『スプラトゥーン レイダース』を忖度なしレビュー|シリーズ初スピンオフの完成度を検証
2026年7月23日に発売された『スプラトゥーン レイダース』は、「スプラトゥーン」シリーズ初のスピンオフ作品です。
舞台は、地図にも載っていない謎の島々「ウズシオ諸島」。新たな主人公「メカニック」とすりみ連合が、次々と現れるシャケに立ち向かいながら、島に眠るオタカラを探していきます。
従来シリーズの中心だった4対4の対戦とは異なり、本作では島やダンジョンの探索、ブキやガジェットの収集・強化、すりみ連合との冒険が中心です。一人でじっくり進められるほか、ローカル通信やインターネット通信を使った最大4人の協力プレイにも対応しています。
ヒーローモードを発展させたような作品に見える一方、1本のゲームとして発売された以上、探索や育成を繰り返す面白さ、ストーリーの満足度、ボリューム、Switch 2専用ソフトとしての進化まで厳しく見る必要があります。
本記事では実際にプレイしたうえで、アクションや探索の完成度、ブキ・ガジェットの育成要素、一人用と協力プレイの違い、良かった点と気になった点を詳しく検証します。
シリーズファンだけでなく、対人戦が苦手な人でも楽しめる作品なのか。価格に見合う内容なのかも含め、忖度なしで評価します。
『スプラトゥーン レイダース』の基本情報
- タイトル: スプラトゥーン レイダース
- 発売日: 2026年7月23日
- 対応機種: Nintendo Switch 2
- ジャンル: アクションシューティング
- 発売元: 任天堂
- プレイ人数: 1人
- ローカル通信: 2~4人
- インターネット通信: 2~4人
- ダウンロード版価格: 6,480円(税込)
- パッケージ版価格: 7,480円(税込)
- 対象年齢: CERO A(全年齢対象)
『スプラトゥーン レイダース』は、Nintendo Switch 2専用ソフトです。Nintendo Switchではプレイできないため、購入時には対応機種を間違えないよう注意が必要です。
本体1台で遊べる人数は1人ですが、人数分のNintendo Switch 2本体とソフトを用意すれば、ローカル通信やインターネット通信を利用して最大4人で冒険できます。インターネット通信を利用する場合は、Nintendo Switch Onlineへの加入が必要です。
また、フレンドや同じ「あいことば」を知るプレイヤーとグループを作るだけでなく、一人でのプレイ中に救援を求める「ヘルプ」にも対応しています。
基本は一人でじっくり進める作品でありながら、必要に応じてほかのプレイヤーと協力できる設計です。
『スプラトゥーン レイダース』はどんなゲーム?
『スプラトゥーン レイダース』は、さまざまな島や地下遺跡を探索し、大量のシャケを倒しながらオタカラを集めていくアクションシューティングです。
プレイヤーは行き先となるステージを選び、ブキと最大2つのガジェットを装備して出発。地上では地形を塗りながら進み、地下遺跡ではイクラを集めて階層を突破し、最深部に待つ強敵との戦いに挑みます。
探索中には、新たなブキや素材、設計図、主人公の能力を高める「秘宝パワー」などを入手できます。集めた素材は拠点の「アジト船」へ持ち帰り、ガジェットの開発、ブキやタンクの強化に使用。主人公自身も経験を積むことでレベルが上がり、体力や攻撃力が成長していきます。
奥地へ進むほど敵は強くなりますが、敗北しても装備を整えて再挑戦できます。難易度はゲーム中にいつでも変更でき、選択によって入手できるアイテムが減ることもありません。
探索、収集、開発・強化、再挑戦を繰り返しながら、少しずつ行動範囲と戦い方を広げていくことが本作の基本です。対戦を中心とした従来作とは異なり、キャラクターを育てて強敵を攻略する一人用アクションとして再構築されています。
従来の『スプラトゥーン』シリーズとの違い
『スプラトゥーン レイダース』には、地面や壁をインクで塗り、イカの姿で塗った場所を高速移動するシリーズ共通のアクションが受け継がれています。
ただし、本作の中心は4対4で塗った面積を競う「ナワバリバトル」ではありません。ほかのプレイヤーとの対戦ではなく、シャケとの戦闘や島の探索、装備の収集・強化を楽しむスピンオフ作品です。
『スプラトゥーン3』のヒーローモードにも一人用ステージはありましたが、本作では探索から持ち帰った素材でガジェットやブキを強化し、主人公自身もレベルアップします。一度攻略して終わるだけでなく、装備を整えて再び島や地下遺跡へ向かう成長要素が強化されました。
大量のシャケを相手にする点は「サーモンラン」と似ていますが、決められた時間内にイクラを納品するモードではありません。オタカラの発見や遺跡の踏破を目指し、自分で選んだ装備を育てながら継続的に攻略していくことが大きな違いです。
対戦を繰り返して腕前を競う従来作とは遊びの目的が異なるため、シリーズ経験者だけでなく、オンライン対戦に苦手意識がある人にも入りやすい作品になっています。
『スプラトゥーン レイダース』の良かった点
空中アクションが加わり、移動と戦闘の自由度が大きく広がった
本作で特に爽快なのが、従来の塗りとイカ移動に、新たな空中アクションが加わったことです。
高く跳び上がる「メカジャンプ」や空中ジャンプを利用すれば、地上に群がるシャケを避けながら攻撃したり、高所にいる敵へ一気に接近したりできます。足元を敵のインクで奪われても空中へ逃げられるため、囲まれた状況から立て直しやすくなりました。
さらに、空中にいる状態でも射撃を続けられます。敵の配置を上から確認しながら攻撃する、高低差を無視して別の足場へ移るなど、地面を塗って進むだけではない立体的な戦い方が可能です。
シリーズらしい操作感を残しながら、移動できる範囲と戦術の幅を広げたことで、一人用アクションとして新鮮な爽快感が生まれています。
ブキやガジェットを更新するたびに、戦い方が広がっていく
探索で手に入るブキは、同じ種類でもレベルや性能が異なります。使い慣れたブキの上位品を探すだけでなく、ステージに登場するシャケや地形に合わせて、別のブキを試す楽しさもあります。
さらに、最大2つ装備できるガジェットには、素早く移動するタイプ、強烈な一撃を与えるタイプ、自動攻撃で有利な状況を作るタイプなど、異なる役割が用意されています。強化によって性能も変化するため、組み合わせ次第で接近戦を重視したり、安全な距離から敵を処理したりと、自分に合った戦術を作れます。
不要になったブキを素材へ分解できるため、集めた装備が無駄になりにくい点も好印象です。
新しい装備を手に入れるたびに試したい戦い方が生まれ、同じ場所へ再挑戦する理由が自然に作られていることが、探索を繰り返す大きな原動力になっています。
多彩なダンジョンが用意され、短時間でも区切りよく遊べる
オタカラ・ハントで挑戦するダンジョンは、単にシャケを倒して奥へ進むだけではありません。
広いステージを駆け回ってオタカラを探すもの、制限時間内にイクラを集めるもの、階層を突破して最深部の強敵に挑むものなど、異なるルールが用意されています。指定されたブキとガジェットで攻略する「つまみぐいダンジョン」もあり、普段は選ばない装備の特徴を知るきっかけになります。
序盤のダンジョンは数分から10分ほどで終わるものが多く、ひとつ攻略してはアジト船へ戻る流れも軽快です。長時間遊ぶ場合だけでなく、少し空いた時間にも探索を進められます。
ダンジョンごとに目的や有効な戦い方が変わるため、オタカラ集めを繰り返しても単調になりにくいことは、本作を継続して遊びやすくしている大きな長所です。
最大4人の協力プレイでも、緊張感のある攻略を楽しめる
本作は一人で進められるだけでなく、フレンドや「あいことば」で集まった仲間と、最大4人でダンジョンへ挑戦できます。
複数人になると単純に攻略が簡単になるわけではありません。参加人数に応じてシャケの体力などが強化されるため、大勢で一気に押し切ろうとしても、連携が崩れれば囲まれてしまいます。
一方で、倒したシャケから出るブキやパーツはプレイヤーごとに判定されるため、仲間と取り合う必要はありません。イクラは全員で共有されるので、周囲の敵を引き受ける人と回収を進める人に分かれるなど、自然に協力する場面が生まれます。
ソロとは異なる立ち回りを求められながら、装備集めとストーリー攻略を仲間と継続して楽しめることは、協力型アクションとして大きな長所です。
難易度を自由に変更でき、アクションが苦手でも進めやすい
本作には3段階の難易度が用意されており、自分の経験や求める歯応えに合わせて選択できます。
難易度は最初に決めたまま固定されるのではなく、アジトへ戻れば後から変更可能です。敵が強くて先へ進めない場合は難易度を下げ、装備や操作に慣れてきたら再び上げるといった遊び方ができます。
難易度を下げても、獲得できる装備や報酬が減ることはありません。ストーリーやオタカラ集めを優先したい人が、不利な条件を受け入れる必要がない点も親切です。
反対に、シリーズ経験者やアクションに自信がある人は、高い難易度で強化したブキやガジェットを試せます。
対戦で勝てずに離れてしまった人や、シューティングが得意ではない人でも、自分に合った手応えで最後まで挑戦しやすい設計になっています。
『スプラトゥーン レイダース』の気になった点
後半はレベル上げのための周回に作業感が出やすい
序盤から中盤までは、新しいダンジョンやブキ、ガジェットが次々と解放され、テンポよく進められます。
しかし、敵のレベルが高くなる後半では、手持ちの装備や主人公の育成が追いつかず、過去に攻略した場所を周回して経験値や素材を集める必要が出てきます。強化によって以前は苦戦した敵を倒しやすくなる達成感はありますが、同じシャケとの戦闘や資源回収が続くと、展開に変化を感じにくくなることもあります。
とくにストーリーの続きを早く見たい人にとっては、進行を一度止めてレベル上げを求められる構成が負担になりかねません。
装備収集と育成を楽しめる人には魅力ですが、周回プレイが苦手な人ほど後半のテンポを遅く感じやすい点は注意が必要です。
シャケとの集団戦が中心で、長時間遊ぶと戦闘が単調に感じやすい
ダンジョンには探索、イクラ集め、制限時間付きの戦闘など複数の形式が用意されていますが、基本的には大量のシャケを倒しながら先へ進む場面が中心です。
序盤は新しい敵やガジェット、空中アクションによる派手な戦闘を楽しめる一方、長時間遊ぶほど見慣れたシャケと戦う機会が増えていきます。ステージの目的や敵の配置が変わっても、集団を処理してイクラや装備を回収する流れ自体は大きく変わりません。
ボス戦や特殊なルールのダンジョンは良いアクセントになっていますが、通常の戦闘が続く区間では変化が弱く感じられます。
爽快感は高いものの、同じ敵を繰り返し倒すハクスラ型のゲーム性が合わない人は、途中から単調さを感じる可能性があります。
ストーリーは軽めで、世界観の掘り下げには物足りなさが残る
本作では、メカニックとすりみ連合がウズシオ諸島を巡り、オタカラを探す物語が描かれます。
明るい掛け合いやシリーズらしい雰囲気は楽しめますが、ストーリーは探索を進める動機づけとしての役割が中心です。大きな謎を追いながら人物関係が深まっていくような構成ではなく、物語だけを目的に先へ進みたくなるほどの強い展開は多くありません。
また、シリーズ本編では街の住人や音楽、フェスなどを通じて独特の文化が描かれてきましたが、本作はシャケとの戦闘と装備収集に比重が置かれています。
すりみ連合の活躍を期待していた人には楽しめる一方、濃密な物語や『スプラトゥーン』世界の新たな設定を求めると、やや淡泊に感じる可能性があります。
Switch 2専用ソフトとしては、映像面の驚きがやや小さい
本作は大量のシャケが登場する場面でも動作が安定しており、インクが広がる激しい戦闘を滑らかに楽しめます。画面も鮮明で、携帯モードを含めた見やすさに大きな不満はありません。
一方で、キャラクターやインクの表現、ステージ全体の雰囲気は『スプラトゥーン3』から大きく変わった印象が薄く、映像を見ただけで世代の違いが分かるほどの進化ではありません。
Switch 2の性能は、多数の敵を同時に動かす処理や広いステージ、安定したフレームレートに使われていると考えられますが、分かりやすいグラフィックの変化を期待して購入すると、物足りなさを覚える可能性があります。
動作の快適さは高水準ですが、Switch 2専用タイトルとして新世代らしい映像体験を強く求める人には、進化が控えめに映る部分です。
知らない相手との協力プレイは、連続して利用しにくい
フレンドや「あいことば」を利用するマルチプレイでは、最大4人でダンジョンを連続して攻略し、進行度を合わせながらストーリーを進められます。
一方、ソロプレイ中に知らない相手へ救援を求められる「ヘルプ」は最大3人まで。一度助けを求めると、しばらく再利用できないため、野良のプレイヤーと次々にダンジョンを周回する遊び方には向いていません。
また、通常のマルチプレイで選べるのは、参加者全員が解放しているダンジョンに限られます。進行度に差がある友人と遊ぶ場合、先へ進んでいる側が序盤のダンジョンへ合わせる必要があります。
ネタバレを防ぎ、ソロでの進行を基本とする設計としては理解できますが、オンライン協力を中心に長時間遊びたい人には、自由度がやや低く感じられる部分です。
『スプラトゥーン レイダース』がおすすめな人
本作は、『スプラトゥーン』の操作感や世界観が好きでも、対人戦の勝敗やランクを気にせず遊びたい人におすすめです。
ステージを探索して装備や素材を持ち帰り、ブキやガジェットを強化して再び奥地へ挑むため、少しずつキャラクターを育て、自分のペースで攻略を進めるゲームが好きな人と特に相性が良いでしょう。
複雑なコマンド操作よりも、塗る、撃つ、泳ぐという分かりやすいアクションで、大量の敵を爽快に倒したい人にも向いています。難易度は途中で変更できるため、シリーズ未経験者やシューティングに慣れていない人でも始めやすい設計です。
基本は一人用ですが、フレンドと最大4人でダンジョンへ挑むことも可能。常に誰かと遊ぶ必要はなく、必要な場面だけ協力プレイを楽しめます。
対戦よりも探索や収集を重視し、好きなブキとガジェットを試しながら長く遊び込みたい人には、満足度の高い一本です。
忖度なしスコア
シリーズならではの「塗る・撃つ・泳ぐ」という操作感を生かしながら、空中アクションやガジェット、装備収集、レベルアップを加えたことで、対戦とは異なる一人用・協力型アクションとして高い完成度に仕上がっています。新しいブキを集め、強化した装備で難しいダンジョンへ再挑戦する流れも分かりやすく、成長を実感しながら長く遊べる点は大きな魅力です。
難易度を途中で変更できるため、シューティングが苦手な人でも進めやすく、最大4人の協力プレイではソロとは異なる役割分担や立ち回りも楽しめます。
一方で、後半は経験値や素材を集める周回が必要になり、同じシャケとの戦闘に繰り返し感が出やすい点は気になります。ストーリーや世界観の掘り下げも控えめで、Switch 2専用作品として映像面に大きな驚きを求めると物足りなさが残るでしょう。
万人向けの作品ではありませんが、対人戦よりも探索・収集・育成を自分のペースで楽しみたい人には、十分におすすめできる良作です。
| 評価項目 | スコア | 評価内容 |
|---|---|---|
| アクション・操作性 | 8.8 | 塗る、撃つ、泳ぐというシリーズの爽快な操作感に、空中移動やガジェットを加えた立体的な戦闘が楽しめる |
| 探索・ダンジョン構成 | 8.2 | 異なる目的やルールを持つダンジョンが用意されているが、後半はシャケとの集団戦に繰り返し感も出やすい |
| 装備収集・育成 | 8.7 | 豊富なブキ、ガジェット、タンクを組み合わせ、自分に合った戦い方を作りながら強くなる過程が面白い |
| 一人用・協力プレイ | 8.0 | ソロでも最大4人でも遊べる一方、野良プレイヤーとの連続周回や進行度の異なる相手との合流には制約がある |
| 難易度・遊びやすさ | 8.5 | 難易度を途中で変更でき、報酬面の不利もないため、対戦やシューティングが苦手な人でも進めやすい |
| ストーリー・世界観 | 7.3 | すりみ連合との掛け合いは楽しいが、物語やシリーズ世界の掘り下げは軽く、やや淡泊に感じられる |
| グラフィック・動作 | 8.1 | 大量の敵とインクが入り乱れても快適に遊べるが、Switch 2専用作として分かりやすい映像進化は控えめ |
| ボリューム・満足度 | 8.0 | 装備集めや強化、クリア後の遊び込みには対応しているが、後半の育成周回は人を選ぶ |
| 総合評価 | 8.2/10 | 対戦中心だったシリーズを、装備収集と育成を楽しむ一人用・協力型アクションへ高い完成度で再構築した良作 |
対戦ではなく、探索・装備収集・育成を中心に楽しめるシリーズ初のスピンオフ。ブキやガジェットを強化しながら一人でじっくり攻略でき、最大4人の協力プレイにも対応しています。スプラトゥーンの爽快なアクションを別の形で楽しみたい人におすすめです。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
まとめ|対戦とは異なる魅力を形にしたシリーズ初のスピンオフ

『スプラトゥーン レイダース』は、シリーズで親しまれてきた軽快な操作感を生かしながら、探索・装備収集・育成を中心としたアクションへ大胆に方向転換した作品です。
空中を使った立体的な戦闘や、ブキとガジェットを組み合わせる自由度は高く、強化した装備で難しいダンジョンへ再挑戦する流れにも確かな中毒性があります。対人戦の勝敗を気にせず、好きなペースで『スプラトゥーン』のアクションを楽しめる点も大きな魅力です。
一方、後半は経験値や素材を集める周回が増え、シャケとの戦闘に繰り返し感が出やすくなります。濃密な物語や、Switch 2専用ソフトならではの圧倒的な映像進化を期待すると、やや物足りなさも残るでしょう。
それでも、対戦ゲームだったシリーズの可能性を広げ、一人でも仲間とでも長く遊べる作品へ仕上げた意欲作であることは間違いありません。
装備を集めて少しずつ強くなるゲームが好きな人や、対人戦を離れて『スプラトゥーン』の世界を楽しみたい人には、十分におすすめできる良作です。