『オービタルズ Orbitals』レビュー|1人プレイ不可、2人専用で6,980円の価値は?
『オービタルズ Orbitals』を買う前に、ひとつだけ絶対に知っておく必要があります。
このゲーム、一人では遊べません。
ソロモードはなく、AIに相棒を任せることもできない。マキとオムラを一人で切り替えて進めることもできません。
最初から最後まで、二人で遊ぶために作られたゲームです。
そして国内パッケージ版は6,980円。ダウンロード通常版でも5,980円です。
発売後レビューでは5~7時間前後でエンディングへ到達した例が多く、100時間遊べるような作品でもありません。
そう聞くと、「二人専用で短いのに6,980円?」と思うかもしれません。
ただ、『オービタルズ』はプレイ時間だけで切り捨てるには惜しい作品です。
80~90年代の日本アニメを思わせる映像。
二人それぞれに仕事を与える協力パズル。
片方が宇宙船を操縦し、もう片方が砲撃する宇宙船パート。
リズムゲームや2Dアクションまで混ぜながら、短い時間の中で次々と遊びを変えていく。
見た目だけで注目されたゲームではありません。
一方で、『It Takes Two』や『スプリット・フィクション』と同じ規模を期待すると、さすがに物足りない。
ストーリーは終盤ほど急ぎ足になり、パズルにも「二人で深く考えて解く」というより、役割を順番にこなして進む場面があります。
一緒に遊ぶ相手が決まっているなら、買って後悔しにくい。
ただし6,980円の大作協力ゲームを期待して選ぶ作品ではない。
『オービタルズ Orbitals』は、そのくらいの距離感で見るのが一番しっくりきます。
『オービタルズ Orbitals』忖度なしレビュー・先に結論
総合評価は7.9 / 10です。
映像だけならもっと高い。
二人協力ゲームとして見ても、十分に8点台へ届く魅力があります。
それでも総合7.9にした最大の理由は、価格と内容量だけではありません。
約5~7時間という短さに加えて、
- パズルの深さにはばらつきがある
- 物語は後半ほど駆け足
- 一部の宇宙船戦闘や操作に粗さがある
- 完全なゲーム初心者とのペアでは難しくなる可能性がある
- 発売前レビューで永続セーブ間隔の長さが指摘されている
といった弱点があります。
逆に、二人専用だから点数を下げたわけではありません。
むしろ本作の良さは、一人で遊べる逃げ道を作らず、二人でなければ成立しないゲームへ振り切ったことにあります。
片方だけ上手ければ全部解決できるゲームではない。
相手の画面を見て、「そっちをお願い」「次はこっち」と自然に声を掛ける。
それをゲーム側が何度も要求してきます。
さらに、オンラインでも製品版は二本必要ありません。
一人が製品版を持っていれば、もう一人は無料の「グローバルフレンドパス」を使って最後まで参加できます。
同じ場所なら本体一台の画面分割。
Nintendo Switch 2から別のSwitch系本体へ「おすそわけ通信」で共有する方法もあります。
遊ぶ相手さえ確保できるなら、「二人専用」という条件への配慮はかなり手厚い。
だから購入判断は単純です。
| 遊ぶ人 | 購入判断 |
|---|---|
| 一緒に最後まで遊べる相手が決まっている | おすすめ |
| 80~90年代アニメ風の世界に強く惹かれる | かなり相性がいい |
| 協力パズルをテンポよく遊びたい | おすすめ |
| 『It Takes Two』『Split Fiction』系が好き | 候補。ただし規模は小さい |
| 完全なゲーム初心者と遊ぶ予定 | 相手次第。体験版から推奨 |
| 一人で遊びたい | 買ってはいけない。プレイ自体できない |
| 一本で長期間遊びたい | 向かない |
| 6,980円なら15~20時間以上欲しい | 割高に感じる可能性が高い |
『オービタルズ Orbitals』はどんなゲーム?
『オービタルズ Orbitals』は、東京を拠点とするShapefarmが開発したNintendo Switch 2専用の2人協力型アクションアドベンチャーです。
2026年9月3日に発売されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | オービタルズ Orbitals |
| 発売日 | 2026年9月3日 |
| 開発 | Shapefarm |
| 発売 | Kepler Interactive |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 |
| プレイ人数 | 2人専用 |
| DL通常版 | 5,980円 |
| パッケージ版 | 6,980円 |
| DLデラックス版 | 6,980円 |
| オンライン協力 | 対応 |
| ローカル画面分割 | 対応 |
| おすそわけ通信 | 対応 |
| Global Friend's Pass | 対応 |
主人公は、若き探検家のマキとオムラ。
15年前に発生した「ストームウォール」が再び故郷を脅かし始め、二人はシールドを強化するために必要なリアクターカセットを求めて宇宙へ旅立ちます。
設定だけを見ると、昔のSFアニメそのものです。
ただし、『オービタルズ』が面白いのは、その雰囲気をムービーだけに使っていないこと。
実際に操作している場面まで含めて、一つの古いアニメ作品を動かしているように見せています。
良かった点
本当に「昔のアニメを操作している」ように見える
『オービタルズ』を語るうえで、映像は避けて通れません。
80~90年代風のアニメを名乗るゲームは珍しくありませんが、本作は単にキャラクターの絵柄を古くしただけではありません。
色。
光。
メカ。
背景。
キャラクターの動き。
UI。
カットシーン。
ゲーム画面へ戻った瞬間のつながり。
細かな部分まで同じ方向を向いています。
2DカットシーンはStudio Massketとの協力で制作され、ゲーム本編もUnreal Engine 5を使いながら、現代的に滑らかすぎる映像にはしていません。
キャラクターなどの動きをあえて12/24fps的に見せることで、昔のセルアニメらしい動きを再現しています。
ゲーム本体の動作も基本30fps。
60fpsが当たり前になった現在では好みが分かれる部分ですが、この作品の場合は「性能が足りないから仕方なく30fps」という一言では片付けにくい。
二画面を同時に描画する画面分割の負荷を考えながら、映像全体をアニメとして見せる設計でもあります。
もちろん、30fpsを重く感じる人まで「これは演出だから気にするな」と言うつもりはありません。
アクションゲームとして60fpsを求める人には弱点です。
ただ、『オービタルズ』が何を見せたくてこの映像にしたのかは、一貫しています。
日本語音声と音楽まで世界観から浮いていない
日本アニメらしさは映像だけではありません。
マキ役は景山梨彩さん、オムラ役は逢坂良太さん。
二人の性格も分かりやすく、前向きで勢いのあるマキと、落ち着いたオムラの掛け合いが冒険の空気を軽くしています。
そして音楽も強い。
オープニングテーマには鮎川麻弥さんを起用。
昔のアニメを模したゲーム画面に、現代的なポップソングをそのまま載せるような違和感がありません。
映像、キャラクター、声、音楽。
全部を一つの作品へまとめた完成度は、本作でも特に高く評価できます。
見た目の第一印象だけで購入すると危険なゲームではありますが、少なくとも見た目だけは良かったという作品でもありません。
アートと音は最後まで『オービタルズ』の大きな武器です。
「二人で遊べる」ではなく「二人でなければ進めない」
協力プレイ対応ゲームはたくさんあります。
ただ、二人で同じ敵を殴っているだけなら、一人用ゲームへ二人目を足しただけでも成立します。
『オービタルズ』は違います。
一人にはビーム系の道具。
もう一人には足場や液体を扱う道具。
片方がギミックを動かしているあいだに、もう片方が先へ進む。
相手が作った足場を利用する。
二人の操作をタイミングよく合わせる。
同じ場所に立っていても、それぞれの画面でやることが違います。
宇宙船ではさらに分かりやすい。
一人が操縦。
もう一人がキャノン。
パイロットだけ上手くても突破できず、砲手だけ上手くても成立しません。
「二人専用」が単なる販売上の制約ではなく、ゲームそのものへ落とし込まれています。
ここは高く評価できます。
道具を変えながら進むので、同じパズルが長く続きにくい
ビーム。
スクラップフック。
液体を利用する装置。
リズム。
2Dアクション。
宇宙船。
ミニゲーム。
本作は5~7時間程度の短い作品ですが、そのぶん同じ遊びを長時間引き延ばしません。
ひとつの仕掛けに慣れたころには、別の使い方や次の遊びへ移っていく。
このテンポは本作の長所です。
『スプリット・フィクション』ほど「これ一本でゲームが作れそう」と思うアイデアを次々使い捨てるほどではありません。
それでも、短い作品だからこそ同じパターンを水増ししなかったことには意味があります。
プレイ時間だけを増やすために同じパズルを何度も置くより、よほど本作に合っています。
失敗しても、死亡時のやり直しはかなり軽い
アクションが得意ではない相手と遊ぶときに重要なのが、失敗した後です。
『オービタルズ』は死亡時のチェックポイントが細かく、失敗しても直前から再挑戦しやすい作りになっています。
片方がミスするたびに数分戻されるようなゲームではありません。
協力ゲームでは、失敗した本人以上に相手が待たされることがあります。
そのストレスを減らしているのは良いところです。
ただし、ここで注意したいのが後述するセーブ仕様。
死亡後のチェックポイントが細かいことと、ゲームを終了した際に保持されるセーブが細かいことは別です。
この二つは分けて考える必要があります。
製品版一本で二人遊べる仕組みはかなり良心的
二人専用ゲームで最も困るのは、「相手にも同じソフトを買わせる必要がある」ことです。
『オービタルズ』はそこを避けています。
同じ場所にいるなら、Nintendo Switch 2一台とコントローラー二組で画面分割。
別々の本体を使うなら、おすそわけ通信。
遠くの相手とはGlobal Friend's Pass。
Global Friend's Passでは、一人が製品版を所有していれば、招待された側は無料アプリから本編を最後まで一緒に遊べます。
つまりパッケージ版6,980円なら、
二人で13,960円ではなく、二人で一本6,980円。
DL通常版なら5,980円です。
「二人専用」という大きな購入条件を付けた代わりに、二本買わせる設計にはしなかった。
これは商品価値としてきちんと評価していい部分です。
さらに二人とも製品版を持っていない場合でも、Global Friend's Passに含まれるオープニングチャプターを無料で試せます。
本格的に買う前に、二人で遊べそうか確認できるのも本作との相性がいい。
※無料体験部分はローカル協力のみです。
気になった点
5~7時間は、やはり6,980円のゲームとして短い
短いゲームだから低得点。
そんな採点はしません。
5時間でも、その5時間が他では得られない体験なら価値があります。
『オービタルズ』はまさに、短時間へ密度を詰めたタイプです。
それでも、パッケージ版6,980円という価格を考えれば、ボリュームを完全に無視することもできません。
発売後レビューでは、おおむね5~7時間程度でエンディングへ到達した例が多く出ています。
探索でデータポッドを集めると宇宙船内のミニゲームが開放され、クリア後に別の役割で遊び直すこともできます。
ただ、大量のサブクエストやエンドコンテンツがあるゲームではありません。
初見で見たギミックの驚きも、二周目には薄れます。
しかも再プレイにも、当然もう一人必要です。
一本を何十時間、何百時間と遊ぶ人から見ると、割高感は残ります。
ここで大事なのはパッケージ版とDL版を分けること。
ゲーム内容だけなら、DL通常版5,980円の方が薦めやすいです。
一方、国内パッケージ版はキーカードではなく、通常のゲームカードが入っています。
Switch 2の物理ソフトを手元へ残したい人には、1,000円高い意味があります。
パズルの種類は多いが、深く考えるゲームではない
協力パズルのバリエーション自体は豊富です。
ただし、難解な問題を二人で何十分も考えて解くタイプではありません。
中には、
片方が装置を使う。
もう片方が進む。
今度は役割を交代する。
という流れが見えやすい場面もあります。
それをテンポの良さと取るか、浅さと取るかで評価が分かれます。
「パズルゲームが好きだから買う」という人は少し注意した方がいい。
純粋な謎解きの難しさより、
二人で違う操作を担当して、一緒に先へ進む楽しさ
へ重心を置いたゲームです。
『It Takes Two』や『スプリット・フィクション』のように、協力しながら次々と別の遊びを体験するゲームが好きな人の方が相性はいいでしょう。
物語は、映像ほど完成されていない
マキとオムラは魅力のある主人公です。
二人が常に喧嘩しているわけでもなく、昔からの信頼関係が感じられる掛け合いも心地いい。
それだけに、物語全体はもう少し時間を使ってほしかった。
序盤は世界やリアクターカセット探しを丁寧に描く一方、終盤になると重要な出来事が一気に押し寄せます。
故郷で暮らす人たち。
二人がそこまで故郷を救いたい理由。
終盤で扱われるテーマ。
設定としては分かるのに、プレイヤー側が十分その関係を積み重ねる前に物語が終わってしまう。
5~7時間という短さは、ゲームプレイのテンポには効いています。
一方で物語には足りなかった。
この二つが同時に起きています。
「昔のアニメを一本見終えたような満足感」まで期待すると、最後は少し駆け足に感じる可能性があります。
宇宙船パートは面白いが、戦闘は少し荒い
一人が操縦、一人がキャノンという役割分担は、本作らしさが分かりやすく出る部分です。
障害物を処理する砲手。
その隙に船を進める操縦役。
二人で一隻の宇宙船を動かしている感覚があります。
ただし、宇宙船パートすべてが同じ完成度ではありません。
特に戦闘では、速い攻撃や誘導弾が重なった場面で処理しにくいという評価があります。
終盤にはかなり忙しくなる区間もあり、それまでパズル中心で遊んできたペアへ急に強い操作を求める場面もある。
宇宙船そのものは良いアクセント。
戦闘部分まで本作の最高地点とは言いにくいです。
「初心者とも遊びやすい」は相手による
本作のパズルは比較的理解しやすく、失敗後の復帰も早い。
その意味では、協力ゲームとしてかなり親切です。
ただし、完全なゲーム初心者まで簡単に遊べるとは限りません。
3D空間でキャラクターを動かしながらカメラを操作する。
ジャンプする。
狙いを付ける。
タイミングを合わせる。
ゲームを普段遊ぶ人なら当たり前になっている操作が、慣れていない人にはそれだけで難しい。
しかも二人専用なので、どちらか一人だけが全部代わってあげることもできません。
相手がアクションゲームをほとんど遊ばないなら、製品版をいきなり買うより、まず無料体験版を二人で触る方が安全です。
逆に「ゲームはたまに遊ぶ」程度の相手なら、道具の担当を変えながら進められることもあり、腕前差はある程度吸収できます。
永続セーブの間隔は、Day 1パッチ後の現在も断定できない
ここは発売直後レビューで注意したい部分です。
『オービタルズ』は、失敗した際のチェックポイント自体は細かい。
問題として指摘されているのはそこではありません。
発売前の一部レビューでは、
- 手動セーブがない
- ゲームを終了した際に残るオートセーブ間隔が長い
- 通信切断時に前回の永続セーブ地点まで戻された
という報告がありました。
中には30分以上、条件によってはさらに長く進行を失った例もあります。
ただし、本作には発売日の9月3日にVer.1.0.3のDay 1パッチが配信されています。
任天堂は「遊びやすさの向上」と「不具合修正」を案内していますが、細かな修正内容までは公開していません。
そのため、Ver.1.0.3でも発売前とまったく同じセーブ問題が残っているとは断定できません。
逆に、完全に直ったとも確認できません。
現時点では、
長時間遊んだあと、セーブ表示を確認せずすぐ終了するのは避けた方がいい
程度に見ておくのが妥当です。
今後のアップデートで明確な修正が入れば、この項目は評価を見直す必要があります。
1人では遊べない。本当に「2人専用」
ここは購入前に改めて強調しておきます。
『オービタルズ』にはソロモードがありません。
一人で買って、
「とりあえず自分だけで始めよう」
はできません。
一緒に遊ぶ相手がまだ決まっていないなら、今買う必要はありません。
ただし、相手さえいれば遊び方はかなり多いです。
Nintendo Switch 2一台で画面分割
本体一台とコントローラー二組があれば遊べます。
画面を左右に分けるため、任天堂自身も大画面のテレビモードを推奨しています。
Switch 2の画面でも動かせますが、二人で一台を覗き込むならテレビの方が素直です。
おすそわけ通信
製品版を持つNintendo Switch 2から、別の対応本体へゲームを共有できます。
ローカルなら、受け取る側はNintendo Switch 2だけでなく、
- Nintendo Switch
- Nintendo Switch Lite
- Nintendo Switch(有機ELモデル)
でも参加できます。
初代Switch版が発売されたわけではありません。
Switch 2から共有されているあいだだけ参加する仕組みです。
オンラインGameShare
二人ともNintendo Switch 2を持っていれば、オンラインGameShareも利用できます。
製品版は一人だけ持っていれば構いません。
Global Friend's Pass
離れた相手とオンラインで最後まで遊ぶ場合にも、製品版を二本買う必要はありません。
製品版を持っている側が、無料のGlobal Friend's Passアプリを入れた相手を招待できます。
なお、オンラインプレイおよびオンラインGameShareを利用する場合は、両プレイヤーともNintendo Switch Onlineへの加入が必要です。
「フレンドパスだからオンライン無料」という意味ではありません。
『It Takes Two』『Split Fiction』好きに薦められる?
薦められます。
ただし、「同じくらい大きなゲーム」と思って買うのは違います。
特に『スプリット・フィクション』との差は大きい。
つぶログでは『スプリット・フィクション』Switch 2版を8.9 / 10と評価しています。
協力ゲームとしての発想量、レベルデザイン、ボリュームはあちらが上です。
『スプリット・フィクション』は、ひとつのゲームの主役になりそうな仕組みを短時間で使い切り、また別の遊びへ切り替えていく。
本編も『オービタルズ』よりかなり長い。
同じ6,000~7,000円台で比較すると、純粋な「ゲーム量」では『オービタルズ』が勝てません。
それでも、本作にしかないものがあります。
世界全体の統一感です。
SFとファンタジーを大胆に行き来する『スプリット・フィクション』に対して、『オービタルズ』は最初から最後まで一つのレトロSFアニメ世界を守ります。
キャラクター。
メカ。
音楽。
背景。
宇宙船。
UI。
短いぶん、その空気を崩さず一本にまとめている。
そしてゲームディレクターのJakob Lundgren氏は、『A Way Out』『It Takes Two』『Split Fiction』にも携わってきた人物です。
似ている部分があるのは偶然ではありません。
ただし目指している規模は違う。
『Split Fiction』を小さくしたゲームではなく、Hazelight型の協力設計を、もっとコンパクトなレトロアニメ作品へ持ち込んだゲーム。
そのくらいに考えると分かりやすいです。
『スプリット・フィクション』Switch 2版の忖度なしレビューはこちら
6,980円を払う価値はある?
一番難しいところです。
パッケージ版6,980円。
本編は多くのレビューで5~7時間前後。
数字だけを見るなら、安いゲームではありません。
しかも同価格帯には『スプリット・フィクション』のように、さらに長く、さらに多くの仕掛けを持つ協力ゲームもあります。
それでも、『オービタルズ』を「コスパが悪い」の一言では片付けません。
理由は二つあります。
一つ目は、短い代わりに密度を優先していること。
同じパズルを何度も使い、無理に10時間へ引き延ばしてはいません。
二つ目は、製品版一本で二人遊べること。
二人専用ゲームとして考えれば、二人それぞれが6,980円を払う商品ではありません。
ただし、それでも判断は分かれます。
DL版5,980円なら比較的薦めやすい。
通常ゲームカードを手元に残したいなら、パッケージ版6,980円にも意味がある。
とにかく長く遊びたいなら、どちらも薦めにくい。
これが現在の結論です。
5時間で終わるから高いのではありません。
5時間でも満足できる人と、6,980円ならもっと大きなゲームを求める人がはっきり分かれる作品です。
どんな人におすすめ?
一緒に遊ぶ相手が確実にいる人
最もおすすめできます。
二人専用であることにちゃんと意味があるゲームなので、条件を満たせる人ほど評価は上がります。
家族・恋人・友人と一本を最後まで遊びたい人
かなり相性がいいです。
特に同じ部屋で会話しながら遊ぶスタイルは、本作の協力パズルとよく合います。
オンラインの友人と遊ぶ人
Global Friend's Passが強い。
相手へ製品版を買わせる必要がありません。
ただし二人ともSwitch 2とNintendo Switch Onlineが必要です。
80~90年代アニメが好きな人
かなり強く薦められます。
ゲームとしての欠点はありますが、アニメ表現に関しては単なる雰囲気だけでは終わっていません。
この世界を動かすことそのものが本作の価値です。
『It Takes Two』『Split Fiction』が好きな人
候補に入れていいです。
ただし規模とボリュームは下。
協力ゲームとしての深さも『Split Fiction』には届きません。
代わりに、短くまとまった一つのSFアニメ作品としての個性があります。
パズル好き
難解な謎解きを期待するなら少し違います。
二人で頭を抱えるより、二人で役割を分けてテンポよく突破する方向です。
アクションが苦手な相手と遊びたい人
まず無料体験版をおすすめします。
ある程度ゲームを触ったことがある人なら入りやすいですが、完全な初心者には3Dカメラやジャンプそのものが壁になる可能性があります。
一人で遊びたい人
買わないでください。
ゲームの良し悪し以前に、プレイできません。
長時間遊べるゲームを探している人
向きません。
短く密度を上げるタイプです。
『オービタルズ Orbitals』忖度なしレビュー評価
| 評価項目 | 点数 | 評価 |
|---|---|---|
| 協力プレイ・ゲームデザイン | 8.8 | 二人専用を制約で終わらせず、役割分担そのものをゲームへしている。道具を変えながら進む構成も良い。 |
| アクション・操作性 | 8.0 | 基本操作と死亡時のリトライは快適。一部宇宙船戦闘や、ゲーム初心者への要求は気になる。 |
| レベルデザイン・アイデア | 8.6 | 短い時間で遊びを次々変えるテンポが強み。反面、解法が単純なパズルもある。 |
| ストーリー・キャラクター | 7.0 | マキとオムラは魅力的。世界観も強いが、終盤の展開と周辺人物の描写は駆け足。 |
| ボリューム・リプレイ性 | 6.8 | 本編5~7時間前後。ミニゲームや役割交代はあるものの、長期間遊ぶタイプではない。 |
| Switch 2版の技術・オンライン機能 | 8.2 | 基本30fpsながら動作は概ね安定。GameShareとGlobal Friend's Passは本作との相性が非常にいい。 |
| コストパフォーマンス | 7.3 | 一本で二人遊べるのは大きい。DL5,980円は納得しやすいが、6,980円に対する本編量は人を選ぶ。 |
| 総合スコア | 7.9 / 10 | 条件の合う二人には明確な良作。映像だけで高評価したわけではなく、協力ゲームとしてもしっかり成立している。 |
総合点は単純平均ではありません。
『オービタルズ』の中心は二人協力プレイです。
そこが弱ければ、いくら映像が良くても7.9にはしません。
実際には、二人それぞれへ別の役割を持たせ、一緒に突破する感覚を最後まで維持しています。
だからゲームとして評価できる。
それでも8点台へ上げきらなかったのは、
5~7時間という本編。
6,980円のパッケージ価格。
物語の駆け足。
一部パズルの浅さ。
初心者ペアを選ぶ部分。
そして現時点では完全解消を確認できない永続セーブの論点。
一本の商品として見ると、無視できない条件が重なっています。
外部レビューでは9/10級の高評価もあります。
映像と協力体験を最も強く見るなら、それも理解できます。
ただ、つぶログの基準では、そこから価格と内容量まで含めて判断します。
その結果が7.9です。
80~90年代の日本アニメを思わせる映像と、2人で役割を分けて進む協力パズルが魅力のSwitch 2専用作。1人プレイには対応していませんが、製品版1本と無料のグローバルフレンドパスがあれば、離れた相手とも本編を最後まで一緒に遊べます。
価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。
総評|相手がいるなら買っていい。でも「Switch 2版Split Fiction」を期待するゲームではない

『オービタルズ Orbitals』は、画面を見ただけで欲しくなるゲームです。
昔のアニメを思わせるキャラクター。
宇宙船。
背景。
主題歌。
動き。
ここまで一貫したアートを見せられれば、それだけで気になる。
発売前は「見た目にゲームが追いついているのか」が一番の不安でした。
そこについては、大きく心配しなくていいと思います。
二人でなければ解けない仕掛けがある。
それぞれ別の道具を持つ。
操縦と砲撃を分担する。
失敗したらすぐやり直す。
相手と話しながら進む。
二人専用である理由は、ちゃんとゲームの中にあります。
だから、映像だけの作品ではありません。
ただし、同じ二人専用というだけで『It Takes Two』や『スプリット・フィクション』と同じものを求めると評価は下がります。
あちらほど長くない。
ギミックの深さも、量も少ない。
ストーリーも最後まで強くはありません。
6,980円という価格だけを見れば、もっと大きなゲームはいくらでもあります。
それでも、このゲームでしか残らないものがあります。
二人で短いSFアニメを一本、操作しながら見終えたような体験です。
一緒に遊ぶ相手が決まっている。
あの映像に惹かれている。
5~7時間でも、間延びした20時間より濃い方がいい。
そこまで条件が合うなら、買っていい。
逆に、
相手はまだ決まっていない。
一人でも遊べると思っている。
一本で数十時間遊びたい。
『Split Fiction』と同じ規模を期待している。
その場合は急いで買う必要はありません。
まずGlobal Friend's Passの無料体験版で、実際に一緒に遊ぶ相手とオープニングを試す。
その二人で先を見たいと思えたら、そこで製品版を買う。
『オービタルズ Orbitals』ほど、その買い方が合うゲームもありません。
一人では成立しない。
でも、二人だから成立する面白さはちゃんとある。
総合評価は7.9 / 10。
Nintendo Switch 2で、誰かと一本のゲームを一緒に終わらせたい人へ薦めたい良作です。