- メガドライブ『ヴァーミリオン』レビュー|3D探索とアクション戦闘は今遊んでも面白い?
- 『ヴァーミリオン』はどんなゲーム?
- まず町で情報を集め、装備を整える
- 町を一歩出ると、一人称3Dの世界へ変わる
- 地図がない3D探索は、景色を覚えるゲームになる
- 敵に出会うと、今度は8方向アクション戦闘へ
- 剣と魔法はある。ただし戦闘の深さは伸び続けない
- 戦闘そのものより、戦闘画面へ移る回数がテンポに効いてくる
- 大型ボス戦になると、さらに別のゲームへ変わる
- RPG部分には、意外と細かな準備がある
- 8つの指輪を探す目的が、町を巡る理由になっている
- AM2研のRPGという事実は面白い。でも点数には足さない
- 2026年に遊ぶと、どこが厳しい?
- それでもD Tierまで落ちない理由
- なぜB Tierではなく、C Tier・68点なのか
- 2026年現在はNintendo Switchで遊びやすい
- まとめ|発想の多さは面白い。でも、その全部が68点を超える深さにはならなかった
メガドライブ『ヴァーミリオン』レビュー|3D探索とアクション戦闘は今遊んでも面白い?

町では、上から見下ろした画面で人々から話を聞く。
町を出ると、視点は一変して一人称の3Dフィールドになる。そこで敵と遭遇すれば、今度は見下ろし型のアクション戦闘へ切り替わる。そして大型ボスを前にすると、画面は横視点になり、左右移動としゃがみ、剣を使った戦いが始まる。
1989年のメガドライブ用RPG『ヴァーミリオン』は、一つのゲームの中で表示方法だけでなく、操作と考えることまで次々に変えていく作品です。セガ自身も、町、3D移動、8方向アクション戦闘、横視点のボス戦という構成を本作の特徴として紹介しています。
では、これだけ変化に富んだRPGが、なぜ高評価のB TierではなくC Tier・68点なのか。
つぶログのメガドライブ全422ソフトTier表では、『ヴァーミリオン』を総合307位タイとしています。
理由は、複数の遊びを入れた発想そのものではありません。
3D探索からアクション戦闘へ移る瞬間には、確かに「次は何が起こるのか」という変化があります。しかしプレイ時間が伸びるほど、通常戦闘では装備とレベルの影響が強くなり、3D探索では地図を持っているかどうかが快適さを大きく左右する。大型ボス戦も見た目こそ大胆に変わりますが、そこで使える操作はむしろ絞られます。
遊び方が多いことと、それぞれの遊びが最後まで深くなることは同じではない。
『ヴァーミリオン』の68点は、その差をかなり分かりやすく表しています。
『ヴァーミリオン』はどんなゲーム?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | ヴァーミリオン |
| 対応機種 | メガドライブ |
| 発売日 | 1989年12月16日 |
| メーカー | セガ |
| 開発 | AM2研 |
| ジャンル | RPG/アクションRPG |
| プレイ人数 | 1人 |
| 価格 | 8,500円 |
| 型番 | G-5502 |
| 容量 | 5M |
| Tier | C |
| 評価 | 68点 |
| 総合順位 | 307位タイ |
セガハード大百科では「RPG」、後年のセガ公式バーチャルコンソールページでは「アクションRPG」とされています。発売日は1989年12月16日、価格8,500円、型番G-5502、容量5Mです。
開発はAM2研。
セガは『ヴァーミリオン』を、もともとアーケードゲームを制作していたAM2研が手掛けた家庭用オリジナルタイトルとして位置付けています。また旧公式ページでは、AM2研スタッフが初めて手掛けたRPGと説明しています。
ただ、それだけでゲームの評価が上がるわけではありません。
面白いのは、アーケード的な画面変化をRPGの構造へ持ち込み、それを町・探索・通常戦闘・ボス戦という役割へ割り振っていることです。
まず町で情報を集め、装備を整える
旅はスタッツの村から始まります。
町や村では、主人公を上から見下ろす2D画面で操作します。
住民との会話、武器・防具の購入、道具屋、魔法屋、宿屋、教会など、RPGとしての準備はここへ集約されています。教会ではゲームデータの保存もでき、原作では最大3つまでセーブデータを持てます。続きを始めると、最後にセーブした教会から再開します。
住人との会話も軽視できません。
8つの指輪を探す旅では、次に向かう場所や必要なものについて、人から情報を得ながら進める場面があります。説明書でも、行き詰まったら町や村を回り、人々へ何度も話しかけることを勧めています。
現在のRPGのように、目的地へ大きなマーカーが表示され続けるゲームではありません。
誰かの話を聞いた。
必要な道具を買った。
地図を手に入れた。
それを覚えて町の外へ出る。
情報収集そのものが旅の一部です。
ただ、この形式はヒントを取りこぼしたときに弱い。何を見落としたのかをゲーム側が整理してくれるわけではないので、現在遊ぶと「次にどこへ行けばいいのか」を探す時間が長くなる場合があります。2020年のGAME Watchによる再評価でも、序盤の導線やヒントの少なさが現在の感覚では厳しい点として挙げられています。
町を一歩出ると、一人称3Dの世界へ変わる
町の門を抜けた瞬間、ゲームの見え方が大きく変わります。
方向ボタンの上で前進、下で後退、左右で方向転換。
主人公の姿を上から見る町とは違い、フィールドでは自分の目の前にある道や景色を見ながら進みます。原作説明書でも、この操作体系が町の外専用として明確に分けられています。
この変化は、見栄えだけではありません。
見下ろし型RPGなら、画面に映った道路や森、分岐をまとめて確認できます。一人称になると、一度に見える情報が少なくなるので、
「どちらから来たのか」
「今どちらを向いているのか」
「この分岐はさっき通った場所か」
という位置感覚が必要になります。
そこで大きな役割を持つのが地図です。
地図を持っていれば現在位置が表示され、移動しやすくなることはセガ公式にも明記されています。
地図は単なる収集物ではなく、3D探索の負担そのものを変えるアイテムです。
地図がない3D探索は、景色を覚えるゲームになる
『ヴァーミリオン』の3D画面は、1989年という年代を考えれば目を引きます。
ただ、現在評価で見るべきなのは「3Dを実現したこと」だけではありません。
フィールドには現代の3D RPGほど豊富なランドマークがなく、似た景色も多い。地図が十分に見えていない状況では、自分がどちらを向いているのかを見失いやすくなります。
GAME Watchの再プレイでも、地図を入手する前は表示される範囲が狭く、風景のパターンも少ないため迷いやすいと指摘されています。
ダンジョンでは負担がさらに増します。
暗所ではろうそくやランタンが役立ちます。ろうそくは周囲を照らしますが短時間で燃え尽き、ランタンは暗闇の中では長く使える一方、日光を浴びると失われるという性質があります。洞窟から地上へ戻る「ノウムの石」や、訪れたことのある町へ移動する「グリフィンの羽」も用意されています。
つまり探索には、
地図
光源
帰還手段
という準備があります。
3D迷宮そのものを歩くだけではなく、「何を持って入るか」というRPG的な準備とつながっている点は評価できます。
しかし、地図を得る前の迷路まで快適かと問われれば別です。
方向を失ったときに手掛かりとなる景色が少なく、目的地を探す行為が「迷路を解いた」という達成感より、同じ通路を再確認する負担へ寄る場面があります。
ここは、本作の技術的な面白さと現在の遊びやすさが最もきれいに分かれるところです。
敵に出会うと、今度は8方向アクション戦闘へ
一人称3Dのフィールドを歩いている最中に敵へ遭遇すると、再び画面が切り替わります。
通常戦闘は、自分と敵を上から見下ろすリアルタイムのアクションです。
主人公を8方向へ動かして敵へ近付き、Cボタンで剣を振る。攻撃魔法を装備していれば、Aボタンで使用できます。敵を倒せば経験値とお金が入り、画面の左右端まで移動すれば戦闘そのものから逃げることもできます。逃走した場合、その戦闘の経験値とお金は得られません。
ここにはRPGのコマンド戦闘とは違う判断があります。
敵へ正面から近付くか。
横へ回るか。
複数の敵から距離を取るか。
剣で倒すか。
MPを使って魔法を撃つか。
危険なら画面端へ逃げるか。
敵の強さを見て「今回は戦わない」と判断できるのは、かなり実用的です。
特に序盤では敵が強いため、すべてのエンカウントへ律儀に付き合うより、逃げながら装備やレベルを整えた方が進みやすい場面があります。
剣と魔法はある。ただし戦闘の深さは伸び続けない
主人公にはSTR、AC、INT、DEX、LUCKなどの能力値があり、レベルアップによって基本性能が成長します。
武器と防具は、所持しているだけでは効果がありません。剣・盾・鎧を実際に装備する必要があり、装備の強さと主人公自身の成長が攻撃力・防御力へ反映されます。
魔法にも仕組みがあります。
魔法を使うには魔法書そのものが必要で、攻撃魔法はさらに装備してから戦闘へ入ります。攻撃魔法だけでも14種類が存在し、敵によって属性への得手不得手があります。魔法を使えばMPを消費します。
これだけ見ると戦術の幅はかなりありそうです。
ところが、通常戦闘を長く続けたときの感触はそれほど複雑にはなりません。
装備を強くする。
レベルを上げる。
敵へ近付いて剣を当てる。
危険なら魔法か逃走を使う。
基本的な判断は比較的早い段階で固まります。
原作説明書の「制作者から」のページでも、アクションが苦手でもエンディングまで行けるよう設計されており、攻略の基本としてレベルを十分に上げることが強く勧められています。
これは間口の広さという長所でもあります。
アクションが完璧でなければ進めないゲームではない。
しかしレベルと装備が整うにつれて、通常戦闘は「敵を見て新しい解法を考える場」より、経験値とお金を得るための反復処理へ近付きます。
アクション戦闘を採用した面白さが、プレイ時間とともに同じ比率で深まっていかない。
68点へ落ち着く大きな理由の一つです。
戦闘そのものより、戦闘画面へ移る回数がテンポに効いてくる
通常戦闘はフィールド上でそのまま始まりません。
敵へ遭遇するたびに3D移動画面から戦闘画面へ切り替わり、終了後にまた探索へ戻ります。
最初はこの変化が面白い。
「探索」と「戦闘」が明確に別のゲームになるため、画面にメリハリがあります。
ただ、エンカウントを何度も繰り返すRPGでは、その切り替え自体も反復します。
3Dで歩く。
敵に遭遇する。
画面が変わる。
数体を剣で倒す。
3D画面へ戻る。
少し歩くと、また戦闘。
一回ごとのアクションは長くなくても、この往復が積み重なると探索の流れが細かく途切れます。
敵を倒すたびに新しい戦術を発見できれば、それでも問題になりにくい。しかし通常戦闘の基本形が比較的早く固まるため、後半ほど「別画面のアクションへ移ること」そのものが新鮮さを失っていきます。
複数形式を持つ長所が、同時にテンポ面の弱点にもなっています。
大型ボス戦になると、さらに別のゲームへ変わる
大型ボスを相手にすると、三度目の大きな変化が起きます。
通常戦闘の見下ろし画面から、横視点のサイドビューへ。
ここでは8方向に走り回ることはできません。主人公は左右へ移動し、方向ボタンの下で伏せる。攻撃には剣を使います。
そして、通常戦闘で使えた攻撃魔法はボス戦では使えません。
RPGとして育ててきた攻撃魔法を、最も強そうな相手へ撃てない。
かなり大胆なルール変更です。
その代わり、ボスの攻撃を見る。
前後へ位置を変える。
必要なら伏せる。
攻撃できる距離へ入って剣を振る。
通常戦とは違う、敵の動きを読む戦いになります。
ボス戦だけ空気が変わるという意味では成功しています。
ただ、ここでも「別形式になったこと」と「別形式として深いこと」は分けたい。
通常戦より使用できる行動はむしろ減っており、RPGで育てた魔法の選択肢も狭まります。
ボス専用システムを長く掘り下げるのではなく、通常戦闘の反復を一度切り替えるイベント性の強い戦闘として見る方が実態に近いです。
RPG部分には、意外と細かな準備がある
『ヴァーミリオン』が画面切り替えだけの実験作ではない理由は、RPGとしての準備がちゃんと存在することです。
HPとMP。
経験値とレベル。
武器、防具。
魔法書。
回復薬。
解毒剤。
光源。
ダンジョン脱出アイテム。
町への移動手段。
状態には毒や呪いもあり、教会ではセーブだけでなく治療も受けられます。
装備品も剣・盾・鎧に分かれています。
主人公の成長値だけですべてが決まるわけではなく、町へ着いたら店を確認し、次の探索に備えて装備と道具を整える意味があります。
こうした土台があるから、3D迷宮やアクション戦闘が単発のミニゲームにはなりません。
町で準備した結果が、外の探索と戦闘へ持ち越される。
ゲーム形式は頻繁に変わっても、キャラクターの成長と所持品は一本につながっています。
ここは68点でもきちんと残したい長所です。
8つの指輪を探す目的が、町を巡る理由になっている
物語の中心も複雑ではありません。
主人公はフョードル国を治めていたリラダン5世の遺児。
アーネスト軍を率いるロルカ3世によって祖国を滅ぼされ、家臣シャトリアンとともに城を脱出します。18年後、成長した主人公は父の仇であるロルカ3世を倒すため旅立ちます。
しかし、すぐにロルカ3世のもとへ向かえるわけではありません。
世界に散らばった8つの指輪を集める必要があり、その手掛かりを求めて各地の町や村、ダンジョンを巡ります。
この目的設定はゲーム構造と相性がいい。
町で情報を聞く理由。
新しいフィールドへ出る理由。
洞窟を探索する理由。
次の町を探す理由。
それらを「8つの指輪」という一本の目標でつないでいます。
物語を長時間のイベントで引っ張るRPGではありませんが、探索の目的を失わせない最低限の枠は作られています。
終盤には指輪そのものに関わる真相がありますが、ここは実際に進めたときの意味が大きいので、本レビューでは踏み込みません。
AM2研のRPGという事実は面白い。でも点数には足さない
セガのハード史では、『ヴァーミリオン』はアーケード作品を制作していたAM2研が家庭用オリジナルタイトルへ取り組んだ例として紹介されています。旧セガ公式でも、AM2研スタッフが初めて手掛けたRPGと明記されています。
実際、この出自を知ると4つの画面形式は興味深く見えます。
一つの表示方式だけでRPGを進めるのではなく、場面が変われば操作するゲームそのものまで変える。
町は情報収集。
3Dは移動と探索。
見下ろし画面は通常戦闘。
横画面は大型ボス。
役割を視覚的にはっきり分けています。
ただし、開発チームの経歴はゲームの点数ではありません。
鈴木裕氏を「ディレクター」とする強い一次資料は今回の評価根拠にしておらず、『シェンムー』の直接的な原型とも扱いません。
評価するのは、1989年にAM2研がRPGを作ったという歴史ではなく、その4形式が現在プレイしても面白さとして機能するかどうかです。
2026年に遊ぶと、どこが厳しい?
現在プレイすると、特に差を感じるのは3D探索とゲームの導線です。
地図を手に入れるまでの探索
3D視点そのものは本作の個性ですが、ランドマークが少ない場所では方向を失いやすい。
地図があれば大幅に楽になるため、逆に言えば地図を持っていない時間の負担が大きいということでもあります。
ダンジョンでは暗闇への準備も必要です。
迷路を覚える楽しさと、情報が不足したまま同じ場所を歩く負担が近い距離にあります。
通常戦闘の反復
8方向に動いて剣を振る方式は、コマンド選択だけのRPGとは違う手応えを作っています。
しかしレベルアップと装備の影響が強く、敵ごとに新しいアクション技術を要求され続けるタイプではありません。
戦闘回数が増えるほど、「どう戦うか」より「必要な経験値を得るために倒す」比率が高くなります。原作説明書そのものがレベル上げを基本的な攻略手段としている点も、この性格をよく示しています。
画面切り替えによる中断
4種類の画面は作品の個性でありながら、頻繁なエンカウントでは探索を切断する要因にもなります。
移動と戦闘がシームレスにつながっていないため、3D迷路で方角を考えている最中に戦闘へ移り、終了後に再び方向を確認することになります。
形式の多さが常にテンポの良さへ直結しているわけではありません。
情報は自分で拾う
町の住人へ話しかけることに意味がありますが、現在の目的や重要なヒントを自動整理する仕組みはありません。
これは「自分で旅をしている」感覚を作る一方、聞き逃したときの再確認には手間がかかります。
説明不足を全部「昔のRPGだから」で片付ける必要はありません。
ゲームがプレイヤーへ渡す情報量と、それを整理する手段が少ないこと自体が、現在では明確な負担です。
それでもD Tierまで落ちない理由
『ヴァーミリオン』には、現在でも触って確かめられる面白さがあります。
3Dで町を探していたところから突然アクション戦闘になる感覚。
地図を入手した瞬間に、それまで曖昧だった世界の形が見える感覚。
危険な敵なら画面端へ逃げ、装備とレベルを整えて戻る判断。
ダンジョンへ光源や脱出手段を持ち込む準備。
大型ボスだけ操作まで変更される緊張感。
それぞれは小さくても、RPGの旅へ変化を付けています。
また、町、探索、戦闘、ボスが完全にばらばらなミニゲームになっているわけでもありません。
手に入れた装備、成長したレベル、HPとMP、所持品というRPGの状態が各画面を横断しているため、一本の冒険としては成立しています。
発想だけあって遊びが壊れている作品ではない。
だから60点前半やD Tierには落としていません。
なぜB Tierではなく、C Tier・68点なのか
B Tierへ上がる70点まで、あと2点。
『ヴァーミリオン』には、その2点を期待したくなる材料があります。
見下ろし型の町。
一人称3D探索。
8方向アクション戦闘。
横視点ボス戦。
武器・防具。
魔法書。
地図。
探索用アイテム。
8つの指輪を追う旅。
AM2研がこれらを1989年の一本へ詰め込んだこと自体は、現在見ても興味深い。
しかし、ゲームの評価は**「何種類入っているか」では決まりません。**
通常戦闘では、最初に覚えた距離の取り方や剣の使い方から、終盤まで判断が大きく増えていくわけではない。
レベルと装備が強くなれば、アクション戦闘は次第に反復へ寄る。
3D探索は地図を持った後なら把握しやすいが、地図や目印が不足する時間には「考えて進んでいる」のか「場所を見失っている」のかが曖昧になります。
そしてボス戦は大胆に形式を変えながら、通常戦より使える行動を狭めています。
4つの遊び方があることは長所。
4つすべてが一本のゲームとして同じ深さまで磨かれているわけではない。
ここが70点を越えなかった理由です。
つぶログでは、独自性や歴史的な挑戦そのものを点数へ上乗せするのではなく、現在プレイしたときにその仕組みが継続して面白い判断を生むかを重視しています。
その基準なら、C Tier・68点はかなり収まりのいい位置です。
2026年現在はNintendo Switchで遊びやすい
現在『ヴァーミリオン』へ正式に触れるなら、最も分かりやすいのが**「セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online」**です。
『ヴァーミリオン』は2021年12月17日に追加され、現在も「Nintendo Switch Online + 追加パック」の対象タイトルです。任天堂の現行案内では、メガドライブ作品をNintendo Switch 2/Nintendo Switchの両方でプレイできます。
ここで原作との違いは分けておきたいところです。
1989年版は、町の教会で最大3データを保存する形式でした。Nintendo Switch Online側では、それとは別にどこでもセーブと巻き戻しを利用できます。
特に『ヴァーミリオン』では恩恵が大きい。
3Dダンジョンへ長く潜ったあとでも任意に中断できる。
迷った場所へ入る前に状態を残せる。
ボスの攻撃を確認したあと、少し巻き戻して再挑戦できる。
原作のゲームバランスそのものを変更したリマスターではありませんが、1989年版のセーブと再挑戦に伴う負担を、サービス側の機能でかなり軽くできます。
過去にはWiiバーチャルコンソールやメガドライブミニ W・アジアエディションにも収録されましたが、2026年に新しく遊ぶ入口としてはNintendo Switch Online + 追加パックの方が自然です。メガドライブミニ W・アジアエディションは2020年の数量限定商品でした。
まとめ|発想の多さは面白い。でも、その全部が68点を超える深さにはならなかった
『ヴァーミリオン』は、町を歩くだけのRPGでも、3D迷宮だけを売りにしたRPGでもありません。
町へ着けば、人から話を聞いて装備を整える。
外へ出れば、一人称視点で地図と方角を意識する。
敵に遭遇すれば、8方向へ動いて剣と魔法で戦う。
危険なら逃げる。
大型ボスを前にすると、今度は横視点で敵の動きを見ながら剣を振る。
これだけ画面が変わる作品でありながら、主人公の成長、装備、所持品、8つの指輪を探す目的によって、冒険そのものは一本につながっています。
だから「AM2研が変わったRPGを作った」という歴史紹介だけで終わるゲームではありません。
実際に遊ぶと、複数形式にした意味があります。
その反面、通常戦闘を何度も繰り返しても新しい判断が増え続けるわけではなく、3D探索は地図や目印が不足すると負担が強くなる。ボス戦も別形式ではあるものの、独立した深い戦闘システムへ広がるところまではいきません。
発想の数に対して、それぞれの遊びの深さが追いついていない。
それでも、1989年の実験を眺めるだけではなく、一本のRPGとして最後まで遊べる土台はある。
だからDではなくC。
けれど、現在積極的に薦められるBへ上げるには、戦闘・探索・導線のどこかがもう一段洗練されてほしかった。
C Tier・68点。
『ヴァーミリオン』は、4種類の画面を持っていること自体よりも、その4種類を一本のRPGへまとめようとして、うまくつながった部分と最後まで噛み合わなかった部分の両方が見える作品です。