- や団はなぜ5年連続キングオブコント決勝へ?3人の経歴とコントの特徴
- や団はなぜ5年連続キングオブコント決勝へ?まずは全成績を確認
- や団のメンバー3人のプロフィール|本間キッド・中嶋享・ロングサイズ伊藤
- や団の結成は2007年|実は2005年から前身トリオが存在した
- や団の名前の由来は「三本の矢」ではなかった?本人が明かした意外な話
- 初決勝まで15年|なぜ2022年にキングオブコントで結果を残せたのか
- や団のコントの特徴|3人の演技と緊張感を笑いに変える構成
- 5年連続決勝を支えるネタ作り|本間が台本を書き、3人で改善する
- 2025年は準優勝|ロングコートダディに8点差まで迫る
- 2026年は7位|5年連続決勝進出もファイナルには届かず
- や団はなぜ優勝できない?5年連続決勝と優勝の難しさは別
- 全国ツアーにも挑戦|2025年は東名阪、2026年は5都市へ
- 担当マネージャーとの関係も重要|ただし初決勝進出後の就任
- 「水曜日のダウンタウン」では中嶋享が浜田雅功の代役MCに
- や団にとってキングオブコントは年に一度の「契約更新」
- まとめ|や団が5年連続決勝へ進めた背景には、15年以上の積み重ねがあった
や団はなぜ5年連続キングオブコント決勝へ?3人の経歴とコントの特徴

『キングオブコント』で2022年から2026年まで、5年連続で決勝に進出したお笑いトリオ「や団(やだん)」。2025年には準優勝に輝き、優勝候補としても名前が挙がる存在になりました。
しかし、2026年10月17日の決勝では632点で7位。前年にあと8点まで迫った優勝には、再び届きませんでした。
5年連続で決勝に残るほどの実力がありながら、まだ優勝経験はない。それでも毎年、新しいコントを作り続けているのがや団です。
メンバーは、本間キッドさん、中嶋享さん、ロングサイズ伊藤さんの3人。現在の体制になったのは2007年4月ですが、本間さんと中嶋さんは2005年から活動しており、2022年の初決勝までには長い下積みがありました。
では、なぜ2022年に初めて決勝へ進出できたのか。そして、その後も5年連続で決勝に残り続けられたのはなぜなのでしょうか。
この記事では、所属事務所の公式プロフィール、キングオブコントの大会記録、3人と担当マネージャーのインタビューをもとに、結成の経緯、コントの特徴、ネタ作りの方法と2026年までの成績を詳しく振り返ります。
や団はなぜ5年連続キングオブコント決勝へ?まずは全成績を確認
結論からいうと、や団は2022年、2023年、2024年、2025年、2026年の5大会すべてで決勝に進出しています。
2026年9月10日のTBS公式発表でも「5年連続5回目の決勝進出」と明記されました。
まずは5年間の結果を整理します。
| 大会 | 最終順位 | 1本目 | 2本目 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 3位 | 470点 | 473点 | 初決勝 |
| 2023年 | 5位 | 465点 | ― | 2年連続 |
| 2024年 | 4位 | 474点 | ― | 3年連続 |
| 2025年 | 準優勝 | 473点 | 464点 | 最高順位 |
| 2026年 | 7位 | 632点 | ― | 審査員7人制 |
2022〜2025年の決勝は審査員5人による500点満点、2026年は審査員7人による700点満点でした。そのため、2026年の632点と前年までの得点を直接比較することはできません。
また、1本目の上位3組だけがファイナルステージに進む方式なので、2023年・2024年・2026年の「―」は2本目を披露していないことを表しています。
この5年間を見ると、毎年順位を上げてきたわけではありません。2022年の初決勝では3位でしたが、2023年は5位、2024年は4位。そして2025年に自己最高の準優勝を記録しています。
特に2024年は474点を獲得しながら、ファイナル進出ラインまでわずか1点差。翌2025年は473点で2位通過しています。
つまり、前年より点数が高いから必ず上位に進めるわけではありません。同じ大会に出場したほかの組との比較によって、最終順位は大きく変わります。
や団の強さを考えるうえでは、優勝したかどうかだけでなく、毎年異なる出場者や審査の状況の中で、決勝進出という結果を続けていることが重要です。
2026年大会の全11組の順位、敗者復活戦、審査員別得点については、つぶログのキングオブコント2026結果・得点一覧で詳しく紹介しています。
や団のメンバー3人のプロフィール|本間キッド・中嶋享・ロングサイズ伊藤
や団はソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)に所属するお笑いトリオです。
2007年4月に現在の3人体制となり、コントを中心に活動しています。
2025年9月5日に公開されたソニーミュージックグループの公式インタビューを基準に、プロフィールを整理しました。
| 項目 | 本間キッド | 中嶋享 | ロングサイズ伊藤 |
|---|---|---|---|
| 生年月日 | 1982年12月23日 | 1982年6月23日 | 1981年3月22日 |
| 年齢 | 43歳 | 44歳 | 45歳 |
| 出身地 | 埼玉県 | 埼玉県 | 神奈川県 |
| 身長 | 168cm | 171cm | 183cm |
| 血液型 | AB型 | A型 | A型 |
| 趣味 | プロレス・格闘技観戦、Tシャツ収集 | ラーメン店巡り | スポーツ全般 |
| 活動開始 | 2005年4月 | 2005年4月 | 2007年4月に加入 |
年齢は2026年10月26日時点です。資料はSMA公式プロフィールおよびCocotameの公式インタビューに基づきます。
中嶋さんの出身地には、公式資料同士で表記の違いがあります。2020年のソニーミュージック公式インタビューでは新潟県、2025年の同社インタビューでは埼玉県と記載されています。
新潟県生まれで埼玉県育ちといった事情があるのかは、確認できた本人発言では説明されていません。この記事では新しい2025年の所属事務所資料に合わせて埼玉県としています。
本間キッド|ネタ作りを担うリーダー
本間キッドさんは、や団のリーダーであり、コントの台本作りを中心に担っている人物です。
日刊スポーツの2025年7月のインタビューでは、本間さんがネタの基本形を作り、それを3人で話し合いながら改善していると説明しています。
コントでは、思いもよらない行動を取る相手に驚いたり、状況に振り回されたりする役を演じることが多く、物語の展開を観客に伝える役割も担います。
趣味はプロレスや格闘技観戦、Tシャツ収集。芸名の「キッド」は、プロレスラーのダイナマイト・キッドに由来するもので、事務所の先輩であるハリウッドザコシショウさんが名付け親だと紹介されています。
芸人を志したのは大学時代。もともとは音楽や舞台にも興味があり、表現する仕事に就きたいという思いを持っていました。
大学卒業時には企業から内定を得ていたものの、最終的に就職を選ばず、芸人として活動する道を選んでいます。
現在のや団のコントを考えるうえでは、ネタの発想だけでなく、3人それぞれの個性が生きる役割を探してきた人物として重要です。
中嶋享|ラーメン好きで独特な人物を演じる
中嶋享さんは、本間さんとは中学・高校時代からの友人です。
同じバスケットボール部に所属しており、学生時代から仲のよいグループで行動していました。
大学時代には芸人になることを考え、本間さんと一緒にお笑いをやりたいという思いを持っていたそうです。しかし、当時の本間さんは静岡、中嶋さんは東京で学生生活を送っていました。
そこで中嶋さんは、別の友人ともお笑いを始めながら、本間さんとのつながりを保ち続けていました。
コントでは、予想できない行動を取る人物や、少しずれた感覚を持つ人物を演じることがあります。
2025年の所属事務所インタビューでは、自分は演技が得意な方ではないと話しながらも、以前より力を抜いて演じられるようになり、3人のバランスがよくなったと振り返っています。
また、熱心なラーメン好きとしても知られ、店巡りが趣味。自身でラーメン関連の発信も行っています。
ロングサイズ伊藤|2007年に加入した演技派
ロングサイズ伊藤さんは、2007年4月から現在のや団に参加しています。
東京NSCに入学した経験がありますが、途中で通わなくなり、その後は一度会社員として働いていたそうです。
再びお笑いの世界に戻ってからは、SMAでピン芸人として活動していました。
そんな時期に、メンバー脱退によって新しい相方を探していた本間さんと中嶋さんから声がかかります。
伊藤さんは当時、事務所ライブでは下位のクラスにいたものの、演技力や舞台上での存在感を評価され、加入の候補となりました。
や団のコントでは、勢いのある演技や、感情を強く表現する人物が印象的です。特に2022年以降のコントでは、伊藤さんの芝居が3人の個性を引き立てる重要な要素になっています。
や団の結成は2007年|実は2005年から前身トリオが存在した
や団の経歴で注意したいのが、2005年と2007年という2つの年です。
SMAの公式プロフィールには現在の結成年が2007年4月と記載されていますが、本間さんと中嶋さんの活動開始は2005年4月となっています。
これは、現在の3人になる前にも「や団」が活動していたためです。
2005年|本間・中嶋・海野健太郎による3人組で活動開始
や団の始まりは、学生時代の友人関係にあります。
本間さんと中嶋さんは中学・高校時代からの友人。2人に大学時代の仲間である海野健太郎さんが加わり、お笑い活動を始めました。
最初は養成所に通わず、誰でも出演できるフリーのお笑いライブなどに参加していたそうです。
2005年4月には、設立されたばかりのSMA NEET Projectへ所属。当時から主にコントを披露していました。
事務所のトライアウトライブでも次第に結果を残し、上位クラスの常連となっていきます。
2007年|海野が脱退し、ロングサイズ伊藤が加入
転機が訪れたのは2007年です。
大学時代から一緒に活動していた海野さんが、結婚などを理由に芸人を辞めることになりました。
本間さんと中嶋さんは困りましたが、2人組として続けることは考えていなかったそうです。
本間さんは、3人で作るコントを続けたいという思いが強く、どうしても新しいメンバーが必要でした。
そこで事務所の関係者から紹介されたのが、ロングサイズ伊藤さんです。
伊藤さんは、や団が事務所ライブの上位クラスで活動していることを知っており、加入の誘いを受けることにしました。
こうして2007年4月、現在の本間キッド・中嶋享・ロングサイズ伊藤という3人体制が成立します。
や団が2026年のキングオブコントで「結成19年目」と紹介されるのは、この2007年を基準にしているためです。
前身トリオの活動は2005年から続いているため、芸人としての活動歴と現在のメンバーでの結成年を混同しないことが大切です。
結成当時の詳しいエピソードは、ソニーミュージック公式メディア「Cocotame」の2020年インタビューに残っています。
や団の名前の由来は「三本の矢」ではなかった?本人が明かした意外な話
「や団」という名前については、毛利元就の「三本の矢」の逸話が由来だという説明が知られています。
しかし、2020年3月27日のCocotameインタビューで、本間さんはこの説明が実際の由来ではないことを明かしています。
本当の始まりは、中学時代の仲間内のグループ名でした。
本間さんと中嶋さんは同じバスケットボール部に所属しており、もう1人の友人と仲のよい3人組でした。
本間さんはそのグループに名前をつけたくなり、自分たちを「ヤ団」と呼ぶようになります。
中学3年生のときには、3人で参加したバスケットボールの3on3大会で、実際に「ヤ団」というチーム名を使ったそうです。
その後、大学時代に中嶋さんが、高田馬場にあるラーメン店「渡なべ」の表記を見て、カタカナの「ヤ」をひらがなの「や」に変えることを思いつきました。
こうして現在の「や団」という表記になったといいます。
一方、「三本の矢」という説明については、後から先輩が考えた由来を使わせてもらったという趣旨で、本間さんが笑いながら否定しています。
つまり、グループ名自体は芸人になる前から存在しており、現在のトリオの人数に合わせて新しく考えた名前ではありません。
この点は、や団の長い歴史を知るうえで興味深いところです。
初決勝まで15年|なぜ2022年にキングオブコントで結果を残せたのか
現在の3人体制になった2007年から、キングオブコント初決勝の2022年まで約15年。
決勝常連となった現在から振り返ると、意外なほど長い時間がかかっています。
ただし、2022年までまったく結果がなかったわけではありません。
キングオブコントでは2009年、2014年、2016〜2019年に準決勝へ進出。2020年には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の「山-1グランプリ」でも優勝しています。
それでも、キングオブコント決勝の壁はなかなか越えられませんでした。
2025年のCocotameインタビューで、本間さんは当時について、周囲から何かが足りないと言われながら、その足りないものが分からなかったと振り返っています。
大きな変化のきっかけになったのが、2020年に制作したコント「バーベキュー」でした。
転機となったコント「バーベキュー」で3人の役割が明確に
「バーベキュー」は、日常的な題材から、次第に予想外の方向へ展開していくブラックユーモアを含んだコントです。
本間さんは2025年9月のインタビューで、このネタを作った2020年当時について詳しく語っています。
それまでならテレビ向きではないと考えて避けていたような発想でしたが、なかなか決勝へ進めない状況のなかで、思い切ってライブで披露してみたそうです。
すると、観客の反応が以前とは大きく違っていました。
特に手応えを感じたのが、3人の役割分担です。
- ロングサイズ伊藤:強い感情や勢いのある人物を演じる
- 中嶋享:周囲の予想を裏切る独特な人物を演じる
- 本間キッド:2人の行動に驚き、状況に振り回されながら反応する
本間さんによると、この役割分担に大きな手応えがあり、その後もネタを改良していったといいます。
それまでのや団も3人でコントを演じていましたが、このネタでは3人それぞれの個性がよりはっきり表れました。
マネージャーの鈴木俊樹さんも、以前は3人が役を演じている印象が強かったのに対し、2022年にはそれぞれの個性が自然に出るトリオになっていたと評価しています。
もちろん、や団のすべてのネタがこの配役に固定されているわけではありません。ただ、3人の持ち味を生かす方向性が見つかったことは、本人たちが認める大きな転機でした。
出典:Cocotame「や団×マネージャーが振り返るキングオブコントファイナリストに至る道」
2022年7月「真夏のや団」|空席のある単独公演が意識を変えた
2022年のもう一つの転機が、7月16日に東京・座・高円寺2で開催した単独公演「真夏のや団」です。
これは所属事務所の後年の発表では「8年ぶりの単独公演」と紹介されています。
当時のや団にとっては大きな会場で、本人たちも満席にはできないことを覚悟していたそうです。
実際、客席には空席が目立つ結果となりました。
しかし、本間さんは後のインタビューで、この経験によってもっと広い会場で、多くの観客にネタを見てもらいたいという気持ちが強くなったと振り返っています。
単独公演を開いたから決勝へ進めた、という単純な因果関係ではありません。それでも、より大きな舞台を目指す意識が強まるきっかけになったことは、本人の証言から確認できます。
そして同年10月8日、キングオブコント2022で初決勝進出。ファイナルステージまで進み、3位となりました。
翌2023年には、同じ座・高円寺2で「高円寺リベンジ」を開催。2024年には「3度目の高円寺」を行うなど、単独公演も継続していきます。
2022年に空席が目立った会場で、翌年にはチケットを完売させたことも、や団の活動の変化を象徴する出来事でした。
や団のコントの特徴|3人の演技と緊張感を笑いに変える構成
や団のコントの魅力は、単にブラックユーモアを扱うことだけではありません。
身近な人間関係から始まり、登場人物の性格や行動によって状況が思わぬ方向へ進んでいく。その過程で、3人の演技が大きな役割を果たしています。
① 日常的な場面から、予想外の展開を作る
や団のコントには、飲食店、職場、友人同士の集まりなど、比較的身近な舞台設定が登場します。
最初から奇抜な世界観を説明するのではなく、観客が理解しやすい場面を用意し、そこで起こる出来事を次第に大きくしていく構成です。
2023年のキングオブコント決勝で披露した「演劇の稽古」も、その一例です。
厳しい演出家と劇団員による稽古という設定ですが、やり取りが進むにつれて独特な緊張感が生まれ、それ自体が笑いへと変わっていきます。
観客は登場人物の状況を理解できる一方、その人物が次に何をするのかは予測しにくい。このバランスが、や団のコントの特徴の一つです。
② 3人の演技によって人物の関係が見えてくる
や団はトリオですが、単に登場人物を3人に増やしただけのコントではありません。
勢いのある人物、周囲と少し感覚のずれた人物、その状況に巻き込まれる人物。それぞれが違う反応をすることで、会話に笑いが生まれます。
特にロングサイズ伊藤さんの演技は、同じ台詞でも声の出し方や動作によって印象が変わるほど存在感があります。
中嶋さんの予想外の振る舞いと、本間さんの反応がそこに加わることで、舞台上の状況が変化していきます。
ただし、伊藤さんが常に強い人物、本間さんが常にツッコミというわけではありません。コントごとに役柄を変えながら、3人の持ち味を生かしています。
③ ブラックユーモアだけに頼らず、ネタの幅も広げている
2020年の「バーベキュー」で手応えを得たや団ですが、その後も同じ方向のネタだけを作り続けているわけではありません。
本間さんは2025年9月のインタビューで、強い個性を持つネタばかりでは観客に飽きられてしまうため、さまざまな内容を用意したいという考えを語っています。
2025年のキングオブコント決勝では、1本目に「餃子」、2本目に「小料理屋」を披露しました。
どちらも飲食店に関係した題材ですが、同じ人物設定を繰り返した作品ではありません。
身近な場面から登場人物の性格を際立たせ、会話や芝居を通じて状況を変えていく。基本となる強みを保ちながらも、異なるネタを制作しています。
公式動画|2023年決勝ネタ「演劇の稽古」
や団のコントの特徴を知りたい人には、本人たちの公式YouTubeチャンネルで公開されている「演劇の稽古」があります。
キングオブコント2023の決勝で披露したネタで、劇団の稽古場を舞台にした3人の演技を見ることができます。
や団公式YouTube「演劇の稽古」キングオブコント2023決勝ネタ
動画はや団公式チャンネルが2023年10月21日に公開したものです。QJWebの同年の決勝ネタ振り返り記事でも、公式動画として紹介されています。
や団のほかのコントや最新動画は、や団公式YouTubeチャンネルから確認できます。
5年連続決勝を支えるネタ作り|本間が台本を書き、3人で改善する
2022年に一度だけ決勝へ進むことと、その後も毎年決勝に残り続けることは、別の難しさがあります。
や団の場合、決勝進出を続けている背景には、長年積み重ねてきたネタ作りとライブ出演があります。
基本の台本は本間キッドが担当
2025年7月の日刊スポーツのインタビューによると、ネタ作りは本間さんが基本の形を考えるところから始まります。
そこから3人で話し合い、実際に演じながら内容を改善していくそうです。
つまり、本間さんが完成した台本を渡して、ほかの2人がそのとおりに演じるだけではありません。
3人の演技や意見を取り入れながら、より面白いコントへ仕上げていきます。
や団のように演技が重要なトリオでは、台詞を読む段階では分からない部分もあるでしょう。
伊藤さんの感情表現、中嶋さんの独特な動き、本間さんのリアクション。それぞれを実際に合わせることで、ネタの面白さが変わる余地があります。
単独ライブやインディーズライブで繰り返し試す
本間さんは、単独ライブで新しいネタを披露し、その後も複数のインディーズライブに出演しながら完成度を高めて、キングオブコントへ挑戦する流れを説明しています。
一度作ったら終わりではなく、観客の反応を見ながら台詞や展開を変えていく方法です。
2025年のインタビューでも、本間さんは、最初は手応えがなかったネタでも、一つのボケを追加したことで反応が大きく変わる場合があると話しています。
完成していないネタをすぐに捨てるのではなく、何度も舞台にかけて変化を探る。
この制作方法は、毎年異なるコントを用意しなければならない賞レースにおいて、重要な土台になっていると考えられます。
また、や団が活動するSMAのお笑いライブでは、先輩や後輩からも意見を聞くことがあるそうです。
本間さんは2025年のキングオブコント公式インタビューで、ホーム劇場である「Beach V」の出演者たちへの感謝を語っています。
2025年には「量より質」を重視したネタ作りに
2025年は、ネタ作りの方針にも変化がありました。
キングオブコント2025の決勝直前に行われたTBS公式インタビューで、本間さんは「量より質」を重視し、一つひとつのネタにこだわって作ってきたと説明しています。
そしてこの年、や団は自己最高の準優勝を記録しました。
ただし、制作本数を減らしたから準優勝できたと断定することはできません。
むしろ注目したいのは、毎年同じ制作方法を続けるのではなく、その時々の課題に応じて方針を調整していることです。
新しいネタを多く作る時期もあれば、一つのネタをより深く磨く時期もある。そうした調整が、長期間にわたってコントを作り続けるうえで重要なのでしょう。
参考:TBS「キングオブコント2025・や団インタビュー」、日刊スポーツ「や団3人のネタ作りと単独ライブ」
2025年は準優勝|ロングコートダディに8点差まで迫る
5年連続決勝のなかでも、特に大きな結果となったのが2025年です。
2025年10月11日のキングオブコント決勝では、や団が1本目の「餃子」で473点を獲得しました。
ファーストステージ1位だったロングコートダディは474点。や団はわずか1点差の2位でファイナルステージへ進出します。
2本目に披露したのは「小料理屋」。結果は464点でした。
| 最終順位 | 組名 | 1本目 | 2本目 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 優勝 | ロングコートダディ | 474 | 471 | 945 |
| 準優勝 | や団 | 473 | 464 | 937 |
| 3位 | レインボー | 464 | 454 | 918 |
や団の合計は937点。優勝したロングコートダディの945点には8点届きませんでした。
ただ、2022年の3位を上回り、初めて準優勝に到達。結成から長い年月を経て、優勝まであと一歩という結果を残しました。
や団の2本目は、伊藤さんが演じる小料理屋の店主と客たちのやり取りが中心です。
2025年11月放送の『あちこちオードリー』では、このネタの本番中の演技について、3人が振り返る場面もありました。
伊藤さんは芝居の迫力やリアルさにこだわっていたことを説明。一方、中嶋さんは、本番での伊藤さんの演技が想像以上に力強くなっていたと語っています。
このエピソードからも、や団のコントが台詞だけでなく、舞台上の演技によって印象を大きく変えるものであることが分かります。
2025年大会の採点結果は、お笑いナタリーの決勝結果で確認できます。
2026年は7位|5年連続決勝進出もファイナルには届かず
2026年9月10日、や団はキングオブコントで5年連続5回目となる決勝進出を決めました。
この時点で、前年の準優勝からさらに上を目指す立場となっていました。
しかし、10月17日の決勝では、思うような結果にはつながりませんでした。
2026年大会は、敗者復活戦から勝ち上がったスパイシーガーリックを含む11組が出場。や団は最後となる11組目に登場しました。
披露したのは、会社の会長と社員たちをめぐるコントです。
ロングサイズ伊藤さんの勢いのある演技を中心に、会社内のやり取りを描きました。
審査員7人による合計得点は632点。ファーストステージ7位となり、ファイナルステージへの進出はできませんでした。
2026年決勝の審査員別得点
| 審査員 | 得点 |
|---|---|
| 飯塚悟志(東京03) | 91点 |
| 小峠英二(バイきんぐ) | 89点 |
| 秋山竜次(ロバート) | 92点 |
| 山内健司(かまいたち) | 91点 |
| じろう(シソンヌ) | 90点 |
| 堂前透(ロングコートダディ) | 89点 |
| 秋山寛貴(ハナコ) | 90点 |
| 合計 | 632点 |
審査員の小峠英二さんは、ロングサイズ伊藤さんのテンションが高い状態のまま進み、笑いとして十分にはまらなかったという趣旨のコメントを残しています。
ただし、これは今回披露したネタに対する小峠さんの評価です。
2026年の順位が前年より下がったからといって、や団のコント全体の実力が低下したと断定できるわけではありません。
毎年違うネタを披露し、その日の審査によって結果が決まるのがキングオブコントです。
2025年には準優勝、2026年には7位という結果の違いも、決勝で勝ち続けることの難しさを示しています。
2026年の得点は、QJWebのキングオブコント2026採点一覧と10月17日のスポーツ報知の大会報道で確認できます。
や団はなぜ優勝できない?5年連続決勝と優勝の難しさは別
や団については、5年連続で決勝に進出しているのに、なぜまだ優勝できないのかという疑問を持つ人もいるでしょう。
ただし、現時点で優勝していない理由を一つに断定することはできません。
決勝進出者を選ぶ予選と、決勝当日の採点は別です。予選で高く評価されたネタでも、決勝で必ず同じ反応が得られるとは限りません。
実際、や団は2024年に474点で4位でしたが、2025年は473点で2位通過。ほかの出場者との点差やネタの出来によって、ファイナルへ進めるかどうかが変わっています。
2025年には2本合計937点を獲得し、優勝まで8点差に迫りました。
それでも翌2026年はファーストステージで敗退しています。
したがって、毎年決勝に進める安定性と、その年の決勝で優勝できるかどうかは、分けて考えるべきでしょう。
むしろ、5年にわたって予選を勝ち抜き続けた実績は、や団が継続的に評価されてきたことを示しています。
一方で、決勝の1本または2本のコントで最も高い評価を得るという最後の壁は、まだ越えられていません。
全国ツアーにも挑戦|2025年は東名阪、2026年は5都市へ
や団の活動は、キングオブコントだけに限りません。
2025年には初めて東京・名古屋・大阪の3都市を巡る単独ライブツアー「ザ・ファースト・ワールド・ツアー」を開催しました。
東京公演は追加公演を含めてチケットが完売。以前は単独公演の客席を埋められなかった時期を考えると、大きな変化です。
さらに2026年には、東京・名古屋・大阪に新潟・福岡を加えた5都市6公演の単独ライブツアー「巡業」を企画しました。
2026年2月13日のSMA公式発表では、過去最大規模の会場でコントを披露するツアーとして紹介されています。
2025年の所属事務所インタビューで本間さんは、毎年同じ場所だけでネタを披露していては自分たちも苦しくなるため、新しい環境に挑戦したいという趣旨の話をしています。
ツアーを通じて異なる土地の観客にネタを見てもらうことは、活動の幅を広げるだけでなく、コントを改善する機会にもなります。
2022年には空席のある単独公演を経験したトリオが、2026年には全国5都市のツアーに挑戦するまでになりました。
この変化も、5年連続決勝という数字だけでは見えてこない、や団の成長の一つです。
出典:SMA公式「や団単独ライブツアー2026『巡業』開催発表」
担当マネージャーとの関係も重要|ただし初決勝進出後の就任
や団の活動を語るうえで、担当マネージャーの鈴木俊樹さんとの関係も見逃せません。
鈴木さんは、かつて芸人としてSMAに所属していた人物で、や団にとっては以前から付き合いのある先輩でもありました。
その後、マネージャーとして働くようになり、いったんSMAを離れた時期を経て、2022年に同社へ復帰しました。
ただし、ここで時系列に注意が必要です。
や団が初めてキングオブコント決勝へ進んだのは2022年10月8日。鈴木さんが担当マネージャーになったのは、その後の2022年12月です。
そのため、2022年の初決勝進出を鈴木さんのマネジメントによる成果と説明することはできません。
一方、2023年以降の活動では、3人が鈴木さんに強い信頼を寄せていることが分かります。
2025年9月の対談では、鈴木さんが担当変更を申し出た際、や団の3人が引き続き担当してほしいと希望したエピソードも紹介されています。
また、鈴木さんは過去のキングオブコント決勝について、優勝できなかったことへの悔しさも語っています。
芸人本人だけでなく、マネージャーもまた賞レースの結果を強く意識している。そうした関係の中で活動していることが、所属事務所のインタビューから伝わってきます。
出典:Cocotame「や団×マネージャーが語るキングオブコント決勝前夜」
「水曜日のダウンタウン」では中嶋享が浜田雅功の代役MCに
キングオブコント以外の活動では、中嶋享さんが『水曜日のダウンタウン』で思いがけない大役を任されたことも話題になりました。
2025年5月14日に放送された「代役MCホントドッキリ」では、8人の芸人に浜田雅功さんの代役MCを打診し、最も早く承諾した人が本当に翌週のMCを務める企画が行われました。
中嶋さんは、オファーを受けてからわずか19秒で承諾。8人の中で最も早く、優勝しました。
そして5月21日の放送では、実際に代役MCとして番組を進行しています。
もちろん、これによって中嶋さんが浜田さんの正式な後任に就任したわけではありません。番組の特別企画による代役です。
ただ、キングオブコントでのコント以外にも、や団のメンバーそれぞれがテレビで注目される機会が生まれていることを示す出来事でした。
この企画の全8人の承諾時間や、翌週のMC本番については、つぶログの水ダウ「代役MCホントドッキリ」全8人の結果と中嶋19秒の即決で詳しく紹介しています。
や団にとってキングオブコントは年に一度の「契約更新」
2025年のCocotameインタビューで、本間さんはキングオブコントについて、非常に印象的な表現をしています。
毎年の大会を、仕事を続けるための年に一度の「契約更新」のように感じているというのです。
や団には、毎月の劇場出演が自動的に保証されているわけではありません。賞レースの結果が、仕事の機会や注目度に大きく関係すると本人たちは考えています。
そのため、すでに何度も決勝に進んでいるから安心という感覚はないそうです。
本間さんは、決勝進出を重ねるほど周囲からの期待も高まるものの、自分たちは毎年必死に挑戦していると説明しています。
2022年に初めて決勝へ進み、2023年も決勝に残る。2024年には3年連続を達成しても、まだ優勝できていない。
そんな状況で2025年は準優勝に到達し、2026年も決勝の舞台に立ちました。
や団にとって、キングオブコントは過去の実績を披露する場所ではなく、毎年新しく結果を出さなければならない大会なのです。
ただし、危機感があるから必ず決勝に進めるというわけではありません。結果を残すためにライブでネタを磨き、3人で演技を改善し続けてきたことも重要です。
5年連続の決勝進出は、そうした長年の取り組みが実際の成績につながってきたことを示しています。
まとめ|や団が5年連続決勝へ進めた背景には、15年以上の積み重ねがあった
や団は、本間キッドさん、中嶋享さん、ロングサイズ伊藤さんによるSMA所属のお笑いトリオです。
本間さんと中嶋さんは2005年から前身トリオで活動し、2007年4月に伊藤さんが加入して現在の3人体制となりました。
キングオブコントでは長年準決勝まで進みながら、決勝の壁を越えられない時期が続いていました。しかし、2020年に制作した「バーベキュー」で3人の役割を明確にする手応えを得て、2022年には初決勝3位を達成します。
その後も、2023年5位、2024年4位、2025年準優勝、2026年7位と、5年連続で決勝進出を続けました。
その背景には、本間さんを中心としたネタ作り、3人での改善作業、単独ライブやインディーズライブで繰り返しネタを磨く活動があります。
2025年には準優勝まで到達しましたが、2026年は7位。まだ優勝経験はありません。
それでも毎年、決勝で勝負できるコントを作り続けていること自体が、や団の実績です。
結成から長い時間をかけて自分たちの強みを見つけ、3人の個性を生かしたコントを磨いてきた。5年連続決勝進出という記録の背景には、単に「実力派」という言葉だけでは説明しきれない積み重ねがあります。
主な参考資料
- ソニー・ミュージックアーティスツ|や団公式プロフィール
- TBS|キングオブコント2026決勝進出者発表(2026年9月10日)
- Cocotame|や団の結成秘話・名前の由来(2020年3月27日)
- Cocotame|や団がキングオブコント初決勝へ進むまでの転機(2025年9月5日)
- Cocotame|や団と担当マネージャーの対談(2025年9月5日)
- 日刊スポーツ|や団のネタ作り・活動歴に関するインタビュー(2025年7月)
- お笑いナタリー|キングオブコント2022結果
- お笑いナタリー|キングオブコント2023結果
- お笑いナタリー|キングオブコント2024採点結果
- お笑いナタリー|キングオブコント2025準優勝・採点結果
- QJWeb|キングオブコント2026全組・審査員別得点
- SMA|や団単独ライブツアー2026「巡業」開催発表
※プロフィール・大会成績・活動情報は2026年10月26日時点で確認できる公表資料に基づきます。中嶋享さんの出身地など資料によって表記が異なる情報は、本文で出典と採用基準を説明しています。また、2026年大会は審査員数が変更されたため、過去大会との得点比較には注意が必要です。