- CEROとIARCの違いは?A~Z・3+~18+、DとZの年齢区分を解説
- 先に結論|CEROとIARCは「年齢を示す目的」は似ているが、決め方が違う
- CERO A・B・C・D・Zは何を意味する?
- CERO DとZは「1歳違うだけ」ではない
- なぜZだけ特別な扱いになった?
- CERO Zを18歳未満に売るのは法律違反?
- CEROは誰が年齢区分を決めている?
- CEROは何を見てA・B・C・D・Zを決める?
- パッケージ裏の「暴力」「恐怖」などは何?
- CERO Zならどんな表現でも入れられる?
- IARCとは?なぜ数字で表示される?
- IARCはメーカーの自己申告?
- IARCはAIがゲームを見て決めているわけでもない
- ではIARCは誰もゲームを確認しない?
- なぜIARCは主にダウンロードゲームで使われる?
- なぜSwitch/Switch 2でCEROとIARCが混在する?
- PlayStationでも2022年からIARCが使われている
- IARCは世界中で同じ「12+」になるわけではない
- CEROとIARCを比べると何が違う?
- CEROとIARCの年齢区分は完全対応しない
- IARC 18+とCERO Zは同じ?
- IARCは後から年齢区分が変わることもある
- 年齢区分だけでは課金やオンライン交流まで分からない
- レーティングが高いほどゲームが難しいわけではない
- 子どもがCERO対象年齢より上のゲームを起動できないのはなぜ?
- CEROとIARC、結局どこを見ればいい?
- まとめ|CEROとIARCは「同じ年齢表を別の記号で書いたもの」ではない
CEROとIARCの違いは?A~Z・3+~18+、DとZの年齢区分を解説

Nintendo SwitchやPlayStationのゲームを見ていると、パッケージには「CERO A」「CERO C」と書かれているのに、ダウンロードソフトでは「IARC 7+」「IARC 16+」といった数字のマークを見かけることがあります。
どちらもゲームの対象年齢を示しているのは分かりますが、なぜ同じ日本のゲーム売り場に2種類の制度があるのでしょうか。
単純に「CEROは日本、IARCは海外」という違いではありません。
CEROとIARCは、どちらもゲームの内容に応じた年齢情報を提供する仕組みですが、誰が運営し、どのような方法で年齢区分を決めるのかが大きく違います。
CEROでは、メーカーが提出したゲーム映像や資料を複数の訓練済み審査員が確認します。一方のIARCでは、開発者が質問票へ回答し、その内容をもとにシステムが地域ごとの基準に沿ったレーティングを生成します。IARCでは発売後の監視や修正も制度に組み込まれています。
だから、見た目が「A~Z」と「3+~18+」で違うだけではありません。
先に結論|CEROとIARCは「年齢を示す目的」は似ているが、決め方が違う
日本で現在よく見る年齢区分は、大きく分けて次の2種類です。
CERO
- A:全年齢対象
- B:12才以上対象
- C:15才以上対象
- D:17才以上対象
- Z:18才以上のみ対象
IARC汎用レーティング
- 3+
- 7+
- 12+
- 16+
- 18+
Nintendo Switch/Nintendo Switch 2では、CEROとIARC汎用レーティングの両方が公式に使われています。PlayStation Storeでも、2022年以降、一部のダウンロード専用ゲームにIARCが使われています。
ただし、この二つをそのまま換算することはできません。
CEROには15才・17才という境界がありますが、IARC汎用には7才・16才があります。そもそも審査方法も違うため、「CERO A=IARC 3+」「CERO Z=IARC 18+」という完全対応表ではないのです。
CERO A・B・C・D・Zは何を意味する?
CEROは「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」が運営する年齢別レーティング制度です。
2002年6月に設立され、同年10月1日に制度が始まりました。2003年11月にはNPO法人として認証されています。
国の省庁ではなく、特定のゲーム会社でもありません。CERO自身は、特定企業や団体に依存せず、公平・公正に審査を行う独立した組織と説明しています。
現在の区分は次の5段階です。
| CERO | 公式の対象年齢表記 |
|---|---|
| A | 全年齢対象 |
| B | 12才以上対象 |
| C | 15才以上対象 |
| D | 17才以上対象 |
| Z | 18才以上のみ対象 |
ここで気を付けたいのが、B・C・DとZでは言葉が違うことです。
Bは「12才以上対象」、Cは「15才以上対象」、Dは「17才以上対象」。
ところがZだけは「18才以上のみ対象」です。
この「のみ」が、DとZを分ける大きなポイントになります。
CERO DとZは「1歳違うだけ」ではない
CERO Dは17才以上対象、CERO Zは18才以上のみ対象。
数字だけ見れば1歳しか違いません。
しかし、販売時の扱いは同じではありません。
CESA(コンピュータエンターテインメント協会)は、2006年5月からCERO制度に基づく販売自主規制を実施しています。
現在の販売店向け案内でも、Z区分については18歳未満へ販売しないという自主規制を設け、店頭での区分陳列や必要に応じた年齢確認を求めています。
一方、A~Dは同じ販売自主規制の中でZとは別に扱われています。
したがって、
CERO Dは17歳未満なら絶対に買えないゲーム
と説明するのは正確ではありません。
Dは「17才以上対象」という年齢情報です。
対してZには「18才以上のみ対象」という区分に加え、ゲーム業界側の18歳未満には販売しないという自主規制があります。
DとZは単純に年齢が1つずれただけの区分ではありません。
なぜZだけ特別な扱いになった?
CEROが始まった当初から、現在のA~Zが存在していたわけではありません。
初期の制度では、
- 全年齢対象
- 12才以上対象
- 15才以上対象
- 18才以上対象
という区分が使われていました。
その後、一部のゲームが自治体から「有害図書類」に指定されるなど、ゲーム表現と青少年保護をめぐる議論が強まります。
2006年に制度が見直され、旧来の「18才以上対象」に代わって、
D=17才以上対象
Z=18才以上のみ対象
という二つの区分が新設されました。CESAの公式年表にも、この変更が2006年の大きな制度改定として記録されています。
Zについては、18歳未満へ販売しない自主規制も合わせて強化されました。
現在のDとZの違いを理解するには、この経緯を知っておくと分かりやすくなります。
CERO Zを18歳未満に売るのは法律違反?
ここは少し複雑です。
まず、全国のゲーム業界で行われているのは自主規制です。
CESAが販売店などへ協力を求め、CERO Zのゲームについて18歳未満へ販売しない仕組みを整えています。
では法律とは無関係なのかというと、そうとも言い切れません。
日本では各都道府県に青少年保護関係の条例があり、CERO Zの扱いも自治体によって異なります。
たとえば愛知県では、CERO Zの家庭用ゲームソフトを条例上の「有害図書類」として扱い、18歳未満への販売を禁止しています。
そのため、
「CERO Zは全国一律の国の法律で18歳未満への販売が禁止されている」
という説明も、
「CEROはただの目安なので法律とは一切関係ない」
という説明も、どちらも正確ではありません。
基本となるのは全国的な業界自主規制ですが、そこに自治体ごとの条例上の規制が加わる場合があります。
なお、「18歳未満に販売しない」ことと「18歳未満がプレイしただけで全国一律に犯罪になる」ことも同じではありません。
販売上の制限、家庭内での利用、ゲーム機による起動制限は分けて考える必要があります。
CEROは誰が年齢区分を決めている?
CEROのレーティングをゲームメーカー自身が好きに決めているわけではありません。
かといって、CEROの審査員が発売前のゲームを最初から最後まで何十時間も遊んで決めているわけでもありません。
現在CEROが公開している審査の流れは、次のようになっています。
メーカーは、通常のゲームプレイに加え、年齢区分の判断に関係する最も強い表現を含むシーンを収録した映像や関連資料を提出します。
それを複数の訓練を受けた審査員が確認し、審査員の評価をCERO事務局が取りまとめて区分を確定します。
審査員は幅広い年代の男女から構成され、ゲーム業界との関係を持つことは認められていません。審査資料についての守秘義務も負います。
メーカーが結果を受け入れる場合は、そのレーティングで商品化します。
内容を変更する場合は、修正したゲームについて改めて審査資料を提出することもできます。
この仕組みを見ると、
CERO=メーカーの自己申告
でも、
CERO=審査員がゲームを全編プレイ
でもないことが分かります。
CEROは何を見てA・B・C・D・Zを決める?
CEROの現行倫理規定では、ゲーム内のさまざまな表現が評価対象になります。
大きく見ると、
- 性的な表現
- 暴力表現
- 反社会的行為
- 言語・思想に関する表現
などです。
具体的には、恋愛や性的表現、出血、身体損壊、恐怖、犯罪、薬物、飲酒・喫煙、ギャンブル、自殺・自傷など、多数の項目があります。
ただし、
血が出たらCERO C
身体欠損があればCERO Z
というような単純な判定表ではありません。
CEROは表現の種類だけではなく、描かれ方や文脈などを含めて総合的に審査します。
さらに、A~Zを分ける詳細な基準について、現行倫理規定は別途定める「内規」に従うとしています。
そのため、外部から「この表現なら必ずD」と正確に再現できる公開基準はありません。
パッケージ裏の「暴力」「恐怖」などは何?
CERO B以上のパッケージなどを見ると、年齢マークとは別に「暴力」「恐怖」「セクシャル」といった小さなアイコンが表示されています。
これはコンテンツディスクリプターアイコンです。
現在は、
- 恋愛
- セクシャル
- 暴力
- 恐怖
- ギャンブル
- 飲酒・喫煙
- 犯罪
- 麻薬等薬物
- 言葉・その他
の9カテゴリーがあります。
このアイコンを見ると、「なぜこのゲームがBやC、Dになったのか」を知る手掛かりになります。
CERO Aにはコンテンツディスクリプターアイコンは表示されません。
ただし、これもゲーム内に存在するすべての機能を一覧にしたものではありません。
オンラインで他人と会話できるか、課金があるか、ランダム型アイテム購入があるか、といった情報までCEROの年齢区分だけで全部分かるわけではありません。
CERO Zならどんな表現でも入れられる?
これも違います。
CERO Zは最上位の年齢区分ですが、どんな表現でもZにすれば通る制度ではありません。
CERO倫理規定には「禁止表現」が定められており、審査基準を大きく超えるなど、レーティングを与えることが適当ではないと判断された場合には、A~Zのどれも付与されないことがあります。
「Zのさらに上としてZ+が付く」のではありません。
家庭用ゲームとしてCEROレーティングを取得する仕組みの中では、Zでも収まらない場合はレーティングそのものが与えられない可能性があるということです。
IARCとは?なぜ数字で表示される?
IARCはInternational Age Rating Coalition(国際年齢評価連合)の略です。
2013年、世界各地のゲーム評価機関によって設立されました。
主な目的は、急増するダウンロードゲームやアプリに対し、一つの仕組みから各地域に適した年齢区分を効率よく発行することです。
日本で見かける「IARC汎用レーティング」は、
| IARC汎用 | 対象年齢 |
|---|---|
| 3+ | 3歳以上 |
| 7+ | 7歳以上 |
| 12+ | 12歳以上 |
| 16+ | 16歳以上 |
| 18+ | 18歳以上 |
となっています。任天堂、PlayStationともに日本向けページでこの5区分を掲載しています。
ここでも注意したいのは、CEROを数字に置き換えたものではないことです。
IARCはメーカーの自己申告?
「質問票にメーカーが答える」と聞くと、
メーカーが自分で「12+」などと決めているのでは?
と思うかもしれません。
実際の仕組みは違います。
開発者が回答するのはゲームにどのような内容が含まれているかについての質問票です。
質問票への回答が終わると、IARCのシステムが地域ごとの基準に従って、
- 年齢区分
- コンテンツ記述子
- インタラクティブ要素
を生成します。
つまり開発者が、
このゲームは16+にしよう
と好きな数字を入力する制度ではありません。
一方で、CEROのように発売前に人間の審査員が提出映像を見て一件ずつ判定する方式とも違います。
IARCはAIがゲームを見て決めているわけでもない
IARCについて「AI審査」と説明されることがありますが、IARC公式が説明している仕組みは質問票とプログラムされたアルゴリズムです。
開発者の回答に対して、各地域のレーティング機関が設定した基準を組み込んだロジックから結果を生成します。
ゲーム映像を生成AIなどが自動で見て判断している、という公式説明は確認できません。
ではIARCは誰もゲームを確認しない?
発売前については、従来型のCERO審査とはかなり違います。
IARCは、大量のデジタルゲームやアプリを処理するため、通常は評価機関が発売前に製品そのものを一件ずつ確認することなく、質問票から即座にレーティングを発行します。
その代わり、発売後のチェックがあります。
IARC参加評価機関は、発行されたレーティングを監視し、内容と合っていない場合にはストアと連携して修正できます。
開発者側も判定に異議があれば再確認を求めることができ、その際には動画やゲームのビルドなど追加資料の提出を求められることがあります。
IARCを一言で表すなら、
質問票による申告 → 自動判定 → 発売後に評価機関が監視・修正
という仕組みです。
「完全な自己申告だから誰も確認しない」と説明するのは不正確です。

なぜIARCは主にダウンロードゲームで使われる?
理由は、IARCがそもそもデジタルゲームやアプリの大量流通に対応するために設計された制度だからです。
IARC公式は、質問票を完了すると即座に各地域向けレーティングを発行できると説明しています。
さらに、発売後に判定を変更する必要が生じた場合でも、デジタルストアなら表示を修正しやすいという利点があります。
物理パッケージは一度印刷して流通するとレーティングマークを簡単には交換できません。
このためIARCは、デジタル配信と特に相性の良い制度になっています。
開発者がIARCレーティングを取得する費用は現在無料で、参加ストア側がシステムを組み込む仕組みです。
そのため小規模なダウンロードタイトルでも使いやすい制度ですが、
「インディーゲーム専用のレーティング」
というわけではありません。
なぜSwitch/Switch 2でCEROとIARCが混在する?
これで、同じニンテンドーeショップに二つのマークが存在する理由も見えてきます。
任天堂は現在、
一部のNintendo Switch/Nintendo Switch 2ダウンロードソフトでIARC汎用レーティングを表示する場合がある
と公式に案内しています。
一方、CEROレーティングのソフトも引き続き多数販売されています。
そのためNintendo Switch/Switch 2では、
CEROによる審査を受けたゲーム
と、
IARCの仕組みを利用してレーティングされた一部ダウンロードゲーム
が同じストアに並びます。
ここから、
パッケージ版なら必ずCERO
DL版なら必ずIARC
とまでは言えません。
任天堂が公開している一般向け情報では、「一部のダウンロードソフト」とされています。
どのような条件ならIARCを利用できるかというプラットフォーム内部の詳細条件までは、公開情報だけでは確認できません。
PlayStationでも2022年からIARCが使われている
PlayStationでも事情は似ています。
Sony Interactive Entertainmentは、日本のPlayStation Storeについて、2022年以降、ダウンロード専用ゲームソフトの一部でIARCの年齢区分を表示していると案内しています。
つまりPS5やPS4でも、
同じハードなら必ずCERO
ではありません。
CERO作品とIARC作品が同じPlayStation Storeの中に存在します。
CEROがIARCに置き換わったのではなく、デジタル流通向けの別ルートとしてIARCが加わった、と考えたほうが実態に近いでしょう。
IARCは世界中で同じ「12+」になるわけではない
「International」と聞くと、世界共通の一つの年齢区分を付ける制度にも見えます。
実際は逆です。
IARCは、一つの質問票から各地域の基準に応じて異なるレーティングを生成する仕組みです。
参加機関には、北米のESRB、欧州のPEGI、ドイツのUSK、韓国のGRAC、オーストラリアのAustralian Classification Boardなどがあります。
それぞれの地域では、その地域向けのレーティングが表示されます。
そして、それ以外の地域向けにはIARCの汎用レーティングも生成されます。
2026年現在、IARC公式が掲載している参加評価機関の一覧にCEROは入っていません。日本の任天堂やPlayStationで表示されているのが「IARC汎用レーティング」と呼ばれているのも、この点を理解する手掛かりになります。
したがって、
「IARC=CEROの世界版」
ではありません。
CEROとIARCを比べると何が違う?
整理すると、違いは次のようになります。
| 項目 | CERO | IARC |
|---|---|---|
| 開始 | 2002年 | 2013年 |
| 主な目的 | 日本で流通するゲームの年齢別レーティング | デジタルゲーム・アプリを複数地域向けに効率よく評価 |
| 日本で見る区分 | A・B・C・D・Z | 3+・7+・12+・16+・18+ |
| 開発者が行うこと | 審査用映像・資料などを提出 | 質問票に回答 |
| 発売前の判断 | 複数の訓練済み審査員が資料を確認 | 質問票をもとにシステムが即時生成 |
| 発売後の確認 | 内容変更等に応じて審査が関係 | 評価機関が継続監視し、必要なら修正 |
| 主に見かける場所 | パッケージ・DLを含む国内ゲーム | 参加ストアの一部デジタルゲーム・アプリ |
| 追加情報 | コンテンツディスクリプター | コンテンツ記述子・インタラクティブ要素 |
どちらが「上」で、どちらが「下」という制度ではありません。
用途と仕組みが違います。
CEROとIARCの年齢区分は完全対応しない
数字だけ並べると、こんな違いがあります。
| CERO | IARC汎用 |
|---|---|
| A:全年齢 | 3+ |
| ― | 7+ |
| B:12才以上 | 12+ |
| C:15才以上 | ― |
| ― | 16+ |
| D:17才以上 | ― |
| Z:18才以上のみ | 18+ |
これは換算表ではありません。
たまたま12と18という同じ境界が存在する部分もありますが、審査基準や制度が同一という意味ではありません。
Nintendo Switchの「みまもり設定」では、CEROを基準に設定してもIARC作品を一緒に制限できるよう対応しています。
たとえば「中学・高校生」の標準設定ではCERO D以上とIARC 18+以上が制限されます。「小学生」ではCERO C以上とIARC 16+以上が制限されます。
これはゲーム機側が二つの制度を扱えるよう対応させているものであって、CEROとIARCが同じ制度という意味ではありません。
IARC 18+とCERO Zは同じ?
これも完全には同じではありません。
両方とも18歳という境界を使っています。
しかしCERO Zは、
- CEROの審査方法
- 日本国内のCERO基準
- CESAによる18歳未満への販売自主規制
- 自治体条例との関係
を持っています。
IARC 18+は、
- IARC質問票
- IARCのアルゴリズム
- IARC汎用基準
- 参加ストアでの表示やペアレンタルコントロール
という別の仕組みです。
したがって、
「IARC 18+はCERO Zの国際版」
と考えるのは適切ではありません。
「どちらも18歳以上を対象とした最上位の表示」という見た目上の共通点はありますが、そこまでです。
IARCは後から年齢区分が変わることもある
CEROとIARCの大きな違いの一つが、発売後の修正を前提にした設計です。
任天堂も、IARC汎用レーティングについて、発売後の検証結果によって予告なく変更される場合があると公式サポートで案内しています。
これは不具合というより、IARCの仕組みそのものに組み込まれています。
質問票から即座にレーティングを発行できる代わりに、参加評価機関が発売後も監視し、必要なら訂正する。
大量のデジタルゲームを扱うための速さと、発売後の確認を組み合わせた制度です。
年齢区分だけでは課金やオンライン交流まで分からない
CERO Aなら、
「子ども向けだから課金もオンライン交流もない」
という意味ではありません。
CEROの年齢区分は、主にゲーム内の表現内容をもとに決められます。
またCEROは、オンラインプレイなどを通して得られる追加の表現について、通常の対象年齢がそのまま適用されるものではないと案内しています。任天堂やPlayStationも同様の注意書きを掲載しています。
IARCではこの点を補うため、年齢区分とは別にインタラクティブ要素を表示できます。
たとえば、
- ゲーム内購入
- ランダム型のゲーム内購入
- 他ユーザーとの交流
- 位置情報の共有
- 制限のないインターネットアクセス
などです。
ゲームを子どもに買う場合は、年齢マークだけでなく、課金やオンライン機能の有無も別に確認したほうがよいでしょう。
レーティングが高いほどゲームが難しいわけではない
これもレーティングマークからは分からないことです。
CERO Dだから難しいアクションゲーム、CERO Aだから子どもでも簡単にクリアできるゲーム、という意味ではありません。
年齢区分はゲームの表現内容についての情報です。
操作の難しさ、攻略難易度、作品の品質や面白さを評価しているものではありません。PlayStationも、年齢別レーティングとゲームの難易度は関係がないと案内しています。
難しいパズルゲームがCERO Aになることもあれば、操作自体は簡単でも表現内容によってCERO Dになるゲームもあり得ます。
子どもがCERO対象年齢より上のゲームを起動できないのはなぜ?
これはレーティング制度そのものとは別に、ゲーム機のペアレンタルコントロールが働いている可能性があります。
Nintendo Switch/Switch 2では「Nintendo みまもり Switch」で、CEROとIARCの年齢区分を基準にソフトの起動を制限できます。
PlayStationにも子どもの年齢に応じてゲーム・アプリの利用を制限する機能があります。
ここでも、
対象年齢
販売制限
ゲーム機による起動制限
は別のものです。
「CERO Bだから11歳の子どもが法律でプレイ禁止」という仕組みではありません。
保護者がゲーム機へ設定した制限によって起動できない場合もあります。
CEROとIARC、結局どこを見ればいい?
ゲームを購入するときは、まずレーティングマークを見れば、その作品がどの程度の年齢を対象としているのかを確認できます。
ただ、マークの意味をもう一歩知りたいなら、見る場所は少し変わります。
CERO B以上なら、コンテンツディスクリプターアイコンを見ると、暴力・恐怖・恋愛など、年齢区分が決まった理由の手掛かりが分かります。
IARCなら、年齢区分だけでなくコンテンツ記述子やインタラクティブ要素も確認すると、課金やユーザー交流といった情報まで見えてきます。
そしてCERO DとZを見比べるときは、単に「17歳と18歳」の違いだけではなく、Zには18歳未満へ販売しない自主規制があることまで含めて理解する必要があります。
まとめ|CEROとIARCは「同じ年齢表を別の記号で書いたもの」ではない
CEROとIARCは、どちらもゲームを購入する人や保護者へ、内容に応じた年齢情報を伝えるための仕組みです。
ただし、その判定方法はかなり違います。
CEROでは、メーカーが提出したゲーム映像や資料を複数の訓練済み審査員が確認し、CERO事務局が区分を確定します。
IARCでは、開発者が参加ストアで質問票に回答し、その情報をもとに地域ごとの基準を組み込んだシステムがレーティングを生成します。その後、評価機関が監視し、必要なら修正します。
CERO A~ZとIARC 3+~18+は、完全な対応関係でもありません。
そして、日本でNintendo Switch/Switch 2やPlayStationを見たときに両方のマークが存在するのは、CEROがなくなったからではなく、従来型のCEROに加えて、デジタルゲーム向けのIARCという別の評価ルートも使われるようになったからです。
レーティングマークを見るときに大事なのは、アルファベットや数字だけを覚えることではありません。
誰が、どんな仕組みで、そのゲームの何を見て付けた年齢情報なのか。
そこまで分かると、「CERO DとZは何が違う?」「なぜ同じSwitchなのにIARCもある?」という疑問も、一本の仕組みとして理解できるようになります。