防災・災害

防災気象情報は2026年5月29日から何が変わった?警戒レベル・危険警報・避難指示との違い

目次
  1. 防災気象情報は2026年から何が変わった?危険警報・警戒レベル・避難指示を整理
  2. 防災気象情報は2026年5月29日に何が変わった?
  3. 警戒レベル1~5は何を意味する?
  4. 「レベル4大雨危険警報」と自治体の「避難指示」は同じではない
  5. 旧名称は現在どうなった?2026年5月までとの対応表
  6. 2026年から新設された「危険警報」とは?
  7. 河川氾濫は「どの川か」で見る情報が違う
  8. 河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮を横並びで見ると分かりやすい
  9. 警報が出たら「キキクル」も一緒に確認する
  10. 「気象防災速報」と「気象解説情報」も2026年から登場
  11. 線状降水帯は「半日前・直前・発生」の違いを見る
  12. 明日までの危険は「早期注意情報」と「時系列情報」で先に確認できる
  13. 実際にスマホへ警報が届いたらどう読めばいい?
  14. よくある誤解を整理
  15. 結局、警報が出たときは何を見ればいい?
  16. まとめ|2026年からは「警報名+レベル+自分の場所」で判断する
  17. 主な確認先

防災気象情報は2026年から何が変わった?危険警報・警戒レベル・避難指示を整理

2026年5月29日から変わった防災気象情報と警戒レベル3・4・5、自治体の避難情報の違いを示したアイキャッチ

2026年5月29日から、大雨や河川氾濫、土砂災害、高潮に関する防災気象情報が大きく変わりました。

これまで見慣れていた「大雨警報」「土砂災害警戒情報」「氾濫危険情報」といった名前が変わり、現在は「レベル3大雨警報」「レベル4土砂災害危険警報」のように、情報名と警戒レベルの数字が直接結び付く体系になっています。

ただし、「名前にレベルが付いただけ」と考えると重要な部分を見落とします。

2026年の変更では、警戒レベル4にあたる「危険警報」の新設、河川氾濫の特別警報の創設、大雨・土砂災害・高潮の発表基準の見直し、従来の「気象情報」の再編なども行われました。

最初に覚えておきたいこと
「レベル4大雨危険警報」などの防災気象情報と、市町村が発令する「警戒レベル4 避難指示」は同じものではありません。避難指示がまだ出ていなくても、防災気象情報やキキクル、河川水位などを確認し、危険な場所にいる場合は自ら避難を判断する必要があります。

防災気象情報は2026年5月29日に何が変わった?

新しい防災気象情報の正式な運用開始日は、2026年5月29日です。

気象庁と国土交通省は、それまで災害ごとに異なっていた情報体系を整理し、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮について、住民の避難行動に使われている警戒レベル1~5との関係を分かりやすくしました。

なお、情報発表システムの切り替えは前日の5月28日13時ごろから順次行われました。そのため、厳密には5月28日午後から新名称で発表された地域・情報もありますが、制度上の正式な運用開始日は5月29日です。

見直しの出発点となったのは、気象庁と国土交通省が設置した「防災気象情報に関する検討会」です。2024年6月にまとめられた提言では、従来の情報について「警戒レベルとの対応が複雑で分かりにくい」という課題が整理されました。

その後、気象業務法・水防法の改正も行われ、洪水の特別警報、河川管理者等による氾濫通報、高潮の共同予報・警報といった新しい仕組みが整えられています。

主な変更2026年5月29日以降ポイント
情報名「レベル3大雨警報」など数字を付記警戒レベルとの関係を分かりやすくした
警戒レベル4「危険警報」を運用大雨ではレベル4大雨危険警報を新設
河川氾濫レベル5氾濫特別警報を新設対象は洪水予報河川
洪水警報従来の市町村単位の洪水警報は運用終了大雨情報や河川別情報、洪水キキクルへ整理
気象情報気象防災速報・気象解説情報へ整理速報と解説の役割を分かりやすくした
線状降水帯直前予測を新設発生2~3時間前を目標に知らせる

対象となる中心的な災害は、河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮です。暴風警報や大雪警報、波浪警報など、すべての警報が「レベル3○○警報」に変わったわけではありません。

警戒レベル1~5は何を意味する?

新しい情報名を理解するうえで、先に警戒レベル1~5の意味を押さえておくと分かりやすくなります。

最も重要なのは、「レベル5まで待って避難する」のではなく、危険な場所にいる人はレベル4までに避難するという考え方です。

警戒レベル主な防災気象情報市町村の避難情報住民が意識する行動
5レベル5特別警報など緊急安全確保すでに災害が発生・切迫している可能性が高い。命の危険から直ちに安全を確保する
4レベル4危険警報、キキクル「危険」(紫)など避難指示危険な場所から全員避難
3レベル3警報、キキクル「警戒」(赤)など高齢者等避難危険な場所にいる高齢者など避難に時間を要する人と支援者は避難。その他の人も準備や自主避難を判断する
2レベル2注意報原則なしハザードマップ、避難場所、避難経路などを確認する
1早期注意情報原則なし今後の気象情報に注意し、災害への心構えを高める

「レベル3=高齢者だけ避難」ではない

「高齢者等避難」という名前から、高齢者だけが動く段階だと思われがちですが、そうではありません。

高齢者のほか、障害のある人、乳幼児を連れている人など、避難に時間を要する人とその支援者が危険な場所から避難する段階です。それ以外の人も、普段の行動を見合わせたり、避難の準備を始めたり、状況によっては自主的に避難したりする必要があります。

レベル4は「全員が避難所へ行く」という意味ではない

警戒レベル4で求められるのは、「危険な場所から全員避難」です。

自宅が洪水や土砂災害などの危険区域に入っておらず、安全を確保できるのであれば、必ず指定避難所へ移動するという意味ではありません。安全な親戚・知人宅やホテルなどへ移ることも避難です。

一方で、自宅そのものが危険な場所にあるのに「在宅避難」という言葉だけを理由に残るのは適切ではありません。避難所へ行かず自宅で生活を続けられる条件については、「避難所に行かず家にいてもいい?『在宅避難』ができる条件と支援物資の受け取り方」で詳しく整理しています。

レベル5になってから避難所へ向かうとは限らない

警戒レベル5は、すでに災害が発生しているか、切迫している段階です。

道路が冠水している、土砂が流れ始めている、川が氾濫しているといった状況では、屋外へ出る方が危険なこともあります。指定避難所へ向かうことにこだわらず、近くの頑丈な建物や上層階、崖や川から少しでも離れた場所など、その時点で命を守るために取れる行動を選ぶ段階です。

市町村の「緊急安全確保」は、必ず発令される情報ではありません。レベル5を待つのではなく、レベル4までに避難を終えることが原則です。

https://www.youtube.com/watch?v=M4jAqo0pVls
政府広報オンライン「レベル4で全員避難 防災気象情報のポイント」

「レベル4大雨危険警報」と自治体の「避難指示」は同じではない

2026年以降、最も混乱しやすくなったのがここです。

たとえばスマートフォンに「レベル4大雨危険警報」と表示されても、それ自体が市町村から発令された「警戒レベル4 避難指示」という意味ではありません。

気象庁や国土交通省などが発表するレベル3~5の防災気象情報は、自治体が避難情報を発令する際の判断材料となると同時に、住民自身が危険度を判断するための「警戒レベル相当情報」として使われます。

つまり
「レベル4大雨危険警報が出た」=「市町村が避難指示を発令した」ではありません。
しかし、「避難指示が出ていないからまだ安全」という意味でもありません。

気象庁も、レベル3やレベル4相当の防災気象情報が発表された場合、自治体の避難情報に留意するとともに、避難指示等がまだ発令されていなくても、キキクルや河川の水位情報を使って自ら避難を判断するよう呼びかけています。

防災気象情報と自治体の避難情報の違いを警戒レベル3・4・5と避難行動の対応で示した図解

市町村は気象情報だけでなく、河川の状況、地域の地形、災害実績、現地からの情報などを総合して避難情報を出します。そのため、防災気象情報と避難情報の発表時刻や対象区域が完全に一致するとは限りません。

旧名称は現在どうなった?2026年5月までとの対応表

2026年5月29日の防災気象情報変更で大雨警報・土砂災害警戒情報・氾濫危険情報が現在の警戒レベル付き名称へ変わった主な例を示す図解

古い記事や過去の災害報道では、現在と異なる名称が大量に残っています。

主な情報を整理すると次のようになります。なお、2026年5月28日13時ごろからシステム切り替えが始まったため、表の「旧制度」は原則として切り替え前を指します。

災害・現象2026年5月までの主な名称現在の主な名称注意点
大雨・浸水大雨特別警報(浸水害)レベル5大雨特別警報発表基準も新体系に整理
大雨・浸水明確なレベル4相当警報なしレベル4大雨危険警報2026年に新設
大雨・浸水大雨警報(浸水害)レベル3大雨警報数字を付けただけではなく、洪水情報との整理も実施
土砂災害大雨特別警報(土砂災害)レベル5土砂災害特別警報土砂災害として独立した名称に
土砂災害土砂災害警戒情報レベル4土砂災害危険警報都道府県と気象庁が共同発表する性質は引き継ぐ
土砂災害大雨警報(土砂災害)レベル3土砂災害警報発表基準も見直し
洪水予報河川氾濫危険情報レベル4氾濫危険警報指定河川洪水予報として発表
洪水予報河川氾濫警戒情報レベル3氾濫警報河川名を付けて発表
洪水予報河川氾濫注意情報レベル2氾濫注意報河川名を付けて発表
洪水予報河川氾濫発生情報レベル5氾濫特別警報/レベル5氾濫発生情報レベル5氾濫特別警報を新設し、一体的に発表
一般の洪水洪水警報・洪水注意報従来名称は使用終了大雨情報、河川別情報、洪水キキクルなどへ整理
高潮高潮特別警報・高潮警報・高潮注意報レベル5高潮特別警報/レベル4高潮危険警報/レベル3高潮警報/レベル2高潮注意報単純な名称置換ではなく、基準・役割も再編
線状降水帯顕著な大雨に関する気象情報気象防災速報(線状降水帯発生)線状降水帯の発生を知らせる役割を継承
短時間大雨記録的短時間大雨情報気象防災速報(記録的短時間大雨)気象防災速報へ整理
竜巻等竜巻注意情報気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)速報情報として整理

この表からも分かるように、旧情報をすべて「名前だけ変更した」と考えるのは適切ではありません。

2026年から新設された「危険警報」とは?

2026年の変更で特に目立つのが、「危険警報」という新しい区分です。

危険警報は、重大な災害が起こるおそれが大きい危険な状況を知らせる警戒レベル4相当の情報です。

  • レベル4氾濫危険警報
  • レベル4大雨危険警報
  • レベル4土砂災害危険警報
  • レベル4高潮危険警報

従来も警戒レベル4相当の情報はありましたが、名称が災害ごとにバラバラでした。さらに、大雨による浸水害には明確なレベル4相当の警報がありませんでした。

そこで現在は「レベル4+危険警報」という共通した形を取り入れています。

レベル4大雨危険警報は新しく作られた情報

大雨については、従来の大雨警報の名称をレベル4へ変更したわけではありません。

レベル4大雨危険警報そのものが新設されています。

さらに気象庁は、浸水想定区域外など避難が不要と考えられる場所をあらかじめ発表対象から除外し、レベル4大雨危険警報を発表するエリアや河川を絞り込む仕組みを導入しました。

ただし、「危険警報の対象から外れている場所なら水害は絶対に起こらない」という意味ではありません。小さな河川や局地的な冠水などもあるため、ハザードマップやキキクルを併用する必要があります。

土砂災害は名称だけでなく発表基準も見直された

レベル4土砂災害危険警報は、従来の「土砂災害警戒情報」に近い位置付けです。

現在も、土砂災害防止法に基づき避難判断に使われる情報としての性質を持ち、都道府県と気象庁が共同で発表します。

一方、2026年の再編では発表基準も見直され、土砂災害に関する情報は60分雨量と土壌雨量指数を組み合わせた基準へ整理されました。

レベル3土砂災害警報も、レベル4土砂災害危険警報の基準に数時間先で到達すると予想される場合に発表する考え方となっています。

高潮特別警報も旧制度とは意味が違う

高潮も、旧名称に数字を付けただけではありません。

以前の高潮特別警報は、非常に強い台風などの規模を主な要因として発表する仕組みで、警戒レベルでは4相当として扱われていました。

現在のレベル5高潮特別警報は、高潮による浸水被害が発生している、または著しく切迫するような段階を対象にした情報です。

レベル4高潮危険警報についても、海岸堤防などの最新の整備状況や高潮浸水想定区域などを踏まえて基準が見直されています。

河川氾濫は「どの川か」で見る情報が違う

河川情報は、新制度でも特に分かりにくい部分です。

まず覚えておきたいのは、すべての川で「レベル4氾濫危険警報」が発表されるわけではないことです。

洪水予報河川では「氾濫警報」が出る

国土交通省または都道府県と気象庁が、あらかじめ指定した大きな河川について共同で行うのが「指定河川洪水予報」です。

現在は河川名を付けて、次のように発表します。

  • ○○川レベル2氾濫注意報
  • ○○川レベル3氾濫警報
  • ○○川レベル4氾濫危険警報
  • ○○川レベル5氾濫特別警報/氾濫発生情報

レベル5氾濫特別警報は2026年に新設された情報です。洪水予報河川では、河川の水位観測や予測技術の進歩を背景に、警戒レベル5に相当する危険を特別警報として伝えられるようになりました。

水位周知河川では「警報」ではなく「情報」が使われる

一方、水位周知河川では、河川管理者が水位の到達状況を知らせる情報として、

  • レベル2氾濫注意情報
  • レベル3氾濫警戒情報
  • レベル4氾濫危険情報
  • レベル5氾濫発生情報

といった名称が使われます。

ニュースや防災アプリで「氾濫危険警報」と「氾濫危険情報」の両方を目にすることがあるのは、この違いがあるためです。

小さな川に情報が出ていないから安全、ではない

気象庁は、河川ごとに発表する氾濫警報等について、1級河川などの大きな河川に限られると説明しています。

洪水予報河川でも水位周知河川でもない小河川や用水路などは、同じ形の河川別警報が出ないことがあります。

そのため、河川名の付いた警報が見当たらないことを「この川は安全」と読み替えてはいけません。中小河川では、洪水キキクルや大雨に関する警報、実際の雨量、自治体からの情報などを合わせて確認します。

「氾濫通報」は住民向け警報とは少し役割が違う

2026年の法改正では「氾濫通報」の仕組みも整備されました。

これは、河川や高潮の氾濫が迫っている、または実際に氾濫が発生した状況を河川管理者等が把握した際、気象庁や水防関係機関などへ伝える仕組みです。

住民が「氾濫通報」という通知だけを待つための制度ではなく、レベル5氾濫特別警報や市町村による緊急安全確保など、重大な防災対応につなげるための重要な情報と考えた方が分かりやすいでしょう。

河川では、国土交通省の「川の防災情報」で水位や河川カメラなども確認できます。警報名だけでは分からない「実際に川がどこまで増えているか」を確認する材料になります。

河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮を横並びで見ると分かりやすい

レベル河川氾濫
(洪水予報河川)
大雨土砂災害高潮
5レベル5氾濫特別警報レベル5大雨特別警報レベル5土砂災害特別警報レベル5高潮特別警報
4レベル4氾濫危険警報レベル4大雨危険警報レベル4土砂災害危険警報レベル4高潮危険警報
3レベル3氾濫警報レベル3大雨警報レベル3土砂災害警報レベル3高潮警報
2レベル2氾濫注意報レベル2大雨注意報レベル2土砂災害注意報レベル2高潮注意報
1早期注意情報早期注意情報早期注意情報早期注意情報

数字が同じであれば、住民が意識すべき避難段階も共通して理解しやすくなっています。

ただし発表主体は完全に同じではありません。大雨などは気象台、レベル4土砂災害危険警報は都道府県と気象庁、洪水予報河川は国土交通省または都道府県と気象庁が共同で発表します。高潮も、国土交通大臣が指定した「高潮予報海岸」では国土交通省・気象台・都道府県が連携した予報・警報が行われます。

警報が出たら「キキクル」も一緒に確認する

市町村に警報が出ても、市内すべての場所で同じ危険が迫っているとは限りません。

そこで役立つのが、気象庁の「キキクル(危険度分布)」です。

キキクルは、雨そのものの強さだけではなく、土砂災害や浸水、洪水が発生する危険度の高まりを地図上に色分けして表示します。

  • 土砂キキクル:土砂災害の危険度
  • 浸水キキクル:短時間の大雨による浸水害の危険度
  • 洪水キキクル:主に中小河川の洪水危険度
  • 大雨キキクル:大雨による危険をまとめて確認する表示

土砂キキクルや浸水キキクルでは、1km四方という細かな単位で危険度を確認できます。警報が市町村単位で出ていても、「自宅周辺」「避難経路」「近くの川や崖」の危険度には差があるためです。

ただし、キキクルの色と自治体の避難情報は完全に同じものではありません。

警報等は気象状況を総合して発表されるため、キキクルの色と完全に一致しない場合があります。また、市町村の避難情報は地域のハザードや現地状況なども踏まえて判断されます。

「警報」「自治体の避難情報」「キキクル」「ハザードマップ」のうち、一つだけを見て判断するのではなく、複数の情報を重ねて確認することが大切です。

「気象防災速報」と「気象解説情報」も2026年から登場

2026年5月29日の変更は、警報や注意報だけではありません。

以前は「○○に関する気象情報」という名称が数多くありましたが、現在は役割に応じて「気象防災速報」と「気象解説情報」へ整理されています。

気象防災速報は「今、危険が高まっている」ことを速報する

気象防災速報は、顕著な現象を速報的に知らせる情報です。

  • 気象防災速報(線状降水帯発生)
  • 気象防災速報(線状降水帯直前予測)
  • 気象防災速報(記録的短時間大雨)
  • 気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)
  • 気象防災速報(短時間大雪)

たとえば、長年使われてきた「記録的短時間大雨情報」は現在「気象防災速報(記録的短時間大雨)」として発表されます。

旧名称との違いや発表条件は、「記録的短時間大雨情報は廃止された?新しい『気象防災速報』と何が変わった?」で詳しく整理しています。

気象解説情報は今後の見通しを理解するための情報

一方の気象解説情報は、現在の気象状況や今後の見通しをまとまった形で解説し、これから必要になる防災対応を考えるための情報です。

たとえば「気象解説情報(線状降水帯半日前予測)」や、台風、大雨などに関する解説情報があります。

なお、2026年から「台風情報そのものがなくなった」わけではありません。台風の位置、強さ、大きさ、進路予報などを示す台風情報は引き続き発表されており、それとは別に気象状況や今後の見通しを説明する情報が「気象解説情報」として整理されています。

線状降水帯は「半日前・直前・発生」の違いを見る

線状降水帯に関する情報にも、2026年から大きな変更があります。

段階現在の情報意味
半日程度前気象解説情報(線状降水帯半日前予測)線状降水帯による大雨の可能性が高まっている段階
数時間前気象防災速報(線状降水帯直前予測)今後3時間以内に発生する危険性が高まった段階。発生2~3時間前を目標
発生時気象防災速報(線状降水帯発生)線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まっている段階

「線状降水帯直前予測」は2026年5月29日に始まった新しい情報で、線状降水帯発生の2~3時間前を目標に知らせます。

ただし、あくまで予測です。直前予測が出ても必ず線状降水帯が発生するわけではなく、反対に、予測が出なかったから線状降水帯や大雨災害が起こらないという意味でもありません。

線状降水帯という言葉だけを見るのではなく、レベル3・4の警報、キキクル、自治体の避難情報などと合わせて判断します。

明日までの危険は「早期注意情報」と「時系列情報」で先に確認できる

災害対応は、警報が出てから始めるものではありません。

数日前の段階では「早期注意情報(警報級の可能性)」を見ることで、5日先までに警報級の現象が起こる可能性を「高」「中」の2段階で確認できます。

さらに2026年から、「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」が新しく提供されています。

これは、注意報や警報などの基準を超える現象や、情報の発表が見込まれる時間帯を示すものです。毎日5時、11時、17時、23時に更新され、見通しが大きく変わった場合には臨時に修正されます。

情報を見る順番のイメージ

数日前:早期注意情報

明日まで:時系列情報

危険が近づく:注意報・警報・危険警報

自宅周辺:キキクル、河川水位、ハザードマップ

自治体:高齢者等避難、避難指示、緊急安全確保

実際にスマホへ警報が届いたらどう読めばいい?

制度を覚えるだけでは、実際の大雨時に役立ちません。ここからは表示された情報をどう読むか、具体例で整理します。

例1:スマホに「レベル3大雨警報」が表示された

レベル3大雨警報は、全員が直ちに避難所へ向かうという意味ではありません。

まず、自宅が洪水・浸水などの危険区域に入っているかハザードマップで確認し、キキクルで自宅周辺の危険度を見ます。

危険な場所にいる高齢者など避難に時間を要する人は、自治体の「高齢者等避難」に注意しながら避難を始める段階です。その他の人も、「自分はまだ関係ない」と考えず、避難場所・経路を確認し、必要なら早めに移動します。

例2:「レベル4大雨危険警報」が出たが、避難指示が見当たらない

ここで「市役所から避難指示が来るまで待とう」と考えるのは危険です。

レベル4大雨危険警報は警戒レベル4相当です。自治体の避難指示に十分注意すると同時に、キキクルやハザードマップを確認し、危険な場所にいるなら自ら避難を判断します。

特に夜間や道路冠水が進む前など、移動できるうちに安全な場所へ移ることが重要です。

例3:レベル5相当の情報が出た

レベル5は「最も安全に避難を始められるタイミング」ではありません。

すでに外へ出ること自体が危険な可能性があります。

近くの頑丈な建物へ移る、建物内のより安全な階や部屋へ移るなど、現在地と災害の種類を踏まえ、その時点で命を守るために取れる行動を選びます。

例4:市内に警報は出ているが、キキクルの色には差がある

警報は市町村など一定の区域を対象に発表されるため、その区域内の危険度がすべて同じとは限りません。

自宅が川沿いなのか、崖の近くなのか、低地なのかによって確認すべき情報も変わります。

  • 崖や斜面の近くなら土砂キキクル
  • 低地や地下空間なら浸水キキクル
  • 中小河川の近くなら洪水キキクル
  • 大河川なら指定河川洪水予報や河川水位

そのうえで、自治体の避難情報とハザードマップを重ねて判断します。

よくある誤解を整理

よくある理解実際は
レベル3は高齢者だけ避難すればいい高齢者など避難に時間を要する人が避難する段階。その他の人も準備や自主避難を判断する
レベル4になったら全員避難所へ行く「危険な場所から全員避難」。安全な場所にいる人まで一律に避難所へ行くという意味ではない
避難指示が出るまで待てばいい誤り。レベル3・4相当情報やキキクルなどを使い自ら判断する
レベル5になったら避難を始める遅い可能性がある。原則としてレベル4までに危険な場所から避難する
大雨警報に「レベル3」を付けただけ発表基準や洪水情報との分担を含め体系全体が再編された
危険警報は旧警報の単純な改名大雨のレベル4は新設。高潮なども発表基準が変更されている
河川名の警報が出ていない川なら安全誤り。河川ごとの氾濫警報は主に指定された大きな河川が対象
キキクルの色と避難情報は完全に同じ別の情報。発表主体や判断方法も異なる
線状降水帯直前予測が出れば必ず発生する予測には不確実性があり、発生を保証するものではない

結局、警報が出たときは何を見ればいい?

2026年の防災気象情報は、以前より警戒レベルとの関係が分かりやすくなりました。

それでも、スマートフォンに表示された警報名だけですべてを判断できるわけではありません。

大雨時に確認する基本の順番

  1. まず「レベル3・4・5」の数字を見る
  2. 大雨・土砂災害・河川氾濫・高潮のどの危険なのか確認する
  3. ハザードマップで自宅や現在地が危険区域か確認する
  4. キキクルや河川水位で近くの危険度を見る
  5. 市町村の高齢者等避難・避難指示・緊急安全確保を確認する
  6. レベル4までに危険な場所から離れる

大雨や河川氾濫で実際に家が浸水した後は、警報の読み方とは別の対応が必要になります。水が入った住宅については、片付ける前に残しておきたい被害写真や、床上浸水・床下浸水と被害認定の違いも別記事で整理しています。

まとめ|2026年からは「警報名+レベル+自分の場所」で判断する

2026年5月29日に始まった新しい防災気象情報では、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮について、情報名そのものに警戒レベルの数字が付くようになりました。

特に重要なのは、レベル4に「危険警報」が設けられ、レベル5には河川氾濫の特別警報が新設されたことです。大雨や土砂災害、高潮では発表基準にも変更があり、単なる名称変更ではありません。

そして、「レベル4大雨危険警報」と市町村の「避難指示」は別の情報です。

避難指示が出るまで待つのではなく、警戒レベル、キキクル、河川水位、ハザードマップ、自治体からの情報を組み合わせて、自分がいる場所の危険を判断してください。

数字の意味を一つだけ覚えるなら、「危険な場所にいる人はレベル4までに避難」です。

主な確認先

-防災・災害
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