新作ゲームレビュー

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』忖度なしレビュー|MGS4だけ買えば十分?6,600円の価値を評価

目次
  1. 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』レビュー|MGS4だけで十分?
  2. 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』忖度なしレビュー・先に結論
  3. 『MASTER COLLECTION Vol.2』には何が入っている?
  4. 良かった点
  5. MGS4の移植は18年待った価値があった?
  6. MGOは入っていない。だから完全上位互換ではない
  7. PEACE WALKERは2026年でも面白い?
  8. 気になった点
  9. Steam版PEACE WALKERが「賛否両論」なのはなぜ?
  10. MGS4だけ単品で買えば十分?
  11. PS5・Switch 2・Switch・Xbox・PC、どれがおすすめ?
  12. シリーズ完全初見でもVol.2から始めていい?
  13. 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』忖度なしレビュー評価スコア
  14. 総評|MGS4だけなら単品。MGS4+PWならVol.2を買っていい

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』レビュー|MGS4だけで十分?

18年間、PlayStation 3の中に取り残されていた『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』が、ようやく現行機で遊べるようになりました。

2026年8月27日発売の『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』には、そのMGS4と『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』を収録。さらに『METAL GEAR Ghost Babel』やMGS4 DATABASE、各作品のシナリオブック、マスターブック、デジタルサウンドトラックまでまとめられています。

メタルギアファンなら、収録タイトルを見ただけで欲しくなる組み合わせでしょう。

ただ、ここでMGS4そのものの評価と、2026年に発売されたVol.2の商品価値を一緒にしてはいけません。

日本ではMGS4単品が3,850円、PEACE WALKER単品が2,750円。そしてVol.2が6,600円です。

2本を足せば、ちょうど6,600円。

つまり、MGS4だけ遊びたい人にとってVol.2は2,750円高い。反対にMGS4とPEACE WALKERの両方が欲しいなら、同じ6,600円でGhost Babelやサウンドトラックまで付くVol.2の方が得という、かなり分かりやすい価格設定になっています。

では肝心のMGS4は、18年待っただけの移植になったのか。

PEACE WALKERは2026年でも一本のゲームとして楽しめるのか。

そして6,600円を払うなら、PS5、Xbox、Steam、Switch 2のどれを選ぶべきなのか。

今回は「MGS4は名作だから買い」で終わらせず、いま売られているVol.2という商品そのものを評価します。

※ストーリーの重大なネタバレには触れません。

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』忖度なしレビュー・先に結論

MGS4とPEACE WALKERを両方遊びたいなら、Vol.2は十分買っていいコレクションです。

何より大きいのは、MGS4の移植がかなりうまくいったこと。

PS5、Xbox Series X、Steamでは内部解像度最大3840×2160、最大60fpsに対応し、長かったロードも大幅に短くなりました。Switch 2でも携帯モード最大1080p・60fps、TVモードは内部最大1440pから4K出力・最大60fpsに対応しています。

60fpsは固定保証ではありません。それでもMGS4については「スペック表だけ立派で、実際にはガタガタ」という移植ではなく、PS5やXbox Series Xではかなり安定して動きます。Switch版をSwitch 2で強化した場合も滑らかさは十分で、PS3版でフレームレートの落ち込みや長い待ち時間を経験した人ほど、今回の違いは画質以上に感じやすいでしょう。

だからといって、Vol.2全体へ8点台後半を付けるつもりはありません。

MGS4は2008年のゲームです。長大なカットシーンも、シリーズ過去作を知っていることを前提とした物語も残っています。PEACE WALKERもPSPから始まった作品らしく、短いミッションを繰り返す構造や大型兵器戦の重さに時代を感じます。

さらにSteam版PEACE WALKERは、発売時点の入力に問題があります。

8月28日午前時点のSteamでは、MGS4が423件・92%好評なのに対し、PEACE WALKERは154件・41%好評。これは「PEACE WALKERというゲームが急につまらなくなった」という話ではありません。マウスでカメラを動かしたあとも入力が残る、カメラが妙に流れるといったPC版特有の不満が低評価をかなり押し下げています。

加えて、PEACE WALKERで予定されている高解像度版のデモ映像も、8月28日時点ではまだ配信されていません。

MGS4はかなりいい状態で帰ってきた。

PEACE WALKERはゲーム自体には価値があるものの、移植側にはまだ仕上げ切れていない部分がある。

Vol.2は、この二つを分けて見る必要があります。

購入判断を先にまとめると、こうです。

欲しいもの・遊び方購入判断
MGS4だけ遊びたい単品3,850円で十分
MGS4+PEACE WALKERVol.2がおすすめ
Ghost Babelも遊びたいVol.2を選びたい
PS5で遊ぶ現状もっとも無難
Xbox Series Xで遊ぶDL版でよければPS5と並ぶ有力候補
Switch 2で携帯したい相性はいい。ただしパッケージ仕様に注意
SteamでMGS4を遊ぶ問題なく候補
SteamでPWをキーボード+マウス操作今はパッチ待ち推奨
シリーズ完全初見Vol.2から始めるのはおすすめしない

『MASTER COLLECTION Vol.2』には何が入っている?

Vol.2の中心は、『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』と『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』です。

PEACE WALKERはPSP版をそのまま持ってきたものではなく、HDエディション版をベースにしています。

MGS4には『METAL GEAR SOLID 4 DATABASE』、デジタルシナリオブック、マスターブックを収録。PEACE WALKERにもシナリオブックとマスターブックが付きます。

そしてVol.2をまとめて購入した場合だけ、『METAL GEAR Ghost Babel』と全16曲の『METAL GEAR SOLID DIGITAL SOUNDTRACK Vol.2』が加わります。

Ghost Babelはサントラや資料と同じ「おまけデータ」ではなく、2000年にゲームボーイカラーで発売された一本のゲームです。そのため、商品全体を単純に「MGS4+PEACE WALKERの2本セット」と考えるのも少し違います。

かといって「3本入り」とだけ書くと、MGS4やPEACE WALKERと同じ扱いにも見える。

実際には、主力2作品にGhost Babelというかなり強いボーナスゲームを加えたコレクションと考えるのがしっくりきます。

良かった点

18年間待ったMGS4移植は、かなりいいところまで仕上がった

Vol.2最大の功績は、やはりMGS4です。

PS5/PS5 Pro、Xbox Series X、Steamでは内部解像度最大4K・最大60fps。Xbox Series Sでも最大1440p・60fpsに対応します。

Switch 2はTVモードで4K出力できますが、内部解像度は最大1440p。携帯モードなら最大1080p・60fpsです。

数字だけなら現在のゲームとして珍しくありません。しかし比較対象がPS3版となれば話は変わります。

当時は場面によってフレームレートが大きく下がり、ロードやインストールの待ち時間もゲーム体験の一部になっていました。今回はそこが大幅に軽くなっています。

PS5 Proでは、ゲームを起動してからMGS4のタイトル画面へ入るまで十数秒、セーブデータの読み込みも数秒程度という実測が出ています。

高解像度になった画面ももちろんきれいです。

ただ、PS3版を知っている人ほど恩恵を感じやすいのは、むしろ動きが滑らかになり、待たされなくなったことでしょう。

MGS4を現行機へ移すという一点については、Vol.1発売時に感じたような不安定さをほとんど引きずっていません。

18年間待った移植として、ここは素直に成功と評価できます。

原作を別物へせず、遊びにくかったところだけ軽くした

MGS4はフルリメイクではありません。

キャラクターモデルやステージを一から作り直したわけでもなければ、ゲームシステムを現在のTPSへ寄せたわけでもない。

基本的には2008年版のMGS4です。

その代わり、ロードや解像度、フレームレート、ボタン設定など、今遊ぶと特に引っ掛かりやすい部分へ手が入っています。

この方向はMGS4には合っています。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』のように現代技術で作り直す方法もありますが、MGS4はゲームだけでなく、当時のハードや演出まで含めて2008年らしさの強い作品です。

全部を現代風へ変えてしまうより、「あのMGS4を今の環境で快適に遊べるようにする」方が今回のコレクションには合っている。

PS3版との細かな違いは、『MGS4』MASTER COLLECTION版はPS3版と何が違う?4K・最大60fps・MGO非収録を整理で詳しくまとめています。

今回のレビューで重要なのは、その違いが実際に買い直す理由になったかどうかです。

MGS4については、十分なっています。

PEACE WALKERは、今でも「育てるメタルギア」として面白い

PEACE WALKERはMGS4以上に古さが見えます。

もともと2010年のPSP作品ですから、短いミッションを一つずつ選んで出撃し、終われば拠点へ戻る作りになっています。

しかし、その構造が単なる携帯機向けの妥協では終わりませんでした。

敵兵をフルトン回収し、集めた人材をマザーベースへ配置する。研究開発を進め、新しい武器や装備を作り、それを持って次のミッションへ向かう。

潜入だけではなく、人員と基地を育てること自体がゲームになっている

後の『METAL GEAR SOLID V』につながる仕組みが、すでにかなりはっきり形になっています。

同じエリアを再利用するミッションや、何度も挑む大型兵器戦などは今だと作業感が出やすい。それでも、兵士を集めて部隊を強くしていく遊びには現在でも独自の中毒性があります。

Vol.2を「MGS4を買ったらPEACE WALKERも付いてきた」程度に考えるのはもったいない作品です。

オンラインを残したことで、PEACE WALKERの持ち味も残った

PEACE WALKERはCO-OPSで最大4人、VERSUS OPSでは最大6人に対応しています。

大型兵器戦などは一人でも攻略できますが、もともと仲間との共闘を強く意識して作られたゲームです。

その部分を現行機への移植で切り捨てなかったのは大きい。

基本的に機種をまたいだクロスプレイはできませんが、SwitchとSwitch 2の間では一緒に遊べます。

発売直後なので、野良マッチングの人口が長期的にどこまで残るかはまだ分かりません。オンラインを主目的にするなら、いつでも6人集まるゲームだと考えるより、フレンドと遊ぶ選択肢も持っておいた方がいいでしょう。

それでも、PEACE WALKERの持ち味だった協力プレイを2026年のハードへ持ってこられた意味はあります。

Ghost Babelが、Vol.2を買う理由としてかなり効いている

価格を考えるとGhost Babelの存在が面白くなります。

MGS4が3,850円。

PEACE WALKERが2,750円。

合わせて6,600円。

Vol.2も6,600円です。

つまり両方買うつもりなら、Ghost Babelは実質的に追加料金なしで付いてきます。

しかも今回は単純なROM収録ではなく、スクリーンフィルターやピクセルパーフェクト表示、画面設定、巻き戻し、ボタンカスタマイズまで追加されました。

ゲームボーイカラー作品だけに画面の古さはありますが、2D見下ろし型『METAL GEAR』としてはきちんと一本のステルスアクションになっています。

原作に存在したVS BATTLEが入っていないため完全移植ではないものの、現在正規環境で遊びにくい作品をこうして残した価値は小さくありません。

MGS4とPEACE WALKERを両方買う人にとって、Vol.2を選ばない理由をかなり減らしている一本です。

DATABASEやマスターブックは、久しぶりにMGS4へ戻る人ほど役に立つ

MGS4はシリーズ過去作とのつながりが非常に深い作品です。

人物、組織、出来事を忘れたまま始めると、「これ誰だったっけ」がかなり起こります。

そこで役立つのがMGS4 DATABASE。

用語辞典、人物相関図、年表からシリーズの情報を振り返れます。

さらにMGS4とPEACE WALKERには、それぞれシナリオブックとマスターブックも収録されています。

シリーズを初めて遊ぶ人の予習教材というより、昔遊んだ記憶を呼び戻すための資料として使う方が相性はいいでしょう。

十年以上ぶりにMGS4へ戻る人には、ゲーム本編以上にありがたい場面があるかもしれません。

MGS4の移植は18年待った価値があった?

移植については、YESです。

MGS4というゲーム自体を好きかどうかとは別に、現行機移植として大きな失敗はしていません。

PS3版の内容を大きく変えず、画質、フレームレート、ロードという「今そのまま遊ぶと気になりやすい部分」をきちんと改善しています。

Steamでも発売翌日のMGS4は423件・92%好評。

もちろん、発売直後のレビュー数だけで完成度を決める必要はありません。それでも現状、移植そのものに対して深刻な不満が集中しているわけではなく、Vol.1発売時とはかなり違うスタートを切れています。

ただし、「18年ぶりに移植された=18年分ゲームも若返った」と考えると肩透かしになります。

MGS4はとにかく映像が長いゲームです。

ステルスを楽しんでいたと思ったら長いカットシーンへ入り、シリーズ過去作の人物や事件について大量の説明が始まる。

序盤には、複数勢力が戦う戦場へ第三者として潜り込むMGS4独自の面白さがありますが、後半になるにつれてゲーム全体のテンポもかなり変わります。

そこを大胆に編集して現代的なTPSへ作り直した作品ではありません。

それでいいと思います。

今回欲しかったのは「2026年版の新しいMGS4」ではなく、「2008年のMGS4を、もうPS3へ戻らなくても快適に遊べる環境」だからです。

その目的は果たしています。

MGOは入っていない。だから完全上位互換ではない

PS3版MGS4には『METAL GEAR ONLINE』が付属していましたが、MASTER COLLECTION版には収録されていません。

ただし当時の公式サービスはすでに終了しています。

そのため、MGOがないことだけを理由に大幅減点するつもりはありません。

それでも「PS3版に存在したものを全部保存した完全版」ではないという意味では覚えておきたいところです。

MGS4本編を今遊ぶ環境としては今回のMASTER COLLECTION版が有力。

PS3版にあった全要素を完全再現した商品ではない。

この二つは両立します。

PEACE WALKERは2026年でも面白い?

PEACE WALKERは、今遊んでも面白い部分と、PSP時代を強く感じる部分がかなりはっきり分かれます。

面白いのは、やはりマザーベース。

強い兵士を探し、回収し、適性に合わせて配置していく。

優秀な研究開発スタッフが集まれば、新しい装備が作れるようになる。

その装備で難しいミッションへ挑み、さらに人材や素材を集める。

潜入ゲームでありながら、RPGの育成に近い楽しさがあります。

一方、ミッションを細かく区切った構造やマップの再利用、大型兵器戦の長さは現在だとかなり気になります。

特に一人で大型兵器と戦う場面は長引きやすく、同じことを繰り返している感覚が強くなる人もいるでしょう。

「古いからダメ」ではありません。

ただ、MGS4と同じ感覚でストーリーをテンポよく追えるゲームでもない。

この性格を理解して買う必要があります。

そしてMASTER COLLECTION版にも、MGS4ほど完成した状態で出てきていない部分があります。

ゲーム部分は最大60fps、高解像度化されていますが、ムービーまで仕上がったわけではありません。

高解像度版のデモ映像は後日配信予定で、8月28日の時点ではまだ未実装です。

致命的ではありません。

それでも「現行機向けの決定版」として発売日に6,600円を取るコレクションなら、最初から揃えておいてほしかったところです。

気になった点

MGS4だけ欲しい人にVol.2を薦める理由はない

ここはかなりはっきりしています。

MGS4単品3,850円。

Vol.2が6,600円。

MGS4しか遊ばないなら、差額2,750円を払う必要はありません。

しかもMGS4単品にもDATABASE、シナリオブック、マスターブックは付いています。

「18年待ったMGS4だから、とりあえずVol.2を買おう」

そう考える前に、自分がPEACE WALKERまで遊ぶかを考えた方がいいでしょう。

PEACE WALKERも欲しいなら話は逆になります。

MGS4とPWを単品で買えばちょうど6,600円。

それならGhost Babelとサウンドトラックが追加されるVol.2を選んだ方がいい。

このコレクションは、PEACE WALKERを遊ぶかどうかで評価がかなり変わります。

MGS4は快適になった。でも「現代化」は最低限

ロードが短くなり、最大60fpsになり、ボタンも変更できる。

MGS4を遊び直すうえで欲しかった改善は入っています。

一方、2026年の復刻商品として考えれば、もう少し便利にできたところもあります。

頻繁なオートセーブや細かなプレイ補助、現代の大作で一般的になったアクセシビリティ機能まで大量に加えた移植ではありません。

QTEや当時らしい操作も基本的には残ります。

これは欠点であると同時に、今回の方針そのものでもあります。

原作を残すことを優先した結果、遊びやすさまで徹底的に2026年仕様にはしなかった。

保存版としては納得できる。リマスターとしては、もう少し欲しかった。

そんな位置です。

PEACE WALKERは繰り返し遊ぶ部分が、今だとかなり見える

マザーベース育成は面白い。

しかし、それを進めるためには何度もミッションへ出る必要があります。

同じエリアを再訪する。

似た目的を繰り返す。

大型兵器を何度も相手にする。

このあたりはPSPで短時間ずつ遊ぶことを想定していた時代だから成立しやすかった部分でもあります。

据え置きで数時間まとめて遊ぶと、反復の多さは隠せません。

育成ゲームとしてハマれば気になりにくい。

ストーリーだけ進めたいと、かなり邪魔に感じる。

2026年に初めて触る人ほど、ここで評価が分かれそうです。

PC版PEACE WALKERの入力は、発売日に出していい状態とは言いにくい

Steam版で一番気になるのは、PEACE WALKERの操作です。

マウスを動かしたあともカメラが流れ続けたり、スティック入力を無理にマウスへ置き換えたような遅れが出たりするケースがあります。キーボード側まで入力がおかしくなるという報告もあり、単純に「マウス感度を調整すれば解決」という話ではありません。

これがSteamでMGS4とPEACE WALKERの評価に大きな差が付いている理由の一つです。

MGS4は8月28日午前時点で423件・92%好評。

PEACE WALKERは154件・41%好評。

原作そのものの評価差として見るには開きすぎています。

ゲームパッドなら遊びやすくなるため、PC版全体を避ける必要まではありません。ただ、コントローラー操作にも改善を求める声が一部ある以上、「ゲームパッドなら完全に問題なし」と断言するのも早い。

キーボード+マウスでPEACE WALKERを遊びたいなら、今は待つ。

これでいいと思います。

MGS4目的でSteam版を選ぶこととは分けて考えるべきです。

高解像度デモまで後日配信なのは、少し締まらない

PEACE WALKER本編は現行機向けに画質とフレームレートが強化されています。

なのに、高解像度化したデモ映像だけは発売日に間に合っていません。

後から無料で入るのであれば長期的には大きな問題にならないでしょう。

ただ、発売日に買う人が評価するのは未来の完成版ではなく、今売られている商品です。

MGS4がかなりいい状態で出てきただけに、PEACE WALKER側のこの詰めの甘さが余計に目立ちます。

「MASTER COLLECTION」なら、もう少し資料を見たかった

MGS4 DATABASE、シナリオブック、マスターブック、デジタルサウンドトラック。

内容は決して少なくありません。

ただ、MGS4とPEACE WALKERというシリーズ史でも重要な2作をまとめた商品だからこそ、当時の開発資料やコンセプトアート、スタッフインタビュー、制作映像などまで残してほしかった気持ちはあります。

ゲームを遊ぶための付属品としては十分。

「メタルギアの歴史を保存する資料集」として見ると、少し物足りない。

Ghost Babelがゲーム側の満足度を補っている一方、アーカイブ部分にはまだ伸ばせる余地がありました。

Steam版PEACE WALKERが「賛否両論」なのはなぜ?

数字だけを見ると、かなり厳しいです。

8月28日午前時点で、

Steamレビュー状況
MGS4423件・92%好評
PEACE WALKER154件・41%好評

同じVol.2に入っている2作品とは思えないほど差があります。

だからといって、「MGS4は名作、PEACE WALKERは駄作」という話ではありません。

PEACE WALKER側では、PC移植の操作に対する不満がかなり大きい。

逆にMGS4は、移植そのものに致命的な問題が出ていない。

SteamではVol.2のランチャー側にも別のレビュー欄がありますが、発売翌日の母数はまだごく少数です。そこだけを切り取って「Steam版Vol.2は不評」とまとめても実態を表しません。

MGS4のPC版は順調。PEACE WALKERは操作部分でつまずいた。

現状はこの見方が一番近いでしょう。

MGS4だけ単品で買えば十分?

買うものは、かなり簡単に決められます。

欲しいもの選ぶ商品
MGS4だけMGS4単品 3,850円
MGS4+PEACE WALKERVol.2 6,600円
Ghost Babelも欲しいVol.2
パッケージでまとめて残したいVol.2
資料やサントラまで欲しいVol.2

MGS4しか遊ばないなら単品で十分。

これは迷いません。

PEACE WALKERまで遊ぶならVol.2。

こちらも迷いません。

2本の単品合計とVol.2がまったく同じ6,600円なので、両方買う人がGhost Babelとサウンドトラックを捨ててまで別々に購入する理由はほぼないからです。

今回の価格設定は、コレクションとしてかなり良心的だと思います。

PS5・Switch 2・Switch・Xbox・PC、どれがおすすめ?

PS5|迷ったらこれ

据え置き機で迷っているなら、PS5が一番選びやすいです。

MGS4は内部最大4K・最大60fps。

PEACE WALKERも最大4K出力・最大60fps。

パッケージ版もあり、MGS4のロードやフレームレートも発売直後から安定しています。

PS5だけ特別に豪華な内容が入っているわけではありません。

それでも、画質、60fps、物理版、現状の安定感を全部まとめて取れるのが強い。

MGS4をテレビでじっくり遊び直したいなら、まず候補にしていいでしょう。

Xbox Series X|パッケージが不要ならPS5とほぼ同格

Xbox Series XもMGS4は内部最大4K・最大60fps。

Series Sでも最大1440p・60fpsです。

日本ではダウンロード専売なので、物理版を残したい人には向きません。

そこを気にしないなら、Series Xも性能面では十分に有力です。

Steam|MGS4目的ならあり。PWをマウスで遊ぶなら待つ

PCへシリーズをまとめたいならSteam版も悪くありません。

MGS4は高性能PCなら内部最大4K・60fpsに対応し、Steam Deckでもかなり動きます。

問題は何度も触れているPEACE WALKER。

ゲームパッド中心なら候補にできますが、キーボード+マウスを前提にしているなら、修正を待った方がいい。

同じVol.2でも、MGS4とPEACE WALKERでPC版の安心感が違う。

Steamを選ぶならそこだけ覚えておけばいいでしょう。

Switch 2|携帯60fpsは魅力。ただしゲームキーカード

MGS4をベッドや外出先で遊べる。

しかも最大60fps。

Switch 2版には、ほかの据え置き機にはない明確な長所があります。

TVモードでは4K出力、内部最大1440p。携帯モードは最大1080p・60fpsです。

性能面だけなら、かなり魅力的です。

気になるのはパッケージ。

Switch 2版はゲームキーカードなので、カード内にゲーム本編が全部入っているわけではありません。初回プレイには本編データのダウンロードが必要です。

KONAMIの商品案内では最低30.3GBの空き容量を求めていますが、Nintendo eShopでは現在バンドル全体が50GBを超える表示になっているため、ストレージには余裕を持っておいた方がいいでしょう。

「パッケージを買えばゲームそのものを物理的に保存できる」と考えている人には、ここが引っ掛かります。

通常Switch版|Switch 2を持っていても選ぶ意味がある

少しややこしいですが、物理版を重視する人には重要です。

通常Switchで遊ぶMGS4は最大30fps。

そのままならSwitch 2版の方が明確に快適です。

ところが通常Switch版をSwitch 2で起動し、無料の強化更新を適用すると、MGS4もPEACE WALKERもSwitch 2向けの画質・フレームレート強化を受けられます。

これは「ネイティブSwitch 2版を無料でもらえる」という意味ではありません。

あくまでSwitch版をSwitch 2上で強化して動かす仕組みです。

そしてパッケージの中身が違います。

Switch 2版はゲームキーカード。

通常Switch版は通常のカートリッジで、PEACE WALKERとボーナスコンテンツはカートリッジに収録され、MGS4など一部データを追加ダウンロードする方式です。

つまりSwitch 2を持っている人でも、

分かりやすさとネイティブSwitch 2版を選ぶならSwitch 2版。

ゲームキーカードを避け、少しでも物理データを残したいなら通常Switch版をSwitch 2で強化。

という選び方ができます。

コレクション商品だからこそ、この違いは意外と重要です。

なお通常Switch版からネイティブSwitch 2版へセーブを移すことはできますが、逆方向には戻せません。Switch 2版ですでにセーブを作っている場合も移行できないので、途中で買い替えるつもりなら先に決めておいた方が安全です。

シリーズ完全初見でもVol.2から始めていい?

おすすめしません。

MGS4は、シリーズを知らない人へ丁寧に世界観を紹介する作品ではありません。

むしろ逆です。

それまでに積み重ねてきた人物関係や出来事を大量に引き受け、それらへ答えを出していく作品です。

DATABASEがあるので、分からない用語や人物を調べることはできます。

でも、辞典で「この人物は誰か」を読むことと、その人物と過去作品を何時間も一緒に過ごしてきたことは同じではありません。

MGS4の物語を最大限楽しみたいなら、少なくともMGS1~3を知ってから入りたい。

PEACE WALKERもMGS3との関係が深い作品です。

Vol.2はシリーズ入門パックではなく、これまでメタルギアを追ってきた人が、その続きを現行機へ持ってくるためのコレクションと考える方が合っています。

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』忖度なしレビュー評価スコア

評価項目スコア評価
収録作品そのものの完成度8.4 / 10MGS4とPWはいま遊んでも価値がある。一方、長いムービーや反復など原作由来の古さも残る
MGS4の移植品質8.8 / 10高解像度化、最大60fps、ロード短縮がしっかり効いている。18年ぶりの移植として満足度は高い
PEACE WALKERの移植・オンライン6.8 / 1060fps化とオンライン維持は歓迎。ただしPC入力問題と高解像度デモ未配信は発売時点で減点
Ghost Babel・付属コンテンツ7.5 / 10Ghost Babelは価格差のないボーナスとしてかなり強い。資料類は有用だが、保存版ならもう一歩欲しい
操作性・快適性・現代化6.8 / 10ロードやボタン設定は改善したが、QoLやアクセシビリティまで徹底的に現代化した移植ではない
技術的完成度・機種最適化7.6 / 10MGS4は各機種で好調。Vol.1より安心して買える一方、PC版PWだけ明確な問題を抱えている
コストパフォーマンス8.0 / 10MGS4+PWを買うなら単品合計と同額でGhost Babelまで付く。MGS4しか要らない人にはVol.2は割高
総合スコア7.6 / 10MGS4の復活は成功。ただしVol.2まで買うべきかは、PEACE WALKERも欲しいかどうかで決まる

総合スコアは7.6点としました。

MGS4の移植だけなら、8点台後半を付けてもいい出来です。PS3以外では18年間遊べなかった作品が、最大60fps、短いロード、高解像度で現行機へ戻ってきたことには大きな価値があります。しかし今回評価しているのはMGS4ではなく6,600円のVol.2です。PEACE WALKERにはPC版の入力問題があり、高解像度デモも発売日に揃いませんでした。MGS4を含め、原作保存を優先したぶん現代向けQoLも控えめです。その一方で、MGS4とPEACE WALKERの単品価格を足すとVol.2とまったく同じ6,600円になり、そこへGhost Babelとサウンドトラックが加わる価格設定はかなり良心的。MGS4だけなら単品でいい。ただし2作品とも欲しい人にとっては、価格に見合う内容がきちんと入っている。 その商品としての立ち位置を7.6点と評価します。

METAL GEAR SOLID : MASTER COLLECTION Vol.2 -Switch2

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』Switch 2版。18年ぶりに現行機へ移植された『MGS4』と、『PEACE WALKER』をまとめて収録し、ボーナスとして『METAL GEAR Ghost Babel』も楽しめます。MGS4とPEACE WALKERを両方遊びたい人や、シリーズ作品をパッケージで手元に残したい人に向くコレクションです。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

総評|MGS4だけなら単品。MGS4+PWならVol.2を買っていい

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』を買うべきか。

答えは、意外なほど単純です。

MGS4だけが目的なら、3,850円の単品版で十分。

18年ぶりにMGS4を遊びたい。それだけなら、Vol.2へ6,600円を払う必要はありません。

しかも肝心のMGS4移植はよくできています。

最大60fpsになったことで動きはかなり滑らかになり、PS3版で気になったロードも短い。MGS4を現行機で遊ぶための環境として、これ以上PS3へ戻る必要を感じない人は多いでしょう。

だからこそ、MGS4単品という選択肢が成立します。

反対に、PEACE WALKERまで遊ぶならVol.2を選んでいい。

MGS4が3,850円、PEACE WALKERが2,750円。

合計6,600円。

Vol.2も6,600円。

同じ金額ならGhost Babelとデジタルサウンドトラックまで入るVol.2を選んだ方が自然です。

PEACE WALKERも、単に古いPSPゲームを一本足しただけではありません。

兵士を回収し、基地を育て、武器を開発していくゲームループには今でも面白さがあります。『MGSV』へつながるシステムの原型としてだけでなく、一本の育成型ステルスアクションとして成立しています。

ただしPC版だけは急がない方がいい。

キーボード+マウスの入力問題を抱えたまま発売したことは、移植商品として擁護しにくい部分です。高解像度デモも後日配信。

MGS4ほどきれいに仕上げて出せなかったことが、Vol.2全体を8点台へ上げられない最大の理由になりました。

機種なら、迷ったらPS5。

物理版不要ならXbox Series Xも十分。

SteamはMGS4目的なら選びやすいものの、PEACE WALKERをマウスで遊びたいなら待つ。

Switch 2は携帯最大60fpsという魅力がある一方、パッケージがゲームキーカードなのをどう見るかで評価が変わります。物理メディアを残したいSwitch 2所有者なら、通常Switch版を買ってSwitch 2上で強化するという、少し変わった選択肢まであります。

シリーズ完全初見なら、Vol.2から始めるのはおすすめしません。

MGS4は、これまで積み上げてきた物語を知っているからこそ意味を持つ作品です。

今回のVol.2は入門編ではありません。

メタルギアを追ってきた人が、PS3やPSPに残されていた作品をようやく現在のゲーム環境へ連れてくるためのコレクションです。

その役割は、かなり果たしています。

MGS4が帰ってきたことだけを理由に高得点にはしない。

PEACE WALKERの問題も隠さない。

それでもMGS4とPEACE WALKERの両方が欲しい人なら、6,600円という価格に納得できるだけの中身はある。

総合7.6点。

MGS4だけなら単品。

MGS4とPEACE WALKERを両方遊ぶならVol.2。

今回のMASTER COLLECTIONは、その買い分けが一番しっくりくる一本です。

-新作ゲームレビュー
-, , , ,