガジン|ジェラードン3人へのインタビュー(2017年11月17日)
- お笑いナタリー|キングオブコント2021決勝結果
- お笑いナタリー|アタック西本の負傷とキングオブコント2025辞退
- FANYマガジン|キングオブコント2026決勝直前インタビュー(2026年10月16日)
- QJWeb|キングオブコント2026決勝採点・最終結果(2026年10月17日)
- FANYマガジン|キングオブコント2026優勝会見(2026年10月18日)
- FANYマガジン|優勝ネタの制作秘話・大会翌日インタビュー(2026年10月19日)
- クランクイン!|元メンバー海野裕二による優勝祝福(2026年10月18日)
※本文は2026年10月26日時点で確認できる公式発表、大会記録、本人インタビューに基づいています。海野裕二さんの健康状態や今後の活動について、未公表の内容は推測していません。また、2021年と2026年は決勝の審査員数が異なるため、得点を単純比較しないよう注意しています。