- 『スプリット・フィクション』Switch 2版レビュー|2人専用でも6,900円の価値はある?
- 『スプリット・フィクション』Switch 2版 忖度なしレビュー・先に結論
- 『スプリット・フィクション』はどんなゲーム?|最初から最後まで2人専用
- 「二人でなければ解けない」が最後まで徹底されている
- 新しい遊びを次々使い捨てるレベルデザインがすごい
- SFとファンタジーを行き来しても「背景違い」にならない
- Side Storiesは寄り道だけど、飛ばすともったいない
- 派手なのに、協力している意味を失わない
- ストーリーはゲームプレイほど強くない
- ゲーム初心者と経験者の組み合わせでも遊べる?
- Friend's Passなら本当にソフト1本で全編遊べる?
- PS5・Xbox・PCの友達とも遊べる?|クロスプレイ対応
- Friend's Pass・おすそわけ通信・GameChatは別物
- GameChatは相性が良い。ただし現在はNintendo Switch Online加入が必要
- Switch 2版はTVモード30fps|これは大きな欠点?
- PS5・PC版ではなくSwitch 2版を選ぶ価値はある?
- 同じSwitch 2で二人遊ぶなら、コントローラーにも注意
- 約69.2GBはかなり大きい
- パッケージ版は注意|ゲームカードなしの「コードインボックス」
- 一度クリアしたら終わり?|リプレイ性はそこまで高くない
- 『It Takes Two』を超えた?
- 6,900円を払う価値はある?
- 『スプリット・フィクション』Switch 2版 忖度なしレビュー評価
- Switch 2パッケージソフトTier93点・S Tierは妥当?
- 総評|一緒に遊ぶ相手がいるなら、買っていい?
『スプリット・フィクション』Switch 2版レビュー|2人専用でも6,900円の価値はある?
世界的に高く評価されたゲームだから、誰にでもおすすめできる。
『スプリット・フィクション』については、そう言い切れません。
理由は単純です。このゲーム、一人では遊べません。
ソロモードはなく、AIにもう一人を任せることも、ミオとゾーイを一人で切り替えながら進めることもできない。最初から最後まで、もう一人のプレイヤーが必要です。
その代わり、オンラインなら製品版を2本買う必要はありません。片方が製品版を持っていれば、もう片方は無料の「フレンドパス」を使ってゲーム全編に参加できます。PC、PlayStation 5、Xbox Series X|Sとのクロスプレイにも対応しています。
つまり考えるべきなのは、「高評価ゲームだから6,900円払う価値があるか」ではありません。
一緒に最後まで遊べる相手がいる。その条件を満たしたうえで、この一本に6,900円払う価値があるのか。
答えは、かなりはっきりしています。
相手が決まっているなら、強くおすすめできます。
相手が決まっていないなら、まだ買わなくていいです。
『スプリット・フィクション』Switch 2版 忖度なしレビュー・先に結論
総合評価は8.9 / 10。
協力ゲームとして見るなら、現行世代でも最上位に置ける一本です。
ただし「8.9点だから全員買うべき」という意味ではありません。本作ほど、ゲームの完成度と「その人が買うべきか」を分けて考えなければならない作品も珍しいでしょう。
| 遊ぶ人 | 購入判断 |
|---|---|
| 一緒に遊ぶ相手が決まっている | かなりおすすめ。本作の長所をそのまま享受できる |
| PS5・Xbox・PCの友人と遊びたい | 相性が非常に良い。フレンドパス+クロスプレイが強い |
| ゲーム経験者+初心者 | 候補になる。ただし後半は初心者側にも操作を要求する |
| 夫婦・パートナー・友人 | 2人ともアクションへ参加できるなら非常に有力 |
| 一緒に遊ぶ相手がまだいない | 先に相手を決めたい。高評価だけを理由に買う必要はない |
| 一人で遊びたい | 購入対象外。ソロでは本編を進められない |
| TV中心でPS5なども持っている | 画質・60fpsを優先するなら他機種版も検討したい |
| 携帯モードやおすそわけ通信を使いたい | Switch 2版を選ぶ意味が大きい |
ゲームそのものについては、かなり強い評価になりました。
特に優れているのは「遊びの数」ではありません。次々と別の仕掛けを出しながら、その多くをちゃんと2人で遊ぶ意味のある仕組みに仕上げ、それを惜しげもなく使い切って次へ進むことです。
一方、ストーリーはゲームプレイほど盤石ではありません。リプレイ性も突出して高いわけではなく、Switch 2版はTVモード30fps固定。国内パッケージ版にはゲームカードが入っていないという注意点まであります。
欠点はあります。
それでも、条件の合う2人に対してなら薦めやすい。
そこが8.9点です。
『スプリット・フィクション』はどんなゲーム?|最初から最後まで2人専用
オリジナル版は2025年3月6日にPC、PlayStation 5、Xbox Series X|S向けに発売。その約3か月後となる2025年6月5日にNintendo Switch 2版が配信され、日本国内のパッケージ版は7月10日に発売されました。Switch 2版の価格は6,900円です。
主人公は、作家を目指すミオとゾーイ。
ミオはSF、ゾーイはファンタジーを得意としており、二人はある出来事から、自分たちが生み出した物語の世界へ閉じ込められます。
SFとファンタジー。
好みも性格も違う二人。
この設定が単に「ステージの見た目を二種類用意する理由」で終わっていないのが面白いところです。世界が変われば、遊びまで変わります。
そして全編を通して画面は二人に分割され、片方がミオ、もう片方がゾーイを操作します。任天堂公式も本作を「2人プレイ専用、分割画面で進行するアドベンチャーゲーム」と案内しています。
一人用モードはありません。
ここは購入前に絶対に見落としたくない条件です。
「二人でなければ解けない」が最後まで徹底されている
2人プレイ対応ゲームは珍しくありません。
しかし、二人で遊べるゲームと、二人でなければ成立しないゲームは別物です。
『スプリット・フィクション』が強いのは後者。
ミオとゾーイには、その場面ごとに異なる役割や能力が与えられます。片方が道を作り、もう片方がそこを利用する。片方の行動が、もう片方の攻撃や移動を成立させる。別々の操作をしながら、同じ問題を二人で処理していきます。
「上手い方が全部やればいい」では済みません。
これは初心者と遊ぶ場合には難しさにもなりますが、協力ゲームとしては大きな長所です。
一方が戦っている横でもう一方が待っているだけ、片方がスイッチを押したら仕事終了――そうした場面だけで全編を引っ張らず、二人それぞれに仕事を与え続ける。
だから、「友達と同じゲームを遊んだ」ではなく、二人で一つの場面を突破したという感覚が残りやすい。
本作が2人専用であることには、ちゃんと理由があります。
新しい遊びを次々使い捨てるレベルデザインがすごい
『スプリット・フィクション』を語るうえで、最も評価したいのがここです。
3Dアクション、パズル、シューティング、乗り物、2D的なアクション、ステルス、ボス戦。
文字にすると「いろいろ入っているゲーム」に見えますが、本作のすごさは数ではありません。
新しい仕組みを出す。
基本を理解させる。
少し複雑にする。
二人の連携へ発展させる。
大きな見せ場を作る。
そして、次へ行く。
この切り替えが速い。
普通なら一本のゲームで中心システムに据えてもおかしくない仕組みを、短い区間だけ使って終わることさえあります。GameSpotも、いくつもの能力や道具について、それだけで一本のゲームの中心になり得るほど作り込まれていると評価しています。
「せっかく面白くなってきたのに、もう終わるのか」と感じる仕掛けもあるでしょう。
ただ、それ以上に大きいのが、同じことを繰り返す時間の短さです。
一つの遊びを何時間も引き延ばしてボリュームを作るのではなく、アイデアを使い切ったら次の遊びへ移る。
15時間前後のゲームが、数字以上に濃く感じられる理由です。
SFとファンタジーを行き来しても「背景違い」にならない
ミオのSF世界とゾーイのファンタジー世界は、色や建物を入れ替えただけではありません。
スピード感のある機械的な世界から、魔法や生き物を使った仕掛けへ。
世界が変わるたび、プレイヤーが覚えるルールまで変わります。
それでいて基本操作そのものは大きく崩さないため、「毎章別ゲームを一から覚え直す」という煩雑さにもなりにくい。
このバランスが上手い。
レビューによってSF側とファンタジー側の好みは分かれますが、少なくとも片方が丸ごと手抜きに見えるような作りではありません。
むしろ二つの世界を往復するからこそ、次に何をやらされるのか読みにくい。
本作では、この「先が読めない」がそのまま遊びの勢いになっています。
Side Storiesは寄り道だけど、飛ばすともったいない
各章には任意で入れる「サイドストーリー」があります。
全部で12種類あり、本筋からさらに離れた発想を短い区間へ詰め込んだコンテンツです。
名前だけを見ると、クリアを急ぐなら無視していい寄り道に思えます。
ところが、本作では逆。
完成版レビューでもサイドストーリーを特に高く評価する声があり、Tom's Guideはゲーム中でも特に創造的な場面が含まれるとして、飛ばさないことを勧めています。
本編の進行に必要だから遊ぶのではなく、一つのアイデアを短時間で思い切り振り切る。
その自由さが本作とよく合っています。
初回プレイなら、見つけたサイドストーリーはできるだけ寄っていった方がいいでしょう。
派手なのに、協力している意味を失わない
画面いっぱいの巨大な仕掛け、スピードの速い移動、大型ボス。
『スプリット・フィクション』はかなり派手です。
それでも、ただ映像を見せるために操作を奪う時間ばかりにはなりません。
ボス戦でも、二人が同じ敵へ同じ攻撃を続けるだけではなく、その場専用の能力や役割を使わせる構成が多い。見せ場が、そのまま協力プレイの見せ場になっています。
もちろん、全区間が同じ密度ではありません。
移動中心の場面や、仕掛けが少し長く続く区間もある。通常のプラットフォーム部分だけを見ると、専門の3Dアクションゲームほど精密な操作感ではないという指摘もあります。
それでも「次の見せ場まで同じ作業を続ける」時間が短いため、大きく間延びしにくい。
このテンポの良さは最後まで強みです。
ストーリーはゲームプレイほど強くない
ここは満点扱いできません。
ミオとゾーイの関係そのものは悪くありません。
正反対の二人が衝突しながら、お互いが書いた世界へ入り、相手の考え方や抱えているものを知っていく。
「二人で協力しないと先へ進めない」というゲームの構造と、二人の関係が変化していく物語はよく噛み合っています。
ただし、メインプロットまで同じ水準かというと疑問が残ります。
特に悪役側は評価が割れています。Checkpoint Gamingは、Raderをありきたりな企業悪役として批判し、動機や存在感の弱さを指摘しました。GameSpotも、物語や敵役にはベタさやクリシェを感じる部分があるとしています。
ミオとゾーイが創り出した世界は次々と驚かせてくれる。
その一方で、現実側の筋書きはかなり分かりやすい。
ゲームプレイが9点台後半だからといって、ストーリーまで同じ点数にはできません。
キャラクター同士の関係は良い。
創作を扱う題材も面白い。
ただ、物語全体としては「ゲームプレイをさらに一段押し上げるほど強い」とまでは評価しませんでした。
ゲーム初心者と経験者の組み合わせでも遊べる?
遊べます。
ただし、「初心者向けだから大丈夫」と簡単には言えません。
本作は失敗への罰がかなり軽く、チェックポイントも細かい設計です。片方だけが失敗した場合も復帰しやすく、二人とも失敗しても長い区間を丸ごとやり直すような場面は少ない。
ここは初心者に優しい部分です。
一方で、操作そのものは後半ほど忙しくなります。
ジャンプ、カメラ操作、エイム、タイミング、周囲を見ながらの同時操作。
しかも二人で成功しなければ先へ進めない場面では、ゲーム経験者が初心者側の操作まで全部代わってあげることはできません。
Kotakuも2026年の振り返りで、『It Takes Two』より難度は一段高く、集中力や素早い判断が必要になる区間があるとしています。
普段ほとんどゲームをしない人と遊ぶなら、最初から製品版を買う必要はありません。
フレンドパスには、二人とも未購入の状態で序盤を試せる体験版があります。
二人で実際に触ってから決める。
本作では、それがかなり賢い買い方です。
Friend's Passなら本当にソフト1本で全編遊べる?
遊べます。
オンラインで遊ぶ二人のうち一人が製品版を持っていれば、もう一人は無料のフレンドパスをダウンロードして全編へ参加できます。
しかも、一度決めた一人に固定される仕組みではありません。
製品版所有者は別の友人を招待することもでき、一度に一緒に遊ぶ相手が一人というだけです。別の相手と遊ぶ場合も、ホスト側は新規ゲーム、最新のセーブ、解放済みチャプターから開始位置を選択できます。
さらに、フレンドパス同士でも序盤の数レベルを体験でき、その進行は製品版購入後へ引き継がれます。
これはかなり強い仕組みです。
「2人用ゲームだからソフトを2本買わなければならない」という一番分かりやすい負担を、最初から取り除いています。
ただし、単純に「6,900円÷2人=1人3,450円だから安い」とは評価しません。
製品版を所有するのは一人です。
フレンドパス側は、製品版所有者とのオンラインセッションなしに本編全体を自由に進められるわけではありません。
それでも、二人専用ゲームの売り方として非常に良心的なのは間違いありません。
PS5・Xbox・PCの友達とも遊べる?|クロスプレイ対応
対応しています。
Nintendo Switch 2、PC、PlayStation 5、Xbox Series X|Sの間でクロスプレイが可能です。クロスプラットフォームで招待する場合はEAアカウントを利用します。
つまり自分がSwitch 2版を買い、友人がPS5しか持っていない場合でも、その友人が対応するフレンドパスを用意すれば一緒に遊べます。
「相手もSwitch 2を買わないといけない」は誤りです。
ここまで相手側の機種を選ばないのは、本作の大きな強みでしょう。
ただしSwitch 2でオンライン機能を利用する場合は、Nintendo Switch Onlineへの加入が必要です。フレンドパスが無料だからといって、オンライン環境まで一切費用がかからないわけではありません。
Friend's Pass・おすそわけ通信・GameChatは別物
名前が多くて分かりにくいところですが、用途を分けると簡単です。
| 機能 | 何ができる? |
|---|---|
| Friend's Pass | 離れた相手とオンライン。製品版は二人のうち一人だけでよく、クロスプレイにも対応 |
| おすそわけ通信 | 近くにある別のSwitch 2/初代Switchへ、Switch 2からゲームを共有してローカル協力 |
| GameChat | Switch 2同士で音声や画面共有などを行う本体機能。ゲーム本編を所有させる機能ではない |
『スプリット・フィクション』で公式に案内されているおすそわけ通信はローカル利用です。
Switch 2で製品版を持っている人が、近くにある別のSwitch 2だけでなく、初代Nintendo Switchにもゲームを共有できます。初代Switch側はソフトを所有していなくても、おすそわけ通信中なら参加できます。
ここで注意したいのが、初代Switch版『スプリット・フィクション』が発売されているわけではないこと。
初代Switchは、Switch 2からゲームを受け取る側として参加できるだけです。
また初代SwitchへのGameShareは、実機レビューで評価が割れています。Nintendo Lifeは多少不安定ながら概ね成立すると評価した一方、Nintendo Everythingでは大きな映像乱れや遅延が発生した例も報告されています。
「初代Switchさえあれば完全に快適」とまでは期待しない方がいいでしょう。
対応していること自体は便利ですが、Switch 2同士や通常のローカル画面分割に代わる最良環境というより、遊び方を増やす選択肢の一つです。
GameChatは相性が良い。ただし現在はNintendo Switch Online加入が必要
離れた相手と協力するゲームだけに、声を掛け合えるGameChatとの相性は良好です。
Nintendo Switch 2にはマイクが内蔵されているため、別途ヘッドセットを用意しなくてもボイスチャットが可能。カメラをつなげばビデオチャットも利用できます。
ただし、2025年の発売時にあったGameChatの無料開放期間は現在終了しています。
2026年9月時点では、GameChatの利用にNintendo Switch Onlineへの加入が必要です。
そしてGameChatは、Friend's Passの代わりではありません。
GameChatは会話するための本体機能。
遠距離の相手を無料でゲーム本編へ参加させる仕組みはFriend's Pass。
ここは分けて考えた方が分かりやすいです。
Switch 2版はTVモード30fps|これは大きな欠点?
TVモードは30fps固定です。
これは推測ではなく、EA Community Managerが開発チームへ確認した回答として明らかにされています。
Switch 2はTV出力時にVRRを利用できないため、フレームレートを解放するとテレビによってはスタッターが目立ちやすい。そのため、ドック時は安定した30fpsを優先したという説明です。携帯モードではVRRを利用し、通常30~45fps程度で動作するとされています。
30fpsだから移植失敗、とは評価しません。
Switch 2版を実際に検証したNintendo Lifeはドック時の動作をかなり安定していると評価しており、Nintendo Everythingでも大部分で安定した30fpsだったとしています。
重要なのは、「30fpsかどうか」だけではなく、30fpsで安定して遊べるかです。
その点では、大きく破綻した移植ではありません。
ただし、だから他機種との差まで消えるわけでもありません。
PS5・PC版ではなくSwitch 2版を選ぶ価値はある?
ここは所有環境によって答えが変わります。
PS5などではより高いフレームレートと高い描画品質を狙えます。TechRadarによる比較でも、Switch 2版はPS5版に対して解像感、影、細部の描画などで明確な差が確認されています。
そのため、
家のTVでしか遊ばない。PS5も持っている。60fpsを重視する。
この条件なら、わざわざSwitch 2版を優先する理由は弱くなります。
逆にSwitch 2版には、他機種とは違う魅力があります。
携帯モード。
おすそわけ通信。
初代Switchを2人目側に使える選択肢。
Switch 2本体だけで使えるGameChat。
普段使っている任天堂環境のまま遊べること。
特に一人がSwitch 2を持ち、オンラインの相手と遊ぶなら、携帯モードにも意味があります。一台の小さな画面を二人で覗き込む必要はなく、自分の画面として使えるからです。
一方、Switch 2本体をテーブルへ置き、同じ小さな画面を二人で分割して見る遊び方はあまり向きません。Nintendo Everythingも、キャラクターが画面上で小さくなる場面があり、テーブルモードでのローカル協力は薦めにくいとしています。
「携帯できるからSwitch 2版が最高」ではない。
どこで、誰と、どう遊ぶか。
そこでSwitch 2版の価値が変わります。
同じSwitch 2で二人遊ぶなら、コントローラーにも注意
同一本体でのオフライン協力にも対応しており、ローカル協力そのものにはインターネット接続もEAアカウントも必要ありません。
ただしEA公式FAQでは、ローカル協力にはコントローラー2台が必要と案内されています。
「Switch 2本体を買えば、付属のJoy-Con 2を左右一本ずつ渡してそのまま二人プレイできる」と思い込んで買うのは避けたいところです。
ローカル二人プレイを前提にするなら、自分のコントローラー環境まで先に確認しておいた方が安全です。
約69.2GBはかなり大きい
任天堂公式ストアに掲載されているSwitch 2版のファイルサイズは69.2GBです。
小さくありません。
Switch 2本体だけで複数の大作を管理している場合、この一本だけでかなりの容量を使います。
しかも国内パッケージ版を買っても、後述する通りゲームカードから起動するわけではありません。
箱を買えば本体ストレージを節約できるタイプのパッケージではないので、空き容量は購入前に見ておきたいところです。
パッケージ版は注意|ゲームカードなしの「コードインボックス」
国内パッケージ版は2025年7月10日発売。
メーカー希望小売価格は6,900円です。
ただし、一般的な意味での「ゲームカード入りパッケージ」ではありません。
コードインボックス仕様です。
箱の中にゲームカードは入っておらず、ニンテンドーeショップから本編をダウンロードするためのコードが封入されています。
ゲームキーカードでもありません。
国内販売情報では、コードの利用にはインターネット接続が必要で、使用できるのは1回だけと明記されています。
これはかなり大事です。
通常のゲームカードなら、クリア後に売却したり、中古品を購入したりできます。
コードインボックスではそうはいきません。
一度コードを使用すれば、ゲームそのものを箱ごと中古として譲る一般的な使い方はできません。逆に中古で見つけた場合も、コードが使用済みなら箱だけ買ってもゲームは手に入りません。
「パッケージ版だから後で売れる」と考えている人には向きません。
同じ6,900円なら、箱を手元へ置きたい、店舗の実売価格やポイントが有利、といった理由がなければDL版で困らない商品です。
パッケージを購入する場合は、商品説明にコードインボックスと書かれていることを必ず確認したいところです。
一度クリアしたら終わり?|リプレイ性はそこまで高くない
ここは弱点として評価しました。
本編は基本的に一本道。
ローグライクのようなランダム生成も、何十種類ものビルドも、対戦モードも、ライブサービス型の継続コンテンツもありません。
メインストーリーだけなら約12時間という目安があり、サイドストーリーまで遊んだ完成版レビューでは15~18時間前後の例もあります。
もちろん、「15時間だから6,900円は高い」という話ではありません。
本作は同じ遊びを何十時間も反復する代わりに、15時間前後へ大量のアイデアを詰め込んでいます。
問題は2周目です。
前回と逆のキャラクターを選べば別の能力を操作できますし、チャプターセレクトで好きな場面へ戻ることもできます。別の友人と遊べば、会話やミス、進み方も変わるでしょう。
ただし初回に感じた「次は何が出てくるんだ」という驚きは戻りません。
再プレイにも、当然もう一人が必要です。
100時間、200時間と一本を遊び続けたい人には向いていません。
一度の濃い協力体験へ価値を置くゲームです。
『It Takes Two』を超えた?
単純な上位互換ではありません。
協力ギミックの密度。
新しいメカニクスへ切り替わる速度。
大規模なセットピース。
ゲームプレイの発想量。
このあたりは『スプリット・フィクション』がさらに前へ進んだと評価できます。Kotakuも、幅広いジャンルを取り込みながら、新しい仕組みを直感的に理解させる設計を高く評価しています。
一方、『It Takes Two』の方が物語にまとまりを感じる人はいるでしょう。
初心者を含めた遊びやすさも、『スプリット・フィクション』は一段だけ要求が高い。
だから結論は、
協力アクションとしてはHazelightの到達点。ただし『It Takes Two』の完全上位互換ではない。
です。
『It Takes Two』未プレイでも問題ありません。
物語上つながった続編ではなく、本作だけで完結しています。
6,900円を払う価値はある?
一緒に遊ぶ相手が決まっているなら、あります。
ゲーム一本に6,900円。
しかも15時間前後で一区切り。
数字だけ見れば、もっと長く遊べるゲームはいくらでもあります。
しかし『スプリット・フィクション』は、プレイ時間を伸ばすために同じ作業を繰り返させる作品ではありません。
短い区間のためだけに能力を作り、ステージを作り、演出を作る。
それを次々と捨てていく。
この密度へお金を払うゲームです。
さらにオンラインなら、製品版を購入するのは二人のうち一人だけでいい。別機種の相手でもフレンドパス+クロスプレイで全編を遊べます。
価格面ではかなり強い。
ただし、相手がいなければ価値は一気にゼロへ近づきます。
一人では起動して少しずつ進めることすらできません。
始めた相手が途中で遊ばなくなれば、別の相手を誘うことはできても、そのまま一人で続きを終わらせることはできません。
だから、
「いつか誰かと遊ぶかもしれないから、とりあえず買う」
には向いていません。
相手がいる。
予定を合わせられる。
二人で一本のゲームを最後まで遊びたい。
そこまで決まっているなら、6,900円に見合う一本です。
『スプリット・フィクション』Switch 2版 忖度なしレビュー評価
| 評価項目 | 点数 | 評価 |
|---|---|---|
| 協力プレイ・ゲームデザイン | 9.8 | 2人専用を制約で終わらせず、二人で遊ぶ意味へ変えている。現行協力ゲームでも最上位級。 |
| アクション・操作性 | 9.0 | 多ジャンルを切り替えながら破綻しにくい。後半の操作要求と一部通常アクションには好みが出る。 |
| レベルデザイン・アイデア | 9.8 | 一本の主役になりそうな仕組みまで短時間で使い切る密度は圧倒的。Side Storiesも強い。 |
| ストーリー・キャラクター | 8.0 | ミオとゾーイの関係はゲーム構造と噛み合う一方、メインプロットや悪役にはベタさが残る。 |
| ボリューム・リプレイ性 | 7.8 | 初回の密度は高いが一本道。逆キャラや別パートナーで再遊戯できても初見の驚きは薄れる。 |
| Switch 2版の技術・オンライン機能 | 8.4 | 30fps固定や画質差はあるが動作は概ね安定。携帯モード、クロスプレイ、GameShareの選択肢は強い。 |
| コストパフォーマンス | 8.8 | Friend's Passは非常に良心的。ただし2人必須、約69GB、コードインボックスまで考えると無条件の満点ではない。 |
| 総合スコア | 8.9 / 10 | 条件付きでも代表級。相手が決まっているなら強く薦められる協力アクション。 |
9点台後半を付けた協力設計とレベルデザインが、このゲームの評価を引っ張っています。二人に別々の仕事を与え、新しい仕組みを覚えた頃には次の遊びへ移る。その密度だけなら、協力ゲームの基準を一段上げた作品と評価していいでしょう。
一方で一本の商品として見ると、手放しではありません。物語、とくに悪役はゲームプレイほど強くなく、初見の驚きに価値が集中しているため周回性も突出してはいません。Switch 2版はTVモード30fpsで、他機種より画質面の妥協もある。国内パッケージ版はコードインボックスで、中古売却を前提に選ぶこともできません。
それでも8.9点なのは、これらの弱点を隠してもなお、「二人で一緒に遊ぶ」という一点に対する完成度が非常に高いからです。相手が決まっている人にとっては、6,900円を払う理由が十分あります。
Switch 2版『スプリット・フィクション』。SF作家ミオとファンタジー作家ゾーイが、それぞれの物語世界を協力して進む2人専用アクションアドベンチャーです。オンラインはFriend's Pass対応で、製品版1本があれば別機種のフレンドともクロスプレイ可能。国内パッケージ版はゲームカードではなく、ダウンロードコードを封入したコードインボックス仕様です。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
Switch 2パッケージソフトTier93点・S Tierは妥当?
Nintendo Switch 2 パッケージソフトTier表では、『スプリット・フィクション』を93点・S Tierとしています。
今回の詳細レビューは8.9 / 10。
数字は一致していません。
合わせる必要もありません。
Tier表はSwitch 2パッケージ作品を横並びで比較するための100点評価。個別レビューは、6,900円を払って一本買う価値まで掘り下げる10点評価です。
改めて詳細を見ても、Tier93点を下げる必要があるほどの問題は見つかりませんでした。
30fps。
コードインボックス。
2人必須。
リプレイ性。
はっきりした弱点がありながら、それ以上に協力ゲームとしての設計と密度が強い。
S Tierという位置は妥当です。
総評|一緒に遊ぶ相手がいるなら、買っていい?

相手が決まっているなら、買っていいです。
『スプリット・フィクション』のすごさは、「二人でも遊べる」ことではありません。
一人で遊べる可能性を最初から捨て、その代わり、二人でなければ成立しない遊びを一本丸ごと作ったことです。
片方だけでは進めない。
片方だけ上手くても全部は解決できない。
失敗したら、二人でもう一度試す。
その繰り返し自体が、このゲームの面白さになっています。
しかも同じ仕掛けに長く居座りません。
新しい能力、新しいルール、新しい世界、新しいボス。
「これをもっと使うのか」と思ったところで、次のアイデアが出てくる。
ストーリーや悪役まで同じ水準ではありません。
二周目にまったく別のゲームへ変わるわけでもありません。
Switch 2版はTVモード30fpsで、最高画質や60fpsを優先するならPS5などの方が素直な選択です。
パッケージ版も、箱の中にゲームカードが入っていると思って買うと困ります。
それでも、協力ゲームとしての中心部分は非常に強い。
Friend's Passがあるため、オンラインなら製品版は一本だけで済む。
相手がPS5やPCでもクロスプレイできる。
近くにもう一台のSwitch 2や初代Switchがあれば、おすそわけ通信という選択肢もある。
Switch 2という機械との相性も悪くありません。
一方、一緒に遊ぶ相手がまだいないなら急いで買う必要はありません。
まず相手を決める。
できればフレンドパスの体験版を二人で試す。
その二人で最後まで遊びたいと思えたら、そこで製品版を買えばいい。
高得点だから万人向けではない。
一人では遊べないという、これ以上ないほど大きな条件があります。
でも、その条件を満たせる二人にとっては、条件付きという言葉だけでは片付けられないほど完成度が高い。
『スプリット・フィクション』Nintendo Switch 2版の評価は8.9 / 10。
一緒に遊ぶ相手が決まっているなら、2026年現在でも最優先候補に入れていい協力ゲームです。