- 『電忍アレスタ』メガCD版レビュー|和風メカで戦う縦スクロールSTGは今遊んでも面白い?
- 『電忍アレスタ』はどんなゲーム?
- 1543年から違ってしまった、架空の戦国時代
- 3ボタンの中に、意外なほど多くの判断が詰まっている
- 通常弾と4種類の特殊兵器は別々に育つ
- 雷閃波――前を早く片付けたいときの兵器
- 爆柳鳳仙花――後方や横まで巻き込む空中爆雷
- 飛影滅風陣――火力ではなく、安全を買う
- 風車手裏剣――広く撃つことを優先する
- それでも「4種類=常に4択」にはならない
- 2基のオプションは、追加砲台より「盾」に近い
- しかも、その盾をAボタンで敵へ飛ばせる
- 8段階の速度は、今遊んでも意味が分かりやすい
- 大型ボスでは、兵器の性格が分かりやすく出る
- 問題は、避ける前に「弾を見つける」負担があること
- 一発の被弾が、その後の気持ちよさまで削る
- コンティニューがあるので、全滅=最初からではない
- メガCDらしさは、シューティングの外側にもある
- 『武者アレスタ』と比べると、何を変えたかったのかが見える
- 海外版『Robo Aleste』は、日本版と完全に同じではない
- メガドライブミニ2では、日本版と海外版を比べられる
- 2026年現在、『電忍アレスタ』を遊ぶなら
- 今遊んでも面白いところ
- 現在では厳しいところ
- なぜB Tierではなく、C Tier・69点なのか
- まとめ|「選べること」は面白い。だからこそ、失敗時の重さが惜しい
『電忍アレスタ』メガCD版レビュー|和風メカで戦う縦スクロールSTGは今遊んでも面白い?

『電忍アレスタ』には、プレイヤーが触れる部分が多い。
通常弾とは別に4種類の特殊兵器があり、自機の前方には2基のオプションが付く。オプションは敵や敵弾を防ぐだけでなく、自分から前へ飛ばして攻撃にも使える。さらに移動速度まで8段階で変えられる。
1992年の縦スクロールシューティングとして見ると、かなり欲張った操作系です。
だからこそ気になるのは、「これだけ選べるなら、なぜもっと高い評価ではないのか」ということでした。
実際に仕組みを追うと、4種類の兵器にはきちんと役割差があり、オプションや速度変更にも使う意味があります。一方で、敵弾を読みづらい場面と一発の被弾が重く、せっかく整えた装備を気持ちよく使い続けられない瞬間も少なくありません。
つぶログのメガCD全114ソフトTier表では、C Tier・69点・総合65位タイ。
戦国時代に巨大ロボットを持ち込んだ珍しさだけではなく、武器・オプション・速度まで自分で扱えるシューティングとしての面白さを評価しつつ、その面白さを何度も止めてしまう部分まで含めた点数です。
『電忍アレスタ』はどんなゲーム?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 電忍アレスタ |
| 対応機種 | メガCD |
| 発売日 | 1992年11月27日 |
| メーカー | コンパイル |
| ジャンル | シューティング |
| プレイ人数 | 1人 |
| 価格 | 6,800円 |
| 型番 | T-66014 |
| Tier | C |
| 評価 | 69点 |
| 総合順位 | 65位タイ |
セガ公式では、1992年11月27日発売のコンパイル作品として掲載されています。現在のメガドライブミニ2公式ページでも、「戦国時代を舞台としたロボットシューティング」と紹介され、織田信長配下の忍が電忍「アレスタ」に搭乗し、反信長同盟軍と戦う作品として説明されています。
また原版マニュアルの裏表紙には、「コンパイル10周年記念作品」と明記されています。ネット上の後付けではなく、当時から掲げられていた位置付けです。
1543年から違ってしまった、架空の戦国時代
『電忍アレスタ』の舞台には、織田信長をはじめ実在の武将が登場します。
ただし、史実をゲーム化した作品ではありません。
原版マニュアルでは、天文12年――1543年に種子島へ漂着したポルトガル船から、鉄砲だけでなく蒸気機関技術まで伝わったという架空史が設定されています。その結果、人型兵器「鉄甲兵」の研究が進み、日本の戦争そのものが大きく変わっていきます。
鉄甲兵を忍装束のような姿まで大型化し、飛行能力を持たせたものが「電機忍兵」、通称「電忍」。
織田家には「白牙忍軍」と呼ばれる忍者集団があり、その象徴的な機体がアレスタです。プレイヤーキャラクターの名前がアレスタなのではなく、搭乗者である忍・影狼がアレスタを操ります。
戦国時代の城や武将と、ジェネレーターを積んだ巨大機械兵が同じ画面にいる。
この奇妙さは目を引きますが、『電忍アレスタ』の評価を決めるのは、その設定の先にあるシューティング部分です。
3ボタンの中に、意外なほど多くの判断が詰まっている
基本操作はシンプルです。
方向ボタンで8方向へ移動し、Bボタンで通常弾と特殊兵器を発射。Aボタンは2基のオプションを使い、Cボタンでは移動速度を1段階ずつ変更します。
速度は8段階まで用意されています。
一見すると普通の縦シューティングですが、プレイ中には、
- どの特殊兵器を持つか
- 同じ兵器を取り続けて強くするか
- オプションを防御へ残すか攻撃へ使うか
- どの速度で動くか
を考える余地があります。
何を撃つかだけでなく、どんな状態の自機で戦うかをある程度自分で決められるのが、本作の特徴です。
通常弾と4種類の特殊兵器は別々に育つ
通常射撃を強化するのは「パワーチップ」です。
取り続けることで通常弾は最大6段階までパワーアップします。
それとは別に、ウェポンキャリアを破壊すると4色の特殊兵器アイテムが出現します。同じ色を取り続ければ、その特殊兵器は最大4段階まで強化されます。
つまり、通常弾の強さと特殊兵器の種類・成長は別です。
特殊兵器を選ぶたびに基本射撃まで作り直すのではなく、通常弾を土台として育てながら、その上へ状況に合った兵器を載せる。
この二層構造は分かりやすく、4兵器の違いを考える余地も作っています。
雷閃波――前を早く片付けたいときの兵器
青色のアイテムで使えるのが雷閃波(らいせんは)です。
前方へレーザー状の攻撃を放つ、4種類の中でも方向性が最も分かりやすい兵器です。強化すれば前方への攻撃力が増していきます。
正面に硬い敵がいる。
大型機を素早く削りたい。
ボスへ継続して火力を集中したい。
そうした場面と相性がいい。
一方で、攻撃が前へ集中するぶん、横や後ろから入ってくる小型敵をまとめて処理する用途には向きません。
「強いレーザー」だけで終わらず、敵がどこから来るかによって向き不向きがあります。
爆柳鳳仙花――後方や横まで巻き込む空中爆雷
赤色の爆柳鳳仙花(ばくりゅうほうせんか)は、空中爆雷を放つ兵器です。
投下された爆雷は放物線を描いて後方へ落ち、何かへ当たるか一定時間が経過すると爆発。周囲の敵を巻き込みます。原版マニュアルでも、後方から現れる敵や固い敵に有効な兵器として説明されています。
雷閃波が「目の前を早く倒す」なら、こちらは自機の周囲へ攻撃範囲を広げるタイプ。
敵がいつも画面上部から整然と降りてくるゲームではないため、この差には意味があります。
飛影滅風陣――火力ではなく、安全を買う
黄色の飛影滅風陣(ひえいめっぷうじん)は、かなり性格が違います。
2基のオプションがアレスタの周囲を旋回し、敵弾を防いでくれる防御型の特殊兵器です。強化するとオプションの軌道も変化します。
シューティングの武器選択は、どうしても「一番ダメージが出るもの」を選ぶ話になりがちです。
そこへ、
敵を早く倒すか、それとも自機周辺を守るか
という選択を入れたのは面白い。
後述する敵弾の見え方を考えると、防御という選択肢にはなおさら価値があります。
ただ、日本版では火力まで兼ね備えた万能兵器というわけではありません。そのため攻撃効率を求める場面では、別の兵器を選びたくなることも多い。
役割は明確ですが、必ずしも常用したくなる強さではありません。
風車手裏剣――広く撃つことを優先する
緑色の風車手裏剣(ふうしゃしゅりけん)は、前方へ拡散する手裏剣を放ちます。
強化するほど攻撃方向が広がり、最大時には8方向へ弾を飛ばします。
狭い正面へ集中する雷閃波とは対照的で、多方向から来る小型敵を触りやすい。
敵配置によって武器の性格が変わることを最も理解しやすい組み合わせが、雷閃波と風車手裏剣でしょう。
4種類の兵器は、色とエフェクトだけを変えたものではありません。
それでも「4種類=常に4択」にはならない
ここが評価を分けます。
4兵器にはそれぞれ役割があります。
しかし、役割が違うからといって、プレイ中に4種類すべてを同じ頻度で使いたくなるわけではありません。
シューティングでは、敵を早く消すこと自体が防御になります。
正面にボスや硬い敵がいる状況では、火力を集中しやすい兵器が分かりやすく有利になる。広範囲兵器や防御兵器にも使いどころはありますが、「この場面では絶対にこちら」という選択をゲーム全体で何度も迫られるほど、武器相性が深く作り込まれているわけではありません。
同じ色の兵器を取り続けるほど強化される仕組みもあるため、気に入った兵器を育てて維持したくなる意識が働きます。
武器を交換できる自由はある。けれど、常に交換したくなるゲームではない。
4種類という数字ほど、選択が迷い続けるわけではないところが惜しいです。
2基のオプションは、追加砲台より「盾」に近い
アレスタの前方には、2基のオプション「大狼丸」「次狼丸」が配置されています。
普段は自機の前を守り、敵や敵弾に対する防御として機能します。
ここが一般的な追加砲台型オプションとの違いです。
自機だけを見て弾を避けるのではなく、オプションがいる位置まで含めて安全を作る。
正面から弾が来るなら、オプションの陰へ自機を合わせる考え方ができます。
ただし、当然ながら横や後方まで無条件に守ってくれるシールドではありません。
防御があるから楽になるというより、オプション込みで自機の当たり方を考えるシューティングになっています。
しかも、その盾をAボタンで敵へ飛ばせる
Aボタンを押し続けるとオプションが発光し、ボタンを離すと前方へ射出されます。
普段は防御を担当している2基を、そのまま敵へぶつけて攻撃に使えるわけです。
仕組みだけを聞くと、かなり面白いリスクとリターンに見えます。
安全を残すのか。
攻撃へ回すのか。
ところが実際のプレイでは、通常弾と特殊兵器だけでも敵を処理できるため、オプション射出が攻略全体を支配するほど重要にはなりません。
「撃つか守るか」を絶えず迫るシステムというより、必要に応じて使えるもう一つの攻撃手段に近い。
ここも『電忍アレスタ』らしいところです。
仕組みは多い。しかし、すべての仕組みが同じ濃さで判断を要求するわけではありません。
8段階の速度は、今遊んでも意味が分かりやすい
Cボタンを押すと、アレスタの移動速度を1段階ずつ上げられます。
用意されているのは8段階です。現在の速度は画面上にも表示されます。
これは飾りではありません。
画面を大きく横断したい場面では速い方が楽。
一方、ボスの近くで細かく位置を調整したいときは、速すぎると自分から弾へ飛び込んでしまいます。
シューティングにおける速度は、攻撃力と違って高いほど常に正解ではない。
8段階も用意したことで、自分が避けやすい速度へかなり細かく合わせられます。
4特殊兵器やオプション射出より地味ですが、プレイ中にもっとも素直に恩恵を感じやすいシステムの一つです。
大型ボスでは、兵器の性格が分かりやすく出る
道中には戦国時代を機械化したさまざまな兵器が登場し、各所で大型の鉄甲兵が待ち受けます。
ボス戦では、単に巨大な絵を見せるだけでなく、敵の位置や攻撃方向に合わせて自分を置き、攻撃を継続する必要があります。
正面へ長く攻撃できるなら雷閃波。
敵弾が厳しいなら飛影滅風陣。
周囲の雑魚まで巻き込みたいなら広範囲型。
道中よりもボス戦の方が、4兵器の性格を考えやすい場面があります。
戦国武将と巨大機械兵という美術上の見せ場と、シューティングとしての攻防が重なるため、本作の長所が出やすい部分です。
問題は、避ける前に「弾を見つける」負担があること
69点を考えるうえで最も重いのが、敵弾の視認性です。
『電忍アレスタ』が常に大量の弾で画面を埋め尽くすゲームだから難しい、という話ではありません。
背景には城、地面、兵器、爆発など多くの情報があり、そこへ自分の通常弾や特殊兵器のエフェクトも重なります。
その中に比較的小さく淡い敵弾が入ると、弾道を読んで避ける以前に、危険な弾を見つけるのが遅れる場面があります。
速い弾が見えていて避け切れなかったのなら、「次は早く動こう」と考えられる。
しかし自分が何に当たったのか一瞬分かりにくいミスは、同じ難しさでも感触が違います。
ここは、現在遊んでも明確に厳しいところです。
一発の被弾が、その後の気持ちよさまで削る
さらに本作は、被弾の負担が軽くありません。
基本的には一度の被弾でミスとなり、復帰すると特殊兵器を失い、育てていた攻撃も弱くなります。
すると、
兵器を育てる
→攻撃が強くなる
→敵を気持ちよく処理できる
→見落とした弾で被弾する
→再び装備を作り直す
という落差が生まれます。
難しいこと自体より、一度の失敗が本作の長所である武器運用まで巻き戻してしまうことの方が大きい。
せっかく4兵器を使い分けられるのに、ミスをすると「どの兵器を選ぼうか」ではなく「まず兵器を取り戻したい」という状態になります。
選択を楽しませるシステムと、失敗時のペナルティが少し噛み合っていません。
コンティニューがあるので、全滅=最初からではない
残機がなくなればゲームオーバーになりますが、タイトル画面の「CONTINUE」からプレイを再開できます。
原版マニュアルにも、「ゲームオーバーになったところから続けられる」機能として記載されています。
さらにオプションでは、
下忍
中忍
上忍
抜け忍
という4段階の難易度設定が用意されています。
そのため、極端に高い難易度を選ばなければ先へ進む手段はあります。
今回の69点も最高難度だけを基準にしているわけではありません。
問題はクリア不能なほど難しいことではなく、標準的に遊んでいても視認性と一発ミスの組み合わせが爽快感を切りやすいことです。
メガCDらしさは、シューティングの外側にもある
『電忍アレスタ』は、CD-ROMだから大量のムービーを見せる作品ではありません。
ゲームの中心は最初から最後まで縦スクロールシューティングです。
一方、CDという媒体は音楽や音声演出に使われています。
原版マニュアルでは、ナレーションを森山周一郎氏、影狼を緑川光氏、鉄と織田信長を神谷明氏、冴刃と侍従を久川綾氏、毛利元就を岸野幸正氏、アスタロスを寺瀬めぐみ氏が担当していることが確認できます。
常時フルボイスで物語を進めるゲームではありません。
それでも、戦国メカという荒唐無稽な設定をナレーションや声の入った場面で押し出すことで、通常のROMカートリッジ系シューティングとは違った見せ方をしています。
CDの容量をゲームシステムそのものへ変換したというより、シューティングの前後へ物語と音を厚く加えた作品と考える方が近いでしょう。
『武者アレスタ』と比べると、何を変えたかったのかが見える
『電忍アレスタ』は、同じアレスタシリーズの『武者アレスタ』と比較されやすい作品です。
メガドライブミニ2収録時、セガ側のインタビューでも「『武者アレスタ』の新たな形として作られたゲーム」と説明されています。
ただし、「『武者アレスタ2』に相当する直接続編」と簡単に扱うより、ゲームシステムの違いを見る方が分かりやすい。
『電忍アレスタ』では4種類の特殊兵器、前方を守る2基のオプション、その射出、8段階の速度変更と、プレイヤー自身が触れる要素を増やしています。
その代わり、それらを整理して気持ちよく使わせる部分では粗さも残った。
比較すると、『電忍アレスタ』の特徴は「アレスタを複雑にしたこと」ではなく、戦闘中に選べることを増やそうとしたことにあります。
海外版『Robo Aleste』は、日本版と完全に同じではない
海外では『Robo Aleste』として発売されています。
単なる英語翻訳版と思われがちですが、ゲームバランスにも変更があります。
メガドライブミニ2収録時のインタビューでは、海外版は一部パワーアップが調整され、特に日本版で防御型だった黄色系兵器が強力なホーミング攻撃へ変更されていること、ロード時間もわずかに短くなっていることが説明されています。オープニングも英語版です。
つまり、海外版を遊んだ感想をそのまま1992年の日本版へ当てはめることはできません。
今回の69点は日本国内メガCD版の評価です。
兵器バランスが異なる『Robo Aleste』は、別バージョンとして分けて考えています。
メガドライブミニ2では、日本版と海外版を比べられる
『電忍アレスタ』は2022年10月27日発売のメガドライブミニ2へ正式収録されました。
セガ公式には現在も作品ページと、当時の取扱説明書を電子化したPDFが残されています。
メガドライブミニ2版では、日本版だけでなく海外版も選択できるようになっており、黄色系兵器などの違いを同じ環境で比べることもできます。
一方、メガドライブミニ2本体は現在セガ公式で「完売御礼」となっています。新品の現行ハードとして普通に買える状態ではありません。
2026年現在、『電忍アレスタ』を遊ぶなら
1992年の日本版そのものを遊ぶなら、メガCD版ディスクと対応する実機環境が基本になります。
公式復刻としてはメガドライブミニ2収録版があり、北米仕様のSEGA Genesis Mini 2にも『電忍アレスタ』が収録され、日本版をプレイできる仕様が用意されました。
ただし、どちらも2022年に発売されたミニハードです。
少なくともメガドライブミニ2は公式完売済みなので、現在のSwitchやSteamのダウンロード作品のように、思い立ったらすぐ購入できるタイトルではありません。
今の入手性は決して高くありませんが、それとゲーム内容の69点は分けて評価する必要があります。
今遊んでも面白いところ
現在でも素直に評価できるのは、自機を自分好みに動かす余地が多いことです。
前方火力を重視する。
広く撃つ。
防御を厚くする。
オプションを射出する。
速度を調整する。
特殊兵器を育てる。
ただショットを連打するだけではなく、状況と自分の得意な動きに合わせる余地があります。
大型の機械兵や戦国城郭が次々に現れる美術も、ゲーム内容と切り離された飾りではありません。
戦国時代の軍勢を、巨大な飛行兵器や鉄甲兵へ置き換えることで、縦スクロールシューティングの敵配置そのものへ題材を持ち込んでいます。
現在では厳しいところ
一方、操作できる要素が多いことと、プレイが快適なことは別です。
敵弾が背景や自弾へ紛れやすい。
一度の見落としがそのままミスになる。
ミスすると特殊兵器まで失う。
装備が弱くなれば敵を倒すまで時間がかかり、さらに危険が増える。
武器に役割差はあるものの、局面によって使いやすさにも差がある。
オプション射出も、ゲーム全体を左右するほど頻繁に判断を迫るシステムではありません。
『電忍アレスタ』には「足りない」のではなく、むしろ色々あります。
問題は、その色々なものが常に同じ密度で面白さへつながっていないことです。
なぜB Tierではなく、C Tier・69点なのか
70点からB Tier。
『電忍アレスタ』は、その境界の1点下に置いています。
4種類の特殊兵器は明確に性格が違う。
2基のオプションは防御にも攻撃にも使える。
速度も8段階から調整できる。
戦国時代と巨大機械兵を組み合わせた舞台には作品固有の色があり、大型ボスとの戦いにも見せ場がある。
60点前半まで下げる理由はありません。
ただし、B Tierへ上げるには引っ掛かるものがあります。
本作の面白さは、武器や速度を選び、自分の状態を整えて敵へ対応するところにある。
その一方で、敵弾を見落としやすい場面から一発ミスへつながり、整えた特殊兵器を失う。
すると、せっかく用意された「何を使うか」という楽しみが、「まず装備を戻す」という作業へ置き換わります。
そして4種類の兵器も、常に4種類から最適解を考え続けるほど均等に活躍するわけではない。
選択肢の多さは、本作の確かな長所です。
しかし、その選択肢を試し続ける気持ちよさまで完成していない。
その差が、69点と70点の間にあります。
まとめ|「選べること」は面白い。だからこそ、失敗時の重さが惜しい
『電忍アレスタ』を最初に見れば戦国武将と巨大ロボットという奇妙な取り合わせが目に入ります。
けれど、実際に遊んでいると気になるのはもっと細かなところです。
前方を一気に削るか。
広い範囲へ攻撃するか。
敵弾への安全を取るか。
オプションを残すか、飛ばすか。
自機を速くするか、細かく動ける速度にするか。
こうした判断を積み重ねるシューティングとして、『電忍アレスタ』にはちゃんと独自の手触りがあります。
だから「戦国ロボが珍しいだけ」の作品ではありません。
一方、弾の読みづらさから一度被弾すると、育てていた特殊兵器を失い、その判断を楽しむ流れまで途切れてしまう。
4種類の兵器も、2基のオプションも、8段階の速度も、存在していること自体は面白い。
あと必要だったのは、それらをもっと安心して試し、もっと頻繁に使い分けたくなるゲーム全体の整え方でした。
C Tier・69点。
『電忍アレスタ』は、材料が足りなくて69点なのではありません。
面白い材料を数多く持ちながら、その全部を最後まで気持ちよく回し続けるところで惜しさを残したシューティングです。