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レトロゲーム黎明録|第23回 星をみるひと(FC/1987)

Contents
  1. 📘 作品概要・基本情報
  2. 🔍 発売当時の時代背景
  3. 🎮 ゲームシステムと特徴
  4. 🚫 開始直後の仕様:極限まで不親切なスタート
  5. 🧠 超マニア向けなゲーム性とは
  6. 🌌 ストーリーと世界観の魅力
  7. 📘 キャラクター紹介
  8. 🗣 評判・口コミ・話題性
  9. 💖 『星をみるひと』が“今もなお愛される”理由
  10. 🧩 バグ・トリビア・噂の検証
  11. 🧩 一部で囁かれた“没データ”の噂とその真相
  12. 📊 現代における評価
  13. 📝 総まとめ:伝説の“クソゲー”にして、唯一無二の問題作

📘 作品概要・基本情報

『星をみるひと』は、1987年10月27日HOT・B(ホットビィ)から発売されたファミリーコンピュータ用ソフトで、ジャンルはRPG。プレイヤーは“超能力者”たちを操作し、支配的なコンピューター文明に抗うという、SFをモチーフにした独特の世界観が展開される。

本作は、ホットビィが1984年にPC-8801向けにリリースした『Psychic City(サイキックシティ)』をベースに、家庭用機向けに移植・再構成したものであり、当時のファミコンでは珍しいサイキック(超能力)RPGというジャンルを打ち出していた。

だがその一方で、「説明不足なゲーム進行」「初期状態での理不尽な難易度」「敵が見えないフィールド構造」などが重なり、当時の子どもたちにとっては極めて不親切なゲーム体験となった。これにより発売当時はほとんど話題にならず、商業的にもヒットには至らなかったとされている。

しかし後年、インターネット上で「伝説のクソゲー」として語られるようになり、現在では“ファミコン史に残る異色作”として再評価の声も高まりつつある。

🔍 発売当時の時代背景

『星をみるひと』がファミコンで発売された1987年は、RPGジャンルが家庭用ゲーム機でも一気に開花した年として知られている。

前年1986年にはエニックスの『ドラゴンクエスト』が大ヒットし、翌1987年にはその続編『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』が空前のブームを巻き起こしていた。また、同年にはスクウェアから『ファイナルファンタジー』も登場し、RPGというジャンルがファミコンの主力タイトルのひとつとして確立しつつあった。

そんな中、ホットビィが送り出した『星をみるひと』は、ドラゴンクエストのような王道ファンタジーではなく、近未来SFと超能力をテーマにした“サイキックRPG”という異色の路線を選択していた。その設定自体は先鋭的であり、他のRPGとは明らかに異なる雰囲気を持っていた。

ただし当時のファミコンユーザー層(主に小中学生)には、そのシステムや物語は難解で取っつきにくく、さらにUIの不親切さやバグの多さ、チュートリアルの欠如なども重なって、本作はほとんど注目されずに終わってしまう。

つまり、『星をみるひと』は「RPG黄金期のはざまに埋もれた問題作」という立ち位置で、1987年の中でも特に異彩を放っていた1本だった。

🎮 ゲームシステムと特徴

— 親切設計とは真逆を行く“衝撃の体験”

『星をみるひと』は、見た目こそ当時の一般的なコマンド型RPGと大差ないものの、そのゲーム進行システムの独自性(あるいは不親切さ)は伝説的とも言われている。

🔹 敵エンカウントとバトルの理不尽さ

エンカウント率が異様に高く、しかもスタート時のレベルでは勝てない敵も容赦なく登場。しかもゲームバランスも非常に厳しく、HPやMPの回復手段も乏しい。リカバリーアイテムの価格設定も高く、所持金が底をつくと詰むケースも。

また、敵との戦闘もコマンド式で、「こうげき」「ちからをためる」「エスパーわざ(超能力)」などが選べるが、技の内容も効果もゲーム中では明かされず、プレイヤーが試行錯誤で覚えるしかないという硬派すぎる作り。

🔹 一部マップではエンカウントが発生しない

町の中などは敵が出現しない“安全地帯”として機能するが、そこに辿り着くまでが過酷。後述する“仲間の加入”や“ストーリー進行”に関するヒントも非常に乏しく、ほぼすべての要素がプレイヤー任せ。


このように、『星をみるひと』のゲームシステムは「試行錯誤」や「理不尽さ」をも含めて味わう、プレイヤーの忍耐力を試す設計だったと言える。

🚫 開始直後の仕様:極限まで不親切なスタート

— 主人公レベル0という衝撃の開幕

『星をみるひと』は、開始直後からプレイヤーを突き放す設計で知られており、当時のファミコンRPGの中でも“最難関の出だし”と評されるほど。以下のような仕様が重なり、多くのプレイヤーがゲーム開始数分で挫折したとも言われています。

🔹 主人公のレベルは「0」

さらに、スタート時の主人公のレベルは**「1」ではなく「0」**。これは非常に珍しい仕様で、当然ながら初期ステータスも極端に低く、道中の雑魚敵すらまともに倒せないほど非力です。

  • 経験値を得るには、非常に高頻度で発生する戦闘を生き延びるしかない。
  • 回復手段は乏しく、所持金でアイテムを購入するにも制限が大きい。
  • そのため、「最初の町に入るまでに力尽きる」ことも珍しくありません。

🔹 スタート地点は町の外

さらにプレイヤーを戸惑わせるのが、「スタート地点が町の中ではなく外である」点。多くのRPGでは、最初に町で情報を集めたり装備を整えたりできるが、本作では町に辿り着くこと自体が第一の試練となっています。


このように、『星をみるひと』は開始直後から「不親切」「無説明」「理不尽」が重なった、異例づくしの導入であり、現在ではそれが伝説的カルト人気の要因にもなっています。

🧠 超マニア向けなゲーム性とは

— 理解されるまでに時間がかかる、異端のRPG体験

『星をみるひと』は、現在では「カルト的人気作」として知られていますが、その要因のひとつが極端に“マニア向け”に設計されたゲーム性です。発売当時、ほとんどのプレイヤーにとっては理不尽の塊にしか思えなかった仕様も、今あらためて見直すと「意図された挑戦」として受け取ることもできます。


🔷 一切説明がない自由すぎる探索

多くのRPGが導入で「町」「王様」「イベント」などを通じて世界観や目的を提示する中、本作では一切のナビゲーションが存在しません。どこに行くべきか、誰と話せば良いのか、何が目的なのか——すべてプレイヤーの試行錯誤に委ねられます。

  • マップにヒントなし。町やダンジョンの場所すら分からない。
  • NPCの台詞も断片的で、ストーリーの全体像がつかみにくい。
  • プレイヤーは文字通り“星をみるひと(=超能力者)”として、自力で世界を読み解く必要があります。

🔷 非常にシビアなバランス設計

戦闘もまた“マニア向け”と評される要素です。

  • 雑魚敵の攻撃力が高く、一発で致命傷を受けることもある。
  • 回復手段が極端に少なく、戦闘後にHPが自然回復しない
  • 序盤ではまともに勝てる敵が限られており、無理に戦えば即ゲームオーバー

つまり、通常のRPGのように「とりあえず戦う」「進めば何とかなる」という発想では太刀打ちできず、“避ける・回避する・稼ぐ・進路を記録する”といった戦略性が求められます。


🔷 攻略情報なしでは詰む設計も

特定のイベントや進行条件が極めて分かりにくく、ノーヒントでは達成困難な場面も多々存在します。

  • 隠しイベントがストーリー進行に必須。
  • 特定の時点でしか加入しないキャラがいる。
  • ある施設に“特定の順番で入る”といった条件も。

これらは当時の攻略本ですら正確に把握されていなかったケースもあり、まさに“超マニア向け”と呼ばれる所以です。


ただし近年では、これらの要素が制作者による“意図されたデザイン”だったのではないかという考察もあります。自由度が高く、情報も自分で探し出す。プレイヤーの観察力・忍耐・想像力がすべて問われるという意味では、現代の一部オープンワールド系RPGにも通じる構造を持っていたとも言えるでしょう。


このように『星をみるひと』のゲーム性は、単に“難しい”“不親切”で片付けられるものではなく、極めて実験的かつ挑戦的なRPGとして設計された異端作でした。その特異さこそが、今なお語り継がれる理由なのです。

🌌 ストーリーと世界観の魅力

— “超能力”と“SFディストピア”が融合した静かな終末世界

『星をみるひと』のストーリーは、従来のファンタジーRPGとは一線を画す、近未来のディストピアを舞台にしたSF作品です。ドラクエ的な中世ファンタジーとは真逆の、「超能力」「実験施設」「廃墟」「人工知能」など、当時のゲームとしては異質かつ先鋭的な要素が詰め込まれています。


🔮 プレイヤー=“星をみるひと”=超能力者

プレイヤーは、記憶のない状態から目覚めた少年(少女)であり、“ESP(超能力)”を持つ者=星をみるひととして物語を進めていきます。

  • 超能力(ESP)には「テレパシー」「念動力」「透視」などがあり、魔法ではなく科学的な設定。
  • NPCとの会話や探索の中で、自分が何者なのか・何をすべきかを少しずつ知っていく形式。
  • プレイヤー自身が“世界の意味”を発見する体験が強調されています。

🧬 荒廃した世界に潜む“人類崩壊”の影

物語が進むにつれ、舞台となる世界が文明崩壊後の近未来であり、人間社会が破綻しつつあることが示されていきます。

  • かつての実験都市「アリスシティ」は廃墟と化している。
  • 人々は強い監視や洗脳の中で暮らしており、自由意志や感情を持つ者は“異端者”として排除される
  • 謎の研究施設やAIによって管理された空間なども登場し、人間と機械、自由と支配といったテーマが描かれます。

このような背景が、ただの冒険譚ではなく、深いテーマ性を含んだ物語世界を構築しています。


👁 静かで孤独な空気感が魅力に

本作には、BGMやグラフィック面でも淡々として無機質な印象があり、物語全体を通して一貫した“静けさ”が漂っています。

  • 急展開や派手な演出はほとんどなく、淡々と進む物語の中で“違和感”や“不穏さ”が蓄積されていく。
  • それゆえに、後半に訪れるストーリーの“真実”や“覚醒”の瞬間が、プレイヤーに強く刻まれる構成となっています。

🧩 説明されない“余白”こそが物語

特筆すべきは、ストーリーの多くが断片的に語られ、すべてを説明しない構造になっていることです。

  • 主要キャラの背景や関係性も、会話や場所の演出から“察する”必要がある。
  • 実験の目的、人類の危機、世界の真実など、プレイヤーの解釈次第で読み取れる構造になっています。

これは近年評価される「環境ストーリーテリング(背景に語らせる演出)」に通じる手法であり、ファミコン時代において極めて革新的な物語体験だったといえます。

📘 キャラクター紹介

— “名前も語られぬ”者たちの、静かな戦い

『星をみるひと』は、キャラクターのビジュアル描写や性格表現が非常に控えめなタイトルであり、その“余白”こそが魅力でもあります。本作では、仲間キャラクターの会話・台詞・グラフィックがほとんどなく、プレイヤー自身が想像を補っていくスタイルが貫かれています。

以下では、ゲーム内で登場する主要4キャラクターについて、わかっている範囲で整理し、それぞれの特徴を解説します。


🔹 主人公(みなみ)

  • 初期状態で入力されている名前は「みなみ」。
  • 記憶喪失の状態から目覚め、レベル0でスタート。
  • 少しずつ戦闘や探索を通じて、超能力(ESP)に目覚めていく
  • プレイヤー自身が彼の正体や目的を知っていくという、没入型の演出が特徴的

👉 「みなみ」という名前には深い意味づけは明言されていないものの、温かみと柔らかさを感じさせ、無機質な世界観における“人間性”の象徴とも受け取られています。

👤 しば|最初に仲間になる“少年エスパー”

『星をみるひと』における最初の仲間キャラ「しば」は、序盤の町でイベントをこなすことで主人公「みなみ」に加わる少年のエスパー(超能力者)です。

彼の特徴は、攻撃系ESP(超能力)に優れたバランスタイプの性能。物理攻撃にもある程度対応できる上、敵を状態異常にする技や、序盤から中盤にかけて有用なESPを複数覚えるため、戦力が乏しい初期パーティにとっては重要な存在です。

加入時点では装備や所持金もないため、しば自身にも装備を買い与える必要がありますが、それに見合うだけの成長性があります。特にレベルを上げるごとに覚えるESPは、敵の行動を封じる効果を持つものも多く、戦略の幅を広げてくれる存在です。

また、ゲーム中の描写は簡素ながら、しばは少年らしい素直な性格として描かれ、プレイヤーの分身である主人公とのバディ的なポジションで最後まで活躍します。

仲間の中で最も早く加入する分、プレイヤーにとって最も親しみを持ちやすいキャラクターのひとりと言えるでしょう。


👧 あいね|補助と回復に長けたエスパー少女

『星をみるひと』における2人目の仲間キャラクター
街の中に入るだけでイベントもなく加入するという、当時のプレイヤー泣かせの仕様により、気づかずスルーしてしまうことも多かった存在です。

あいねは女の子の姿をしたキャラクターで、主に補助系ESP(超能力)や回復技に秀でたサポートタイプのエスパーです。
直接的な攻撃力は高くないものの、彼女の持つ回復技や状態異常への対策能力は、後半の厳しい戦闘を乗り切る上で欠かせない要素となります。

また、彼女のESPの一部は「敵の行動を止める」「味方の防御力を上げる」など、戦略性の高い効果を持っており、単なるヒーラーにとどまらない多才な役割を担います。

ゲーム中では特に個別のセリフやイベントが少ないものの、その存在はプレイヤーの記憶にしっかりと残るキャラの一人。
加入時期や性能の重要さに反して、プレイヤーへの説明が極端に不足しているため、「いつの間にか増えていた仲間」という印象を持つ人も多く、本作の“理不尽さ”を象徴するキャラクターとも言えます。

👧 みさ|攻撃系ESPを持つ最後の仲間

『星をみるひと』における3人目に仲間になるエスパーが「みさ(MISA)」です。
加入場所はゲーム終盤に近いエリアであり、彼女がパーティに加わることで、プレイヤーはようやく4人編成の完全なパーティを組むことができます。

みさの特徴は、強力な攻撃系ESP(超能力)を複数所持していること
終盤の敵に対しても通用する火力を持っており、特にボス戦では非常に頼りになる存在です。
それまでのメンバーが補助や回復寄りだったこともあり、彼女の加入によって攻守のバランスが整い、攻略の幅が広がります。

ただし、加入場所の情報がゲーム内でほとんど提示されないため、「気づかないままクリアしてしまった」というプレイヤーも存在します。
この点も『星をみるひと』らしい“説明不足&高難度”なゲーム設計の一端を担っています。


🌀 キャラクターの“記号性”が生む余白

  • 登場人物たちはグラフィック上も見分けがつきにくく、台詞も極めて少ない。
  • しかし、それゆえにプレイヤー自身が“意味づけ”しながら物語を読み進めるという、能動的な体験が得られる。

これは後の『MOTHER』シリーズや『moon』など、「ゲームにおける感情移入」の進化系の原型とも言えるでしょう。


🗣 評判・口コミ・話題性

『星をみるひと』は、発売当時はほとんど話題に上らず、地味なまま埋もれた作品でした。しかし、のちに“理不尽すぎるクソゲー”の代表格としてネット上で注目を集めるようになり、その知名度は一躍全国区に。プレイヤーに何の説明もないままゲームが開始され、いきなりフィールドに放り出された主人公が敵に即遭遇・即死亡するなど、数々の“伝説的な理不尽さ”が語り草となりました。

その後、インターネットの普及により、掲示板やゲームブログ、動画配信を通じてカルト的な人気が拡大。「あえて理不尽に挑戦してみたい」というチャレンジャーたちに支持され、マゾゲー愛好家の間で語り継がれる存在となります。

そして2020年7月、まさかのNintendo Switch向けに復刻配信(アークシステムワークスによるダウンロード販売)という形で再登場。かつて“黒歴史”扱いされていたタイトルが、「あの伝説を今こそ体験せよ」というコンセプトで現代プレイヤーに提示されたことは、ゲーム史的にも異例の展開でした。

🔹「Switchで復活!?うそだろ…って思ったけど買っちゃった」
🔹「ゲーム史に名を残すクソゲー。でもやるとクセになる」
🔹「理不尽ゲーとして有名だけど、音楽はやたら良いんだよな…」

といった反響も多く、「名前は聞いたことあるけどプレイしたことがない」という層が触れる機会を得たことで、再評価のきっかけにもなりました。

🕰 当時のプレイヤーの反応

1987年にファミコン用ソフトとして発売された『星をみるひと』は、当時としても珍しい「サイキック能力」や「ディストピア的な近未来世界観」を取り入れた意欲作でした。しかしながら、その革新性はプレイヤーにほとんど評価されることなく埋もれてしまったのが実情です。

発売当時から多くのプレイヤーが戸惑ったのが、ゲーム開始直後にいきなりフィールドに放り出されるという仕様。これにより、画面に何も表示されず、操作説明や目的も提示されないまま敵に襲われてゲームオーバーになるという事態が続出しました。

また、以下のようなプレイヤーの困惑の声が、当時のファミコン雑誌やユーザーの口コミでも散見されました:

  • 「説明書を読んでも何をすればいいのか分からない」
  • 「敵が強すぎて全く進めない」
  • 「ゲームバランスが崩壊してる」
  • 「レベル0スタートでまともに戦えない」

とくに小学生〜中学生のプレイヤー層にとっては難解すぎる内容であり、「意味がわからないまま投げ出してしまった」という声が多数。また、町の入口が見えにくく、アイテムの効果も不明瞭なため、ゲームの導線そのものに問題があると受け取られることも多かったようです。

結果として、『星をみるひと』は「何かすごそうなのに、遊ばせてもらえないゲーム」という印象が広まり、「難しすぎてクリア不可能なゲーム」という評価とともに、ファミコンユーザーの間で「いわくつきの作品」として記憶されることになります。


💻 ネットミームとしての「クソゲー伝説」化

『星をみるひと』が現在のように広く知られるようになったのは、発売当時ではなくインターネット時代に入ってからです。
特に2000年代初頭、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)や個人ゲームレビューサイトで「伝説級に理不尽なRPG」として取り上げられたことが、「クソゲーの象徴」としての知名度を一気に高めました。


🔹 ネットで語り継がれる理由

  • 「敵が見えない」「説明がない」「バランス崩壊」などの要素が極端であるがゆえに印象に残る
  • 攻略法を知ると実は奥深いシステムや秀逸な音楽があることが話題となり、「本当にクソゲーなのか?」という議論も巻き起こった。

🔹 動画文化での再評価

YouTubeのゲーム実況やレビュー動画、ニコニコ動画の「クソゲーオブザイヤー」系コンテンツでは、「星をみるひと」は必ず名前が挙がる常連タイトルとなっています。
実況プレイによって、序盤の理不尽さやプレイヤーの試行錯誤がエンタメ化され、新世代ゲーマーに“伝説の一作”として認知されるようになりました。


🔹 Switch配信での再ブーム

2020年にはNintendo Switchで復刻配信され、「あの“クソゲー”が公式に蘇った」としてSNSで話題に。
ネタ的に購入するプレイヤーも多く、レビュー欄には

「クソゲーとして買ったけど意外とクセになる」
「30年以上経ってやっとクリアできた」

といった声が寄せられ、ネットミームから実際のプレイへと繋がる再評価の流れも生まれました。

💖 『星をみるひと』が“今もなお愛される”理由

一見、理不尽で不親切、バグも多い──
それでも『星をみるひと』が長年語り継がれ、多くの人に愛されるのはなぜなのでしょうか?
そこには、“クソゲー”という言葉では片づけられない、不思議な魅力が存在します。


🌟 ① 強烈すぎる“体験”の記憶

  • 「敵が見えない」「いきなりフィールドに放り出される」など、通常のゲームではありえない仕様がプレイヤーに強烈な印象を残しました。
  • 遊びづらさゆえに、クリアした時の達成感が異常に大きいという声も。

🌌 ② 設定や音楽の“異様なまでのセンス”

  • 世界観設定やBGMには独特の魅力があり、**「ストーリーや音楽だけは良かった」**と評するファンも多くいます。
  • 特にタイトル画面の曲やラストの演出は、ファミコン作品の中でも異彩を放っていると評価されがちです。

🧠 ③ 考察・攻略の“深掘りがい”

  • 理不尽さの裏にある仕様を一つひとつ紐解くことで、「なぜこうなったのか」という考察が盛り上がります。
  • 「本当にバグなのか?意図なのか?」という曖昧さゆえに話題が尽きない点も魅力のひとつです。

🔁 ④ ネタにされながらも“繰り返し語られる”宿命

  • YouTubeやSNSで何度も話題になり、**“ネタにされることでむしろ知名度が上がる”**という逆転現象も。
  • 「本当にダメなゲームなら、誰も語らない」という意見もあるほど、人の心に残る“何か”がある作品です。

このように『星をみるひと』は、ただの“クソゲー”ではなく、一種のカルト的名作として、今日まで愛され続けているのです。

🧩 バグ・トリビア・噂の検証


メニュー画面に「レベル表示」が存在しない

本作では主人公のレベルが表示されず、経験値の概念も不明瞭なままゲームが進みます。この不親切設計は、開発チームの経験不足やUI設計の甘さによるものであり、意図的に難易度を上げるためではなかったと考えられています。


戦闘バランスの崩壊

ゲーム開始時に「レベル0・HP5」の状態で、エンカウントする敵が強すぎてほぼ勝てないという設計は、RPGとしては致命的です。この“詰みやすさ”は調整不足によるもので、後年のプレイヤーからは「テストプレイされてないのでは」と指摘されています。
当時の小規模開発では、デバッグ不足による理不尽設計がそのまま製品化されるケースも珍しくありませんでした。


都市伝説:「みさ」が隠しキャラ?

「仲間キャラの“みさ”に気づかずクリアしてしまった」という噂がありますが、これは事実です
「みさ」はイベント発生条件が極めて限定的であり、ノーヒントで訪れないと加入しないため、プレイヤーが存在に気づかずにエンディングを迎えてしまうことがありました。
この仕様も、攻略本や情報がなければ回収困難な要素でした。


エンカウントの異常な頻度

一歩歩くごとに戦闘が発生するほどの高エンカウント率も、本作の“伝説”の一因です。
これは開発時の乱数テーブル設定が不適切だったと推測されており、擁護の余地のない理不尽さとして、後年ネタ化されました。


『星をみるひと』における「理不尽」は、意図的な高難度というより、制作体制の未熟さ・テスト不足・UI設計の粗さが重なって生まれたものです。
それゆえに、当時のRPGとしても異例の“説明不足&難解さ”がプレイヤーの記憶に強く刻まれ、「伝説のクソゲー」として語り継がれることになりました。

🧩 一部で囁かれた“没データ”の噂とその真相


謎の「未使用アイテム」が存在?

本作の内部データを解析した一部ファンが、「ゲーム中に登場しない名称のアイテムデータ」がいくつか含まれていると報告しています。

→この点については事実ですが、明確な用途が不明で、ストーリーやエンディングに影響を及ぼすような重要アイテムではないことが分かっています。おそらく開発段階で使用を見送られた可能性が高く、“伏線の回収漏れ”というより調整段階でカットされた没要素と考えられます。


「隠しダンジョン」の存在は?

ごく一部の攻略系掲示板や動画コメントでは、「特定条件で隠しダンジョンが出現する」という都市伝説的な話も語られてきました。

→しかし、実機プレイ・解析・復刻版ともにそのようなマップは発見されていません。この説はデマに近く、根拠のある情報は存在しないと断定されています。


NPCとの「意味不明な会話」が伏線だった?

一部のNPCが非常に意味の分かりにくいセリフを話すことから、「伏線を張っていた未実装イベントがあったのでは?」という声もあります。

→実際のところ、イベント発生条件が極めて厳しいだけで、未実装ではなく超高難度で見逃されやすい要素だったというのが正しい見解です。没ではなく、“わかりにくすぎる仕様”だったということです。


『星をみるひと』にまつわる“没データ”や“幻のイベント”とされる噂の多くは、当時の異常な難易度や不親切設計がもたらした誤解や都市伝説に近いものです。
実際には、バグや未使用データがいくつか存在するものの、大規模な没イベントや隠しマップの存在は確認されていません

こうした噂の検証は、ゲーム文化の中で“レトロゲームのロマン”として語り継がれている部分でもあり、本作が長年注目され続ける一因とも言えるでしょう。

📊 現代における評価

『星をみるひと』は、長らく「理不尽」「不親切」「クソゲー」として知られてきましたが、近年ではある種の“愛され方”をされる作品として再評価されつつあります。

🔁 再評価のきっかけ

特に注目を集めたのは、**Nintendo Switchへの配信(2020年7月)**です。これは本作が約33年の時を経て公式に復刻された初のケースで、ゲームファンやYouTuberを中心に「なぜこのタイトルが復刻されたのか?」と話題になりました。

この復刻版では、

  • 巻き戻し機能
  • セーブ機能
  • 攻略マップ付きPDFの同梱

など、現代プレイヤー向けに親切なサポートが施されたことで、「ちゃんと遊べるようになった『星をみるひと』」として新たな体験が可能になりました。


💬 SNS・実況での盛り上がり

YouTubeやニコニコ動画などでの実況動画や解説動画が多数投稿され、SNSでも「ついにクリアできた!」などの投稿が散見されました。

このように、

  • 当時プレイを諦めた世代のリベンジ
  • 初見プレイヤーのチャレンジ精神
  • ネタとしての楽しみ方

といった要素が重なり、単なる“クソゲー”を超えた存在感を放つ作品として語り継がれています。


✅ 総評

『星をみるひと』は、初期のRPG設計の試行錯誤が色濃く残る作品であり、完成度の低さと同時に、当時の挑戦的なゲームデザインを見ることができる“資料的価値の高い一本”とも言えます。

現代においては、ゲーム史を知るうえで外せない問題作として、ユニークな位置づけを確立しているのです。

📝 総まとめ:伝説の“クソゲー”にして、唯一無二の問題作

『星をみるひと』は、1987年にリリースされたファミコン用RPGでありながら、そのゲームバランスの不親切さ、説明不足、序盤の難易度などから長年にわたり“クソゲー”の代表格とされてきました。

しかしその一方で、超能力をテーマにした独特の世界観や、終盤の急展開、仲間キャラクターの存在など、当時としては非常に挑戦的なコンセプトも内包しており、ただの駄作では片付けられない複雑な魅力を持っています。

現代ではNintendo Switchへの配信や数々の実況動画などを通じて、

  • なぜここまで語り継がれているのか?
  • どうすれば攻略できるのか?

といった“リベンジ的プレイ”や、“ネタとしての再発見”が進み、かつての負のイメージとは異なる形で支持を集めています。

「なぜこのゲームがここまで語られるのか」──その答えは、実際にプレイしてこそ見えてくるかもしれません。

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