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パスキーとは何?パスワードとの違い・機種変更・紛失・iPhone⇔Android移行まで整理

目次
  1. パスキーとは何?パスワードとの違い・機種変更・紛失・iPhone⇔Android移行を解説
  2. パスキーとは?顔認証や指紋そのものではない
  3. パスワードとパスキーは何が違う?
  4. なぜパスキーはフィッシングに強いのか
  5. 一番大事なのは「パスキーがどこに保存されているか」
  6. iPhoneではパスキーはどこに保存される?
  7. Google パスワード マネージャーはAndroidだけではない
  8. Windowsのパスキーは全部Windows Helloに固定されるわけではない
  9. 機種変更では何が起こる?まず「旧端末があるか」で分ける
  10. iPhoneからAndroidへ変えたらパスキーはどうなる?
  11. AndroidからiPhoneの場合も考え方は同じ
  12. 「同期」「転送」「QRコードログイン」「新規登録」は全部別
  13. QRコードで別端末からログインするCDAとは?
  14. Google公式の4分動画でパスキーの基本を見る
  15. スマホをなくしたらパスキーも全部なくなる?
  16. Apple AccountやGoogleアカウントまで使えなくなった場合
  17. 機種変更前に旧スマホを初期化しても大丈夫?
  18. パスキーを設定したらパスワードはもう不要?
  19. パスキーは2段階認証と同じ?
  20. パスキーを削除するとアカウントも消える?
  21. FIDOセキュリティキーに保存するパスキーとは?
  22. FAQ|パスキーでよくある疑問
  23. まとめ|機種変更で最初に確認するのは「パスキーの保存先」
  24. 参考・確認した公式情報

パスキーとは何?パスワードとの違い・機種変更・紛失・iPhone⇔Android移行を解説

「パスキーとiPhone・Android間の機種変更や同期をイメージしたイラスト」

「パスキーを設定すると、Face IDでログインできるらしい」。ここまでは分かっていても、いざ使い始めると別の疑問が出てきます。

このパスキーは、いったいどこに保存されているのか。スマートフォンを買い替えたらどうなるのか。iPhoneからAndroidへ変えても使えるのか。旧端末をなくしたらログインできなくなるのか。

先に重要なところだけ整理すると、パスキーは顔や指紋そのものではありません。パスワードの代わりに使う暗号学的な認証情報で、Face IDや指紋、PINなどは、そのパスキーを使ってよい本人かを端末側で確認する手段です。

もう一つ大切なのは、機種変更したときにどうなるかは「iPhoneかAndroidか」だけでは決まらないことです。Appleの「パスワード」やiCloudキーチェーン、Google パスワード マネージャー、Windows Hello、1Passwordなど、どこに保存したパスキーなのかによって扱いが変わります。

iPhoneとAndroidをまたいで使える方法もあります。ただし「すべてのパスキーが新しいスマートフォンへ自動的に移る」わけでもありません。

この記事では、パスキーの仕組みだけでなく、機種変更、スマートフォンの紛失・故障、iPhoneとAndroid間の移行、QRコードを使った別端末ログインまで、2026年9月時点の仕様をもとに整理します。

パスキーとは?顔認証や指紋そのものではない

パスキー(passkey)は、FIDO2やWebAuthnと呼ばれる仕組みを基盤にしたログイン用の認証情報です。

従来のパスワードは、人が覚えたり入力したりできる文字列でした。これに対してパスキーでは、「公開鍵」と「秘密鍵」という組み合わせを使って本人であることを確認します。

かなり単純化すると、役割は次のように分かれています。

要素主な役割どこにある?
公開鍵サービス側がログイン時の署名を確認するWebサービス側
秘密鍵本人しか作れない署名を生成する端末、認証情報マネージャー、セキュリティキーなど
Face ID・指紋・PINなど秘密鍵を使ってよい本人か端末側で確認する利用している端末側

つまり「Face IDでログインしている」ように見えても、顔画像そのものをWebサービスへ送って認証しているわけではありません。

FIDO Allianceも、生体情報を利用する場合、その情報はユーザーの端末から外へ出ないと説明しています。

Face IDやTouch ID、Androidの指紋認証、Windows Helloの顔・指紋認証、端末のPINなどは、あくまで端末内で秘密鍵の使用を許可するための本人確認です。

パスワードとパスキーは何が違う?

パスワードとパスキーの最大の違いは、「本人とサービスの間で同じ秘密を共有するかどうか」です。

パスワードはサービス側でも照合できるように管理されます。実際のサービスでは平文のパスワードをそのまま保存するのではなく、通常はハッシュ化などの対策が取られますが、利用者が入力する「同じ文字列」を知っていればログインを試せるという性質があります。

一方、パスキーでは秘密鍵をサービス側へ渡しません。サービス側には公開鍵が登録され、ログイン時にはユーザー側の秘密鍵で作った署名を公開鍵で確認します。

比較パスワードパスキー
記憶・入力原則として文字列を入力する通常は顔・指紋・PINなどで端末側の認証を行う
サービス側パスワードを検証できる情報を管理基本的に公開鍵を登録
ユーザー側覚える、またはパスワードマネージャーなどに保存秘密鍵を端末や認証情報マネージャーなどで保護
使い回し利用者が同じものを使い回す可能性があるサービスごとに異なる認証情報が作られる
フィッシング偽サイトへ入力してしまう可能性がある利用先のサイト・アプリに結び付くため、フィッシング耐性が高い
機種変更覚えていれば端末に依存しない。管理アプリで同期する場合もある保存先が同期型か端末固定型かで変わる
紛失時パスワード自体を覚えていれば別端末から使える同期されたパスキー、予備パスキー、サービス側の復旧手段などが重要になる
2段階認証との関係パスワード入力後に別要素を追加することが多い所有要素と端末側の本人確認を組み合わせられるが、サービス側の実装によって扱いは異なる

なぜパスキーはフィッシングに強いのか

「パスキーは安全」とだけ聞くと、暗号が難しいから破られにくい、と考えてしまいがちです。

もちろん暗号技術も重要ですが、フィッシングに強い理由として大きいのは、パスキーが利用するWebサイトやアプリに結び付いていることです。

たとえば本物そっくりの偽ログイン画面へ誘導された場合、パスワードなら利用者自身が文字列を入力してしまう可能性があります。

WebAuthnで使われる公開鍵認証情報は、特定のRelying Party、つまりログイン先となるサービスに紐付けられます。本物とは別のサイトへ、利用者がうっかり同じパスキーを入力して渡す、という構造になっていません。

2026年8月25日にはWebAuthn Level 3がW3C Recommendationとなっています。

ただし、パスキーを使えばあらゆる詐欺を防げるわけではありません。端末のロック解除情報を知られる、アカウント復旧経路を悪用される、利用者自身が別の操作へ誘導されるといった問題は残ります。

一番大事なのは「パスキーがどこに保存されているか」

機種変更を考えるとき、最初に確認したいのは「iPhoneかAndroidか」ではありません。

そのパスキーを、どの認証情報マネージャーや認証器へ保存したのかです。

パスキーには、複数の端末へ同期できるものと、特定の端末やセキュリティキーから動かないものがあります。

同期型パスキー(synced passkey)

AppleのiCloudキーチェーンやGoogle パスワード マネージャーなど、対応するプロバイダーを通じて複数端末から利用できるタイプです。

同じプロバイダーのアカウントを新しい端末へ設定し、必要な復旧認証を完了すれば、新端末から利用できる構成があります。

端末固定型パスキー(device-bound passkey)

特定の端末やハードウェアセキュリティキーに結び付いており、その秘密鍵自体を別端末へ同期しないタイプです。

Windows Helloのローカルコンテナへ保存するパスキーや、FIDO対応セキュリティキーに保存するパスキーなどが代表例です。

主な保存先同期OSをまたげる?端末紛失時特徴
Apple「パスワード」/iCloudキーチェーン対応Appleデバイス間で同期標準の同期先はApple環境。対応マネージャーへの転送やCDAは別の仕組みiCloudキーチェーン側の復旧条件が重要Apple AccountとiCloudキーチェーンを中心に利用
Google パスワード マネージャー同じGoogleアカウントの対応環境で同期AndroidだけでなくiOS/iPadOS、Windows、macOSなどでも利用可能GPM PINや既存Android端末の画面ロックなど復旧認証が関係するChromeを軸に複数OSで利用しやすい
Microsoft Password Managerなど対応する同期型マネージャーでは可能利用するプロバイダーと環境によるプロバイダー側の復旧条件によるWindows Helloローカル保存とは分けて考える必要がある
Windows Helloのローカル保存基本的に同期しない同じ秘密鍵を別端末へ持っていく用途ではない別パスキーやサービス側の復旧経路が必要になる場合がある端末固定型
1Passwordなど第三者マネージャー各サービスの対応範囲による複数OS対応製品ならまたげる場合がある各サービスのアカウント復旧方法によるOS標準とは別の認証情報マネージャーを選べる
FIDOセキュリティキー秘密鍵をクラウド同期しない対応する端末・サービスなら物理キーを接続・タッチして利用キー自体を紛失すると、そのキー内のパスキーは使えない代表的なdevice-bound passkey

iPhoneではパスキーはどこに保存される?

Apple標準の仕組みを使う場合、パスキーは「パスワード」アプリから確認でき、iCloudキーチェーンを使って同じApple Accountの承認済みデバイス間で利用できます。

Appleの案内では、iCloudキーチェーンでパスキーを利用するには、iCloudキーチェーンとApple Accountの2ファクタ認証が必要です。

ここでもFace IDやTouch IDそのものがパスキーではありません。Face IDやTouch ID、端末のパスコードなどで本人確認を行い、その端末からパスキーを使います。

また、現在のiPhoneでは「パスキーを保存するならAppleしか選べない」というわけでもありません。外部の認証情報マネージャーを自動入力・パスキーの保存先として利用できます。

iOS 26以降では対応マネージャー間の安全な転送も導入

AppleはiOS、iPadOS、macOS、visionOS 26で、対応する認証情報マネージャー間でパスワードやパスキーを安全にインポート・エクスポートする仕組みを導入しました。

従来のように、秘密情報をCSVなどのファイルへ一度書き出して手作業で移す方式とは異なります。利用者自身が操作し、Face IDなどによるローカル認証を行ったうえで、対応する認証情報マネージャー同士で転送します。

ただし重要なのは「対応する認証情報マネージャー間」という条件です。

「iOS 26以降なら、AppleのパスキーをどんなAndroid端末やどんなアプリへでも無条件に一括コピーできる」という意味ではありません。

FIDO AllianceのCredential Exchange関連仕様も、2026年9月時点では成熟度がそろっていません。Credential Exchange Format(CXF)1.0はProposed Standardとして公開されていますが、Credential Exchange Protocol(CXP)はWorking Draftです。

つまり、実際に使える製品機能はすでにある一方、「規格がある=あらゆるアプリ同士で相互移行できる」とは言えない段階です。

Google パスワード マネージャーはAndroidだけではない

Google パスワード マネージャーについても、「Androidのパスキー保存先」とだけ覚えていると2026年現在の状況とは合いません。

Googleは2025年1月から、iOS 17/iPadOS 17以降のChromeでもGoogle パスワード マネージャーへパスキーを作成・保存し、同じGoogleアカウントを使う対応環境へ同期できるようにしています。

iPhoneの「設定」からChromeをパスワード・パスキーの自動入力元として有効にすることで、Chromeだけでなく対応するアプリなどでもGoogle パスワード マネージャーのパスキーを利用できます。

ここがiPhoneからAndroidへ乗り換えるときの大きな分かれ目です。

iPhoneを使っていたからといって、パスキーが必ずAppleの「パスワード」に入っているとは限りません。

旧iPhoneの時点からGoogle パスワード マネージャーへ保存していれば、新しいAndroidでも同じGoogleアカウントを使うことで、同じプロバイダーの同期として扱えるケースがあります。

Googleアカウントへログインするだけで必ず復旧するわけではない

ただし、Googleアカウントのメールアドレスとパスワードさえ分かれば、暗号化されたパスキーが無条件で全部復旧する、という説明も正確ではありません。

Google パスワード マネージャーでは、保存したパスキーへのアクセスを復旧するときに、Google Password Manager PIN(GPM PIN)や既存Android端末の画面ロック情報などを利用する仕組みがあります。

新しい端末へ移る前に、Googleアカウントだけでなく、GPM側の復旧方法も確認しておく方が安全です。

Windowsのパスキーは全部Windows Helloに固定されるわけではない

Windowsも少し分かりにくいところです。

Windows Helloを使ってローカルのWindows端末へ保存したパスキーは、端末固定型として扱われます。別のWindows PCへ同じ秘密鍵が自動的に同期されるものではありません。

一方、Windows上でもMicrosoft Password Manager、Google パスワード マネージャー、iCloudキーチェーン、1Passwordなど、同期型の認証情報マネージャーを保存先として使える場合があります。

そのため「Windowsで作ったパスキーだから端末固定」と決めるのではなく、作成時にどこへ保存したかを確認する必要があります。

なお、企業や学校で使われるMicrosoft Entraのパスキーは管理者ポリシーの影響も受けます。一般のMicrosoftアカウントと同じものとして考えない方が安全です。

機種変更では何が起こる?まず「旧端末があるか」で分ける

正常な機種変更と、突然の紛失・故障は同じ話ではありません。

機種変更なら旧端末をまだ操作できます。新端末でログインできることを確認してから旧端末を初期化できるため、かなり安全に移行できます。

一方、紛失、水没、突然の故障では「旧端末を使って移行する」という選択肢そのものがなくなります。

iPhoneからAndroidへ変えたらパスキーはどうなる?

「iPhoneからAndroidへ変えたら、パスキーは全部消える?」という疑問に、一律のYES/NOでは答えられません。

旧iPhoneの保存先新Android側考え方
Google パスワード マネージャー同じGoogle パスワード マネージャー同じGoogleアカウントと必要な復旧認証を使い、同期されたパスキーを利用できる構成
Apple「パスワード」/iCloudキーチェーンGoogle パスワード マネージャーなど別プロバイダーへの移行。双方が対応していれば認証情報マネージャー間転送を利用できる場合がある
Apple側新Androidで対象サービスへ新規登録旧iPhoneのパスキーでCDAログインし、サービス側で新しいパスキーを追加できる場合がある
端末固定型別端末元の秘密鍵自体は同期されない。別パスキーや復旧手段が必要
旧端末がなく、同期済みパスキーにもアクセスできない新Android対象サービスのパスワード、メール、SMS、Authenticator、リカバリーコード、本人確認など別の復旧手段次第

つまり、iPhoneからAndroidへ移るときに最初に見るべきなのはOSではなく、現在のパスキーの保存先です。

AndroidからiPhoneの場合も考え方は同じ

AndroidからiPhoneへ変える場合も、基本は同じです。

AndroidでGoogle パスワード マネージャーに保存しており、新しいiPhoneでもGoogle パスワード マネージャーを使うのであれば、OSをまたぐというより同じ認証情報マネージャーを新端末でも使うという考え方になります。

一方、新しいiPhoneではAppleの「パスワード」へまとめたい場合、Google パスワード マネージャーから別の対応認証情報マネージャーへ転送する話になります。

GoogleはiPhone/iPad版Chromeでも、Google パスワード マネージャーから対応する別アプリへパスワードやパスキーをエクスポートしたり、別アプリからインポートしたりする手順を案内しています。

「同期」「転送」「QRコードログイン」「新規登録」は全部別

パスキーの記事で特に混同しやすいのが、この4つです。

方法何が起きる?パスキーの保存先は変わる?
同期同じパスキープロバイダーを使う複数端末で利用可能になる基本的に同じプロバイダー内
認証情報マネージャー間転送対応する別の認証情報マネージャーへ資格情報を移す変わる
Cross-Device Authentication別端末にあるパスキーを使って、その場でログインする変わらない
新しいパスキーを追加登録対象サービスへ新端末・新プロバイダー用の別パスキーを登録新しい認証情報が増える

特に「QRコードを読んだら、新しい端末へパスキーが移った」と考えないようにしたいところです。

QRコードで別端末からログインするCDAとは?

たとえばPCでWebサービスを開き、「スマートフォンのパスキーを使う」を選ぶとQRコードが表示されることがあります。

そのQRコードをスマートフォンで読み、スマートフォン側でFace IDや指紋認証をすると、PC側のログインが完了します。

これはFIDOのCross-Device Authentication(CDA)と呼ばれる仕組みです。

このとき、スマートフォンにあったパスキーがPCへコピーされたわけではありません。

パスキーは元の端末・認証情報マネージャー側に残ったまま、別端末でのログインに使われています。

なぜBluetoothが必要なの?

CDAではBluetooth Low Energy(BLE)が使われるため、「秘密鍵をBluetoothでPCへ送っているのでは?」と心配になるかもしれません。

FIDO Allianceの説明では、BLEは主に2台の端末が物理的に近くにあることを確認するために使われます。

認証の安全性をBluetoothそのものだけへ任せているわけではなく、CTAPのhybrid transportでは追加の暗号技術によって通信が保護されます。

Google公式の4分動画でパスキーの基本を見る

仕組みを映像で確認したい場合は、GoogleのChrome Developersが公開している公式解説も参考になります。一般向けに近い内容で、パスキーの基本を短時間で確認できます。

スマホをなくしたらパスキーも全部なくなる?

これも保存方法によります。

同期型パスキーであれば、スマートフォン1台をなくしただけで、必ずパスキーそのものまで失うわけではありません。

たとえばiCloudキーチェーンで同期していた場合、同じApple Accountを使う別の承認済みAppleデバイスにパスキーが残っていることがあります。Google パスワード マネージャーでも、同じGoogleアカウントの対応環境へ同期されたパスキーを利用できる構成があります。

ただし「クラウド同期だから絶対大丈夫」とも言えません。

Apple AccountやGoogleアカウントそのものへ入れない、信頼できる電話番号も使えない、復旧に必要な端末ロック情報やPINまで分からない、といった状態では復旧が難しくなります。

また、Windows Helloのローカル保存やFIDOセキュリティキーなど端末固定型のパスキーは、その認証器を失うと、その秘密鍵を別端末から呼び出すことはできません。

その場合は、別に登録したパスキーや、対象サービスが用意する別のログイン・復旧方法が必要です。

Apple AccountやGoogleアカウントまで使えなくなった場合

パスキーをクラウド同期している場合、その同期を管理するアカウントの復旧も重要になります。

Appleでは、iCloudキーチェーンを新しいデバイスへ復旧する際、Apple Account、信頼できる電話番号、端末のパスコードなど複数の情報が関係します。

Google パスワード マネージャーでも、パスキーはエンドツーエンドで暗号化されており、新しい端末で利用を始める際にはGPM PINや既存Android端末の画面ロック情報が使われます。

つまり、Apple AccountやGoogleアカウントの「ログインパスワードだけ」をバックアップしておけば十分、と単純化しない方が安全です。

機種変更前に旧スマホを初期化しても大丈夫?

新しい端末で重要なサービスへ実際にログインできることを確認する前に、旧スマートフォンを初期化するのは避けた方が無難です。

特にiPhoneからAndroid、AndroidからiPhoneのように、OSだけでなくパスキーの保存先まで変える場合は、旧端末が残っているだけで選べる復旧方法が増えます。

  • パスキーがどの認証情報マネージャーに保存されているか確認する
  • 新端末でも同じプロバイダーを利用できるか確認する
  • 同期型なら同期・復旧に必要な設定を確認する
  • 別プロバイダーへ変えるなら正式な転送機能が利用できるか確認する
  • 重要サービスにパスワードや別パスキーなど他のログイン方法が残っているか確認する
  • リカバリーコードを用意できるサービスでは保管場所を確認する
  • 新端末から実際にログインできることを確認してから旧端末を初期化する

銀行、メール、Apple Account、Googleアカウントなど、他サービスの復旧起点になるアカウントは特に先に確認しておきたいところです。

パスキーを設定したらパスワードはもう不要?

2026年時点でも、一律に「パスキーを作ったらパスワードは消える」とは言えません。

サービスによって実装が違うからです。

パスキーを追加しても従来のパスワードが残るサービスもあれば、パスキーを主要なログイン方法として扱うサービス、パスワードレスを前提に設計するサービスもあります。

Googleのように、パスキーを設定しても既存の復旧手段などが残るケースもあります。

したがって「パスキーを登録した=パスワードを覚えなくてよい」「もう復旧手段はいらない」と決めつけない方が安全です。

パスキーは2段階認証と同じ?

同じものではありません。

パスキーでは、パスキーを持つ端末やセキュリティキーという「持っているもの」と、PINや生体認証による端末側のUser Verificationを組み合わせることができます。

そのため、従来の「パスワードを入力したあとSMSコードを入れる」という2段階認証とは仕組みが違います。

ただし、パスキーを使えば必ずすべての追加認証が不要になるわけでもありません。金融サービスや企業システムなどでは、独自のリスク判定や追加確認が入る場合があります。

「パスキーは単なる2段階認証」「パスキーなら2段階認証という考え方は全部不要」のどちらも、一般化しすぎです。

パスキーを削除するとアカウントも消える?

通常、パスキーを削除しただけでWebサービスのアカウント自体が削除されるわけではありません。

ただし、「どこから削除したのか」は確認が必要です。

認証情報マネージャー側から削除

Appleの「パスワード」やGoogle パスワード マネージャーなど、ユーザー側に保存されている認証情報を削除する操作です。

サービス側のアカウント設定から削除

そのパスキーを「このアカウントへログインできる認証情報」として登録しているサービス側の情報を削除する操作です。

両者は同じ操作ではありません。

認証情報マネージャーから消したのにサービス側へ登録情報が残る場合や、サービス側で失効させたあと古い項目がマネージャー側へ残る場合もあり得ます。

重要なサービスでは、サービス側の「セキュリティ」「ログイン方法」「パスキー管理」なども併せて確認した方が確実です。

FIDOセキュリティキーに保存するパスキーとは?

クラウド同期を使わず、物理的なFIDOセキュリティキーへパスキーを保存する方法もあります。

このタイプは代表的なdevice-bound passkeyです。秘密鍵を物理キーから別端末へ同期せず、USBやNFCなどで対応端末に接続して利用します。

たとえばYubicoの「Security Key C NFC」はUSB-CとNFCに対応し、FIDO2/WebAuthnのパスキーを扱える製品です。

Yubico セキュリティキー C NFC(ブラック)ファームウェア5.8 FIDO2/WebAuthn・U2F対応 USB-C/NFC 多要素認証 2要素認証 IP68 防水防塵 耐衝撃

USB-CとNFCに対応したFIDO2/WebAuthn対応の物理セキュリティキー。クラウド同期型とは異なる端末固定型パスキーの保存先として使え、PCやスマートフォンでのパスキー運用を補完できます。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

ただし「パスキーを使うならセキュリティキーを買わなければならない」ということではありません。一般的な個人利用なら、iCloudキーチェーンやGoogle パスワード マネージャーなどの同期型パスキーだけで運用している人も多いはずです。

端末固定型を使いたい場合や、クラウド同期とは別系統の認証手段を用意したい場合の選択肢と考えると分かりやすいでしょう。

FAQ|パスキーでよくある疑問

パスキーは顔認証そのもの?

違います。パスキーは公開鍵暗号を使った認証情報です。Face IDや指紋認証は、その端末にある秘密鍵を使ってよい本人かを確認する手段です。

指紋や顔の情報をAppleやGoogle、Webサイトへ送っている?

FIDO認証では、生体情報を利用する場合でも生体データそのものをログイン先のWebサービスへ送る仕組みではありません。端末側で本人確認を行います。

パスキーはどこに保存されている?

AppleのiCloudキーチェーン、Google パスワード マネージャー、Microsoft Password Manager、Windows Hello、第三者パスワードマネージャー、FIDOセキュリティキーなど、作成時に選んだ保存先によります。

1つのサービスにつきパスキーは1個だけ?

必ずしも1個とは限りません。複数のパスキーを登録できるサービスもあります。ただし登録可能数や管理方法はサービスごとに違います。

同じパスキーを複数端末で使える?

同期型パスキーなら、同じパスキープロバイダーを利用する複数端末で使える場合があります。端末固定型は同じ秘密鍵を別端末へ同期しません。

スマホをなくしたら終わり?

同期型パスキーが別端末に残っている、認証情報マネージャーを復旧できる、別のパスキーやサービス側の復旧手段がある、といった場合はログインできる可能性があります。スマホ1台の紛失だけで必ず終わるわけではありません。

機種変更したらパスキーは作り直し?

同期型なら作り直さず利用できる場合があります。端末固定型や、保存先を変更する場合は、新しいパスキーの登録や転送が必要になることがあります。

iPhoneからAndroidへパスキーは移せる?

条件によります。旧iPhoneでもGoogle パスワード マネージャーを使っていたなら同じプロバイダーで同期できます。Appleの「パスワード」からGoogle パスワード マネージャーなどへ移る場合は、対応する認証情報マネージャー間転送など別の仕組みになります。

AndroidからiPhoneへ移せる?

こちらも保存先次第です。Androidと新しいiPhoneの両方でGoogle パスワード マネージャーを使うなら、同じプロバイダー内での同期として扱えます。Appleの「パスワード」へ移したい場合は別プロバイダーへの転送になります。

QRコードでログインしたら、新端末へパスキーを移したことになる?

なりません。CDAでは別端末に保存されているパスキーをその場で使ってログインしています。元のパスキーがPCなどへコピーされたわけではありません。

QRコード認証でBluetoothを使うのはなぜ?

主に端末同士が物理的に近くにあることを確認するためです。認証の安全性そのものをBluetoothだけへ依存しているわけではなく、FIDOのhybrid transportでは追加の暗号技術が使われます。

Apple AccountやGoogleアカウントのパスワードを忘れたら?

パスキーの同期・復旧まで含めると、各アカウントの復旧手段が重要になります。信頼できる電話番号、端末パスコード、GPM PINなど、利用しているサービスごとの復旧条件を確認してください。

パスキーを削除するとアカウントも消える?

通常は別です。認証情報マネージャー側のパスキー削除と、Webサービスのアカウント削除は同じ操作ではありません。

パスワードとパスキーは併用できる?

併用できるサービスはあります。パスキーを登録してもパスワードや別の復旧方法が残るかどうかは、サービス側の実装次第です。

パスキーを使えば2段階認証は不要?

一律には言えません。パスキー自体が端末の所有とUser Verificationを組み合わせられる一方、サービスによって追加認証を求める場合があります。

共用PCでパスキーを使って大丈夫?

自分のスマートフォンに保存されたパスキーをCDAで使えば、共用PCそのものへパスキーを保存せずログインできる場合があります。ただしログアウト忘れやブラウザに残るセッションなど、パスキー以外の共用PC対策は必要です。

パスキーを複数登録しておく意味はある?

サービスが対応しているなら、異なる端末や認証器に複数登録しておくことで、一つを失ったときの代替経路を用意できる場合があります。ただし複数登録に対応しているかはサービスごとに確認してください。

まとめ|機種変更で最初に確認するのは「パスキーの保存先」

パスキーは、Face IDや指紋そのものではありません。Webサービス側に登録された公開鍵と、ユーザー側で保護される秘密鍵を使ってログインする仕組みです。

機種変更でどうなるかを考えるときは、「iPhoneだから」「Androidだから」とOSだけで判断するより、どの認証情報マネージャーや認証器に保存したパスキーなのかを先に確認した方が分かりやすくなります。

同じGoogle パスワード マネージャーをiPhoneとAndroidで使うなら、OSをまたいでも同期できる構成があります。Appleの「パスワード」から別の認証情報マネージャーへ移す場合は、対応する転送機能を利用できる場合があります。

一方、QRコードを使ったCDAは「移行」ではありません。旧端末にあるパスキーを、その場だけ別端末のログインに使う仕組みです。

そして、クラウド同期しているからといって、どんな状況でも必ず復旧できるわけではありません。Apple AccountやGoogleアカウント側の復旧方法、予備のログイン手段も含めて確認しておくことが大切です。

機種変更なら、旧端末を初期化する前に新端末で重要なサービスへ実際にログインしてみる。これだけでも「移行したつもりだったのに入れない」という事故をかなり避けやすくなります。

参考・確認した公式情報

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