2026年10月の電気代はいくら上がる?全国10社比較|補助縮小と11月値上げの違い

2026年10月分の家庭向け電気料金は、北海道から沖縄まで大手電力10社すべてで9月分より上昇します。
ただし、「10月1日から全国一斉に電気料金の基本単価が値上げされる」という話ではありません。
今回の大きなポイントは、国の「電気・ガス料金支援」が低圧契約で4.5円/kWhから3.5円/kWhへ1円縮小することです。さらに各社の燃料費調整も変化するため、実際に増える金額は電力会社によって違います。
月260kWhを使う家庭に条件をそろえた試算では、9月分から10月分への増加額は260円~510円。一方で、10月分にも3.5円/kWhの政府支援は残っています。
また、報道されている「11月からの託送料金見直し」は今回とは別の話です。10月分の上昇と11月の見直しを分けて見ていきます。
※この記事は2026年9月27日時点で確認できる経済産業省・資源エネルギー庁、各電力会社の公式発表などをもとに整理しています。
2026年10月分の電気代は大手10社すべて上昇
まず、「全国で電気代が上がる」というニュースが何を指しているのか整理しておきます。
2026年10月分は、北海道電力、東北電力、東京電力エナジーパートナー、中部電力ミライズ、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の大手10社で、比較可能な標準家庭の料金が前月より高くなります。
一方で、10社が同じ日に基本料金や電力量料金単価をそろって改定するわけではありません。
- 政府による電気料金支援の縮小
- 燃料価格などを反映する燃料費調整・燃料費等調整の変化
主にこの2つが重なり、結果として10月分の支払額が9月分より増える形です。
ニュースで「10月値上げ」と表現されていても、料金制度そのものの全国一斉値上げと、毎月変わる調整額による請求額の上昇は別だと考えると分かりやすいでしょう。
なぜ10月の電気代は上がるのか
政府支援が4.5円から3.5円へ縮小する
国が2026年夏に実施している「電気・ガス料金支援」は、家庭などの低圧契約について次の値引き単価が設定されています。
| 対象 | 低圧の支援単価 | 一般的な料金月の目安 |
|---|---|---|
| 2026年7月使用分 | 3.5円/kWh | 8月分 |
| 2026年8月使用分 | 4.5円/kWh | 9月分 |
| 2026年9月使用分 | 3.5円/kWh | 10月分 |
9月分では4.5円/kWhだった値引きが、10月分では3.5円/kWhになります。
差は1kWhあたり1円です。月260kWh使う家庭なら、政府支援による値引きが前月より260円少なくなる計算です。
| 月間使用量 | 9月分から10月分で減る支援額 |
|---|---|
| 200kWh | 200円 |
| 260kWh | 260円 |
| 300kWh | 300円 |
| 400kWh | 400円 |
ここで注意したいのは、この金額がそのまま電気代の値上がり額ではないことです。
上の表は、政府支援が4.5円から3.5円へ縮小する部分だけを抜き出した計算です。実際の請求額には燃料費調整、基本料金、電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金、実際の使用量なども影響します。
燃料費調整も電力会社ごとに変わっている
10月分が上がる理由は、政府支援の縮小だけではありません。
燃料費調整は、原油、LNG(液化天然ガス)、石炭などの輸入燃料価格をもとに、電気料金を毎月調整する仕組みです。2026年10月分には、基本的に2026年5~7月の燃料価格が反映されています。
例えば東京電力エナジーパートナーの低圧向け燃料費調整単価は、9月分の▲10.96円/kWhから、10月分は▲9.30円/kWhへ変化しました。
中部電力ミライズも▲1.87円/kWhから0.09円/kWh、北陸電力も▲11.17円/kWhから▲9.82円/kWhへ変わっています。
ここには一つ落とし穴があります。これらの10月分燃料費調整単価には、国の3.5円/kWhの値引きがすでに反映されているものがあります。
そのため、例えば「東京電力の燃料費調整が1.66円上がったうえに、補助縮小でさらに1円上がる」と足し算するのは二重計上です。
北海道電力の公式モデルを見ると違いが分かりやすく、支援を含めた燃料費等調整の変化は1.45円/kWhですが、支援前だけを見ると0.45円/kWhの変化です。残る1円分が、4.5円から3.5円への支援縮小に当たります。
つまり10月分は、10社共通の「支援1円縮小」に、各社それぞれの燃料費調整の動きが重なったと考えるのが正確です。
全国10社はいくら上がる?260kWhで比較
各電力会社が公式に示している「標準家庭」は、230kWh、250kWh、260kWhなど使用量が異なります。そのまま並べると公平な比較になりません。
そこで、以下は使用電力量を月260kWhにそろえた参考試算です。
| 電力会社 | 9月分 | 10月分 | 前月差 |
|---|---|---|---|
| 北海道電力 | 10,033円 | 10,410円 | +377円 |
| 東北電力 | 7,789円 | 8,205円 | +416円 |
| 東京電力EP | 7,844円 | 8,276円 | +432円 |
| 中部電力ミライズ | 7,701円 | 8,211円 | +510円 |
| 北陸電力 | 7,658円 | 8,009円 | +351円 |
| 関西電力 | 6,729円 | 6,989円 | +260円 |
| 中国電力 | 7,443円 | 7,833円 | +390円 |
| 四国電力 | 7,668円 | 8,016円 | +348円 |
| 九州電力 | 6,935円 | 7,197円 | +262円 |
| 沖縄電力 | 8,715円 | 9,175円 | +460円 |
※エネチェンジが2026年8月31日時点の各社料金をもとに試算した参考値。北海道・東北・東京・中部・北陸・九州は従量電灯B(30A)、関西・中国・四国は従量電灯A、沖縄は従量電灯、使用量はいずれも260kWh。燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、政府支援を含みます。実際の請求額は契約プランや使用量などによって異なります。
この条件では、10社すべてで上昇しています。ただし、この表は「どの電力会社が高い・安い」を決めるランキングではありません。地域によって料金体系が違うためです。
また、各社公式が公表するモデル料金とは使用量が違うことがあります。
北海道電力の公式モデルは従量電灯B・30A・230kWhで、9月分8,932円から10月分9,266円へ334円増。東北電力は30A・260kWhで10月分8,204円、前月比416円増です。
九州電力は従量電灯B・30A・250kWhで、9月分6,624円から10月分6,876円へ252円増と発表しています。
「北海道は334円なのか377円なのか」「九州は252円なのか262円なのか」と数字が違って見えるのは、主に試算した使用量などの条件が違うためです。
「10月から値上げ」とは、いつ使った電気のこと?
「10月分」と聞くと、10月1日から10月31日までに使った電気を想像しやすいのですが、一般的な家庭向け低圧契約ではそうとは限りません。
東北電力は2026年10月分を「2026年9月使用分」と表記し、通常は9月の検針日(計量日)から10月の検針日前日までの使用分と説明しています。
例えば9月10日が前回の検針日、10月10日が今回の検針日なら、おおむね9月10日から10月9日までに使った電気が「10月分」として計算されるイメージです。
そのため、「10月1日になった瞬間から電気が一斉に高くなる」わけではありません。
また、「10月分」「10月検針」「10月請求」「10月に口座から引き落とされる料金」も必ずしも同じ意味ではありません。検針日や支払方法、契約先によって請求・支払のタイミングは変わります。
自分の料金を確認するときは、カレンダーの月だけでなく、請求明細に記載された使用期間を見るのが確実です。
電気代の補助は10月で終わる?10月分にはまだ入っている
ここは特に誤解しやすいところです。
2026年9月27日時点で政府が発表している今回の電気・ガス料金支援は、2026年7~9月使用分が対象です。
家庭などの低圧契約では、9月使用分にも3.5円/kWhの支援があります。一般的な検針サイクルでは、これが2026年10月分料金に反映されます。
つまり、
- 「9月で補助が終わったので10月分は補助ゼロ」→誤り
- 「10月分にも3.5円/kWhの支援が入る」→原則として正しい
- 「今回発表されている支援は9月使用分まで」→正しい
という整理になります。
2026年9月27日時点では、10月使用分以降を対象とする新たな延長や追加支援は政府から発表されていません。
現行制度のままなら、一般的な家庭では11月分に今回の3.5円/kWhの値引きは入りません。260kWhなら、10月分に入っている支援は910円分です。
ただし、これをそのまま「11月は910円値上げ」と考えることはできません。11月分では燃料費調整や使用量、託送料金の反映など、ほかの条件も変わるためです。今後、新たな支援策が発表される可能性もあるため、将来の補助が一切ないとまでは断定できません。
11月からの「月240円値上げ」とは別の話
10月分の電気代上昇と混同しやすいのが、2026年11月から予定されている託送料金の見直しです。
託送料金とは、発電した電気を送電線や配電線などを使って家庭まで届けるため、小売電気事業者が一般送配電事業者へ支払う料金です。
今回の記事で扱っている10月分は、主に政府支援の縮小と燃料費調整の月次変動によるもの。一方、11月の話は送配電網を利用するための託送料金見直しを、小売会社が電気料金へどう反映するかという別の仕組みです。
北海道電力は9月25日、北海道電力ネットワークの託送料金見直しに伴い、2026年11月1日から低圧を含む電気料金を見直すと正式に発表しました。ほかの地域でも小売料金への反映に向けた動きがあります。
ただし、「11月から全国の家庭が一律240円上がる」と決まったわけではありません。報道された月240円という数字は全国共通の値上げ額ではなく、地域、使用量、料金プラン、小売会社の反映方法によって影響は変わります。
託送料金の仕組みや地域差、「月240円」という数字の意味については、「電気代は11月から月240円上がる?託送料金値上げは誰が対象・地域差・いつ反映されるか整理」で詳しく整理しています。
11月は10月よりさらに高くなる?
上昇要因はありますが、2026年9月27日時点で「10月分より必ず○円上がる」と全国一律に示すことはできません。
11月分には、現行の政府支援が10月使用分には設定されていないことに加え、地域によっては託送料金見直しの反映があります。その一方で、燃料費調整も改めて変化します。
つまり11月は、
- 政府支援の有無
- 11月分の燃料費調整
- 託送料金見直しの反映
- その家庭の使用量
を合わせて見なければ、最終的な請求額は判断できません。
新電力を使っている人も10月は上がる?
「大手10社すべて上昇」という結果を、そのまま新電力へ当てはめることはできません。
国の電気・ガス料金支援は、大手電力だけを対象にした制度ではなく、対象となる小売電気事業者を通じて自由料金にも実施されます。
一方、新電力では料金の計算方法が会社やプランによって大きく違います。
- 燃料費調整を採用するプラン
- 独自の燃料費等調整を採用するプラン
- 卸電力市場価格に連動するプラン
- 一定期間の料金を固定するプラン
などがあるため、「新電力も10月は○円上がる」と一律には言えません。
大手10社以外と契約している場合は、契約中の会社が公表している10月分の料金、燃料費・市場価格などの調整単価、政府支援の反映状況を確認してください。
自分の10月電気代を確認する方法
実際に自宅でいくら変わるかを知りたい場合、全国平均よりも自分の契約内容を見る方が確実です。
まず請求書や契約先の会員ページで、電力会社と料金プランを確認します。次に9月分と10月分の使用量を比べ、契約先が公表している10月分の燃料費調整単価などを確認します。
政府支援については、対象契約であれば利用者が個別に補助金を申請して受け取る仕組みではありません。小売事業者が料金計算の中で値引きを反映します。
そのため、「電気代補助を受けるために申請フォームへ登録する」といった手続きは基本的に不要です。
また、2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は4.18円/kWhで、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで同じ単価です。そのため、今回の9月分から10月分への上昇を説明する要因ではありません。
よくある誤解を整理
10月1日から全国一斉で料金単価が値上げされる?
いいえ。大手10社の10月分料金が前月より上昇しますが、全国の基本料金や電力量料金単価が10月1日に一斉改定されるという意味ではありません。
補助金が終わったから10月分が高くなる?
補助はゼロになっていません。10月分には一般的に9月使用分の3.5円/kWh支援が反映されます。9月分の4.5円/kWhから1円縮小したことが上昇要因の一つです。
260kWh使う家庭は必ず260円上がる?
違います。260円は政府支援の縮小部分だけを計算した金額です。燃料費調整なども変化するため、実際の前月差は会社によって異なります。
10月の値上げと11月の託送料金値上げは同じ?
別の話です。10月分は政府支援と燃料費調整などの月次変動、11月の託送料金見直しは送配電コストの変更です。
11月から全員240円高くなる?
全国一律240円ではありません。地域による託送料金の差があり、小売会社や料金プランによって家庭料金への反映方法も違います。
新電力なら今回の話は関係ない?
一概には言えません。政府支援は新電力などの対象事業者でも実施されますが、10月の料金変化は各社の料金設計によって異なります。
補助を受けるには申し込みが必要?
対象契約なら、利用者側の申し込みは基本的に不要です。料金計算の中で自動的に値引きされます。
まとめ|10月分は上がるが「全国一斉の料金改定」ではない
2026年10月分の家庭向け電気料金は、大手10社すべてで9月分より上昇します。
ただし、10月1日から全国で基本料金や電力量料金単価が一斉に値上げされるわけではありません。
共通する大きな要因は、政府支援が4.5円/kWhから3.5円/kWhへ縮小すること。そこに各社の燃料費調整の変化が重なるため、260kWhに条件をそろえた試算でも上昇幅は260円~510円と差が出ています。
また、10月分にも3.5円/kWhの支援は残っています。今回発表されている支援が終わるのは9月使用分までで、一般的な検針サイクルでは10月分料金が最後の対象です。
11月から予定される託送料金見直しは別の仕組みなので、「10月に上がり、11月に全国一律240円さらに上がる」と考える必要はありません。
自分の負担がいくら変わるのかを見るときは、全国の平均額だけでなく、契約している電力会社、料金プラン、使用量、10月分の調整単価、請求明細の使用期間を確認するのが一番確実です。
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