- PlayStationメモリーカードは15ブロック|容量・使い方・セーブを消した時代を解説
- まず結論|「15ブロック」は15個のセーブという意味ではない
- なぜ15ブロックで「15本のゲーム」を保存できるとは限らないのか
- 1ブロックで済むゲームもあれば、最大15ブロック使うゲームもあった
- 新しいゲームを始める前、まず空きブロックを確認する
- 管理画面には、これまで遊んだゲームのアイコンが並んだ
- 空きがなければ「消す」か「別のカードへ移す」
- SCE自身が「ジャンル別に色分けして保存する」使い方を提案していた
- セーブ中・コピー中の抜き差しは、本当に危険だった
- 非純正の大容量メモリーカードも登場したが、全部が同じ仕組みではない
- PocketStationは「メモリーカードの先」に機能を足した
- PS2では8MBへ拡大|それでもPS1のセーブにはPS1用カードが必要だった
- 物理カードがなくなっても「15ブロック」は仮想メモリーカードとして残った
- 現在もセーブ容量はある。それでも当時とは感覚が違う
- PlayStationメモリーカードについて、よくある誤解を整理する
- 「なぜ15ブロックだったのか」は、まだ断定できない
- ゲームを買って家へ持ち帰った、その先にあった「保存する」という体験
PlayStationメモリーカードは15ブロック|容量・使い方・セーブを消した時代を解説

新しいゲームを買ってきた。
ディスクをPlayStationへ入れ、遊び始める。ところが、セーブしようとしたところで気になることがある。
メモリーカードの空きは、あと何ブロック残っていただろう。
初代PlayStationの純正メモリーカードで、ゲームデータに使えた領域は15ブロックだった。ただし「15ブロック=15本のゲームを保存できる」という意味ではない。1ブロックで済むゲームもあれば、2ブロック、6ブロック、さらに7~15ブロックを使う作品まで存在した。
空きが足りなければ、以前のゲームデータを削除する。もう1枚カードがあるなら、そちらへコピーする。別の空きカードに差し替える方法もある。
現在もセーブデータの容量管理そのものが消えたわけではない。しかし1990年代後半には、ゲームの記録を「15ブロックの物理カード」として手元に持ち、何を残して何を消すかをカード単位で判断する場面があった。
今回は、初代PlayStationのメモリーカードが実際にはどんな仕組みだったのか、15ブロックとは何を意味したのか、ゲームごとにどれほど必要量が違ったのかを当時の公式資料やゲーム説明書まで遡って確認する。
まず結論|「15ブロック」は15個のセーブという意味ではない
初代PlayStation用の純正メモリーカード「SCPH-1020」は、PlayStation規格ソフトウェアのゲームデータを保存するための外部記録媒体だ。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の後年の公式資料では、容量は15ブロック、約120KBと案内されている。
ただし、この「120KB」はカード内部のメモリー全体をそのまま表した数字ではない。
PlayStationメモリーカードのデータ形式を解析した技術資料では、メモリー全体は131,072バイト。現在の2進接頭辞で表せば128KiBで、8,192バイト(8KiB)ずつ16ブロックに分割されている。
そのうち最初の1ブロックは、ファイル管理などに使用される。残る15ブロックがゲームデータの保存領域だ。
| 項目 | 容量・構成 | 意味 |
|---|---|---|
| メモリー全体 | 131,072バイト(128KiB) | カード内部の総領域 |
| 1ブロック | 8,192バイト(8KiB) | 16分割された単位 |
| 管理領域 | 1ブロック | ディレクトリなどに使用 |
| ゲームデータ領域 | 15ブロック=122,880バイト(120KiB) | ユーザーがゲーム保存に使う領域 |
つまり、「15×8KB=120KBだからカード全体も120KB」という理解では正確ではない。
SCEがユーザー向けに案内していた「15ブロック、約120KB」と、カード内部の物理的な総容量は分けて考える必要がある。
なぜ15ブロックで「15本のゲーム」を保存できるとは限らないのか
15ブロックという数字を見れば、「ゲーム1本につき1ブロックなら15本分」と考えたくなる。
実際には、ゲーム側が何ブロック使うかは作品ごとに違った。
1つのゲームデータが複数ブロックにまたがることもできる。反対に、1ブロックの中でゲーム側が複数の進行データを管理する設計も可能だった。
したがって、メモリーカードの「15」はセーブ件数ではなく、ゲームデータへ割り当てられる保存領域の単位が15個あったと考える方が正確だ。
1ブロックで済むゲームもあれば、最大15ブロック使うゲームもあった
では、実際のゲームは何ブロック使っていたのか。
メーカー公式ページや当時のゲーム説明書で確認できる作品だけを比べても、かなり差がある。
| ゲーム | 使用ブロック | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| COLONY WARS | 1 | アートディンク公式商品情報に「メモリーカード 1ブロック」 |
| Echo Night | 2 | 1つのセーブデータに2ブロック。複数データを作る場合はさらに空きが必要 |
| KING'S FIELD | 6 | 公式説明書に「メモリーカード 6ブロック」 |
| A5 A列車で行こう5 | 7~15 | アートディンク公式ページに「7~15ブロック使用」 |
『COLONY WARS』なら1ブロックなので、ほかのデータをかなり残せる。
『Echo Night』は1データにつき2ブロック。説明書には、複数のデータを作る場合は、そのぶん空きブロックが必要になることまで書かれている。
初代『KING'S FIELD』は6ブロック。1本のカードの4割を使う計算になる。
さらに『A5 A列車で行こう5』は7~15ブロック。条件によっては、1枚のメモリーカードでゲーム用に使える領域すべてを必要とする。
ここから分かるのは、「RPGは大容量」「アクションは小容量」と単純にジャンルで分けられないことだ。
保存する情報量やセーブ方式は、ゲームごとに違う。必要ブロック数は、その作品の説明書やパッケージを確認する意味があった。
新しいゲームを始める前、まず空きブロックを確認する
ここで1990年代後半のPlayStationの前へ戻ってみよう。
新しく買ったゲームの説明書を見る。そこには、セーブに必要なメモリーカードのブロック数が書かれていることがある。
たとえば必要数が6ブロックだったとする。
自分のカードに6ブロック以上空いているか分からなければ、本体のメモリーカード管理画面を開く。
SCEのPlayStation本体取扱説明書には、ゲームデータを保存する前に必要ブロック数とカードの空きを確認するよう案内がある。空きブロック数より大きなゲームデータは保存できない。
現在なら、ゲームを始めてからセーブ容量を強く意識しないまま遊ぶことも多い。
PlayStationでは、「このゲームは何ブロック使うのか」という情報そのものが、ゲーム開始前に確認する意味を持っていた。
管理画面には、これまで遊んだゲームのアイコンが並んだ
PlayStation本体には、ゲームとは別にメモリーカードを管理する画面が用意されていた。
SCPH-7500の公式取扱説明書では、画面上に「カード1」と「カード2」の内容が並び、ゲームデータはそれぞれアイコンとして表示されている。
ここには、COPY、COPY ALL、DELETEといった操作も用意されていた。
そして面白いのが、公式説明書に「アイコンの数が使用しているブロック数を表わします」と説明されていることだ。
つまり使用容量は、数字だけを見るものではない。
どのゲームのデータがカードの中でどれだけ場所を取っているのかを、画面上のアイコンとして目で確認できた。
新作のために6ブロック空けたい。管理画面を見ると、以前遊んだゲームのアイコンが並んでいる。
ここで初めて、「どの記録を残すか」という判断が具体的になる。
セーブデータのアイコンは静止画だけではなかった
PlayStationメモリーカードのデータ形式を解析した技術資料では、セーブデータのアイコンは16×16ピクセルで、静止画だけでなく2フレーム、3フレームのアニメーションにも対応していたことが確認できる。
小さな表示ではあるが、ゲームごとに違うアイコンを持たせられた。
管理画面は単なるファイル一覧ではない。ゲームの記録に、それぞれ小さな「顔」が付いていた。
空きがなければ「消す」か「別のカードへ移す」
必要な空きがない場合、PlayStation本体だけでもデータを整理できた。
不要なセーブデータを削除する
DELETEを選び、カードを指定し、削除したいゲームデータのアイコンを選択する。
そのまま即座に消えるのではなく、「ほんとうにDELETEしてよろしいですか?」という確認画面も用意されていた。
それでも削除すれば、本体側に元へ戻すための一般向け復元機能はない。
クリア済みのゲームを残すか、新しいゲームのために空けるか。これはメモリーカードの仕組み上、実際に起こり得る選択だった。
2枚のメモリーカードを挿してコピーできた
「カードがいっぱいになったら、必ずデータを消すしかなかった」というわけでもない。
初代PlayStationにはメモリーカード差込口が2つあり、2枚を同時に装着できた。
管理画面のCOPY機能を使えば、カード1からカード2へ、カード2からカード1へゲームデータをコピーできる。COPY ALLを使って、カード内のデータをまとめてコピーする機能もあった。
つまり選択肢は、単純な「残すか消すか」だけではない。
- 不要なデータを削除する
- 別のカードへコピーする
- 空きのある別カードを使う
- 新しいメモリーカードを用意する
という管理ができた。
ゲームを買うことと、そこで生まれる記録をどのカードへ残すかということが、現在よりも近い距離にあった。
SCE自身が「ジャンル別に色分けして保存する」使い方を提案していた
メモリーカードを何枚も使い分ける文化については、後年の思い出話だけで判断する必要はない。
1998年2月17日、SCEはカラーメモリーカードをシリーズ化し、2月26日から9色を発売すると発表した。
グレー、エメラルド、アイランド・ブルー、ホワイト、チェリー・レッド、クリスタル、レモン・イエロー、キャンディー・オレンジ、ブラックの9色で、標準価格はいずれも1,800円(税別)。
そして発表文には、色の選択肢が増えるだけではなく、ゲームのジャンル別にメモリーカードを色分けしてゲームデータを保存する使い方まで明記されている。
カードを1枚ずつ収納するメモリーカードケースも、標準価格200円(税別)で同年3月から別売予定とされた。
これは重要な資料だ。
「当時のユーザーは全員カードを何枚も持っていた」とまでは言えない。所有枚数を示す全国的な統計も今回確認できていない。
しかし、複数のメモリーカードを色で分けて使う方法をメーカー自身が提案していたことは確認できる。
RPG用、レースゲーム用、家族用といった分類を実際にどれだけの人がしていたかは別として、複数カードを管理すること自体はハードの使い方として想定されていた。
「純正メモリーカードはいくらだった?」の答えには時期が必要
今回一次資料で確定できるのは、1998年2月のカラーメモリーカードが1,800円(税別)だったことだ。
一方、1994年12月のPlayStation発売当初におけるSCPH-1020の初期価格については、今回確認できた一次資料だけでは確定できなかった。
そのため、「発売当初から1,800円だった」などとは断定しない。
同様に、1994年12月3日の初期型SCPH-1000の発売時パッケージにメモリーカードが同梱されていたかどうかも、今回確保した当時一次資料だけでは確定できていない。
後年の本体資料やゲーム説明書ではメモリーカードを別売周辺機器として扱っているが、発売初日のセット内容までさかのぼって断定するのは避ける。
セーブ中・コピー中の抜き差しは、本当に危険だった
メモリーカードについて語られる思い出には、「データが突然消えた」「カードが壊れた」という話も多い。
ここは、体験談と公式に確認できる事実を分けなければならない。
SCEの純正メモリーカード取扱説明書には、セーブ中にカードを抜き差しするとデータ破損につながるため行わないよう注意がある。
本体のCOPY操作についても、アイコンが動き終わるまでカードを抜かないよう説明されている。
さらに純正カードの説明書には、何らかの原因でデータが消失・破損した場合、復旧・修復はできないと明記されている。
つまり、データ破損の危険そのものは後年に生まれた都市伝説ではない。
ただし、どの程度の頻度で発生したかを示す統計は確認できない。
「PlayStationのメモリーカードはよく壊れた」「頻繁に全データが消えた」とまで一般化する根拠にはならない。
非純正の大容量メモリーカードも登場したが、全部が同じ仕組みではない
純正の15ブロックを超える容量をうたったサードパーティ製メモリーカードも存在した。
複数の15ブロック領域をバンクやページのように切り替えて使用するタイプなどが確認できるが、製品ごとに内部方式は異なる。
ネット上では「大容量カードは圧縮していた」「非純正は壊れやすかった」と一括りにされることもある。
しかし、すべての製品が同じ方式だったわけではなく、故障率を比較できる十分な公式統計も確認できない。
存在そのものは当時の容量問題を考えるうえで重要だが、非純正カード全体を「危険だった」と扱うのは避けた方がいい。
PocketStationは「メモリーカードの先」に機能を足した
1999年1月23日に発売されたPocketStationも、PlayStationのセーブ文化を考えるうえでは外せない。
当初は1998年12月23日の発売が予定されていたが、同年12月に1999年1月23日へ延期された。
PocketStationは液晶画面、CPU、ボタン、赤外線通信などを持つ小型端末だが、SCEは発表時点から従来のメモリーカードと同様に使用できることを案内していた。
フラッシュRAMは128KB。後のPS2取扱説明書でも、PlayStation用ゲームデータを15ブロック、約120KB保存できるものとして扱われている。
つまりPocketStationは、15ブロックというPlayStationの保存環境を捨てて新しい規格へ移ったのではない。
メモリーカードとしての役割を残したまま、その先に携帯ゲーム的な機能を足した製品だった。
PS2では8MBへ拡大|それでもPS1のセーブにはPS1用カードが必要だった
2000年にPlayStation 2が登場すると、専用メモリーカードの容量は約8MBへ大きく増える。
PS2の公式取扱説明書では、2種類のメモリーカードがはっきり区別されている。
| メモリーカード | 対応ソフト | 容量表記 |
|---|---|---|
| SCPH-1020 | PlayStation規格ソフトウェア | 15ブロック(約120KB) |
| SCPH-10020 | PlayStation 2規格ソフトウェア | 約8MB |
数字だけを見れば、一気に大容量化した。
表示単位もPS1の「ブロック」から、PS2では「キロバイト」へ変わっていく。
ただし、「PS2を買えばPS1用メモリーカードは不要になった」と考えるのは間違いだ。
PS2本体でPlayStation規格ソフトウェアのセーブやロードを行う場合、公式説明書はPlayStation用メモリーカードSCPH-1020を使用するよう案内している。
PS2専用8MBカードへ、PS1ゲームから直接セーブすることはできない。
機種が新しくなっても、昔のゲームを遊ぶ限り、そのゲームが前提としていた保存媒体は残った。
物理カードがなくなっても「15ブロック」は仮想メモリーカードとして残った
さらに面白いのは、その後だ。
PS3では、PS1やPS2のセーブ環境をハードディスク内の「仮想メモリーカード」として扱う仕組みが用意された。従来の物理メモリーカードからデータを移すためのメモリーカードアダプターも存在した。
PSPでPlayStation規格ソフトウェアを遊ぶ場合も、セーブデータは仮想メモリーカードへ保存される。
そしてPSPの公式ユーザーズガイドには、1つの仮想メモリーカードに保存できるセーブデータは15ブロックと明記されている。ゲームによって必要ブロック数が違う点も、そのままだ。
PS Vita/PS TVでも同様に、PlayStation規格ソフトウェア用の仮想メモリーカードは15ブロックとして扱われた。
つまり、物理的な灰色のカードを本体へ差し込む行為は消えても、PlayStation用ゲームが前提とする「15ブロックのメモリーカード」という構造そのものは、しばらく仮想化されて生き残った。
現在もセーブ容量はある。それでも当時とは感覚が違う
2026年現在も、セーブデータの管理そのものが不要になったわけではない。
PS5ではセーブデータを本体ストレージで管理でき、PlayStation Plus加入者は対応するセーブデータをクラウドストレージへ同期・アップロードできる。
Nintendo Switchでもセーブデータは本体保存メモリーへ保存される。Nintendo Switch Onlineの「セーブデータお預かり」に対応するソフトでは、バックアップも利用できる。
今でも容量には上限があり、データを削除する場面はある。
ただ、1990年代のPlayStationと大きく違うのは、ゲームを始める前から「この物理カードにあと何ブロック空いているか」を意識する必要が大きく減ったことだ。
当時は保存領域が目の前にある。
カード1枚。
15ブロック。
画面には、これまで遊んできたゲームのアイコン。
新しいゲームを保存するには、どれだけ空ければいいのか。
それをユーザー自身が考えていた。
PlayStationメモリーカードについて、よくある誤解を整理する
| よくある認識 | 確認結果 |
|---|---|
| 15ブロック=15個のセーブ | 誤り。ブロックは保存領域の単位で、1データが複数ブロック使うこともある |
| 1ブロック=1ゲーム | 誤り。ゲームによって必要ブロック数は異なる |
| カード全体の容量が120KB | 不正確。公式の約120KBは15ブロックのゲーム用領域。技術資料では総容量131,072バイト |
| すべてのゲームが1ブロックでセーブできた | 誤り。2、6、7~15ブロックなどの公式確認例がある |
| 10ブロック以上使うゲームはなかった | 誤り。『A5 A列車で行こう5』は7~15ブロック使用 |
| 本体だけではセーブデータを消せなかった | 誤り。管理画面にDELETE機能がある |
| 2枚のカード間ではコピーできなかった | 誤り。COPY、COPY ALL機能がある |
| メモリーカードは1枚しか挿せなかった | 誤り。差込口1・2を利用できる |
| 非純正カードは必ず壊れた | 一般化できない。製品ごとの違いがあり、故障率を比較できる十分な資料は確認できない |
| セーブ中に抜けば必ず全データが消えた | 「必ず」は誤り。ただし公式説明書がデータ破損につながる行為として禁止している |
| PS2ならPS1用カードは不要 | 誤り。PS1規格ソフトのセーブ/ロードにはPS1用SCPH-1020を使用する |
| PS3以降は15ブロックという仕組みが完全に消えた | 誤り。PSPやPS Vitaなどでは仮想メモリーカードとして15ブロックが再現された |
「なぜ15ブロックだったのか」は、まだ断定できない
最後に、ひとつ重要な未解決点がある。
メモリーカードが15ブロック構成だったこと、その内部構造が16個の8KiBブロックに分かれていたことは確認できる。
しかし、SCEが「なぜこの容量を選んだのか」を直接説明した当時の設計資料や開発者証言は、今回確認できなかった。
1994年当時の半導体価格や製造コストを理由に挙げる説明はできそうに見えるが、それだけでSCEの設計判断だったと断定することはできない。
この記事では、15ブロックという仕様が存在した理由を推測で埋めず、設計上なぜその容量になったのかは未確認として残す。
ゲームを買って家へ持ち帰った、その先にあった「保存する」という体験
以前、つぶログではゲーム雑誌の付録CD-ROMを家へ持ち帰り、PlayStationへ入れて発売前のゲームを遊ぶという体験を追った。
さらに、1万円だけ持って1997年のゲームショップへ行くでは、限られた予算でどのゲームを買うかという当時の選択を再現した。
ゲームを知る。
店で買う。
家へ持ち帰る。
そして遊び始める。
その先にも、現在とは少し違う判断が待っていた。
新しいゲームの説明書には「メモリーカード○ブロック」と書かれている。
管理画面を開く。
そこには、以前遊んだゲームのアイコンが残っている。
空きが足りない。
では、どれを消すのか。
それとも、別のカードへ移すのか。
もう1枚用意するのか。
昔のゲーム機は「セーブ容量が少なかった」。それだけなら単なるスペックの話で終わる。
しかし15ブロックの中身まで見ていくと、その数字の向こうに、ゲームを始める前に保存領域を整理するプレイヤーの姿が見えてくる。
カードそのものはやがて消え、保存先は本体ストレージへ移り、さらにクラウドにも複製されるようになった。
それでも、PlayStation用ゲームの15ブロックは仮想メモリーカードとして後のハードまで残った。
消えたのは、セーブデータではない。
自分の手元にある15個の区画を見ながら、過去の記録と新しいゲームのどちらを残すか考える時間だった。