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大和ハウスは23道県から完全撤退?新築戸建てはどうなる、既存住宅の保証・アフターサービスを整理

大和ハウス23道県撤退は何がなくなる?新築戸建て・保証・アフターサービス

大和ハウスの23道県撤退で新築戸建てとアフターサービスがどう変わるかを示したアイキャッチ

「大和ハウス、23道県から撤退」。

この見出しだけを見ると、北海道や東北、北陸などでは大和ハウスそのものが地域から姿を消し、すでに建てた家の点検や修理も受けられなくなるように感じるかもしれません。

ただ、2026年9月4日に大和ハウス工業が発表した内容は、そこまで単純な「地方からの完全撤退」ではありません。

2027年4月から大きく縮小されるのは、新築戸建住宅の新規事業です。営業・設計・施工などの経営資源を住宅需要が見込める都市圏へ集める一方、既存オーナーへのアフターサービスについては、再編後も全国で提供を続けると大和ハウスが明記しています。さらにリフォームや不動産仲介、買取販売といった既存住宅を扱う事業は、全国47都道府県で強化されます。

つまり、今回のニュースは、

「大和ハウスが23道県から会社ごと消える」

という話ではありません。

一方で、撤退対象地域でこれから大和ハウスの注文住宅を建てようとしている人にとっては、かなり大きな変更です。

何がなくなり、何が残るのか。すでに大和ハウスで家を建てた人への影響も含めて整理します。


大和ハウスは23道県から「完全撤退」する?

今回発表されたのは、新築戸建住宅事業の展開地域を大幅に絞り込む再編です。

大和ハウス工業が9月4日に出した正式発表のタイトルも「国内住宅事業の成長加速に向けた事業体制の再編・強化について」。公式発表では、新築戸建住宅について需要が堅調な都市圏を中心に営業・設計・施工体制などを重点配置すると説明しています。

報道ではこの動きを「23道県から撤退」と表現しています。時事通信によると、大和ハウスは現在、山形県と沖縄県を除く45都道府県に新築戸建て事業の拠点を持っていますが、そのうち23道県で新築事業から撤退します。

ここで混同しやすいのが、「新築戸建てから撤退する」ことと「大和ハウスグループがその県からいなくなる」ことです。

大和ハウスグループは戸建住宅だけでなく、賃貸住宅、マンション、商業施設、物流施設、不動産、リフォームなど幅広い事業を展開しています。

今回の発表から、

  • 大和ハウスが23道県から会社ごと撤退する
  • その地域では大和ハウスのサービスを一切受けられなくなる
  • 既存住宅の点検や修理も終わる

と受け取るのは正確ではありません。

大きく変わるのは、その地域で新たに新築戸建てを販売していく体制です。


2027年4月以降、新築戸建てを展開する地域は?

新しい事業体制への移行は2027年4月1日です。

大和ハウスは、エリアごとの住宅着工数や価格競争力、将来の市場規模などを分析し、新築戸建住宅の営業・設計・施工体制を14支社・支店へ重点配置するとしています。

公式に公開された展開地域の図から整理すると、通常の新築戸建住宅事業が残るのは次の22都府県です。

地域2027年4月以降も通常展開する都府県
関東東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、千葉県、茨城県、神奈川県
東海愛知県、岐阜県、三重県、静岡県
近畿大阪府、奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県
中国広島県、岡山県
四国香川県、愛媛県
九州福岡県、熊本県

そしてもう一つ、石川県があります。

ただし石川県だけは扱いが特殊です。

大和ハウスが公開した展開地域図には、石川エリアについて、

「復興住宅対応に限ります」

との注記があります。

そのため、「2027年4月以降も23都府県で今までと同じように注文住宅を販売する」と理解するのは正しくありません。

整理すると、

通常の新築戸建てを展開する22都府県+復興住宅に限って対応する石川県

となります。


撤退する23道県はどこ?

大和ハウスは公式発表の中で、「撤退する23道県」を都道府県名の一覧として掲載しているわけではありません。

ただ、現在は山形県と沖縄県を除く45都道府県に新築戸建て事業の拠点があること、そして2027年4月以降の展開地域が公表されているため、両者を照合すると通常の新築戸建て事業から外れる23道県を整理できます。

該当するのは次の地域です。

地方新築戸建て事業から撤退する道県
北海道北海道
東北青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県
甲信越新潟県、山梨県、長野県
北陸富山県、石川県、福井県
近畿和歌山県
中国鳥取県、島根県、山口県
四国徳島県、高知県
九州佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県、鹿児島県

合計23道県です。

ただし、先ほど触れた通り、石川県では復興住宅への対応が残ります。

「石川県から大和ハウスが完全撤退する」と言ってしまうと、公式発表との間にずれが生じます。

また、山形県と沖縄県は今回の23道県には含まれません。 もともと現在の新築戸建て事業の45都道府県の拠点に含まれていないためです。


撤退地域ではいつまで大和ハウスの注文住宅を頼める?

新しい体制になるのは2027年4月1日ですが、新規の注文住宅についてはそれより早く動きがあります。

時事通信は、撤退対象地域について、

注文住宅の営業は2026年9月末まで、分譲住宅は2027年3月末までとする予定

と報じています。

注意したいのは、この日程が9月4日の大和ハウス公式リリース本文には記載されていないことです。

そのため、

「大和ハウスが公式に9月30日で全国一律に注文受付を締め切ると発表した」

とまでは言えません。

特に今まさに、

  • 展示場へ行っている
  • 土地を探してもらっている
  • 見積もりを取っている
  • 間取りを打ち合わせている
  • 契約手続きを進めている

という人は、自分の案件がどの段階にあるのかによって扱いが変わる可能性があります。

撤退対象地域で大和ハウスを候補にしている場合は、一般的な締切情報だけで判断せず、担当者へ早めに確認しておいた方がよさそうです。


すでに契約した注文住宅も中止される?

この点を心配している人もいると思いますが、少なくとも9月4日の公式発表には、契約済みの注文住宅を一律に中止するという記載はありません。

今回の再編で示されたのは、2027年4月以降の新築戸建住宅事業の展開地域と、今後の事業体制です。

一方で、

「契約済みなら担当支店も担当者も一切変わらず、必ず現在と同じ形で完成まで進む」

というところまで保証する包括的な説明も、今回の公式発表では確認できません。

「契約済み」といっても、

  • 契約したばかり
  • 設計を進めている
  • 着工前
  • すでに工事中

では状況が違います。

商談中や契約手続き中のケースも含め、自分の住宅については担当窓口へ確認するのが確実です。

少なくとも、「23道県撤退」という見出しだけを見て、契約した家も建ててもらえなくなると考える必要はありません。


すでに大和ハウスで建てた家のアフターサービスはどうなる?

既存オーナーにとっては、ここが今回の発表で最も重要な部分です。

大和ハウスは正式発表の中で、

既存オーナーへのアフターサービスは、大和ハウスパートナーズが引き続き全国で提供する

と明記しています。

さらに2027年4月からは、既存住宅に関する事業を再編します。

大和ハウスリフォームを核として「大和ハウスパートナーズ」に機能を集約し、アフターサービスを含め、

  • 住宅のメンテナンス
  • リフォーム
  • 買取販売
  • 不動産仲介

などを一体的に扱う体制を作ります。

大和ハウスは、全国47都道府県の拠点で、住宅の引き渡し後から将来の住まいの相談まで対応するとしています。

つまり、新築住宅を新たに販売する地域は大きく減りますが、すでに大和ハウスで建てた家を支える事業まで一緒になくなるわけではありません。

たとえば北海道が新築戸建ての撤退地域になったからといって、

「北海道では今後、大和ハウスの家を点検してもらえない」

という発表ではありません。

むしろ既存住宅については、全国で機能をまとめて強化する方向です。


大和ハウスで建てた家の保証もなくなる?

ここは「アフターサービス」と「保証」を分けて考える必要があります。

大和ハウスは今回の再編について、既存オーナーへのアフターサービスを全国で継続するとはっきり発表しています。

しかし、9月4日の再編リリースには、既存住宅の個々の保証制度を今後どう扱うかという説明は記載されていません。

そのため、

「23道県から新築事業が撤退するので保証も一律終了する」

という情報は確認できませんが、逆に、

「全国すべてのオーナーが同じ条件の保証をそのまま受けられる」

と今回の発表だけを根拠に言い切ることもできません。

もともと大和ハウスの保証内容は一律ではありません。

現在の保証・点検プログラムを見ても、商品や契約時期によって構造・防水の初期保証期間が異なり、保証を延長する際に点検や有料メンテナンス工事が条件になるケースがあります。大和ハウス自身も、2019年4月1日以前に契約したオーナーについては手元の保証書を確認するよう案内しています。

「60年長期保証」と案内されている商品についても、60年間無条件で何もせず無料保証が続くという意味ではありません。たとえば現行制度では、一定時期の有料メンテナンス工事を条件に保証を延長する仕組みがあります。

今回のニュースを見て保証が心配になった場合は、

建築時の契約書、保証書、点検履歴を確認したうえで大和ハウスへ問い合わせる

のが確実です。

アフターサービスについては全国継続が公式確認済み。保証については、それぞれの住宅の契約条件を確認する。

この二つを分けて考えるのが大切です。


2027年4月以降、何が変わって何が残る?

今回の再編を簡単にまとめると、こうなります。

2027年4月以降どうなる?
新築戸建ての新規展開都市圏中心へ大幅に集約
通常の新築戸建て展開22都府県
石川県復興住宅対応に限定
通常の新築事業から外れる地域23道県
既存オーナーへのアフターサービス全国で継続
住宅ストック事業全国47都道府県で強化
リフォーム継続・強化
買取販売・不動産仲介ストック事業として再編・強化
大和ハウス自体が23道県から消える?今回はそういう発表ではない
既存住宅の保証個々の条件は保証書などの確認が必要

一番大きな違いは、「新しい家を売る事業」と「すでにある家を支える事業」が逆方向に動くことです。

新築戸建ては地域を絞る。

既存住宅は全国で広げる。

「23道県撤退」という一言だけでは見えにくい部分です。


なぜ大和ハウスは新築戸建てを23道県で縮小する?

背景には、日本の住宅市場そのものの変化があります。

大和ハウスは今回の発表で、人口減少や建築資材価格の高騰などを背景に、新設住宅着工戸数が長期的に減少していると説明しています。

さらに、すべての地域で同じように住宅需要が減っているわけでもありません。

東京、大阪、愛知などの都市圏では人口流入や住宅価格の上昇によって市場の存在感が高まる一方、住宅需要の縮小が進んでいる地域もあります。

そこで大和ハウスは、各地域の、

  • 住宅着工数
  • 価格競争力
  • 将来の市場規模

などを見ながら、営業・設計・施工の人員や機能を需要が見込める地域へ集めることにしました。

時事通信は、今回の撤退に伴って約200人の従業員を再配置する方針とも報じています。

地方の住宅事業がすべて赤字だから切り捨てた、といった単純な説明ではありません。

全国一律に新築戸建てを展開する形から、市場規模の大きい地域へ人や機能を集中する方向へ切り替える、と考えた方が実態に近いでしょう。


なぜ新築は縮小するのに、リフォームは全国で強化する?

今回の発表を読むと、大和ハウスが単純に「住宅事業を縮小する」のではないことも分かります。

新築戸建てを絞る一方、会社が今後の成長分野として明確に位置付けているのが住宅ストック事業です。

住宅ストックとは、すでに建っている住宅を活用する市場のこと。

たとえば、

  • 家を修繕する
  • リフォームする
  • 売却する
  • 中古住宅として買い取る
  • 次の所有者へ販売する
  • 住み替えを支援する

といったサービスが含まれます。

大和ハウスによると、リフォーム、買取販売、不動産仲介、賃貸管理などの住宅ストック関連市場は拡大しており、住まいに求められるものも「新築住宅を買う」だけではなくなっています。維持管理や資産価値の向上、住み替えまで含めた需要が広がっているという判断です。

だからこそ2027年4月からは、既存オーナーへのアフターサービス部門までまとめ、全国47都道府県で対応できる体制へ組み直します。

今回の再編を一言で表すなら、

新築戸建ては都市圏へ集中し、既存住宅は全国で取りにいく。

大和ハウスの住宅事業の重心そのものを変える動きです。


「大和ハウスの注文住宅は5000万円以上になる」は本当?

今回もう一つ大きく報じられたのが「5000万円」という数字です。

日本経済新聞は、大和ハウスが新築戸建ての受注を絞り込み、設計自由度の高い注文住宅について5000万円以上に販売を限定する方針だと報じました。トレーダーズ・ウェブも日経報道を引用する形で同じ内容を伝えています。

ただし、ここにも注意が必要です。

9月4日に大和ハウスが公表した公式リリースには、「5000万円」という金額は書かれていません。

そして「大和ハウスの住宅商品が全部5000万円以上になる」という意味でもありません。

報じられているのは、規格住宅などとは区別された自由設計型の注文住宅についての方針です。

分譲住宅、中古住宅、規格住宅やセミオーダー住宅まで、すべて一律5000万円以上になると考えるのは早計です。

大和ハウスは現在も規格住宅・セミオーダー住宅を商品として案内しています。

「大和ハウスで家を建てるなら最低5000万円必要になった」と広げてしまうのではなく、

「報道では自由設計の注文住宅について5000万円以上へ絞り込む方針とされている」

と理解しておくのが適切です。


23道県では今後、大和ハウスの家を買えなくなる?

これも「一切買えなくなる」とまでは言えません。

今回縮小される中心は、新しく注文を受けて建てる新築戸建住宅事業です。

その一方で、

  • すでに販売されている分譲住宅
  • 契約済みの住宅
  • 中古住宅
  • 買取再販住宅
  • リフォーム
  • アフターサービス

は同じ話ではありません。

石川県では復興住宅への対応も残ります。

特に中古住宅やリフォーム、買取販売などは、大和ハウスがむしろ全国で強化するとしている分野です。

したがって、

「23道県では2027年4月から大和ハウスの住宅を一切買えない」

という理解ではなく、

「通常の新築戸建てを新たに注文するルートがなくなる地域が大幅に増える」

と考える方が正確です。


よくある疑問

大和ハウスは23道県から完全撤退する?

会社ごとの完全撤退ではありません。

大きく縮小されるのは新築戸建住宅の新規事業です。既存オーナー向けのアフターサービスや、リフォームなどの住宅ストック事業は全国で続きます。

いつから変わる?

新しい事業体制への移行は2027年4月1日です。

報道では、撤退対象地域の注文住宅については2026年9月末まで、分譲住宅については2027年3月末まで営業する予定とされています。

すでに大和ハウスで建てた家はどうなる?

既存オーナーへのアフターサービスは、再編後も全国で提供を続けると大和ハウスが正式に発表しています。

2027年4月以降は、住宅ストック事業について全国47都道府県の拠点で対応する体制を構築します。

保証はなくなる?

今回の再編によって既存住宅の保証を一律終了するとの発表はありません。

ただし、9月4日の再編発表は個々の保証制度の扱いには言及していません。保証期間や延長条件は建築時期、商品、契約条件などによって異なるため、手元の保証書や契約書を確認する必要があります。

契約済みの注文住宅も中止される?

契約済み住宅を一律に中止するとの発表は確認されていません。

ただし、商談中、契約手続き中、契約済み、着工済みなどで状況は異なる可能性があります。個別案件については担当窓口への確認が必要です。

大和ハウスの注文住宅は5000万円以上になる?

報道では、設計自由度の高い注文住宅について5000万円以上へ絞り込む方針とされています。

一方、大和ハウスの9月4日の公式リリースには5000万円という金額は記載されていません。分譲住宅や規格住宅などを含め、すべての商品が一律5000万円以上になるという意味ではありません。


「23道県撤退」だけでは見えない大和ハウスの再編

今回のニュースで最も注意したいのは、「23道県から撤退」という強い言葉だけで内容を判断しないことです。

確かに、撤退対象地域でこれから大和ハウスの注文住宅を建てたい人にとっては、大きな転換です。全国規模で展開してきた大手ハウスメーカーが、新築戸建ての営業地域をここまで絞る動きには、日本の住宅市場の変化も表れています。

ただし、すでに大和ハウスで家を建てた人にとっては話が違います。

既存オーナーへのアフターサービスは全国で継続する。

これは大和ハウス自身が明記しています。

保証については個々の契約条件を確認する必要がありますが、「新築から撤退する県では点検も修理も受けられなくなる」という発表ではありません。

新築戸建ては、需要の見込める都市圏へ人と機能を集中する。

一方、すでに建っている住宅については、アフターサービス、リフォーム、買取、仲介まで全国で扱う。

大和ハウスが進めようとしているのは、単純な「地方からの撤退」ではなく、新築中心だった住宅事業の重心を、都市圏の新築住宅と全国の住宅ストック事業へ組み替える再編と見るのが実態に近そうです。

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