ユナイテッドアローズはなくなった?TABAYAホールディングスとは

2026年10月1日、「株式会社ユナイテッドアローズ」が「株式会社TABAYAホールディングス」へ商号を変更し、持株会社体制へ移行しました。
名前だけを見ると、「ユナイテッドアローズという会社がなくなった?」「UNITED ARROWSの店舗もTABAYAに変わるの?」と思うかもしれません。
結論からいうと、UNITED ARROWSのブランドや店舗がなくなったわけではありません。ブランド名・店舗名にも変更はありません。
今回変わったのは会社の仕組みです。1989年設立の旧「株式会社ユナイテッドアローズ」がTABAYAホールディングスとなり、その下で、2026年4月に設立された新しい「株式会社ユナイテッドアローズ」が店舗やブランドなどの事業を引き継ぎました。
| 項目 | 2026年10月1日以降 |
|---|---|
| 旧・株式会社ユナイテッドアローズ | 株式会社TABAYAホールディングスへ商号変更 |
| 株式会社ユナイテッドアローズ | TABAYAホールディングス100%出資の事業会社として継続 |
| UNITED ARROWSブランド | 継続 |
| 店舗名 | 変更なし |
| TABAYAの由来 | 「束矢」。UNITED ARROWSと同じ語源 |
| 持株会社化の狙い | 事業領域の拡大、M&A、グループ経営の強化など |
ユナイテッドアローズはなくなった?
まず区別しておきたいのが、「会社」と「ブランド・店舗」は同じではないということです。
2026年10月1日、1989年から続いてきた旧「株式会社ユナイテッドアローズ」という法人は、「株式会社TABAYAホールディングス」へ商号を変更しました。
この意味では、従来の会社は名前が変わっています。
一方で、「株式会社ユナイテッドアローズ」という会社名まで消えたわけではありません。
現在の株式会社ユナイテッドアローズは2026年4月1日に設立された会社で、TABAYAホールディングスが100%出資しています。紳士服・婦人服や雑貨などの企画、仕入れ、販売を担う事業会社です。
さらに、持株会社体制への移行にあたり、公式は「株式会社ユナイテッドアローズ」が子会社として継続することに加え、ブランド名や店舗名にも変更はないと案内しています。
そのため、「ユナイテッドアローズがTABAYAというブランドに変わった」「全国のUNITED ARROWSがTABAYAという店名になる」という理解は正しくありません。
10月1日に何がTABAYAホールディングスへ変わった?
今回のニュースが少し分かりにくいのは、単純な社名変更だけではなく、同時に会社の役割も分けられたためです。
大まかな構造は次のようになります。
2026年9月30日まで
株式会社ユナイテッドアローズ(1989年設立)
└ アパレル・店舗などの事業を展開
2026年10月1日以降
株式会社TABAYAホールディングス
└ グループ全体の経営管理などを担う持株会社
↓ 100%子会社
株式会社ユナイテッドアローズ(2026年4月設立)
└ UNITED ARROWSなどの事業を展開
つまり、「ユナイテッドアローズという会社がそのままTABAYAに改名した」だけでは、今回の再編を十分には説明できません。
旧法人がTABAYAホールディングスという持株会社になり、その下に新しい株式会社ユナイテッドアローズが置かれ、従来の事業を引き継いだというのがポイントです。
1989年設立の会社はTABAYAホールディングスになった
現在のTABAYAホールディングスの設立日は1989年10月2日です。
これは、1989年に設立された旧・株式会社ユナイテッドアローズの法人が、2026年10月1日にTABAYAホールディングスへ商号変更したためです。
現在のTABAYAホールディングスは、グループ各社の事業活動に対する経営管理などを担います。
現在の株式会社ユナイテッドアローズは2026年4月設立
一方、現在の「株式会社ユナイテッドアローズ」は2026年4月1日設立です。
10月1日の会社分割によって、旧会社からグループ管理などを除く事業を引き継ぎました。
ここで「ユナイテッドアローズは2026年創業」と考えるのも正確ではありません。現在の事業会社という法人が2026年設立なのであって、ユナイテッドアローズの事業やブランドの歴史が2026年から始まったわけではないためです。
UNITED ARROWSのブランド名・店舗名は変わらない
普段店舗やオンラインストアを利用している人にとっては、ここが一番重要でしょう。
今回の持株会社化に伴って、UNITED ARROWSのブランド名や店舗名がTABAYAへ変更されるわけではありません。
ユナイテッドアローズは持株会社化について顧客向けのお知らせを出しており、「株式会社ユナイテッドアローズ」はホールディングスの子会社として継続し、ブランド名や店舗名には変更がないことを明記しています。
実際、10月1日以降も公式サイトでは「ユナイテッドアローズ 新潟店」「ユナイテッドアローズ 福岡店」といった従来の店舗名が使われ、UNITED ARROWSブランドの新しい情報も更新されています。
会社名から「ユナイテッドアローズ」が外れたことと、消費者が目にする「UNITED ARROWS」という名前が消えることは、別の話です。
似たケースとして、2026年10月1日にはゲオホールディングスも「セカンドリテイリング」へ社名を変更しています。こちらも会社名と店舗ブランドを分けて考える必要があります。詳しくはゲオは10月1日になくなる?「セカンドリテイリング」への社名変更とGEO店舗への影響で整理しています。
「TABAYA」とは何?名前の由来は「束矢」
では、なぜ新しい持株会社は「TABAYA」という名前なのでしょうか。
TABAYAは「タバヤ」と読みます。
公式の説明では、漢字で「束矢」と表現され、UNITED ARROWSと同じ語源を持つ名前です。
UNITED=束ねる
ARROWS=矢
↓
束ねた矢=束矢=TABAYA
まったく関係のない新しい名前に置き換えたのではなく、ユナイテッドアローズの意味を日本語側から捉え直した名称というわけです。
TABAYAホールディングスは、複数の事業を「束ねる」組織であることや、今後のグローバル展開を考えて日本語由来の名称としたことも説明しています。
さらに興味深いのが、「ユナイテッドアローズ」という名称を持株会社へ直接付けないことについて、M&Aの実効性を高める狙いも公式に挙げられている点です。
UNITED ARROWSという一つのブランドや既存事業だけを表す親会社ではなく、今後さまざまな事業を束ねていく会社としてTABAYAという名称が選ばれています。
「TABAYA United Arrows」は2025年から存在する
実は「TABAYA」という名前は、2026年10月の社名変更で突然登場したものではありません。
2025年4月25日、東京・原宿に「TABAYA United Arrows」がオープンしています。
こちらもUNITED ARROWSの和訳に由来する「TABAYA」の名を使っていますが、今回のTABAYAホールディングスとは区別する必要があります。
| 名称 | 何を指す? |
|---|---|
| TABAYAホールディングス | グループを管理する持株会社 |
| 株式会社ユナイテッドアローズ | 店舗・ブランドなどの事業を担う事業会社 |
| UNITED ARROWS | ブランド・店舗名 |
| TABAYA United Arrows | 2025年に原宿でオープンした店舗 |
「TABAYA United Arrowsという店がTABAYAホールディングスになった」という関係ではありません。
なぜ持株会社化した?TABAYAが目指すもの
有名な「ユナイテッドアローズ」という名前を、なぜ親会社から外したのでしょうか。
今回の再編は、ユナイテッドアローズ事業を終了するためのものではありません。公式資料を見ると、むしろ事業の範囲を広げる方向がはっきり示されています。
TABAYAグループは中期経営計画で、ファッションを軸とする既存事業を伸ばす一方、アパレル以外の領域への進出も検討・実施し、事業と顧客層を広げる方針を掲げています。
新たな事業領域についてはM&Aも選択肢に入れ、ユナイテッドアローズのテイストを生かしたライフスタイル領域だけでなく、異なるテイストのアパレルや高価格帯アパレルなどへの拡張も計画しています。
持株会社化には、こうした複数の事業を束ねながら、グループ経営を進めやすくする狙いがあります。
実際、現在のTABAYAグループには株式会社ユナイテッドアローズだけでなく、シューシャインサービス「Brift H」を運営するBOOT BLACK JAPAN、ファッションブランド「TELMA」を手がける株式会社TELMA、ジュエリーブランドを展開する株式会社ビジュードエムなどが加わっています。
10月1日には「TABAYA TRANSIT」も設立
持株会社への移行と同じ2026年10月1日には、TABAYAホールディングスとトランジットホールディングスによる合弁会社「株式会社TABAYA TRANSIT」も設立されました。
ライフスタイル領域での新規事業開発や、飲食事業の運営・展開などを目的とする会社です。
これは、TABAYAグループが従来のアパレルだけに事業領域を限定しない方向へ進んでいることを理解する一例になります。
ただし、現時点で具体的な事業内容のすべてが決まっているわけではありません。今後どのような店舗やサービスを展開するのかについては、今後の正式発表を待つ必要があります。
オンラインストア・会員サービスへの影響は?
社名が変わったことで、「ユナイテッドアローズのオンラインストアもなくなるのでは?」と気になる人もいるでしょう。
2026年10月2日現在、「UNITED ARROWS ONLINE」は引き続き運営されています。
実際、10月2日にもUAクラブ会員を対象としたキャンペーンが公式サイトで告知されており、10月9日から19日までUNITED ARROWS ONLINEを含めて実施する予定です。
そのため、今回の持株会社化によってオンラインストアが終了したり、「TABAYA ONLINE」のような名称へ一斉変更されたりした事実はありません。
一方で、今回の再編を理由に、会員制度やポイント、利用規約、決済時の表示など将来を含めたあらゆるサービスが一切変更されない、とまで広げて考える必要はありません。
少なくとも現時点では、UNITED ARROWS ONLINEやUAクラブを従来どおり利用できる状態が続いています。
株や株主優待はどうなった?
株式についても、別会社に買収されて上場廃止になったという話ではありません。
TABAYAホールディングスは東証プライム市場に上場しており、証券コードは従来と同じ7606です。
株主優待制度も現在のTABAYAホールディングス公式サイトで案内されています。
2026年に贈呈された株主優待券は、対象となるTABAYAグループの店舗に加えて「ユナイテッドアローズ オンライン」でも利用できます。1枚につき対象商品の購入価格から15%割引となりますが、アウトレットや一部店舗・商品など対象外もあります。
会社名がTABAYAホールディングスになったからといって、株主優待でユナイテッドアローズを利用できなくなったわけではありません。
社名変更までの流れ
今回の持株会社化は、10月1日に突然決まったものではありません。流れを簡単に整理すると次のようになります。
| 時期 | 主な動き |
|---|---|
| 1989年10月2日 | 旧・株式会社ユナイテッドアローズ設立 |
| 2025年4月25日 | TABAYA United Arrowsが原宿にオープン |
| 2026年4月1日 | 現在の株式会社ユナイテッドアローズを設立 |
| 2026年5月 | TABAYAホールディングスへの商号変更など、持株会社化の詳細を発表 |
| 2026年10月1日 | 持株会社体制へ正式移行。旧会社がTABAYAホールディングスとなり、新しい株式会社ユナイテッドアローズが事業を承継 |
| 同日 | 株式会社TABAYA TRANSITを設立 |
まとめ|ユナイテッドアローズが消えたのではなく、会社の形が変わった
2026年10月1日に変わったのは、UNITED ARROWSというブランドや店舗ではなく、グループの会社構造です。
1989年設立の旧・株式会社ユナイテッドアローズは「株式会社TABAYAホールディングス」となり、グループ全体を束ねる持株会社へ移行しました。
その下では、2026年4月に設立された新しい「株式会社ユナイテッドアローズ」が従来の事業を引き継いでいます。
UNITED ARROWSのブランド名や店舗名に変更はなく、UNITED ARROWS ONLINEも引き続き運営されています。
そして「TABAYA」は、UNITED ARROWSと無関係な新しい言葉ではありません。「束ねた矢」を表す「束矢」に由来し、UNITED ARROWSと同じ語源を持つ名称です。
今回のニュースは「ユナイテッドアローズがTABAYAへ改名した」とだけ捉えるより、「旧会社がTABAYAという持株会社になり、その下で新しいユナイテッドアローズが事業を続けるようになった」と考えると分かりやすいでしょう。