ショッピング/買い物情報系 ニュース系

ヴィレッジヴァンガードはなぜ閉店が相次ぐ?81店舗検討のその後・62店退店と2026年現在

ヴィレッジヴァンガード大量閉店はなぜ?81店舗検討のその後・62店舗退店と2026年現在

最終更新:2026年9月1日

「ヴィレッジヴァンガードが81店舗も閉店する」

2025年夏、このニュースを見て驚いた人は多かったのではないでしょうか。

あれから約1年。実際に店舗の整理は大きく進みました。

ただ、最初にひとつ訂正しておきたいことがあります。

2025年に発表された「81店舗」は、81店舗すべての閉店が決まったという意味ではありません。

ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの正式な発表は、今後の業績回復が難しいと判断した81店舗について「閉店の可否を検討していく」というものでした。

その後、2026年5月期にはヴィレッジヴァンガードグループで62店舗が実際に退店。2026年6月1日時点の店舗数は全国232店舗まで減りました。

一方、業績を見ると意外な変化も起きています。

2025年5月期に約42億円の最終赤字を計上した会社は、2026年5月期には約7.4億円の最終黒字へ転換しました。

それでも店舗削減は終わりません。

2027年5月期には、さらに40店舗を退店する計画です。

大量閉店はなぜ続いているのか。黒字になったのに、なぜさらに店を減らすのか。

1年前の「81店舗」というニュースから、実際に何が起きたのかを順番に見ていきます。


まず結論|81店舗検討から1年、ヴィレヴァンはどうなった?

現在までの流れを整理すると、こうなります。

時点状況
2025年5月31日グループ293店舗
2025年7月業績回復が難しい81店舗について閉店可否を検討
2026年5月期62店舗退店・1店舗出店
2026年6月1日グループ232店舗
2026年5月期決算約42.5億円の赤字から約7.4億円の黒字へ
2027年5月期計画40店舗退店・2店舗出店予定

2025年5月末には293店舗ありましたが、2026年6月1日時点では232店舗。1年間で純減61店舗です。

数字だけを見ても、かなり大きな店舗網の縮小が進んだことが分かります。

ただし、「81店舗のうち62店舗が閉店した」とまでは確認できません。

会社は当初の81店舗と、その後実際に退店した店舗との対応関係を公表していないためです。

正確には、

81店舗について閉店するかを検討すると発表し、その後2026年5月期にグループ全体で62店舗が退店した

と理解するのが適切です。


「81店舗閉店」は少し違う|正式発表は「閉店の可否を検討」

2025年7月11日の発表をあらためて読むと、「81店舗」という数字が出てきた背景が分かります。

ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、通常の減損兆候が出ていた店舗に加えて、

今後業績の回復が困難であると判断した81店舗

について、閉店するかどうかを検討するとしました。

そして、その81店舗に関連して、

  • 棚卸資産評価損:24億7,200万円
  • 減損損失:6億7,400万円

を特別損失として計上しています。

つまり当時の発表は、

「81店舗を全部閉めます」

ではなく、

「採算回復が難しい81店舗を洗い出し、閉店も含めて見直します」

という段階でした。

この違いはかなり重要です。


実際には62店舗が退店|内訳はヴィレヴァン53店舗など

では、その後どこまで店舗整理が進んだのでしょうか。

2026年5月期の実績は62店舗退店、1店舗出店でした。

62店舗の内訳は次の通りです。

業態退店数
ヴィレッジヴァンガード53店舗
new style6店舗
アウトレット2店舗
FC1店舗
合計62店舗

「ヴィレッジヴァンガード62店舗が閉店した」と表現されることがありますが、厳密には62店舗はグループ全体の数字です。ヴィレッジヴァンガード業態だけなら53店舗でした。

しかも当初から62店舗を予定していたわけではありません。

2026年5月期の退店計画は途中で拡大していき、最終的に62店舗まで増えました。

店舗ごとの収益性を確認しながら、整理対象を広げていったことがうかがえます。


2026年6月時点で全国232店舗|1年間で約2割減った

2026年6月1日時点で、ヴィレッジヴァンガードグループは全国232店舗となっています。

内訳は、

  • ヴィレッジヴァンガード:218店舗
    • 直営216店舗
    • FC2店舗
  • new style:5店舗
  • アウトレット:9店舗

です。

前年の2025年5月31日時点では293店舗でした。

293店舗から232店舗なので、1年間の純減は61店舗。率にすると約20.8%です。

ただし、232店舗は「2026年9月1日現在の店舗数」ではありません。

これは会社が決算説明資料で示している2026年6月1日時点の最新の詳細な公式集計です。その後にも個別店舗の閉店は続いているため、9月1日時点の正確な総店舗数を232店と断定することはできません。

次の四半期決算は2026年10月13日に予定されています。


なぜヴィレッジヴァンガードは閉店を続けているのか

閉店が相次ぐ理由を、「ネット通販が増えたから」「ショッピングモールが苦戦しているから」とひとつの原因に決めつけるのは正確ではありません。

会社の資料から最もはっきり読み取れるのは、収益性の低い店舗を整理して、店舗事業そのものの採算を改善しようとしていることです。

2027年5月期の計画でも、会社は「不採算店舗の退店」によって売上が減少することを織り込んだうえで、店舗事業の採算改善、POPUP事業とEC事業の収益性改善・拡大を進めるとしています。

つまり今起きているのは、単なる店舗閉鎖ではありません。

店舗数を維持することより、利益を残せる体制へ変えることを優先した再編です。

たくさん店を持っていても、赤字の店舗が積み重なれば会社全体を圧迫します。

売上規模が小さくなっても、利益を残せる店舗や事業へ資源を集中する。その方向へ大きく舵を切ったと見る方が実態に近いでしょう。


約42億円赤字だったのはなぜ?「81店舗」の見直しも赤字を膨らませた

2025年5月期の業績は、

2025年5月期
売上高249億6,200万円
営業損失9億3,500万円
経常損失9億9,500万円
最終損失42億4,700万円

でした。

ここで気になるのは、営業赤字が約9億円なのに、最終赤字は約42億円まで膨らんでいることです。

大きく影響したのが、店舗や在庫の価値を見直したことによる特別損失でした。

81店舗について閉店の可否を検討する過程で、

棚卸資産評価損24億7,200万円
減損損失6億7,400万円

を計上しています。

合計すると約31億4,600万円です。

そのため、

「42億円もの赤字になったので81店舗を閉めることになった」

とだけ理解すると、少し順番が違います。

業績回復が難しい店舗を洗い出し、閉店まで視野に入れて在庫や店舗資産の価値を見直したこと自体が、2025年5月期の大きな最終赤字につながっています。


ところが翌年は黒字転換|42億円赤字から7.4億円黒字へ

大量退店が進んだ2026年5月期。

決算は前年とは大きく変わりました。

2025年5月期2026年5月期
売上高249億6,200万円233億5,300万円
営業損益▲9億3,500万円9億1,900万円
経常損益▲9億9,500万円8億5,800万円
最終損益▲42億4,700万円7億3,600万円

売上高は前年比6.4%減りました。

それでも営業利益、経常利益、最終利益のすべてが黒字へ転換しています。

「店をたくさん閉めたのだから、売上が減るのは当然」と考えることはできます。

重要なのは、その一方で利益を残せる体質へ大きく改善したことです。

2025年5月期に37.5%だった売上総利益率は、2026年5月期には44.7%へ上昇。

販売費・一般管理費も102億9,800万円から95億1,700万円へ、約7億8,100万円減りました。

大量閉店だけが黒字転換の理由ではありません。

売上総利益の改善や販管費削減、人員配置・業務効率の見直しなどを含めた構造改革によって、収益基盤そのものが改善したと会社は説明しています。


黒字になったのに、なぜさらに40店舗も閉めるのか

ここが現在のヴィレッジヴァンガードを理解するうえで最も重要なところです。

2026年5月期に黒字化したにもかかわらず、会社は2027年5月期に、

40店舗を退店し、2店舗を出店する

計画を示しています。

差し引きではさらに38店舗減る計画です。

なぜ黒字になったのに閉店を続けるのでしょうか。

答えは、構造改革がまだ終わっていないからです。

会社は2027年5月期について、

  • 店舗事業の強化と収益拡大
  • POPUP事業の強化と収益拡大
  • EC事業の強化と収益拡大

を掲げています。

不採算店舗を残して売上規模を維持するのではなく、店をさらに絞り込みながら、残った店舗とPOPUP、ECから利益を生み出せる形へ変えようとしています。


2027年5月期は黒字予想だが「完全復活」とはまだ言えない

会社が公表している2027年5月期の業績予想は、

2027年5月期予想
売上高218億8,100万円
営業利益5億400万円
経常利益3億1,900万円
最終利益1億2,600万円

です。

黒字維持を見込んでいるものの、2026年5月期と比べれば減収・減益です。

したがって、

「大量閉店で経営再建に成功し、もう問題はない」

と判断するのも早いでしょう。

店舗をさらに減らしながら、どこまで利益を維持できるか。

POPUPやECをどこまで育てられるか。

今まさに、その途中にあります。


ヴィレッジヴァンガードは倒産するの?

大量閉店が続くと、「ヴィレヴァン自体がなくなるのでは?」と心配になるかもしれません。

現時点で、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションが倒産や事業終了を発表した事実はありません。

ただし、財務面に課題が残っていることも事実です。

2026年5月期決算では、過去の赤字によって金融機関との借入契約に定められた財務制限条項へ抵触し、黒字転換後も純資産割合に関する条項への抵触が続いていると説明されています。

会社自身も、これを継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象・状況としています。

一方で、その後の文章も重要です。

会社は、

  • 収益基盤が改善していること
  • 新株予約権や転換社債型新株予約権付社債による資金調達
  • 金融機関から支援継続への理解を得ていること

などを理由に、必要な資金を確保できる見込みだと説明。

そのうえで、継続企業の前提に関する「重要な不確実性」は認められないと判断しています。

したがって現在の状態を、

「倒産寸前」

と表現するのは適切ではありません。

反対に、

「黒字になったからもう安心」

とも言い切れません。

財務上の課題を抱えながら、店舗整理と収益改善を同時に進めている段階と見るのが最も近いでしょう。


残った店舗の売上には改善の動きも

2027年5月期に入ってからは、少し明るい数字も出ています。

直営既存店の売上高は前年同月比で、

  • 2026年6月:110.6%
  • 2026年7月:116.9%

となりました。

全店売上も、

  • 6月:93.6%
  • 7月:101.5%

です。

店舗数が減っているため、「全店売上」と「既存店売上」は意味が違います。

全店売上には閉店した店舗がなくなった影響が出ますが、営業を続けている既存店だけを見ると、直近2カ月は前年を上回りました。

まだ2カ月だけなので、これだけで回復が定着したとは言えません。

それでも、残った店舗の売上が前年を上回っていることは、今後を見るうえで注目したい変化です。


1号店の「本店」も閉店|ただし理由は大量閉店とは分けて考えたい

2026年には、ヴィレッジヴァンガードにとって象徴的な出来事もありました。

名古屋市天白区にあったヴィレッジヴァンガード本店が、2026年5月31日に閉店しています。

1986年に誕生した1号店で、約40年間営業を続けたヴィレッジヴァンガードの原点でした。会社自体も1986年11月創業としています。

大量閉店が続く時期と重なったため、「本店まで経営不振で閉まったのか」と受け取られやすいところですが、本店について公表された閉店理由は建物と設備の老朽化です。

したがって、本店閉店をそのまま不採算店舗整理の一例として扱うことはできません。

ただ、ヴィレッジヴァンガードの原点だった場所が姿を消したことは、店舗網そのものが大きく変わっている現在を象徴する出来事のひとつではあります。


「遊べる本屋」はなくなるのか

ヴィレッジヴァンガードは現在も、自社の事業内容を「遊べる本屋」をキーワードに、書籍と雑貨などを融合して販売する小売業と説明しています。

本だけを買う店でもなければ、普通の雑貨店でもない。

本の隣にキャラクターグッズがあり、その横に思いもよらない雑貨があり、店員の手書きPOPを読んでいるうちに、買う予定のなかったものまで気になってくる。

効率よく目的の商品を探すこととは反対側にある、「何があるか分からないから店内を歩く」体験がヴィレッジヴァンガードの大きな特徴でした。

その意味では、店舗数が減ることによって失われるのは、単純な買い物場所の数だけではありません。

一方、会社側も実店舗だけに将来を賭けているわけではありません。

2027年5月期は、店舗事業に加えてPOPUPとECを明確な柱として位置づけています。POPUPでは作品の世界観を再現した体験型空間、ECでは店舗とは別の限定商品などを展開しています。

「全国にたくさんの店を構えるヴィレヴァン」から、

採算の取れる実店舗を残しながら、期間限定ショップやネット販売でも独自性を出すヴィレヴァン

へ。

今起きているのは、店舗数の減少だけでなく、ヴィレッジヴァンガードという会社の形そのものの変化なのかもしれません。

もっちり パン型クッション 食パン クロワッサン おもしろ グッズ TOKYO GOODS MARKET (クロワッサン)

本物のクロワッサンのような見た目が目を引く、もっちりタイプのパン型クッション。「なぜこれをクッションに?」と思わず足を止めたくなる、ヴィレヴァンの売り場を思い出させるようなユニーク雑貨です。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。


81店舗は結局どうなった?よくある疑問を整理

81店舗すべてが閉店した?

いいえ。

2025年7月の正式発表は、業績回復が難しいと判断した81店舗について「閉店の可否を検討する」という内容でした。81店舗すべての閉店決定ではありません。

その後、何店舗が閉店した?

2026年5月期にはグループ全体で62店舗が退店しました。

内訳はヴィレッジヴァンガード53店舗、new style6店舗、アウトレット2店舗、FC1店舗です。

ただし、この62店舗が当初検討対象だった81店舗とすべて一致するかは公表されていません。

現在は何店舗ある?

最新の詳細な公式集計では、2026年6月1日時点で全国232店舗です。

その後にも個別の閉店があるため、2026年9月1日時点の正確な店舗総数とは限りません。

今後も閉店する?

はい。

2027年5月期には40店舗退店、2店舗出店が計画されています。

ヴィレッジヴァンガード自体がなくなる?

現時点で会社が事業終了や倒産を発表した事実はありません。

ただし財務制限条項への抵触は残っており、会社は店舗整理、収益改善、資金調達などを進めています。


まとめ|大量閉店は「終わり」ではなく、まだ続いている再編の途中

2025年に大きく報じられた「81店舗」という数字。

正確には81店舗すべての閉店決定ではなく、業績回復が難しい81店舗について閉店の可否を検討するという発表でした。

その後、2026年5月期にはグループで62店舗が退店し、2026年6月1日時点の店舗数は293店舗から232店舗へ縮小しました。

一方で決算は、約42億円の最終赤字から約7.4億円の黒字へ転換しています。

それでも2027年5月期には、さらに40店舗を退店する計画です。

つまり現在のヴィレッジヴァンガードを、

「閉店が続いて、このままなくなっていく会社」

とだけ見るのも、

「黒字になったから完全復活した会社」

と見るのも、どちらも正確ではありません。

店舗網をかなり小さくしながら採算を改善し、POPUPやECを含めた新しい収益構造へ組み替えている途中です。

1986年から続いてきた「遊べる本屋」は、これまでと同じ規模・同じ形のままでは残らないかもしれません。

ただ、店舗を減らすことと、ヴィレッジヴァンガードそのものが終わることは同じではありません。

次に大きな状況が見えてくるのは、2026年10月13日に予定されている2027年5月期第1四半期決算です。40店舗の退店計画がどこまで進んでいるのか、黒字化後の収益改善が続いているのか。ここが次の確認ポイントになります。

-ショッピング/買い物情報系, ニュース系
-,