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『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』とは?F90との時系列・ゲーム内容を解説

『ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』とは?F90との関係・時系列を解説

『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』は、タイトルに「F91」と付いているにもかかわらず、映画『機動戦士ガンダムF91』の主人公シーブック・アノーを操作するゲームではありません。

主人公は地球連邦軍のパイロット、ベルフ・スクレット。物語の舞台も映画の後ではなく、映画より1年前の宇宙世紀0122年です。

劇場版『機動戦士ガンダムF91』は宇宙世紀0123年。クロスボーン・バンガードがフロンティアIVを襲撃し、シーブックがガンダムF91へ乗り込む物語です。つまり時系列は、

F90周辺の戦い → 『フォーミュラー戦記0122』 → 劇場版『F91』

の順になります。劇場版の「その後」を描いたゲームではありません。

では、なぜF90を中心に戦うゲームなのに、タイトルには「F91」と入っているのでしょうか。

そこを理解すると、本作が「映画をゲーム化した作品」ではなく、F90からF91へ移っていく時代そのものをゲームにした作品であることが見えてきます。

『フォーミュラー戦記0122』の基本情報

項目内容
正式タイトル機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122
対応機種スーパーファミコン
発売日1991年7月6日
発売元バンダイ
開発ノバ
ジャンルシミュレーション
プレイ人数1人
定価9,500円(税別)
型番SHVC-GP
ROM容量8Mbit
セーブバッテリーバックアップ
キャラクターデザイン川元利浩
メカニックデザイン大河原邦男
音楽富樫則彦

正式タイトルは「フォーミュラ」ではなく、長音の入った「フォーミュラー戦記0122」です。1991年7月刊行のバンダイ公式ガイドブックも同じ表記になっています。

ソフトの内部データでは8Mbit ROM、64KbitのSRAMを持つバッテリーバックアップ方式であることも確認できます。スタッフクレジットを収集しているGDRIでは、本作をノバの開発作品として整理しており、ゲームデザインは竹谷義孝、音楽は富樫則彦です。

なお、現在のファミ通作品データではジャンルを「シミュレーション」としています。後年のデータベースでは「リアルタイムストラテジー」と分類されることもありますが、実際の操作を現代的なRTSと同じものとして想像すると本作を誤解します。

なぜ「F91」なのに主役はF90なのか

物語序盤でベルフが乗るのはガンダムF91ではなく、ガンダムF90です。

ベルフたち第13反地球連邦組織討伐部隊は、F90を輸送している途中でオールズモビルの襲撃を受けます。その際にベルフが急きょF90へ搭乗し、以後パイロットとして宇宙と地球を転戦していくのが物語の入口です。

ゲームの説明書では、F90の実戦データが次期主力MSであるF91の完成へ反映されることも示されています。

つまり本作では、最初から完成したF91を操作するのではありません。

F90で戦い、その実戦データを積み重ね、物語後半でF91へ到達する。タイトルの「F91」は、単に劇場版の知名度を借りた名前というだけでなく、ゲームそのものがF90からF91への移行を扱っていることにも対応しています。

そして主人公がシーブックではない理由もここにあります。シーブックがF91へ乗るのは翌U.C.0123の劇場版であり、ベルフの戦いはその前年だからです。

時系列は『F90』→U.C.0122→『F91』

大まかな位置関係を整理すると、次のようになります。

時代主な作品・出来事
U.C.0121前後『F90』関連、オールズモビルをめぐる戦い
U.C.0122『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』
U.C.0123劇場版『機動戦士ガンダムF91』

現在展開されている『機動戦士ガンダムF90クラスター』も、宇宙世紀0121年の火星を舞台に、第一次オールズモビル戦役から始まる作品として公式に紹介されています。

ただし、ここには注意が必要です。

1991年当時のゲームでは、オールズモビルは「2年前に火星基地で壊滅したはずの勢力が再び力を増した」という説明になっています。その後30年以上にわたって『F90FF』『F90クラスター』などが作られ、F90周辺の年代や人物、組織の動きは大幅に補足・再整理されました。

そのため、2026年現在のF90設定を、1991年のゲーム発売時点からすべて存在していた設定として読むべきではありません。

本記事でも、ゲーム自体が1991年に示した内容と、後年追加された設定は分けて扱います。

ベルフが戦う「オールズモビル」とは?

『フォーミュラー戦記0122』の主な敵となるのが、オールズモビルです。

彼らのMSはRFザク、RFグフ、RFドム、RFゲルググなど、かつてのジオン公国軍MSを思わせる姿をしています。そのためゲーム内でも、旧公国軍のMSを使う勢力として「オールズモビル」と呼ばれています。

ただし、彼らを「一年戦争当時のジオン公国軍そのもの」と考えるのは違います。

宇宙世紀0122年に活動する反地球連邦勢力であり、旧ジオン系の意匠を受け継いだ新しい戦力を持っています。ゲーム序盤で連邦側に与えられている任務には、オールズモビルの撃滅だけでなく、彼らへ資金や技術を供給している背後の存在を調べることも含まれています。

この「スポンサーは誰なのか」が、映画『F91』へつながる重要な部分になります。

オールズモビルとクロスボーン・バンガードは同じ組織ではない

物語が進むにつれて、オールズモビルの背後にクロスボーン・バンガードの存在が見えてきます。

しかし、

オールズモビル=クロスボーン・バンガード

ではありません。

オールズモビルはベルフたちが直接戦う反連邦勢力であり、その戦力形成を背後から支援している側としてクロスボーン・バンガードが関わります。後半のACT.10はそのものずばり「クロスボーン・バンガード」と題され、映画『F91』に登場する鉄仮面=カロッゾ・ロナもイベントに姿を見せます。

ここも旧記事にあった「サナリィとクロスボーン・バンガードの抗争」というまとめ方では正確に伝わりません。

ゲームで戦う主体は地球連邦軍のベルフたちであり、前半ではオールズモビルと交戦し、その背後を追うにつれてクロスボーン・バンガードへ接近していく構造です。

そして翌U.C.0123、クロスボーン・バンガードは劇場版『F91』でフロンティアIVを襲撃します。

『フォーミュラー戦記0122』を「F91の前日譚」と呼ぶなら、シーブック個人の前日譚ではなく、F91というMSの完成過程と、クロスボーン・バンガードが表舞台へ出る直前の軍事情勢を描く作品という意味で捉えるのが分かりやすいでしょう。

ゲームはRTS?実際にマップで操作するのは自機だけ

ゲームシステムについても、本作は誤解されやすい作品です。

戦闘は大きく、

  1. 出撃するMS・装備を決める
  2. 戦術マップ上で自機を移動させる
  3. 敵小隊と接触する
  4. 専用のMS戦闘画面で敵小隊と戦う
  5. 戦術マップへ戻る

という流れで進みます。

重要なのは、戦術マップで味方部隊をプレイヤーが自由に指揮するわけではないことです。

プレイヤーが移動先を指定できるのはベルフの自機。自機の移動を確定すると、その後に友軍と敵軍の小隊が自動的に動きます。したがって、味方を一機ずつ選択し、配置や攻撃目標を指示する現代的なRTSではありません。

一方、敵小隊との戦闘へ入っている間にも戦場全体の状況は進行し、友軍や母艦が攻撃を受けることがあります。この部分にはリアルタイム性があります。

つまり本作は、

マップ部分は自機移動を基準とした段階的な進行
+
MS戦闘中は周囲の戦況も動き続ける

という独特な構造です。

「RTS」と一語で説明するより、この二段構造を理解したほうが実際のゲームに近くなります。

戦闘画面はサイドビューではなく、レーダーと「Vゾーン」で敵を捉える

敵小隊と接触すると戦闘画面へ移りますが、これも横からMS同士を見る格闘ゲーム風の画面ではありません。

画面には、

  • 戦闘を映すビジュアル表示
  • 自機の状態・武器データ
  • 敵位置を示すレーダー

が配置されています。

戦闘の中心になるのが、レーダー上に表示された「Vゾーン」です。

Vゾーンは自機前方の攻撃可能範囲を示す領域で、プレイヤーは敵の位置を見ながら自機の向きと位置を調整し、敵をこの範囲へ捉えます。

敵をVゾーン内へ入れたら攻撃を選択し、そこからビームライフル、ビームサーベルなど使用する武器を決定します。

武器には得意な距離があります。ビームサーベルやバルカンは近距離、ビームライフルは中距離向けというように、敵との距離に合った装備を選ぶ必要があります。またVゾーンの中心付近へ敵を捉えるほど命中を狙いやすくなります。

逆に狙いを付けることだけに時間を使えば、その間にも敵側から攻撃されます。

そのため本作のMS戦は、ボタン連打で敵を撃つシューティングというより、

レーダーで敵を追う → 有効射程へ入れる → 武器を選択する → 攻撃する

という索敵と位置取りの比重が大きい戦闘です。

一度に交戦するのは1~4機程度の敵小隊で、全機を撃破するとマップ上のその部隊が消滅します。

燃料と母艦まで管理対象になる

自機には耐久力だけでなく燃料があり、移動や戦闘で消費します。

戦闘継続が難しくなった場合は、敵をレーダー外へ振り切れば「BREAK」で戦闘から離脱することもできます。母艦へ戻れば補給や機体・装備の変更が可能です。

各シナリオは基本的に敵小隊をすべて撃破すればクリアとなりますが、自機の耐久力やエネルギーが尽きるだけでなく、

  • 友軍部隊の全滅
  • 母艦の撃沈

も敗北条件になります。

ただし友軍の動きを直接指揮することはできません。

このため、「味方を配置して勝つ戦術ゲーム」というより、自機でどの敵を優先して潰し、友軍や母艦が崩れる前に戦線を支えるかを判断するゲームになっています。

F90はA・D・Vタイプを使い分ける

本作ではF90のミッションパック換装もゲームシステムへ組み込まれています。

序盤から使用できるのは主にAタイプとDタイプです。

F90 Aタイプ

Aタイプは長距離侵攻用の装備で、ゲームでも機動力の高さが特徴です。

戦術マップで遠くの敵へ向かいやすいため、離れた敵小隊を早く処理したい場面に向きます。武装にはビームライフル、ビームサーベル、ビームバズーカなどがあります。

F90 Dタイプ

Dタイプは面制圧を目的とした重武装仕様です。

Aタイプより移動面では不利ですが、多数の火器を持ち、接近戦・制圧戦を想定した性格になっています。

つまり「AとDは見た目だけ違う」のではなく、戦術マップでの動きや武装構成まで変わるため、どちらで出撃するかがステージ攻略へ直結します。

F90 Vタイプ

ACT.6「太平洋防衛戦」からはF90Vタイプが加わります。

VタイプはV.S.B.R.などF91へつながる技術を搭載した仕様で、A・Dより後に登場するだけあって戦闘能力も高く、F91登場までの後半戦で重要な選択肢になります。

なお、大気圏突入用のPタイプもイベントでは登場しますが、通常戦闘で自由に選んで使う機体ではありません。

F91はACT.9から使用可能になる

タイトルを冠するガンダムF91は、ACT.9「シャルル艦隊 壊滅」から使用可能になります。

つまり全12ACTのうち、F91を操作するのは後半です。

これまでF90で蓄積してきた戦闘データがF91へ反映されるというゲームシステム上のつながりもあり、F90での戦いが単なる前座になっていません。

また、この時点のF91を映画版とまったく同じ完成状態として扱うのも注意が必要です。

現在の関連設定では、『フォーミュラー戦記0122』でベルフが使用したF91はまだ完成途上で、完成したバイオ・コンピューターではなく別の学習型システムを使った状態として整理されています。翌U.C.0123にシーブックが乗るF91とは時期も運用状態も異なります。

したがって、

ベルフが乗ったF91=そのまま翌年シーブックが乗った機体

と単純に決めつける必要もありません。後年の資料でも両者を同一機とする説には確定的な根拠がないと整理されています。

全12ACTで宇宙・地球・再び宇宙へ

説明書では、本作が全12シナリオで構成されることが明記されています。

現在確認できる一覧もACT.1からACT.12までで一致しています。

ACTサブタイトル
1始動 F90
2ラグランジュ・ポイント
3ケルンコロニー
4重力の底へ
5砂漠の嵐
6太平洋防衛戦
7雪山の中
8宇宙へ…
9シャルル艦隊 壊滅
10クロスボーン・バンガード
11嵐の始まり
12永遠の闇の中で

ACT.6でF90Vが追加され、ACT.9でF91が加わります。ACT.10からはクロスボーン・バンガードの存在もさらに前面へ出てきます。

古い攻略情報などでACT.13とする記述が見られる場合がありますが、説明書の「全12シナリオ」という記述と実際のACT一覧から、本編はACT.1~ACT.12と考えて問題ありません。

漫画版も存在した

『フォーミュラー戦記0122』はゲームだけで展開したタイトルではありません。

1991年には、『ガンダムマガジン』で岩村俊哉による漫画版が掲載されたほか、『コミックボンボン』増刊にも井上大助による読み切り版が掲載されています。岩村版は後年『ガンダムマガジン名作集』などへ収録されました。

ただし、漫画版にはゲームと異なる描写もあります。

ゲームの出来事を調べる際に、漫画版で追加されたシーンや後年の設定をそのまま「ゲーム本編で起きたこと」として混ぜるべきではありません。

「公式外伝」「正史」と言い切る必要はない

『フォーミュラー戦記0122』は1991年にバンダイから正式発売され、当時から公式ガイドブックや漫画展開も行われた作品です。

さらに後年の『F90FF』『F90クラスター』などでも、本作の人物・機体・戦闘が再び扱われています。

しかし、それを理由に記事側で「ガンダム公式正史」と独自に分類する必要はありません。

ガンダムシリーズでは、後の作品で設定が補われたり変更されたりすることもあります。本作について重要なのはラベルではなく、F90とF91の間にU.C.0122の物語として実際に制作され、その要素が現在のF90関連作品にも引き継がれているという事実です。

2026年の『F90クラスター』から見ると再び重要な時代になっている

1991年のゲームから35年が経った2026年現在、F90周辺の展開は止まっていません。

『機動戦士ガンダムF90クラスター』第1巻は2024年11月25日に発売され、公式紹介でも「U.C.0121、火星」「第一次オールズモビル戦役からはじまる」と明記されています。

ガンプラでも、2019年に始まった公式企画「F90 A to Z PROJECT」が継続中です。2026年にもMG ガンダムF90、F90IIIY クラスターガンダム、Nタイプ、Xタイプなどの商品展開が行われています。

これは『フォーミュラー戦記0122』のリメイクや移植が決まったという意味ではありません。

ただ、1991年当時にはゲームや模型企画の断片として提示されていたF90周辺の時代が、現在の公式作品によってあらためて掘り下げられているのは確かです。

そのため今『フォーミュラー戦記0122』を調べる価値は、「昔のSFCガンダムゲームを懐かしむ」ことだけではなく、現在も拡張され続けるF90~F91の時代を理解するための原点のひとつを確認することにもあります。

1991年前後にどのようなSFC作品が発売されていたかをあわせて確認したい場合は、つぶログの スーパーファミコン全タイトル一覧|1990年から2000年まで完全網羅まとめ でも発売日順に整理しています。

2026年現在、『フォーミュラー戦記0122』を遊ぶ方法は?

2026年8月25日時点で、『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』はNintendo Classicsの現行配信タイトルに含まれていません。

任天堂の現行タイトル検索で「ガン」を検索しても該当作品はなく、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch向けの『スーパーファミコン Nintendo Classics』では現在遊べません。

また、PlayStation Store、Xbox、Steamなどについても、本作そのものを現在新規購入できる公式移植版・ダウンロード版は確認できません。

したがって現在は、中古のスーパーファミコン版カートリッジと対応する実機環境を用意する方法が基本になります。

本作はバッテリーバックアップ方式なので、中古カートリッジでは内蔵電池の状態によってセーブ機能が正常に使えない可能性があります。購入時はソフトそのものの状態に加え、セーブ可否も確認したほうがよいでしょう。

Gジェネレーションやスーパーロボット大戦など、現在のゲームでF90やF91が登場することと、『フォーミュラー戦記0122』そのものが移植されていることは別です。

まとめ|『フォーミュラー戦記0122』はF90からF91へつなぐゲーム

『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』は、劇場版『F91』の後日談ではありません。

舞台はU.C.0122。主人公ベルフ・スクレットがF90でオールズモビルと戦い、その実戦データを経てF91へ乗り換え、やがてクロスボーン・バンガードの存在へ近づいていく物語です。

映画『F91』はその翌年、U.C.0123。シーブック・アノーがF91へ乗るのはさらに後の出来事になります。

ゲームシステムも、味方部隊を自由に動かす一般的なRTSやサイドビューアクションではありません。戦術マップでは自機の移動先を決め、敵小隊と接触すると、レーダー上のVゾーンへ敵を捉えて武器と射程を選ぶMS戦へ切り替わります。

つまり本作を一言で整理するなら、

F90で戦うU.C.0122の第二次オールズモビル戦役と、F91完成へ向かう過程を、戦術マップと独自のMS戦闘で描いたゲーム

です。

「F91という名前なのになぜF90?」「なぜシーブックがいない?」という疑問は、作品をU.C.0122に置き直せばすべて一本につながります。

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