新作ゲームレビュー

『三國志14 with パワーアップキット Complete Edition』忖度なしレビュー|“決定版”に9,680円払う価値はある?

『三國志14 Complete Edition』忖度なしレビュー|買う価値はある?

2020年に発売された『三國志14』が、パワーアップキット、2本のシーズンパス、そして2026年の新要素までまとめて再登場しました。

2026年9月10日発売の『三國志14 with パワーアップキット Complete Edition』です。

PlayStation 5/Nintendo Switchの希望小売価格は9,680円(税込)。ダウンロード版はPS5/PS4/Nintendo Switch/Steamで販売され、こちらも9,680円。Windowsパッケージ版のみ10,780円となっています。

一方、『三國志14』をすでに所有している人には、本編を含まない『三國志14 パワーアップキット Complete Edition』が4,950円で用意されています。こちらはPS4/Nintendo Switch/Steam向けのダウンロード専売です。

つまり今回見るべきなのは、単に「三國志14は面白いのか」ではありません。

発売から6年以上が経った作品をベースに、これまでの追加コンテンツと新システムをまとめた“決定版”へ、2026年に9,680円を出せるのか。

そこが評価の中心になります。

先に結論|初めて買うなら有力。ただし現状は「迷わず買い」とまでは言えない

結論から言えば、『三國志14』を初めて遊ぶ人にとっては、現時点で最もまとまったパッケージです。

本編、旧パワーアップキット、シーズンパス、シーズンパス2に加え、「軍情」「功労」「方策」「天の時」「名勝」「熟練モード」など、ゲームの中身へ直接触れる新要素まで入っています。過去作の単純な廉価再販ではありません。

もともと『三國志14』は、一枚の中国大陸を細かな土地に分け、部隊が通った場所を自勢力の色へ塗り替えていく独特の作品です。

都市だけを奪えば終わりではありません。

土地は収入源であり、同時に補給線でもあるため、敵の背後へ回り込んで兵站を切る、要所を押さえて前線を維持する、別方向から色を伸ばして敵の進軍路を断つ、といった戦い方が成立します。

2020年当時から『三國志14』を特徴付けていたこの部分は、今見ても十分に個性があります。4Gamerの発売前プレイレポートでも、色塗りによって経済基盤と軍事行動が直結し、大軍を動かしすぎれば兵糧が急速に失われる設計が確認されています。

Complete Editionは、その土台にかなりの量を積み上げました。

ただし、希望小売価格は9,680円です。

完全新作と大きく変わらない価格であり、しかも2026年9月12日時点では、今回追加された方策や熟練モードを中心に公式確認済みの不具合がまだ残っています。

「三國志14を今から遊ぶならこれ」であることと、「今すぐ約1万円を払っても問題なし」は同じ意味ではありません。

今回の総合評価は7.4/10

ゲームそのものには明確な魅力があります。新規購入なら十分候補に入りますが、“決定版”を名乗る商品としては発売直後の完成度と価格が引っかかりました。

『三國志14』最大の魅力は、今でも兵站と一枚マップ

Complete Editionになっても、このゲームの中心は2020年版から変わりません。

中国大陸全体を一枚のマップで表現し、戦略フェイズで各部隊へ命令を与えたあと、自勢力と敵勢力が同時に動きます。

部隊を出して都市を攻めるだけなら単純ですが、『三國志14』では途中の土地まで重要です。

勢力の色が連続していることには意味があり、前線の部隊と本拠地を結ぶ兵站を断たれれば、一気に不利になります。逆に正面から勝てない敵でも、進軍路を横から切ることで崩せることがあります。

シリーズには内政や武将個人の人生を濃く描く作品もありますが、『14』は明確に「中国大陸でどう戦線を作るか」へ寄せた作品です。

ここが合うかどうかで評価は大きく変わります。

色塗りを陣取りとして楽しめる人なら、府を確保し、補給線を伸ばし、敵の土地へ食い込んでいく過程そのものが面白い。

反対に、都市経営や外交をじっくり行い、武将一人ひとりとの関係を楽しみたい人には、内政があっさりしていると感じやすいでしょう。

地域内政は商業・農業・兵舎などの担当官を置いて伸ばしていく方式で、都市運営そのものを細かく操作するタイプではありません。戦争へ意識を集中しやすい設計ですが、シリーズに求めるものによっては物足りなさも残ります。

旧パワーアップキットは低評価だった。それでも中身すべてが悪かったわけではない

今回のComplete Editionを評価するとき、避けて通れないのが旧パワーアップキットです。

Steamでは2020年版『三國志14 パワーアップキット』が、2026年9月12日時点で378件中22%好評の「やや不評」となっています。かなり厳しい数字です。

ただし、この22%をそのままゲーム内容の点数だと見るのは危険です。

旧PKには「地の利」、異民族、ユーラシア諸外国との交易、短時間で遊べる「戦記制覇」などが追加されました。土地を奪う意味をさらに増やした「地の利」は、もともとの色塗りと相性のいいシステムです。異民族や交易も、領土を広げた先に別の利益を置く仕組みとして機能しています。

一方で、当時はPK本体に加えて追加DLCやシーズンパスが展開され、価格に対する追加量や販売方法への不満もSteam評価へ混ざりました。

Complete Editionでは、そこが大きく変わっています。

シーズンパスとシーズンパス2まで最初から収録されるため、これから買う人が当時と同じように追加コンテンツを一つずつ揃えていく必要はありません。

旧PKの22%を見て「だからComplete Editionもダメ」と決めるのは早計です。

軍情は外交と計略を変えた。ただし「情報戦」の好き嫌いは出そう

2026年版でも特に大きい追加が「軍情」です。

対象勢力へ諜報担当官を送り、継続して軍情を集める「諜報」と、武将を送り込んでまとまった軍情を狙う「偵察」があります。

諜報は隣接勢力が対象で、担当武将の知力が高いほど得られる軍情が増加。偵察はより多くの軍情を得られる代わりに費用がかかり、失敗すれば保有している軍情を失うことがあります。

集めた軍情は外交や計略へ投入できます。

ここで面白いのが、実行時の成功率が明示される点です。

軍情を使うほど成功率を上げられ、公式マニュアルでも、確実に通したい場合は軍情をためて成功率100%で実行する方法が紹介されています。相手側も軍情を使うため、単純な一方通行ではありません。

従来は「能力の高い軍師を置いて、あとは結果を祈る」側面があった外交や計略に、準備という工程が加わりました。

これは悪くありません。

大事な同盟交渉の前に情報を集める。どうしても通したい計略のため軍情を残す。敵の計略成功率を下げる「巡視」を使う。武将を一時的に出陣不能にする「飛語」を狙う。

外交と計略を戦争の前準備として扱いやすくなっています。

一方で、成功率を100%まで引き上げられる以上、見方を変えれば「乱数を軍情という資源へ置き換えた」とも取れます。

軍情をためる作業そのものが面白いか、毎回の準備が増えただけと感じるか。このあたりは評価が分かれそうです。

少なくとも、名前だけ増やした新要素ではありません。

功労と方策は、Complete Editionで最も評価したい新設計

今回の追加で、個人的なプレイ体験を作りやすくなった仕組みが「功労」と「方策」です。

武将は戦闘や任務で功労を積み、「降将」「可用」「中堅」「熟練」「練達」「重鎮」というランクを上がっていきます。

昇格すると指揮できる兵士数や担当可能地域、政策Lvなどが強化され、同時にその武将の主義に応じた「主義P」を獲得します。

その主義Pを使うのが方策研究です。

方策には内政や戦闘を強化するさまざまな効果があり、研究済みの方策から隣接するものへ伸ばしていくツリー形式になっています。君主と同じ主義なら必要な主義Pが軽減され、特定主義の君主でなければ研究できないものもあります。

ここがいい。

『三國志14』は武将数が非常に多い作品ですが、どうしても能力値の高い有名武将へ役割が集中しがちでした。

功労が入ったことで、「誰を働かせるか」が単に目の前の仕事を片付けるだけでなく、その先の勢力成長へつながります。

武将を働かせる。

功労がたまる。

論功する。

その武将の主義Pが入る。

方策を研究する。

この循環ができたことで、武将育成と国家運営が一本の線になりました。

もちろん最終的に効率のいい武将や方策へ収束する可能性はあります。発売直後の段階では、どのルートが定石になるのかまで評価を固定する材料はまだ十分ではありません。

それでも、Complete Editionの追加システムの中では最も『三國志14』本体へ自然に入った要素です。

「天の時」はただのランダムイベントではない

名前だけを見ると、年初に突然ボーナスやペナルティが決まる運任せのシステムにも見えます。

実際はかなり違います。

各勢力には「民望」があり、地域開発、都市の増築、治安、人口、名勝の発見・発展、捕虜の扱いなどによって毎ターン増減します。

そして「王道・礼教」「覇道・我道」「割拠・名利」の3陣営に分け、その年に最も民望が高かった陣営へ「天の時」が与えられます。

獲得した勢力には主義P、外交関係、武将の成長、災害抑制など複数の恩恵があります。逆に天の時を取れなかった陣営の中で民望が最低の勢力には「厄運」が発生します。

これによって、内政が単に金や兵糧の数字を増やすだけではなく、年間を通した勢力評価へつながりました。

内政が薄いと言われやすかった『14』に別の意味を足した点は評価できます。

ただし、強い勢力が内政でも優位になり、そのまま恩恵まで取り続ける構造にならないかは気になるところです。

名勝100か所と歴史イベント190本。物量は文句なし

中国各地には100か所の「名勝」が追加されています。

探索で発見し、その地域の府まで支配すると「金収入増加」「兵糧収入増加」「兵士収入増加」のいずれかの効果を取得。投資で発展Lvを上げることもできます。

どの名勝にどの収入効果が付くかはプレイごとに変化します。

土地を取る理由が「都市への通り道」だけではなくなるため、一枚マップとの相性は悪くありません。

さらに歴史イベントは合計190本、新規だけでも70本以上。

桃園の誓いから五丈原まで相当広い時代をカバーしており、20点の詩文を収めた詩文名鑑も追加されています。

ただ、ここは数字だけで過大評価したくありません。

『三國志14』のイベントの多くは条件を満たしたあと、プレイヤーが「決裁」から任意で実行する形式です。190本すべてが一度のプレイで自然に流れてくるわけではありません。

それでも、史実寄りの展開を楽しみたい人、複数勢力を繰り返し遊ぶ人にとっては明確な強化です。

熟練モードは長く遊ぶ人ほど欲しかった機能。ただし現在は不具合あり

通常の難易度設定とは別に、「熟練モード」が追加されました。

金や兵糧の収入、戦法ダメージ、地形による機動への影響などを数値単位で変更でき、設定は保存して再利用できます。難易度設定とは独立しているため、難易度を変えても細かな設定へ制限はかかりません。

これは何周も遊ぶ歴史シミュレーションと相性がいい機能です。

収入を絞った厳しい環境にする。

戦闘を長期化させる。

特定の要素だけ厳しくする。

自分で遊び方を作れるので、リプレイ性は確実に上がりました。

ところが、ここへ発売直後の問題が刺さっています。

2026年9月12日時点では、「自勢力隣接地域効果」「他勢力隣接地域効果」を99以下にした場合、効果が正常に発揮されない不具合が公式に掲載されています。

細かな数値調整を売りにした新モードで、その数値設定の一部が正常に働かない。

決定版としては残念なところです。

「決定版」なのに、新要素へ未修正の不具合が集中している

発売日にはPS5 Ver.1.001、PS4 Ver.1.29、Nintendo Switch Ver.1.1.1のアップデートが配信されました。

この時点で、建物建設時に進行不能になる問題、Nintendo Switch版でセーブ時に停止する問題、武将スチル一覧をスクロールし続けると進行不能になる問題など、かなりの数がすでに修正されています。

詩文イベント、軍情、巡視、偵察に関する問題も修正済みです。

そのため、発売前や初日の不具合一覧をそのまま並べて「今も全部壊れている」と評価するのは違います。

問題は、修正後も残っている内容です。

9月12日時点では、方策「土崩瓦解」の効果が想定より高くなる、方策「構造強化」「治安強化」「同盟結束」が正常に働かない場合がある、熟練モードの隣接地域効果が正しく発揮されない、同じ武将へ「飛語」を連続使用できるといった問題が公式の既知不具合として残っています。

9月11日には「英傑集結」で袁術配下の李豊が別の武将に設定されている問題なども追加されました。

表示だけの軽微なものも含まれていますが、方策や熟練モードは今回追加された主要システムです。

ここは減点します。

発売から6年を経た作品の「シリーズ集大成」「決定版」として販売する以上、追加した目玉機能くらいはもう一段安定した状態で出してほしかったところです。

Steam35%好評だけを見て「失敗作」と判断してはいけない

発売直後のSteamでは、『三國志14 パワーアップキット Complete Edition』が62件中35%好評の「やや不評」となっています。

数字だけならかなり悪く見えます。

ただし注意が必要です。

このSteamページは、9,680円の新規ユーザー向けComplete Edition全体を単独評価したページではありません。

『三國志14』本編を所有している人向けの4,950円版で、Steam上でも「ベースゲーム『三國志14』が必要」と明記されています。

したがって、

「Complete Editionは35%しか好評ではない」

とそのまま書くのは正確ではありません。

さらにSteamレビューには、ゲームシステムへの不満だけでなく、価格、過去に購入したコンテンツとの重複、販売方法などの商品面の不満も混ざります。

比較すると、2020年の『三國志14』本編は日本語レビューで56%好評の「賛否両論」。旧PKは22%好評です。

この数字から読み取れるのは、「『14』はもともと評価の割れる作品で、PKはさらに厳しく見られてきた」というところまで。

35%という数字だけで、2026年に追加された軍情や功労まで失敗だったとは判断できません。

9,680円は高いのか

ここは悩ましいところです。

中身だけを見ると、Complete Editionはかなり多い。

『三國志14』本編、パワーアップキット、シーズンパス、シーズンパス2、2026年の新要素が一つにまとまっています。

シナリオ、イベント、編集機能、難易度、顔CG、戦記制覇用シナリオなど、過去に分売されたコンテンツも大量に収録されています。

ただし、過去DLCの定価を全部足して「こんなに入っているから9,680円は安い」とするのも違います。

2026年に初めて買う人が必要としているのは、「昔いくらで売られていたか」ではなく、現在約1万円を払ってどれだけ遊べるかです。

その基準なら、ボリューム不足とは言えません。

複数勢力、史実・仮想シナリオ、新武将、戦記制覇、190本の歴史イベント、熟練モードまであり、一作を長く遊び込むタイプなら価格分を回収しやすい。

反面、ベースとなるゲームは2020年作品です。

PS5で発売されたからといって、完全新作並みにグラフィックやUIを一新したわけではありません。

「大量コンテンツを収めた成熟版」にはなっていますが、「2026年の完全新作級の商品」と考えると9,680円は強気です。

旧作所有者は4,950円払う価値がある?

ここは一つの答えにまとめられません。

むしろ新規購入者より、所有状況を確認してから買うべき商品です。

『三國志14』本編しか持っていない場合、4,950円版を買うと、未所有のパワーアップキット、シーズンパス、シーズンパス2、Complete Edition新要素まで取得できます。Steamの商品説明でも、未所有分がまとめて入手できることが明記されています。

この層にはかなり条件がいい。

逆に、本編+PK+シーズンパス+シーズンパス2まで揃えている人は事情が違います。

すでに持っているコンテンツをもう一度評価対象にする意味はなく、4,950円の価値をほぼ2026年の新要素だけで判断することになります。

軍情、功労、方策、天の時、名勝、熟練モード、追加イベントなどは小規模ではありません。それでも4,950円なら、発売直後の不具合が残る現在は急いで買う必要までは感じません。

まとめると、本編だけ所有している人には薦めやすく、過去DLCを多く持っているほど割高感が強くなります。

PS4からPS5版へ移る人は特に注意

PS5版が新たに出たことで、「以前PS4で遊んでいたから、この機会にPS5版へ移ろう」と考える人もいるでしょう。

ここは購入前に知っておくべき点があります。

PS4版からPS5版への無料・有料アップグレードには対応していません。

PS4で使っていた通常のセーブデータもPS5版へ引き継げず、新武将などの各種編集データも移行できません。

引き継げるのはトロフィー、シナリオのクリア状況、コレクション解放状況などのプレイレコードです。

PS4で購入したDLCにもPS5版との互換性はありません。

これはかなり大きい。

PS5版Complete Editionを買い直しても、PS4で進めていた天下統一の途中からそのまま続けることはできません。

なお、同一機種内の旧『三國志14』からComplete Editionへは、新武将や史実武将編集など一部データの引き継ぎがありますが、進行中セーブとは別物です。

「データ引き継ぎ対応」という言葉だけを見て、途中のゲームまで継続できると思わない方がいいでしょう。

PS5・Nintendo Switch・PC、どれを選ぶ?

作品そのものは共通ですが、機種差はあります。

PS5版はアップスケーリングによる3840×2160出力に対応しています。ただし、旧PS4版からのアップグレードやセーブ移行ができないため、既存ユーザーほど注意が必要です。

Nintendo Switch版の強みは、やはり携帯できること。

携帯モード、テーブルモード、TVモードに対応し、タッチ操作もほとんどの場面で利用できます。長時間遊ぶ歴史シミュレーションを場所を選ばず続けられるのは相性がいい。

その代わり、公式FAQでは他機種より「部隊の最大出撃数が減少している」と明記されています。実績機能もありません。

PC版はマウス・キーボードを利用でき、新武将の外部出力・読み込み、『三國志13』系からの登録武将読み込み、武将CG追加ツールなど、編集周辺で家庭用機より自由度があります。家庭用版ではこれらに制限があります。

大画面でじっくり遊ぶならPS5、携帯性ならNintendo Switch、編集や操作環境まで求めるならPCという選び方が分かりやすいでしょう。

ただし、PS5とSwitchのロード時間や大規模戦闘時の性能差については、発売直後の時点で十分な実測比較を確認できていません。

そこを推測で「PS5版が圧倒的に快適」とまでは評価しません。

初心者でも遊べる? 入り口は分かりやすいが、覚えることは多い

『三國志14』の色塗りは視覚的にかなり分かりやすい仕組みです。

自分の領土が広がれば、そのまま地図上の色が増える。

敵に侵入されれば色が削られる。

補給線を切られれば危険になる。

歴史シミュレーション初心者でも、「どこを取られているのか」「どちらが押しているのか」を把握しやすい設計です。

反面、Complete Editionでは地の利、異民族、交易、軍情、功労、主義P、方策、民望、天の時、名勝まで積み重なりました。

2020年版よりできることが増えたぶん、最初に覚える項目も増えています。

シリーズ初心者にとって「簡単なゲーム」ではありません。

それでも、都市画面や人物画面を何層も行き来するタイプではなく、主戦場が一枚マップに集約されているため、複雑な歴史SLGの中では状況を目で追いやすい部類です。

今買うべき? それともパッチ待ち?

『三國志14』を初めて買い、すぐ遊びたいなら、現時点でもComplete Editionを選んで問題ありません。

旧版を別々に買い集める理由はほぼなく、収録量も十分です。

ただし「急いでいない」という条件が付くなら、今は少し待つ選択にも意味があります。

理由は価格ではなく、未修正の不具合です。

方策と熟練モードはComplete Editionの価値を作っている新要素で、その一部が現在も正常に働かないケースがあります。

コーエーテクモゲームスは発売日にすでに多数の修正を入れているため、今後のアップデートで改善される可能性はあります。

ただし、修正予定を現在の評価へ先取りして加点することはできません。

2026年9月12日時点では、

「遊べない状態ではない。しかし決定版として完全に整ったとも言えない」

これが最も近い評価です。

忖度なし評価

評価項目点数評価
戦略・戦争8.6 / 10一枚マップ、土地の色塗り、兵站を軸にした攻防は今でも独自性が高い
武将育成・勢力運営8.1 / 10功労→主義P→方策の流れで、武将と国家の成長がつながった
AI・バランス6.8 / 10従来から評価の割れる部分。新システムを含めた長期的な完成度はまだ判断材料が少ない
ボリューム・リプレイ性9.0 / 10PK、2本のシーズンパス、190本の歴史イベント、熟練モードまで収録。量は非常に多い
操作・テンポ7.0 / 10一枚マップは把握しやすいが、新要素追加で管理項目も増えた
技術・完成度6.5 / 10発売日修正は入ったが、方策・熟練モードなど新要素に未修正不具合が残る
価格・商品価値7.2 / 10新規にはまとまりが良い一方、2020年作品ベースで9,680円は安くない

総合評価:7.4 / 10

単純平均ではありません。

2026年に9,680円を払って一本の商品として薦められるかを基準にしています。

【PS5】三國志14 with パワーアップキット Complete Edition シナリオ「覇気雄心」DLC 同梱

『三國志14』本編とパワーアップキット、シーズンパス2本に加え、軍情・功労・方策・天の時など2026年の新要素を収録したComplete Edition。初めて『三國志14』を遊ぶ人向けに内容をまとめた決定版です。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

総評|『三國志14』の一番いい買い方。ただし“完成した決定版”にはあと一歩

『三國志14 with パワーアップキット Complete Edition』は、名前だけを変えた再販ではありません。

一枚マップ、色塗り、兵站という『14』独自のゲームデザインに、旧PKの地の利や異民族、交易、過去DLCを重ね、さらに軍情、功労、方策、天の時、名勝、熟練モードまで追加しました。

特に功労と方策は、武将を働かせる意味を勢力全体の成長へつなげた点で、今回のComplete Editionらしい追加になっています。

新規購入者なら、今から旧版を追うよりComplete Editionを選ぶのが自然です。

問題は、9,680円という価格と発売直後の完成度。

6年前の作品を基礎にした商品としては高めで、そのうえ「決定版」で新しく加えた方策や熟練モードに未修正の不具合が残っています。

それでも『三國志14』の根本部分まで崩れたわけではありません。

土地を塗り、補給線を作り、敵の兵站を切り、中国大陸へ自分の勢力を広げていく。

このゲームにしかない面白さは今も残っています。

だから評価は低くしません。

ただし、シリーズ40周年や「全部入り」という言葉だけで8点台へ押し上げるほどでもありません。

初めて買う人には「条件付きでおすすめ」。

『三國志14』本編しか持っていない人の4,950円アップグレードは、未所有のPKやシーズンパスまで入るため比較的薦めやすい。

反対にPKと過去DLCをほぼ揃えている人は、4,950円を新要素へ払うことになります。現在の不具合状況まで考えるなら、修正を確認してからでも遅くありません。

PS4からPS5へ移る人も、アップグレード非対応、セーブ・編集データ非互換という条件を確認してから判断した方がいいでしょう。

『三國志14』をこれから始めるための決定版ではある。

ただし2026年9月12日時点では、

「6年かけて仕上がった完全無欠の最終版」では、まだありません。

-新作ゲームレビュー
-, , , ,