- 『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』レビュー|操作性は悪い?今買うべき?
- 先に結論|調整機能は想像以上に良い。それでも総合6.9は据え置き
- 『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』とは
- 良かった点
- 気になった点
- オートセーブ対応。でも「いつ閉じても大丈夫」ではない
- SFC版より遊びにくくなった?
- 『シレン6』など現代の不思議のダンジョン経験者ほど差を感じやすい
- ゲームバランス調整で、誰に薦めやすくなったのか
- 3,520円なら許せる問題なのか
- 今買うべき?それとも操作改善を待つ?
- 機種はどれを選ぶ?
- Steam版には視聴者参加型ダンジョンもある
- 『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』忖度なし評価
- 総評|名作の復活だけではない。遊び方を作れるリマスターだからこそ、操作改善を待ちたい
『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』レビュー|操作性は悪い?今買うべき?
初代『トルネコの大冒険』が、33年ぶりに現行機へ戻ってきました。
1993年にスーパーファミコンで発売され、日本の家庭用ゲームへローグライクの面白さを広く伝えた一本。入るたびに形を変えるダンジョンへ潜り、その場で拾った道具を使いながら先へ進む。倒れれば多くを失い、また地下1階からやり直す。
後の『風来のシレン』などへつながる「不思議のダンジョン」の原点です。
2026年9月10日に発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン ちょっとステキなリマスター』は、その初代を現在の環境で遊べるようにしたリマスターです。
ただし、単に昔のゲームを高解像度で動かしただけではありません。
図鑑、足元のアイテム操作、オートセーブに加え、モンスター数、モンスターハウス、取得経験値、アイテム、パン、ワナなどを個別に変えられるゲームバランス調整も追加されました。
この調整機能は、最初に考えていた以上に重要です。
初心者が難易度を下げるためだけの救済機能ではなく、原作を知り尽くした人が「敵だけ増やす」「食料を厳しくする」「ワナを増やす」といった別条件で遊び直せる。初代のゲームルールそのものを利用して、新しい縛りや高難度を作れる仕組みになっています。
一方で、発売直後から気になる声が集まったのが操作性です。
操作が重い。テンポが悪い。斜め移動が扱いにくい。
不思議のダンジョンでは、これは軽く流しにくい問題です。
一歩進む、攻撃する、方向を変える、メニューを開く。こうした入力を一度の冒険だけでも何百回と繰り返します。ゲーム内容がどれだけ面白くても、その一手ごとの感触に引っかかりがあれば、長時間遊ぶほど影響が積み重なります。
結論から言えば、初代トルネコそのものは今でも面白い。リマスター独自の追加にも、しっかり評価できるものがある。ただし現在の商品を手放しでは薦めにくいです。
先に結論|調整機能は想像以上に良い。それでも総合6.9は据え置き
総合評価は6.9 / 10です。
ゲームバランス調整の内容を詳しく見ると、リマスターとしての追加価値は当初より高く評価できます。
モンスター数だけを増やす。モンスターハウスを有効にする。ゴールド、経験値、アイテム、パン、ワナの量をそれぞれ変える。
単純な「イージー・ノーマル・ハード」の三択ではなく、何を難しくして、何を原作通りに残すかをプレイヤー側で決められるのが面白いところです。
初代を何度も遊んだ人にとっては、こちらの方がむしろ大きな価値があります。
だからといって、総合点を現時点で上げることはしません。
今回6.9まで下がった最大の理由は、コンテンツ不足ではなく操作性とテンポだからです。
調整機能が優れていても、移動、斜め入力、演出後の待ちといった、冒険中ずっと触り続ける部分の弱点は別問題です。
今後のアップデートでそこへ明確な改善が入れば再評価します。それまでは、リマスター独自の長所を追加で評価しながらも総合6.9を据え置くのが妥当だと判断しました。
原作を長く待っていて、多少の操作の違和感より「現行機で正式にトルネコを遊べる」ことを優先する人なら、3,520円で今買う選択はあります。
反対に初代未経験者や、『風来のシレン6』など現在の不思議のダンジョンの軽快な操作へ慣れている人は、操作面が改善されるか少し様子を見る方をすすめます。
『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』とは
今回の作品は『トルネコ4』でも、『トルネコ2』『3』をまとめたコレクションでもありません。
1993年にスーパーファミコンで発売された初代『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』をベースにしたリマスターです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年9月10日 |
| ジャンル | RPG/不思議のダンジョン |
| 通常版価格 | 3,520円(税込) |
| スマホ/Google Play Games on PC | 3,500円(税込) |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/Xbox Series X|S/Steam/iOS/Android/Google Play Games on PC |
| プレイ人数 | 1人 |
| 開発・発売 | スクウェア・エニックス |
| 通常パッケージ版 | なし。ゲーム本編はダウンロード販売 |
スクウェア・エニックスe-STOREには18,370円の「おでかけセット」もありますが、ゲームカードやPS5ディスクを収録した通常の物理パッケージではありません。ゲーム本編はダウンロードコードです。
何のリマスターなのか、初代・2・3の違いや追加要素を詳しく確認したい場合は、『トルネコの大冒険』リマスターは新作?初代・2・3のどれ?追加要素や対応機種も整理で分けて整理しています。
この記事では、2026年の商品として3,520円を払って薦められる出来なのかを中心に見ていきます。
良かった点
初代トルネコの「一手を考える面白さ」は、今でも古びていない
不思議のダンジョンでは、プレイヤーが一歩動けば敵も一歩動きます。
リアルタイムで急かされることはなく、危険な場面ではいくらでも立ち止まって考えられます。
前に敵がいる。後ろからも別の敵が来る。HPは少ない。手元には薬草、杖、巻物がある。
そこで戦うのか、逃げるのか。アイテムを使うのか、あとへ残すのか。
たった一手ですが、その一手が冒険全体を変えます。
ダンジョンの形、出現する敵、拾えるアイテムも挑戦するたびに変化します。
前回簡単に拾えた武器が今回は出ない。食料が足りない。欲しかった杖ではなく、別の道具しか見つからない。
決まった正解を暗記するのではなく、その冒険で渡された条件の中から最善を探す。
33年前のゲームですが、この部分は今でも十分に通用します。
「1000回遊べる」という昔からのコピーだけを理由に高評価しているわけではありません。
繰り返し潜りたくなる仕組み自体が、今も成立しています。
シンプルだからこそ、一個のアイテムと一手が重い
後の不思議のダンジョン作品と比べると、初代トルネコはかなりシンプルです。
『風来のシレン』シリーズのようにシステムが積み重なった作品へ慣れていると、できることの少なさは感じます。
ただ、それをそのまま欠点にはしません。
何でもできないからこそ、拾った一本の杖や一枚の巻物の価値が大きくなります。
所持品に余裕がない中で何を残すか。強い装備を持ち帰るか、危険を承知でさらに下へ進むか。貴重な道具を今使うか、もっと危険な状況まで残すか。
判断が直接的なので、「不思議のダンジョンとは何が面白いゲームなのか」も分かりやすい。
後年作ほど戦術の選択肢は多くありませんが、第1作ならではの研ぎ澄まされた遊びがあります。
ゲームバランス調整は初心者救済だけではない。原作経験者ほど面白い
今回のリマスターで、改めて高く評価したいのがゲームバランス調整です。
公式も「モンスター数」や「取得経験値」などを変更し、簡単にも難しくもできる機能として紹介しています。
実際の設定画面では、少なくとも次のような項目を個別に調整できます。
- モンスター数
- モンスターハウスの有無
- 落ちているゴールド量
- 取得経験値
- 落ちているアイテム数
- パン出現率
- ワナの数
重要なのは、全部をまとめて「簡単」「難しい」へ動かす機能ではないことです。
たとえばモンスター数だけを増やし、経験値やアイテム数は通常のままにする。
単純に敵が多いだけではありません。戦闘回数が増える一方で、回復や食料といった資源量は増えないため、フロアをどう歩くか、どこまで戦うかという判断そのものが変わります。
パンを減らせば空腹管理が厳しくなる。ワナを増やせば、未探索マスを進むリスクが大きくなる。モンスターハウスの有無まで変えれば、一度の事故で状況がひっくり返る可能性も調整できます。
これは単なる難易度選択より、初代トルネコとの相性がいい。
もともと本作は、敵の強さだけで難しさが決まるゲームではありません。食料、アイテム、経験値、罠、敵の密度といった複数の条件が絡み合って、一回ごとの冒険が作られています。
その一部を意図的に動かせるため、原作を攻略したあとにも別の条件で遊び直せます。
初心者なら遊びやすくするために使える。
原作経験者なら、自分で新しい縛りや高難度を作るために使える。
この両方へ機能しているのが、今回の調整モードの良さです。
ただし、初期設定からゲームバランスを変更したプレイには制限があります。
ゲーム内の注意書きでは、調整後のプレイ結果はリプレイ再生ができず、ハイスコア、プレイ記録、アチーブメントなどにも一部情報が反映されないと案内されています。
通常ルールの記録と自由なカスタムプレイを分離した形です。
記録狙いには使えない部分がありますが、逆に言えば好きなだけバランスを崩して遊んでも、通常ルールのスコアや記録と混ざりにくい。
リマスター独自要素としては、かなり筋の通った設計です。
図鑑や「足元」操作など、後年作に近づけた改善もある
図鑑では、一度出会ったモンスターの情報をあとから確認できます。
不思議のダンジョンでは、敵の特徴を知っていること自体が攻略になります。「この敵は何をしてきたか」「近づいても大丈夫だったか」をゲーム内で振り返れるのは、初めて遊ぶ人には特にありがたい機能です。
足元のアイテムを扱う操作も追加されています。
後年の不思議のダンジョンに慣れていると当たり前に感じますが、初代そのままではできなかった部分です。
オートセーブも含め、今回が単なるグラフィック差し替えではないことは分かります。
だからこそ惜しいのが、このあと触れる操作性です。
遊び方を広げる機能はかなり丁寧なのに、その土台となる一手一手の感触で評価を落としている。
現在のリマスターは、そこに大きなアンバランスがあります。
気になった点
一歩ずつ遊ぶゲームで、一歩ごとの手触りが重い
今回最大の弱点です。
不思議のダンジョンには、もともと止まって考える時間があります。
危険な敵が近づいた。モンスターハウスへ入った。空腹が迫っている。手持ちの道具でどう切り抜けるか迷う。
そこで30秒、1分と止まることはストレスではありません。むしろ、その時間こそゲームの面白さです。
問題なのは、考える必要のない場面でも操作のリズムが途切れることです。
安全な通路を歩く。弱い敵を倒す。レベルが上がる。次の行動へ移る。
そうした場面まで細かな待ちが積み重なると、不思議のダンジョン特有の緩急が崩れます。
発売直後にはSteamを含む複数のプレイヤーから、操作性やテンポへの不満が出ました。外部メディアでも同系統の違和感が報告されています。
一回の入力だけなら小さな差です。
ところが『トルネコ』では、それを何百回、何千回と繰り返します。
小さな引っかかりだからこそ、長く遊ぶほど無視しにくくなります。
斜め移動の違和感は、操作の好みだけでは済まない
特に厳しく見たいのが斜め移動です。
不思議のダンジョンにおける斜め移動は、単なるショートカットではありません。
敵との距離を一マス調整する。通路の角で位置を合わせる。向きを変えて道具を使う。不用意に敵の正面へ一歩踏み込まない。
生死に関わる操作です。
初代『トルネコ』は、キーボード中心だった古典ローグライクを家庭用ゲームパッドで遊びやすくまとめた作品でもあります。
そのリマスターで、方向入力や斜め移動の感触へ不満が出ているのは重く見ざるを得ません。
なお、斜め移動に関してはゲーム内設定の変更によって違和感が軽減したというプレイヤー報告もあります。
そのため「どんな設定でもまともに斜めへ動けない」とまでは評価しません。
一方で、設定変更だけでレベルアップ時の待ちやメッセージ表示などを含むテンポ面全体が解決するわけでもありません。
現時点では全機種を同条件で測定した入力遅延データもないため、「何フレーム遅れている」「内部処理に重大な不具合がある」といった断定は避けます。
確認できるのは、複数環境で似た操作上の違和感が報告されていることです。
レベルアップや演出のたびに入る待ちも相性が悪い
発売後には、レベルアップ時の停止感、行動後のメッセージ表示、次の入力へ移るまでの間なども指摘されています。
これらがすべて同じ原因なのかは分かっていません。
フレームレートの問題なのか、アニメーションや表示を待つ仕様なのか、次の入力受付まで意図的なウェイトを設けているのか。現時点で技術的に切り分けられるだけの材料はありません。
そのため「処理落ちがひどい」とは書きません。
問題なのは原因の名前ではなく、プレイヤー側から見て繰り返す操作のテンポが軽快ではないことです。
メニューや移動は、たまに触る要素ではありません。
不思議のダンジョンでは、ゲームを遊んでいる時間そのものです。
「さらに遊びやすくなったリマスター」だからこそ惜しい
今回のリマスターには、確実に遊びやすくなった部分があります。
図鑑、ゲームバランス調整、足元操作、オートセーブ。
特にゲームバランス調整は、詳しく見るほどよく考えられています。
だから公式の「さらに遊びやすくなった」という説明が全面的に間違っているわけではありません。
ただ、プレイヤーが最も頻繁に触る移動や入力の感触に引っかかりがあれば、それらの長所を十分に生かせません。
リマスターで一番期待したいのは、
33年前の面白さを、33年後の環境で気持ちよく遊べるようにすること。
追加機能の方向は良いだけに、現在はここが惜しく残っています。
オートセーブ対応。でも「いつ閉じても大丈夫」ではない
セーブ仕様にも注意が必要です。
本作はオートセーブへ対応しました。
ただし公式FAQでは、オートセーブのタイミングによって、ゲーム再開時に終了時点より進行状況が巻き戻る可能性があると案内されています。
確実に保存したい場合は、ゲーム内の「中断」を利用する形です。
つまり、オートセーブ=どの瞬間に終了しても、その一手前から必ず再開できるという意味ではありません。
これは現在確認されている不具合というより、公式が説明しているセーブ仕様です。
ローグライクで中断セーブを使うこと自体は珍しくなく、必要以上に欠点扱いする話ではありません。
ただ、Switchのスリープやスマートフォンのアプリへ慣れている人ほど「オートセーブ」という言葉から誤解しやすい部分です。
長く潜ったあとに確実に進行を残したければ、「中断」を使う方が安全です。
SFC版より遊びにくくなった?
発売直後から、「元のSFC版の方が軽快だった」という原作経験者の声も出ています。
ここは無視しにくいところです。
初代『トルネコ』は、古典的なローグライクの複雑な操作を家庭用コントローラーへうまく落とし込んだこと自体に大きな意味がありました。
そのゲームを現在へ戻した作品で、基本操作の感触が気になる。
リマスターとしては小さくない問題です。
ただし、SFC実機と2026年版を同一条件で測定し、「入力が何フレーム遅くなった」と証明した検証までは確認できていません。
そのため、ここでは原作経験者からSFC版の方が軽快だったという評価が出ているところまでに留めます。
少なくとも「33年前のゲームだから操作が古いのは仕方がない」という話とは違います。
比較対象になっているのが、その33年前の原作だからです。
『シレン6』など現代の不思議のダンジョン経験者ほど差を感じやすい
『風来のシレン』シリーズを含め、不思議のダンジョン系は初代トルネコ以降、長い時間をかけて操作やUIを磨いてきました。
現在の作品へ慣れているほど、入力したらすぐ動く、斜め方向へ確実に入る、必要な情報へ少ない操作で届く、といった快適さが基準になります。
今回のリマスターにも足元操作や図鑑など、後年作の感覚へ近づけた改善があります。
ゲームバランス調整に至っては、原作そのままの復刻より一歩踏み込んだ機能です。
そのため、全体が1993年のまま古いわけではありません。
むしろ周辺が現在向けに整っているからこそ、基本レスポンスの違和感が目につきます。
一方、初代を当時遊び込んでいて、「内容をもう一度遊べること」や「自分でバランスを変えて遊び直すこと」を重視する人なら、リマスター側の価値はかなり上がります。
ゲームバランス調整で、誰に薦めやすくなったのか
ゲームバランス調整は、今回の購入対象を広げています。
まず初心者。
モンスター数や経験値、アイテム、パンなどを調整できるため、「初代の厳しさをそのまま受け入れないと遊べない」という状態ではありません。
図鑑もあるので、敵の能力をゲーム内で確認しながら少しずつ覚えられます。
一方で、原作経験者にも意味があります。
敵を増やしたまま経験値を増やさない。パンを減らす。ワナを増やす。モンスターハウスを残したまま資源だけを絞る。
自分で「別のトルネコ」を作れるからです。
難易度を下げるためだけの機能なら、クリア済みの人にはほとんど価値がありません。
今回の調整は、その逆方向にも使える。
この点はリマスターとして明確な長所です。
ただし、2026年に不思議のダンジョンへ初めて触れる人への「最高の入口」かと聞かれると、現時点ではまだ迷います。
ルールの難しさは調整できても、操作そのものの感触は別だからです。
ここへ改善が入れば、初心者へのおすすめ度はかなり上がります。
3,520円なら許せる問題なのか
価格は高くありません。
家庭用ゲーム機とSteamは3,520円。スマートフォン系は3,500円です。
現行機で正式に初代トルネコを遊べることに加え、グラフィック刷新、図鑑、ゲームバランス調整、足元操作、オートセーブなども追加されています。
特にゲームバランス調整まで含めて考えると、3,520円という価格自体を高すぎるとは思いません。
それでも総合点を価格で持ち上げなかったのは、今回の弱点が内容量ではないからです。
追加ダンジョンが少ない、新イベントがない、といった話なら、「3,520円なら十分」という判断もできます。
今回気になっているのはゲームを遊んでいる間ずっと触る操作です。
価格が安いから、斜め移動の違和感や行動間の待ちも半分しか気にならない、ということにはなりません。
安さは長所。
ゲームバランス調整も長所。
操作性は欠点。
そこは混ぜずに評価します。
今買うべき?それとも操作改善を待つ?
初代を遊び込んだ原作ファン
今買う選択は十分にあります。
初代そのものの面白さは残っています。
さらに今回分かったゲームバランス調整の細かさは、この層ほど価値を感じやすい部分です。
原作通りに遊び直すだけでなく、モンスター数や資源量を変え、自分で違う条件を作って潜り直せます。
操作の違和感があることを理解したうえで、それ以上に「また初代へ潜りたい」が勝るなら、3,520円で大きく外した商品ではありません。
初代未経験で、トルネコを遊んでみたかった人
現状では少し待つ方をすすめます。
初代のゲームデザインそのものは、もっと高く評価できる作品です。
最初に触れたリマスターの操作感を「昔のトルネコはこういうゲームだった」と受け取ってしまうのは惜しい。
操作面に明確な改善が入るか確認してからでも遅くありません。
『風来のシレン6』など現在の作品に慣れている人
パッチ待ち寄りです。
初代ならではのシンプルさを楽しむことと、入力時の引っかかりを受け入れることは別です。
現在の軽快な不思議のダンジョンへ慣れているほど、差は感じやすいでしょう。
高難度や縛りプレイが好きな人
調整モードを理由に検討する価値があります。
今回のリマスターで、新たに評価を上げたいのがこの層です。
モンスター数、経験値、アイテム、パン、ワナなどを別々に調整できるため、用意された高難度をクリアするだけではなく、自分で条件を作れます。
記録へ一部反映されない制限はありますが、純粋に「厳しいダンジョンへ潜りたい」という遊び方とは相性がいい機能です。
機種はどれを選ぶ?
現時点では、PS5、Switch 2、Switch、Xbox Series X|S、Steamのどれかを性能だけで一択にできるほどの比較検証は揃っていません。
操作性への不満はSteam以外でも確認されているため、「PS5なら問題なし」「Switch 2なら快適」「Steamだけ避ければいい」とは書けません。
携帯して遊びたいならSwitch 2/Switch、PC環境やSteam Cloudを使うならSteam、トロフィーを含めPlayStation環境で遊びたいならPS5と、現状は普段使っている環境で選ぶのが自然です。
iOS/Android版も同時発売されていますが、タッチ操作は家庭用コントローラーとは条件が違います。
コンソール版の斜め入力問題を、そのままスマートフォン版の欠点として扱うことはできません。
スマホ版については、操作評価を別に考える必要があります。
Steam版には視聴者参加型ダンジョンもある
Steam版には無料DLCとして、「実況配信用 視聴者参加型ダンジョンはじめました(β)」が用意されています。
専用の「ふしぎな声の導きのダンジョン」で、配信を見ている視聴者が冒険へ介入できる特殊な機能です。
Steam公式ではβ版であり、今後変更または終了する可能性があることも案内されています。
配信者にとっては面白い試みですが、一般プレイヤーが通常の『トルネコ』を遊ぶ価値とは別なので、総合点への大きな加点材料にはしていません。
『トルネコの大冒険 ちょっとステキなリマスター』忖度なし評価
| 評価項目 | 点数 | 評価 |
|---|---|---|
| 不思議のダンジョン・ゲームデザイン | 8.8 | ランダム生成、資源管理、一手の判断、喪失と再挑戦の循環は今でも強い。歴史的評価だけで上げた点ではない。 |
| 操作性・レスポンス・テンポ | 5.6 | 現状最大の弱点。斜め入力や反復操作の小さな引っかかりが、このジャンルでは積み重なる。 |
| UI・追加機能・遊びやすさ | 6.9 | 図鑑、足元操作、オートセーブ、細かなゲームバランス調整は明確な改善。ただし基本操作の弱さが全体の快適さを下げている。 |
| バランス・難易度 | 8.2 | 初代のシンプルな判断ゲームは健在。モンスター、経験値、アイテム、パン、ワナなどを個別調整でき、初心者救済にも高難度カスタムにも使える。 |
| グラフィック・音楽・視認性 | 8.0 | 原作の空気を残しつつ現行環境へ刷新。必要なゲーム情報も把握しやすい。 |
| ボリューム・リプレイ性 | 8.4 | ランダム生成だけでなく、カスタムバランスによって原作クリア後にも異なる条件で遊び直せる。初代ならではのシンプルさは好みが分かれる。 |
| 価格・商品価値 | 7.4 | 3,520円自体は妥当。調整機能まで含めれば追加価値もあるが、価格の安さで操作性の問題までは免除できない。 |
| 総合スコア | 6.9 / 10 | 原作は今でも面白く、リマスター独自の調整機能にも価値がある。それでも現在の商品として操作とテンポを見過ごせない。 |
総合6.9は、単純平均ではありません。
ゲームデザインは高く評価しています。
今回確認したゲームバランス調整も、「初心者向けの簡単モード」程度ではなく、リプレイ性を明確に伸ばす機能として評価へ反映しました。
それでも現時点で総合点を上げないのは、操作性がこのジャンルの中心だからです。
もし一度しか開かないメニューが少し遅いだけなら、ここまで重く見ません。
『トルネコ』では、一歩進む操作を何千回も行います。
安全な場所はテンポよく進み、危険になった瞬間だけ止まって考える。
その切り替えが、不思議のダンジョンの気持ちよさです。
だから操作待ちの影響は大きい。
今回、調整モードの再評価を理由に総合点だけを機械的に7点台へ動かすこともしません。
操作性へ明確な改善が入ったと確認できたときに、改めてスコアを見直します。
総評|名作の復活だけではない。遊び方を作れるリマスターだからこそ、操作改善を待ちたい

初代『トルネコの大冒険』が今でも面白いのか。
そこには、かなりはっきりYESと言えます。
次の部屋に何があるか分からない。欲しいアイテムが出るとも限らない。一つ判断を誤れば、それまで持っていたものを失う。
それでも、また地下1階へ降りたくなる。
33年前に作られたゲームの芯は残っています。
そして今回のリマスターは、「昔の名作をもう一度遊べる」だけでもありません。
図鑑、足元操作、オートセーブに加え、ゲームバランス調整があります。
この調整機能は、想像していたより意味が大きい。
モンスターを増やす。
食料を減らす。
ワナを増やす。
経験値だけは原作通りにする。
そんな条件を自分で作れば、同じ初代トルネコでも冒険の意味が変わります。
原作を遊び尽くした人ほど楽しめる追加が入っている点は、今回きちんと評価しておきたいところです。
ただし、それでも現在の総合評価は6.9です。
理由は変わりません。
不思議のダンジョンは、考えるために止まるゲームです。
操作が終わるのを待つゲームではありません。
この二つは似ているようで、まったく違います。
33年ぶりの復活だから。
原作が名作だから。
3,520円だから。
ゲームバランス調整が面白いから。
どれも、現在の商品品質を免除する理由にはしません。
逆に、操作への不満だけを理由にリマスター全体を失敗扱いするのも違います。
中に入っているゲームは強い。
リマスター独自の遊び方も用意されている。
だから遊べば面白い。
だからこそ、操作が余計に気になります。
原作ファンで、久しぶりに初代トルネコへ潜りたい人、あるいは調整モードを使って違う条件で遊び直したい人なら、今買う選択は十分にあります。
初代をこれから初めて遊ぶ人や、現在の不思議のダンジョンの軽快な操作へ慣れている人は、操作面に明確な改善が入るか確認してからでも遅くありません。
現時点の評価は6.9 / 10。
ゲームバランス調整の再評価を含めても、ここは据え置きます。
今後、レスポンス、斜め入力、動作間のウェイトなどへ明確な改善が入ったと確認できれば、そのときは改めて評価を見直します。
今足りないのは、新しいダンジョンでも派手な追加要素でもありません。
せっかく広がった遊び方を、初代トルネコ本来の軽快さで楽しめること。
そこが整えば、「ちょっとステキなリマスター」という名前にも、今よりずっと納得しやすくなります。