忖度なしゲームレビュー

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』忖度なしレビュー|PS1版の復刻に価値はある?

1990年の『雷電』と1993年の『雷電II』。縦スクロールシューティングの名作2本を収録した初代PlayStation用ソフト『雷電プロジェクト』が、31年を経てNintendo Switch 2とPlayStation 5に帰ってきた。

初代PlayStationで『雷電プロジェクト』が発売されたのは1995年1月27日。それから31年、アーケードで人気を集めた『雷電』と『雷電II』を、Nintendo Switch 2とPS5で再び遊べるようになった。

2026年10月22日配信の『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』は、1995年のPS1版を復刻したダウンロード専用タイトル。価格は税込1,200円だ。

昔のシューティングだから難しい。昔の名作だから面白い。そんな説明だけでは、2026年に購入する理由として物足りない。

実際、『雷電』には今でも通用する敵配置と武器選択の面白さがある。『雷電II』のプラズマレーザーは、攻撃しながら敵弾を避けるという独特な戦い方を生み出している。

一方、古いゲームならではの不親切さも残る。武器を強化した状態で進みやすくなる反面、一度ミスをすると復帰が難しくなる。ゲームの展開を覚えることが前提の設計は、現在のシューティングに慣れた人でも厳しく感じるだろう。

さらに、今回の復刻版には別の評価軸がある。1995年のPS1版を現行機でどれだけ適切に再現し、快適に遊べるようになっているのかという問題だ。

つぶログのPS1全ソフトTierでは、オリジナルの『雷電プロジェクト』を88点と評価している。しかし、今回の復刻版を同じ88点にする理由はない。ゲーム本編の完成度と、2026年の商品としての価値は分けて考える必要がある。

今回は2作品の面白さ、PS1版特有の調整、現行機向けの便利機能、操作性、価格満足度まで含めて検証する。評価は公式仕様、当時の移植内容、開発関係者の証言、公開されている製品版情報に基づくものであり、PS1実機と現行機版の独自測定結果ではない。

目次
  1. 結論|今でも面白い。ただし、名作を復刻しただけで高得点にはならない
  2. 『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』の基本情報
  3. 初代『雷電』の評価|赤と青の武器選択が今でも面白い
  4. 『雷電II』の評価|プラズマレーザーは今でも独創的
  5. 初代『雷電』と『雷電II』はどちらが面白い?
  6. 1995年のPS1版が優れていた理由|画面設定とBGMに注目
  7. 2026年版の便利機能|任意セーブは初心者にも上級者にも役立つ
  8. 移植品質と操作性|今回の復刻で最も慎重に評価した部分
  9. 『アーケードアーカイブス 雷電』との違い|すでに持っている人も買う価値はある?
  10. Switch 2版とPS5版、どちらを選ぶべき?
  11. 初心者にもおすすめできる? 2人同時プレイの魅力
  12. 1,200円はお得? 短時間クリアだけで価値は決まらない
  13. PS1版88点との違い|今回は復刻商品として独立評価
  14. 忖度なし7項目評価|総合80点の採点根拠
  15. 総評|『雷電II』を現行機で遊べる価値は高い。ただし名作補正は不要

結論|今でも面白い。ただし、名作を復刻しただけで高得点にはならない

『雷電プロジェクト』は、現在でも遊ぶ価値のあるシューティングゲーム集だ。

初代『雷電』は、赤いバルカンと青いレーザーを使い分け、敵を倒す順番を考えながら進む楽しさがある。『雷電II』では紫のプラズマレーザーが加わり、攻撃と回避の関係が大きく変わった。

両作品とも、敵の配置を覚えて少しずつ上達するゲームだ。初見では突破できなかった場所でも、敵の出現位置や弾の撃たれ方を理解すると、驚くほど安定して進めるようになる。この積み重ねが面白い。

2026年版では、任意セーブ、連射設定、画面サイズや配置の調整も利用できる。かつては何度も最初からやり直す必要があった難所を、繰り返し練習できるようになったことは大きな利点だ。

ただ、復刻版として突出した内容かといえば、そこまでは言い切れない。基本的には1995年のPS1版を現行機で遊べるようにした商品であり、原作の厳しい復帰システムや古いインターフェースも受け継いでいる。

入力レスポンスや処理落ちについても、PS1実機と同じ条件で比較した十分な資料がなく、完全再現を保証できる状況ではない。重大な不具合が確認されたという意味ではないが、技術品質を最高水準と認定する根拠も不足している。

1,200円で優秀なシューティングを2本楽しめることは魅力的。一方、復刻商品としての完成度まで無条件に高く評価するべきではない。

これが今回の採点で最も重視した考え方だ。

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』の基本情報

正式名称コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト
配信日2026年10月22日
対応機種Nintendo Switch 2/PlayStation 5
価格1,200円(税込)
販売元ハムスター
原作のブランドセイブ開発
復刻対象1995年発売のPlayStation版
収録作品雷電/雷電II
ジャンル縦スクロールシューティング
プレイ人数1~2人(ローカル同時プレイ)
販売形態ダウンロード専用
ゲーム本編の言語日本語

今回の収録対象は、日本国内で発売されたPS1版『雷電プロジェクト』。海外版『The Raiden Project』は収録されない。

オプションメニューとマニュアルは日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語に対応しているが、ゲーム本編そのものが6言語で収録されているわけではない。

また、アーケードで稼働していた『雷電』と『雷電II』を直接エミュレーションした商品でもない。1995年にPS1向けへ移植された2作品を復刻している点が重要だ。

初代『雷電』の評価|赤と青の武器選択が今でも面白い

初代『雷電』がアーケードに登場したのは1990年。自機を操作し、地上と空中から迫る敵を破壊しながら進む縦スクロールシューティングだ。

操作はショットとボムを中心とした簡潔なものだが、ステージを進めるには敵の出現位置と攻撃する順番を覚える必要がある。

空中の敵だけを見ていると地上の戦車に撃たれ、地上敵を狙い続けると画面上部から次の敵が現れる。目の前の弾を避けるだけでなく、弾を撃ってくる敵を先に倒す判断が求められる。

この設計が優れている。敵弾を見てから避ける能力だけではなく、敵を攻撃させないための立ち回りが重要だからだ。

赤いバルカンと青いレーザーは役割が違う

攻略を大きく変えるのが、赤いバルカンと青いレーザーの選択だ。

赤いバルカンは前方へ扇状に広がり、左右に散らばった敵をまとめて攻撃できる。小型敵が複数の方向から迫る場面では、細かく狙いを合わせなくても対応しやすい。

一方、青いレーザーは正面への集中攻撃に優れる。横方向には弱いが、耐久力の高い敵やボスに対して、狙いを定めて撃ち込める。

例えば地上の戦車が複数出現する場面では、赤いバルカンで広く攻撃する方が安全な場合がある。しかし、厄介な敵を青いレーザーで早く破壊できれば、敵弾そのものを減らせる。

どちらの武器が強いかではなく、どの敵を先に倒したいかが選択の基準になる。

さらに、前方への攻撃を補うミサイルと、敵を追尾するホーミングミサイルも存在する。主武装と補助武装の組み合わせによって、同じステージでも攻略の安定感が変わってくる。

武器の種類は決して多くない。しかし、一つひとつの役割が明確で、選択の結果がゲームプレイへ反映される。この分かりやすさは、現在でも十分に魅力的だ。

最大の弱点は、ミス後にさらに難しくなること

初代『雷電』の難しさは、敵弾の多さだけではない。

ミスをすると強化した武器を失い、一定地点まで戻って再開する。強い武器なら素早く倒せた敵にも時間がかかり、その間に次々と弾を撃たれるようになる。

つまり、一度失敗すると次の挑戦がもっと難しくなる。これは現在のゲームと比較した場合、明確に厳しい部分だ。

ただ、武器を失わずに先へ進めるようになったときの達成感は大きい。

最初は何度もミスをした敵配置でも、出現位置を覚えれば先回りして攻撃できる。ボムを温存すべき場所と使うべき場所も、繰り返し挑戦することで見えてくる。

その意味で、初代『雷電』の高難度には理由がある。しかし、失敗したプレイヤーがさらに不利になる設計を、誰にでも薦められる長所とは考えない。

今回は原作の完成度を高く評価しながらも、復帰の厳しさを明確な減点要素として扱った。

『雷電II』の評価|プラズマレーザーは今でも独創的

1993年の『雷電II』では、初代の赤バルカンと青レーザーに加え、紫色のプラズマレーザーが登場した。

この武器が面白いのは、敵を攻撃する方法だけでなく、自機の動かし方まで変えてしまうことだ。

プラズマレーザーは撃ち続けると鞭のように曲がり、敵を捕捉して攻撃する。青レーザーのように真正面から撃ち続ける必要が少なく、敵を攻撃しながら回避へ移りやすい。

攻撃のために敵と位置を合わせるか、被弾しない場所へ移動するか。初代では両立しにくかった場面でも、プラズマレーザーなら攻撃を維持しながら動ける。

この操作感は、ほかの2種類の主武装とは明確に異なる。

ただし、追尾性能があるからといって万能ではない。横方向へ広く攻撃したい場面では赤バルカンが便利で、特定の敵へ集中して大きなダメージを与えたい場合には青レーザーの良さも残る。

『雷電II』では、攻撃の威力や範囲だけでなく、攻撃中にどれだけ自由に動けるかという要素が武器選択に加わった。

敵の破壊表現とボス戦も進化した

『雷電II』は、敵を破壊したときの演出も印象的だ。

地上物や大型兵器を撃ち込んで破壊する際、爆発や破片の表現が増え、攻撃を命中させる気持ちよさが強まっている。

ボス戦でも、画面内の敵弾を避けながら弱点へ攻撃を集中させる基本は変わらない。しかしプラズマレーザーが加わったことで、正面へ張り付かずに攻撃を続ける選択肢が生まれた。

敵の攻撃を見切り、武器を使い分けながら戦う部分は初代と共通する。それでも、攻撃できる位置の自由度が広がったことは大きな進化だ。

今回収録されるPS1版には独自のバランス調整がある

ここで注意したいのが、アーケード版とPS1版の違いだ。

1995年のPS1版については、アーケード版との比較でプラズマレーザーの威力向上や、収束に必要な連射量の変更などが指摘されている。赤いボムの着弾時間にも調整がある。

これらは当時の家庭用移植に由来する変更であり、2026年のハムスターによる新規調整ではない。

プラズマレーザーがアーケード版より扱いやすくなっているなら、攻撃しながら回避するという長所も生かしやすい。反対に、アーケード版と同じ武器バランスで攻略したい人には、違和感の原因になり得る。

この違いを理解せずに、単純に移植精度が悪いと判断するのは適切ではない。家庭用として調整されたPS1版も、一つの独立したゲームバランスを持っている。

初代と『II』ではミス後の復活方式にも違いがある

初代『雷電』ではミス後に一定地点へ戻って再開するのに対し、PS1版『雷電II』の1P側はその場で復活する方式だ。

武器を失う厳しさは残るものの、先へ進みながら立て直しを狙えるため、初代よりも攻略を継続しやすい。

なお、海外版『The Raiden Project』には復活方式を切り替える設定が存在するが、日本版には同じ項目がない。今回のコンソールアーカイブスは日本版ROMのみの収録なので、海外版の設定を利用できるものとして扱わない方がよい。

初代『雷電』と『雷電II』はどちらが面白い?

両作品を比べると、総合的な完成度では『雷電II』をやや高く評価したい。

プラズマレーザーによって戦い方が増え、敵の破壊表現にも迫力が加わった。特に、攻撃しながら避ける楽しさは前作より明確に広がっている。

ただし、初代には初代の良さがある。

赤と青の武器を使い分け、敵を倒す順番と移動ルートを覚えていく。限られた武装だからこそ、一つひとつの判断が攻略に直結する。

『II』は戦い方を広げた作品。初代は、シューティングの基本を磨き込んだ作品という違いがある。

比較項目初代『雷電』『雷電II』
主武装赤バルカン・青レーザー赤・青に紫プラズマレーザーを追加
戦術の中心射線と敵を倒す順序攻撃方法と移動の使い分け
演出比較的素朴で硬派爆発・破壊表現が強化
ミス後の復帰一定地点へ戻るPS1版の1P側はその場復活
特に向いている人敵配置を覚える硬派なSTGが好きな人多彩な武器と派手な攻撃を楽しみたい人

シリーズの進化を2本続けて確かめられることは、今回の収録内容の強みだ。

『雷電II』が優れているから初代を遊ばなくていい、という関係ではない。初代で武器選択の基本を理解してから『II』を遊ぶと、プラズマレーザーの登場がどれほど大きな変化だったのか実感しやすい。

1995年のPS1版が優れていた理由|画面設定とBGMに注目

『雷電プロジェクト』の価値は、2本のアーケードゲームを移植したことだけではない。1995年の時点で、家庭用向けの設定がかなり充実していた。

難易度はVERY EASY、EASY、NORMAL、HARDの4段階。ショット、連射ショット、ボムのボタン配置も変更できる。設定やハイスコアはメモリーカードへ保存可能だった。

これらは2026年に追加された新機能ではなく、PS1版にもともと存在したものだ。

縦画面で遊ぶためのARCADEモード

PS1版にはNORMAL、PANORAMA、ARCADEという画面モードがある。

NORMALは一般的な表示。PANORAMAでは画面を大きく表示できる。ARCADEでは映像を90度回転させ、縦置きに対応したディスプレイでアーケードに近い画面構成を楽しめる。

縦スクロールシューティングでは、画面の縦方向にどれだけ広く表示できるかが重要だ。敵の出現や弾の動きを早めに見つけられれば、その分だけ攻略を組み立てやすい。

ただし、縦画面モードがあるからといって、すべてのモニターを縦に置けるわけではない。使用するディスプレイが縦置きに対応していることが前提となる。

また、PS1版のARCADEモードと、2026年のコンソールアーカイブス側の画面調整は別の機能だ。Nintendo Switch 2を縦向きに持つだけで、自動的に最適な画面へ切り替わるという意味でもない。

オリジナルBGMとアレンジBGMを選べる

PS1版には、オリジナル系とアレンジ系のBGMを切り替える機能もある。

オリジナル系はアーケード版の楽曲を再現したもの。ただし音色やステレオ表現などに違いがあり、アーケード基板の音と完全に同一ではない。

アレンジ系はPS1の内蔵音源を利用した別の楽曲表現だ。メロディーを知っている人でも、音の厚みや響きの違いを楽しめる。

同じステージを繰り返し攻略するゲームだけに、BGMを変更できることは意外と大きい。アーケードに近い雰囲気を選ぶか、PS1版のアレンジで遊ぶか。気分を変えて挑戦できる。

今回新たに収録された楽曲ではないが、1995年版独自の特徴として現在でも価値がある。

3DオープニングにはPS1初期ならではの歴史がある

PS1版には、3Dポリゴンを使用したオープニングも存在する。

制作に携わったリチャード・ハニーウッド氏は、2026年1月のインタビューで、初代PlayStation向けの開発では限られたメモリへの最適化に苦労し、制作終盤には3Dオープニングの実装にも関わったと語っている。

もともとはPlayStationの発売時期に合わせた作品として制作が進められたものの、実際の発売は1995年1月になった。

この3D演出は当時の新しさを感じさせる一方、現在の目で見れば粗さも目立つ。PS1版ではメニュー画面の背景でムービーが流れることによる動作の重さも指摘されている。

歴史的には面白い要素だが、優れたインターフェースとして高く評価できるものではない。

1995年の挑戦を残す価値と、現代のプレイヤーにとって快適かどうかは、分けて考えたいところだ。

ハムスター公式の『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』紹介映像。初代『雷電』と『雷電II』のゲーム画面や演出を確認できる。

2026年版の便利機能|任意セーブは初心者にも上級者にも役立つ

今回のコンソールアーカイブス版では、原作PS1版の機能に加えて、現行機向けのサポート機能が用意されている。

主な機能は任意セーブ・ロード、複数セーブデータ、連射設定、ボタン配置変更、画面サイズ・配置の調整、ブラウン管風フィルターなどだ。

特に評価したいのは、任意セーブによって難しい場所を繰り返し練習できることだ。

失敗しても、同じ条件から攻略を試せる

例えば初代『雷電』で、ボスの直前まで武器を強化して進んだとする。

その状態でセーブを作成すれば、ボスの攻撃を覚えるまで何度も挑戦できる。青レーザーで正面から攻撃する方法と、赤バルカンで広く攻撃する方法を比較することも可能だ。

ボムをどこで使えば安全なのか、どの方向へ動けば敵弾を誘導できるのか。自分で条件を揃えて試せるようになる。

これは高難度シューティングと非常に相性が良い。

何度も最初からやり直していると、苦手な場所に到達するだけで時間がかかる。任意セーブがあれば、上達したい部分に集中できる。

もちろん、セーブを多用すれば、最初から最後までノーミスで攻略する緊張感は薄れる。

しかし、その挑戦を楽しみたい人はセーブを使わなければよい。初心者には練習手段が増え、上級者は従来の条件で挑戦できる。

原作の高難度を無理に変更せず、遊び方の選択肢を増やした点は好印象だ。

連射とボタン配置の調整

連射機能も実用的だ。

『雷電』ではショットを撃ち続ける時間が長く、手動連射だけに頼ると負担が大きい。連射を設定できれば、敵弾の回避や自機の位置取りへ集中しやすくなる。

ただし、PS1版にも連射ショットをボタンへ割り当てる機能は元から存在していた。今回の復刻側の連射設定と混同してはいけない。

ボタン配置の変更も便利だ。ショットとボムの位置を自分が押しやすい配置へ調整できれば、危険な場面での操作ミスを減らしやすい。

一方、これらは現代の復刻シリーズでは比較的標準的なサポート機能でもある。搭載されているだけで、ほかの復刻作品を大きく上回るとまでは評価しない。

画面フィルターは敵弾の見やすさを優先したい

画面サイズや位置を調整できるほか、ブラウン管風のフィルターやノイズ表現も用意されている。

昔のテレビで遊んでいた雰囲気を再現できるのは魅力だが、シューティングでは見やすさが何より重要になる。

敵弾が見えにくくなるほど強いフィルターを使うより、自機と敵弾をはっきり認識できる設定を選ぶ方がよい。

また、シリーズの一部タイトルでは巻き戻し機能が案内されているものの、『雷電プロジェクト』で個別に利用できることは確認できていない。任意セーブと巻き戻しを同じ機能として考えないようにしたい。

移植品質と操作性|今回の復刻で最も慎重に評価した部分

2026年版の評価で最も難しいのは、PS1版の再現性と入力レスポンスだ。

『雷電』では、操作の遅れがそのまま被弾につながる。特に敵弾を引き付けて小さく移動する場面では、ボタンや方向入力に対する反応が重要になる。

そのため、画面が綺麗に表示され、ゲームが起動するだけでは十分な移植品質とは言えない。

確認すべきなのは、自機の移動やショットの反応、敵弾の速度、処理落ち、音声、セーブからの復帰などが、元のPS1版とどの程度一致しているかだ。

配信直後には、アーケードアーカイブス版と比べて操作が遅く感じられるという感想もあった。一方、問題なく遊べるとする反応もある。

ただし、ここで比較している作品は元のゲームが異なる。アーケードアーカイブス版は1990年のアーケード版、今回のコンソールアーカイブス版は1995年のPS1版だ。

仮に操作感が違っても、それがPS1版由来の挙動なのか、2026年版のエミュレーションによるものなのか、表示機器やコントローラーの条件によるものなのかを区別する必要がある。

2026年10月26日時点で、元のPS1実機と現行機版を同条件で比較した十分な遅延測定は確認できていない。そのため、入力遅延を具体的なフレーム数で断定することは避けた。

処理落ちをなくせば良い、というものでもない

シューティングの復刻では、処理落ちの再現も重要になる。

昔のゲームでは、多数の敵や弾が表示された際に処理速度が下がり、結果として弾を避ける時間が増えることもあった。

現行機の性能を使って処理落ちを完全になくした場合、見た目は滑らかになっても、原作で成立していた攻略方法が変わる可能性がある。

つまり、現行機で快適に動くことと、1995年のPS1版を忠実に再現することは必ずしも一致しない。

今回の製品では、PS1版固有のゲームバランスを収録していることが重要になる。アーケード版との違いだけを理由に、移植品質が悪いと判断するべきではない。

操作性に高得点を与えすぎない理由

今回の復刻には、入力遅延が大きいと確定できる資料も、原作実機と完全に同一であると実証する資料も不足している。

したがって、重大な不具合が発生しているかのように評価を下げることはしない。その一方で、検証できていない品質を最高水準だと認定することもしない。

今回の採点では、公式に確認できる動作仕様と利用機能を評価しながら、原作由来の不便さや、現代の復刻商品として特別に優れているとは確認できない部分を考慮した。

技術的な測定結果ではなく、現時点で確認できる製品内容から導いた編集評価として、操作性と移植品質を判断している。

『アーケードアーカイブス 雷電』との違い|すでに持っている人も買う価値はある?

今回の購入判断で重要になるのが、『アーケードアーカイブス 雷電』との違いだ。

ハムスターは2021年7月1日に、アーケード版『雷電』をNintendo SwitchとPS4向けに配信している。

両作品は名前が似ているが、収録内容も目的も異なる。

比較項目コンソールアーカイブス 雷電プロジェクトアーケードアーカイブス 雷電
復刻元1995年PS1版1990年アーケード版
収録作品雷電/雷電II雷電
『雷電II』収録未収録
BGMPS1版のオリジナル系/アレンジ系アーケード版の音楽
主な特徴PS1版の画面設定・難易度調整と任意セーブアーケード版の再現とオンラインランキング
対応機種Nintendo Switch 2/PS5Nintendo Switch/PS4
価格1,200円Switch 838円/PS4 837円

アーケードで稼働した初代『雷電』をできるだけ当時の内容で楽しみたいなら、『アーケードアーカイブス 雷電』が向いている。

一方、今回の『雷電プロジェクト』には『雷電II』が収録されている。プラズマレーザーや進化した破壊表現を楽しめるだけでも、アーケードアーカイブス版とは違う購入理由がある。

さらに、PS1版のアレンジBGM、縦画面表示、3Dオープニングなども収録内容の特徴だ。

すでにアーケードアーカイブス版を所有している人でも、『雷電II』を遊びたいなら十分に追加購入を検討できる。

ただし、PS1版がアーケード版の完全な上位互換というわけではない。収録内容が増えていることと、元のゲームをどれだけ忠実に再現しているかは別問題だ。

ほかのレトロゲームの復刻や配信サービスとの違いについては、つぶログの昔のゲームは今どこで遊べる?でも整理している。

Switch 2版とPS5版、どちらを選ぶべき?

今回の『雷電プロジェクト』はNintendo Switch 2とPS5の両方で配信されている。価格はいずれも税込1,200円だ。

Switch 2版は、TVモード、テーブルモード、携帯モードに対応している。空いた時間に少しずつ練習したい人や、テレビを使わず遊びたい人には便利だろう。

一方、携帯モードでは大画面のテレビに比べて敵弾が小さく見える可能性がある。細かい弾を見分けるゲームだけに、携帯性と視認性のどちらを重視するかは考えておきたい。

PS5版は、普段からテレビやモニターを使ってゲームを遊ぶ人に向いている。画面サイズを調整し、自機と敵弾が見やすい設定を選ぶことが重要になる。

ただし、両機種の入力遅延、フレームレート、ロード時間を同条件で比較した十分な資料は確認できていない。性能面でどちらが優れているかを断定することは避ける。

現時点では、携帯して練習したいならSwitch 2、据え置き中心ならPS5という選び方が自然だ。

初心者にもおすすめできる? 2人同時プレイの魅力

『雷電』シリーズは、初めて遊ぶ人がすぐに全ステージをクリアできるようなゲームではない。

敵の出現位置や攻撃パターンを知らなければ、予想外の方向から撃たれてミスをする。武器を強化する前に失敗すると、復帰も難しくなる。

ただし、PS1版には4段階の難易度設定がある。初心者ならVERY EASYから始め、敵の配置を覚えてから難度を上げる方法が考えられる。

さらに今回の任意セーブを使えば、苦手な場所だけを練習できる。難しさを取り除くというより、上達の過程を自分のペースで進められることが大きい。

また、ローカルでの2人同時プレイにも対応している。

2人で敵を分担して攻撃すれば、1人では対応しにくい方向の敵も処理しやすい。片方が大型敵を攻撃している間に、もう片方が周囲の小型敵を倒すような協力もできる。

ただし、2人になれば必ず簡単になるわけではない。自機や敵弾の位置を見失いやすくなる場面もあり、ソロプレイとは違う慌ただしさがある。

なお、確認できる協力プレイはローカル同時プレイだ。PlayStation Storeの一般的なオンライン対応表示だけを根拠に、オンラインで2人協力できるものと考えない方がよい。

1,200円はお得? 短時間クリアだけで価値は決まらない

今回の販売価格は1,200円。2作品を収録した復刻版としては、十分に手を出しやすい価格だ。

しかし、2本入っているから無条件に満点、という判断はしたくない。

シューティングゲームは、1回のクリア時間が短くても、何度も挑戦することで遊びが深まるジャンルだ。

初代『雷電』では、赤と青の武器を使い分けながら、被弾せずに進むルートを覚える。『雷電II』では、プラズマレーザーを使って攻撃と回避を両立させる方法を探る。

スコアを伸ばしたいなら、危険を承知で敵を早く倒したり、アイテムを回収したりする判断も必要になる。

そのため、何度も遊んで自分の腕前が上がっていくことに面白さを感じる人なら、1,200円以上の価値を見いだせるだろう。

反対に、長いストーリーや大量のステージ、新しい収集要素を求める人には向いていない。今回の復刻に新作ステージや大幅な追加シナリオが用意されているわけでもない。

価格満足度は高いが、プレイヤーがどのような遊び方を求めるかによって、満足度は大きく変わる商品だ。

購入は公式ダウンロードストアから

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』はダウンロード専用で、2026年版のパッケージソフトは販売されていない。

Nintendo Switch 2版は任天堂公式ストア、PS5版はPlayStation Storeから購入できる。

1995年の中古PS1版を探す必要はなく、対応する現行機だけで『雷電』『雷電II』を楽しめる。各機種の販売情報や収録条件はハムスター公式製品ページでも確認できる。

PS1版88点との違い|今回は復刻商品として独立評価

つぶログの初代PlayStation全ソフトTierでは、1995年の『雷電プロジェクト』を88点・A Tierとして評価している。

2作品を1本にまとめた収録内容、当時として充実した画面設定や難易度調整、アーケードに近いゲーム性を高く評価した結果だ。

詳しくは初代PlayStation全ソフトTier表・1994~1996年編で確認できる。

ただし、今回の『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』は、1995年のゲームそのものではなく、2026年に販売された復刻商品を評価する。

原作が優秀であることは、そのまま復刻品質が優秀である証明にはならない。

今回の製品には任意セーブや画面調整などの利点がある。一方で、PS1版固有の古いインターフェースや、アーケード版とは異なるゲームバランスも受け継いでいる。

そのため、原作の面白さに対する評価は維持しながらも、現行機版としての追加価値や完成度を改めて判断した。

両者の点数が異なるのは、PS1版の既存評価を変更したからではない。評価対象と採点基準が異なるためだ。

忖度なし7項目評価|総合80点の採点根拠

今回の採点では、原作2作品の完成度に各20点、再遊性に10点を配分。残る50点を移植品質、操作性、便利機能、価格満足度に割り当てた。

これは原作への思い入れだけで評価を上げず、2026年の復刻商品としての完成度を正面から見るための配分だ。

評価項目得点評価理由
① 初代『雷電』の完成度17/20赤・青の武器選択、敵配置、攻略の上達感は優秀。高難度とミス後の復帰が大きな壁。
② 『雷電II』の完成度18/20プラズマレーザーと破壊演出が魅力。戦い方が進化した一方、厳しいゲーム性は残る。
③ シューティングとしての奥深さ・再遊性8/10敵配置の記憶、武器選択、スコア挑戦には長く遊べる価値がある。幅広い遊び方を求める人には不向き。
④ PS1版の再現性・移植品質14/20PS1版の2作品と特徴を受け継ぐ一方、原作由来の制約も残る。実機との完全な再現性を保証する材料は不足。
⑤ 操作レスポンス・動作安定性10/15重大な不具合を確定しているわけではないが、入力・処理・音声について特別に優れた再現性を認定する根拠も十分ではない。
⑥ 画面設定・セーブ・便利機能8/10任意セーブ、連射、画面調整は実用的。現代の復刻として標準的な機能が中心で、特別な追加内容は限定的。
⑦ 価格満足度5/5優秀な2作品を税込1,200円で遊べる。繰り返し攻略するジャンルとの相性も良く、価格面では強い。
総合評価80/100原作の完成度は高い。現行機での遊びやすさにも価値があるが、復刻商品としての完成度は過大評価しない。

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』の総合評価は80点/100点。

今回の80点は、初代『雷電』と『雷電II』のゲームとしての完成度を高く評価したうえで、2026年の復刻商品としての内容を改めて判断した結果だ。

初代は武器選択と敵配置の巧みさ、『II』はプラズマレーザーによる攻撃方法の進化が優れている。2本とも現在でも遊ぶ価値があり、ここを低く評価する理由はない。

一方、復刻品質については慎重な点数とした。

元のPS1版を現行機へ持ってきた商品として、ゲーム内容の保存には価値がある。しかし、1995年のゲームに残る不便さまでなくなったわけではない。

操作レスポンスについても、未確認の遅延を不具合として断定しているわけではない。現時点で確認できる材料から、最高水準の技術品質を積極的に保証できるほどではないという判断だ。

任意セーブや画面調整は便利だが、復刻作品として特別に豊富な追加要素があるわけでもない。価格面での魅力は確かだが、移植品質や操作性まで含めて考えると、総合80点という評価が妥当だと判断した。

つぶログのPS1版88点との違いは、原作の評価を下げたことによるものではない。優れたゲームを収録することと、優れた復刻商品であることを別々に判断した結果、総合80点となった。

総評|『雷電II』を現行機で遊べる価値は高い。ただし名作補正は不要

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』のタイトルロゴ。黒い背景に赤い「雷電プロジェクト」の文字と金色の稲妻、上部に青と白のコンソールアーカイブスのロゴが配置されたタイトル画面。

『コンソールアーカイブス 雷電プロジェクト』は、今でも十分に楽しめるシューティングを2本収録した復刻作品だ。

初代『雷電』は、敵を倒す順番、赤と青の武器選択、ボムを使うタイミングに攻略の面白さがある。『雷電II』はプラズマレーザーという独特な武器によって、攻撃と回避の駆け引きを広げた。

どちらも、繰り返し遊ぶことで上達を実感できる優れたゲームだ。

ただ、1995年のゲームが面白いことと、2026年版が最高水準の復刻商品であることは同じではない。

今回の任意セーブや連射、画面調整は実用的だが、特別に豪華な追加要素ではない。原作由来の厳しい復帰システムや古い操作環境も残り、技術的な再現性を細部まで実証できているわけでもない。

それでも、1,200円で『雷電』と『雷電II』を遊べることには十分な価値がある。

特に、すでにアーケードアーカイブス版を持っている人でも、PS1版の『雷電II』を遊びたいなら購入を検討できる。プラズマレーザーの操作感や、家庭用向けのアレンジBGMには、今回ならではの楽しさがある。

総合80点。

原作2作品の完成度は高く、現行機で遊びやすくなった価値も認められる。ただし、復刻商品としての完成度を必要以上に持ち上げることはしない。

シューティングの上達を楽しみたい人、初代『雷電』と『雷電II』を続けて遊びたい人、PS1版の移植文化に興味がある人には、十分に薦められる一本だ。

つぶログではほかにも忖度なしゲームレビューを公開している。新作とレトロゲームのどちらも、作品の知名度ではなく、遊びの中身と購入価値を基準に評価している。

-忖度なしゲームレビュー
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