レトロゲーム系

PCエンジン版『超兄貴』レビュー|筋肉を抜きにしてもSTGとして面白い?

目次
  1. PCエンジン『超兄貴』レビュー|なぜA Tier・81点なのか
  2. PCエンジン版『超兄貴』はどんなゲーム?
  3. ボ帝ビルを倒す――設定は奇妙でも、やることは明快
  4. イダテンとベンテンは、見た目だけを選ぶ二択ではない
  5. 通常ショットを撃ちながら、溜め攻撃まで準備できる
  6. メンズビームは名前だけが目立つ技ではない
  7. ベンテンのスプラッシュビームは「弱いメンズビーム」ではない
  8. 速度を途中で変えられる意味は大きい
  9. アドンとサムソンは「見た目が人間のオプション」だけではない
  10. オプションを前へ突っ込ませることもできる
  11. プロテインは、自分だけのパワーアップではない
  12. パワーアップアイテムを「誰が取るか」まで操作する
  13. ミスすると、育成した状態はどうなる?
  14. ボムもあるが、ゲームの主役ではない
  15. 全5ステージ――数字だけを見ると確かに少ない
  16. 敵の造形は毎回変わる。でも攻略の考え方まで同じ勢いで変わるわけではない
  17. ボスは「大きい」だけで終わっていない
  18. だから「見た目を普通にしても遊べる」は成立する
  19. そして、音楽を戻すと『超兄貴』になる
  20. 「ドイツ人ジャーマン」は、ボス戦の印象まで変える
  21. SUPER CD-ROM²は、音楽と声で世界を完成させた
  22. 開発スタッフを見ると、葉山宏治氏だけの作品ではない
  23. なぜ「見た目に反して硬派なSTG」だけでは説明不足なのか
  24. 『愛・超兄貴』では、なぜ同じシステムを続けなかったのか
  25. 2024年、『超兄貴COLLECTION』で正式復刻
  26. 巻き戻しは『超兄貴』と相性がいい
  27. 2025年にはSteam版も登場
  28. Nintendo Switch 2でもSwitch版を利用できる
  29. PCエンジン miniにも収録されていた
  30. 今遊んでも面白いところ
  31. 現在では物足りないところ
  32. なぜA Tier・81点なのか
  33. まとめ|筋肉を消してもゲームは残る。でも筋肉と音楽を戻したとき、81点になる

PCエンジン『超兄貴』レビュー|なぜA Tier・81点なのか

『超兄貴』から、筋肉を全部消してみる。

イダテンとベンテンを普通の宇宙戦闘機に置き換える。アドンとサムソンも、よくある小型支援機にする。プロテインは単なるパワーアップカプセル。葉山宏治氏の音楽も、もっと無難なシューティングBGMへ替える。

それでもゲームとして面白いのか。

1992年のPCエンジン SUPER CD-ROM²用『超兄貴』を評価するとき、ここを避けると作品の本当の位置が見えにくくなります。

通常ショットは押し続けるだけで連射でき、そのまま溜めれば強力な特殊攻撃へ移れる。プレイヤーは性能の異なるイダテンとベンテンから選択でき、移動速度も途中で変更可能です。

さらに、道中で加わるオプションは火力を増やすだけではありません。敵弾を受け止め、個別に耐久力を持ち、自機とは別に育てられる。パワーアップアイテムのプロテインを誰に取らせるかまでプレイヤーが決めます。

つぶログのPCエンジン全ソフトTier表|669作品を網羅した評価・ランキングでは、A Tier・81点・総合132位タイ

映像と音楽の存在感は非常に強い。

けれど、81点のすべてをそこへ預けたわけではありません。

一方で、全5ステージという規模や、敵配置・攻略パターンそのものの厚みまで90点級かというと、そこには距離があります。

『超兄貴』は、ゲーム部分だけでも十分遊べる。そのうえへ、他では代替しにくい映像と音が乗った。

その二層構造が81点の理由です。

PCエンジン版『超兄貴』はどんなゲーム?

項目内容
タイトル超兄貴
対応機種PCエンジン SUPER CD-ROM²
発売日1992年12月25日
ブランドメサイヤ
開発NCS/WINDS
型番NSCD2013
ジャンル横スクロールシューティング
プレイ人数1人
ステージ数全5ステージ
TierA
評価81点
総合順位132位タイ

『超兄貴』は、日本コンピュータシステム(NCS)が展開していたゲームブランド「メサイヤ」から発売された作品です。メサイヤとNCSを別会社のように扱うのではなく、NCSのゲーム部門・ブランドとして見るのが適切です。開発についてはNCSとWINDSの名が記録されています。

現行の『超兄貴COLLECTION』公式も、本作をシリーズ第1作として1992年12月25日発売としています。PCエンジン mini公式では横スクロール型シューティング、全5ステージであることも確認できます。

なお、当時価格については二次資料に7,200円と7,800円の両方が残っているため、現物一次資料を確定できない状態で本文へ数字を載せるのは避けます。

ボ帝ビルを倒す――設定は奇妙でも、やることは明快

物語は簡潔です。

大銀河ボディビルコンテスト10連覇を成し遂げたビルダー星の帝王「ボ帝ビル」は、母星のプロテイン不足に直面します。

そこで近隣の惑星へ侵攻し、プロテイン採掘プラントを建設。

危機を察知した天界のイダテンとベンテンが、ビルダー軍を倒すため出撃します。現在の『超兄貴COLLECTION』でも、この導入はほぼそのまま紹介されています。

設定だけを読めば強烈ですが、ゲーム開始後にプレイヤーがやることは分かりやすい。

敵編隊を処理する。

中型・大型敵を倒す。

プロテインを回収する。

オプションを維持する。

ボスを倒す。

そして次のエリアへ進む。

見た目がどれだけ特異でも、ゲームの軸は横スクロールシューティングです。

イダテンとベンテンは、見た目だけを選ぶ二択ではない

ゲーム開始時にはイダテンベンテンから自機を選びます。

この二人は単なるキャラクタースキンではありません。

最も分かりやすい違いは、溜め攻撃と移動速度です。

イダテンは前方へ集中するメンズビームを使用し、速度は8段階まで変更可能。

ベンテンは前方へ広く散るスプラッシュビームを使い、速度変更は4段階です。

つまり、自機選択の時点で、

一点へ強い攻撃を当てるか、広い範囲を処理するか

という違いがあります。

さらに、細かな速度調整幅まで違う。

ボスへ長く正面を合わせるならイダテンの集中攻撃が扱いやすく、複数方向に敵が散る場面ではベンテンの拡散攻撃が助けになる。

どちらを選んでも同じ攻略になるわけではありません。

通常ショットを撃ちながら、溜め攻撃まで準備できる

『超兄貴』のショットは少し変わっています。

ショットボタンを押し続ければ通常弾を自動連射。

そのまま一定時間押し続けてから離すと、溜め攻撃が発動します。ターボパッドの連射機能に頼らなくてもショットを撃ち続けられます。

ここはゲームのテンポを支えている部分です。

一般的なチャージショットでは、「強い攻撃を溜めるあいだ通常射撃を諦める」という設計もあります。

『超兄貴』では通常の連射と溜めが同じボタンの長押しにまとまっているため、雑魚を処理しながら強攻撃を準備できます。

操作を複雑にするのではなく、普段の射撃の延長にチャージ攻撃を置いている。

見た目ほど操作は癖がありません。

メンズビームは名前だけが目立つ技ではない

イダテンの溜め攻撃がメンズビームです。

前方へ太いレーザーを放つ、集中火力型の攻撃。

回数制ではないため、ゲージアイテムを消費して一度だけ撃つ必殺技ではありません。溜める時間さえ作れれば何度でも使えます。

中型敵やボスのように、前方の決まった位置へ長く攻撃できる相手との相性がいい。

通常弾だけで削るより、攻撃できるタイミングを見て太いビームを通した方が効率よくダメージを取れます。

奇妙な名前を見て笑うだけの技ではなく、ボス攻略の火力源として普通に使える溜め攻撃です。

ベンテンのスプラッシュビームは「弱いメンズビーム」ではない

ベンテンが使うのはスプラッシュビーム

こちらは一直線ではなく、前方の広い範囲へ攻撃を拡散します。

一発の集中火力ではメンズビームに譲るものの、複数方向へ散った敵を巻き込みやすく、近距離で多数の弾を当てれば火力も出ます。

そのため二人の違いは、

イダテン=強い
ベンテン=弱い

という単純な序列ではありません。

どこへ火力を置きたいかが違う。

主人公選択が、シューティングとしての攻撃範囲の選択になっています。

速度を途中で変えられる意味は大きい

移動速度はゲーム中に変更できます。

イダテンは8段階、ベンテンは4段階。

とくにイダテンの最高速はかなり速く、画面を大きく横断するときには便利ですが、細かな弾避けでは動きすぎることがあります。

これも「最大まで上げれば完成」ではありません。

通常道中で位置を大きく変えたいなら速くする。

狭い安全地帯へ入りたいなら落とす。

大型ボスの近くで細かな位置調整をするなら低めにする。

8段階という数字は少々過剰なくらいですが、自分が操作しやすい速度へ途中で戻せるため、ちゃんとゲーム上の意味があります。

ここまで見ると、イダテンとベンテンの違いは溜め攻撃だけではありません。

速度調整の細かさまで含めて、操作感そのものが変わります。

アドンとサムソンは「見た目が人間のオプション」だけではない

道中では、アドンサムソンがオプションとして加わります。

二人まで同行可能で、自機の上下付近について援護射撃を行います。

そして、イダテンと同じメンズビームまで撃つ。

ただし、一般的な「無敵の追加砲台」とは違います。

アドンとサムソン自身にも当たり判定と耐久力があり、敵弾を受け止められる代わりに、ダメージが蓄積すると離脱します。スクロールと地形に挟まれて失うこともあります。

つまり、

火力を増やす装備であり、防御壁でもあり、失う可能性のある仲間

です。

ここが『超兄貴』のシューティング部分でかなり面白いところです。

オプションを前へ突っ込ませることもできる

アドンとサムソンは、自機の近くについて撃つだけではありません。

ショットとボム系の操作を組み合わせることで、敵へ向かって突進させることもできます。前方へ出したあと再び戻せますが、突進先で被弾を重ねれば、そのまま失う危険もあります。

火力を追加するために前へ出すのか。

敵弾を防ぐため自分の近くへ置いておくのか。

耐久力が減っているなら無理をさせないのか。

操作自体は複雑ではありませんが、オプションを一つの消耗資源として見る余地があります。

このゲームはアドンとサムソンをキャラクターとして目立たせていますが、ゲームシステム上もかなり仕事をさせています。

プロテインは、自分だけのパワーアップではない

敵を倒すとプロテインが出現します。

自機が取得すれば通常ショットが強化され、最大10段階まで成長。

アドンやサムソンに直接取らせれば、オプション側を最大5段階まで強化できます。プロテインにはオプションの状態を立て直す役割もあります。

ここで、単なるアイテム回収が少し変わります。

画面にプロテインが出た。

自機のショットをもっと強くしたい。

でもアドンがかなり被弾している。

もう一体のサムソンは元気だが、火力はまだ低い。

誰に触れさせるか。

シューティング中なので、当然ゆっくりメニューを開いて考える時間はありません。

自分を育てるか、オプションを育てるか。

これがそのままゲーム中の判断になります。

パワーアップアイテムを「誰が取るか」まで操作する

オプションを別々に育てるゲームでは、メニューから強化先を選ぶ形式も考えられます。

『超兄貴』は違います。

画面上を流れてくるプロテインへ、強化したい対象そのものを接触させます。

そのため操作ミスも起こります。

アドンへ取らせたかったのに自機が触れる。

サムソンを回復させたいのにスクロールで位置を合わせられない。

アイテム一個を誰へ渡すかという話が、そのまま位置取りへ変換されている。

この仕組みはかなりシューティングらしいです。

数字を配る育成ではなく、画面の中で資源配分まで行わせています。

ミスすると、育成した状態はどうなる?

自機は敵や敵弾へ接触すると基本的に一発ミスです。

復帰するとオプションは失われ、ショットも1段階パワーダウン。

さらにその場復活ではなく、エリア先頭へ戻されます。ボス戦でのミスならボスから再開します。

ただし、自機のショットがいきなり初期状態まで戻されるわけではありません。

育ててきた火力は1段階低下に留まるため、完全な丸裸から立て直すタイプほど厳しくない。コンティニュー時にも同様のパワーダウンで済むとされています。

ここは81点を支える部分です。

アドンやサムソンを失う痛手は大きい。

けれど、一度のミスで自機まで完全初期化され、ゲームが急激に苦しくなる設計ではありません。

失敗は重いが、立て直しを拒否するほどではない。

ボムもあるが、ゲームの主役ではない

通常ショットや溜め攻撃とは別に、回数制限のあるボムも使用できます。

広い範囲へダメージを与える非常用の攻撃で、溜め撃ちとは別系統です。

ただ、『超兄貴』の特徴を説明するなら、ボムを中心へ置く必要はありません。

ゲーム中に頻繁に触れるのは、

通常射撃
溜め攻撃
速度変更
オプション
プロテイン

の方です。

この5つが日常的な立ち回りを作っています。

全5ステージ――数字だけを見ると確かに少ない

ステージは全部で5つです。

これは現在のKONAMI側資料やPCエンジン mini公式でも明記されています。

81点の弱点を考えるなら、この規模は外せません。

ただし、「5面だから短い」で終わらせるのも適切ではない。

一つのステージ内に中型・大型敵が何度も挟まれ、最後のボスだけが見せ場という作りではありません。

大型キャラクターとの戦闘が道中へかなり多く置かれています。4Gamerの復刻版レビューでも、ステージ内に複数の中ボスとボスが配置されていることが確認できます。

そのためプレイ中の出来事は多い。

問題は別のところです。

敵の造形は毎回変わる。でも攻略の考え方まで同じ勢いで変わるわけではない

『超兄貴』は、画面が変化している感覚が強い作品です。

大型キャラクターが出る。

背景が変わる。

新しい中ボスが現れる。

次の曲が始まる。

そのため5面という数字以上に、視覚・聴覚上の変化はあります。

しかし、シューティングとして要求される攻略の変化量は、見た目の変化量ほど大きくありません。

前方の敵を処理する。

上下から来る敵へ合わせる。

大型敵の攻撃範囲から逃げる。

ボスの安全な位置を覚える。

そうした基本を、通常ショット・溜め撃ち・オプションで処理していく構造が中心です。

敵の姿だけ見れば次々と予想外のものが現れますが、「今度はゲームルールそのものを読み直さなければならない」というほど攻略方法が毎面激変する作品ではありません。

ここが90点級のシューティングとの差になります。

ボスは「大きい」だけで終わっていない

大型ボスは本作の見せ場ですが、評価したいのはサイズではありません。

こちらを押し潰すように画面へ迫るもの。

複数の攻撃位置を持つもの。

自機を上下へ動かして攻撃を抜ける必要があるもの。

かなり画面を占有するボスも存在します。

こうした相手には移動速度の調整が効きます。

イダテンを最高速にしていると細かな回避が難しい。

速度を落とし、安全な位置へ置く。

攻撃できる時間ができたらメンズビームを通す。

アドンやサムソンが残っていれば、そこへさらにビームが重なる。

自機・速度・溜め撃ち・オプションという本作のシステムが、一番まとまって見えるのが大型戦です。

だから「見た目を普通にしても遊べる」は成立する

ここまで映像と音楽を抜いて考えても、

性能の違う2自機
連射と溜めを一つの操作へまとめたショット
任意の速度変更
耐久力を持つ最大2体のオプション
オプションの突進
自機10段階/オプション5段階の成長
プロテインの配分
ミス後の段階的なパワーダウン

があります。

シューティングとして触れるものは、思った以上に多い。

だから『超兄貴』は、「変な絵を見せるために最低限のシューティングを付けた作品」ではありません。

ただし、ここからさらに、

ゲーム部分だけで90点台か

と問われれば、答えはNOです。

全5面。

基本的な敵処理は比較的分かりやすい。

オプション配分は面白いものの、それだけで攻略が何十通りにも分岐するわけではない。

シューティング部分の完成度は高いけれど、作品でもっとも突出した部分とは言い切れません。

そして、音楽を戻すと『超兄貴』になる

ここで葉山宏治氏の音楽を戻します。

原作スタッフクレジットでは、葉山氏は音楽・効果音を担当。

同時期のサウンドトラック『超兄貴~兄貴のすべて~』では、全曲の作曲・編曲を葉山氏が担当したことが記録されています。

単にCD音源だから音がきれいという話ではありません。

曲の中へ声や掛け声が入り、ゲーム画面で起きていることと音楽が同じ方向を向いています。

プロテインを取る。

「ビルドアップ」の声が入る。

アドンやサムソンが離脱する。

大型敵が現れる。

そこへ、普通の宇宙シューティングではまず選ばないような音色とフレーズが重なる。

映像が奇妙で音楽だけが真面目なのではありません。

ゲーム全体が同じ世界にいます。

「ドイツ人ジャーマン」は、ボス戦の印象まで変える

代表曲としてよく挙げられるのが「ドイツ人ジャーマン」です。

ステージ3の戦闘列車周辺で流れる曲として紹介され、サウンドトラックにも収録されています。

画面では人面を持ったような機関車が走り、ゲームとしては大型敵との戦闘。

しかし、そこへ特徴的な声を使った曲が流れることで、ただ「巨大な列車ボスと戦った」という記憶では終わらなくなります。

これが『超兄貴』の音楽の強さです。

シューティングへ直接新しい操作を追加するわけではない。

それでも、同じ敵配置を遊んだときの印象を大きく変えてしまう。

Tier81では、この力も無視できません。

SUPER CD-ROM²は、音楽と声で世界を完成させた

本作はSUPER CD-ROM²用です。

大きな役割を果たしているのはCD音楽と音声。

プロテイン取得時やオプション取得・離脱など、プレイ中にも声が入ります。原作クレジットには置鮎龍太郎氏、住友優子氏、掛川裕彦氏、田中宏幸氏らが記載されています。

長時間のフルボイス物語を見せるためのCDではありません。

声をイベントシーンだけへ隔離せず、シューティングの途中にも混ぜる。

その結果、

プロテインを取ること
オプションを失うこと
敵が現れること

そのものが演出になります。

SUPER CD-ROM²を使った価値は、ムービーの長さよりこちらの方が大きいでしょう。

開発スタッフを見ると、葉山宏治氏だけの作品ではない

音楽の存在感が強いため、『超兄貴』=葉山宏治氏という印象になりやすい作品です。

しかしゲームを作ったのは当然、音楽担当だけではありません。

原作クレジットでは、

プロデューサー:土田俊郎
プログラム:浜田しんぢ
キャラクターデザイン:永井一成
音楽・効果音:葉山宏治

などが確認できます。

グラフィックには市丸雅彦氏、遠藤志郎氏、永井一成氏、林宏氏らが参加しています。

独特な世界設定、美術、シューティングシステム、サウンドを一人の発想へまとめてしまうのは適切ではありません。

葉山氏の音楽は大きな柱ですが、それを載せるゲーム側の設計と美術が先にあります。

なぜ「見た目に反して硬派なSTG」だけでは説明不足なのか

『超兄貴』について、「見た目は変だけど中身は硬派」という評価を見かけることがあります。

半分は合っています。

きちんと敵を倒し、アイテムを取り、速度を調整し、オプションを維持し、ボスのパターンを覚えるシューティングです。

ただ、「硬派」という一言だけでは本作のゲーム部分を逆に単純化します。

自機は二種類。

溜め撃ちの性質が違う。

オプションは耐久力を持つ。

誰へプロテインを取らせるかを考える。

オプションを突進させることもできる。

このあたりは、普通の横シューティングへちょっと変な絵を載せただけではありません。

一方で、敵配置やステージ攻略の深さだけを取り出せば、同時代の最高峰シューティングを圧倒するほど複雑でもない。

普通でもない。
しかし、ゲーム部分まで突き抜けた超高密度作品でもない。

その中間を具体的に見る方が、81点には合っています。

『愛・超兄貴』では、なぜ同じシステムを続けなかったのか

1995年2月24日には続編『愛・超兄貴』が発売されます。

しかし、初代をそのまま豪華にした作品ではありません。

主人公はアドンとサムソンへ移り、ポージングと格闘ゲーム風のコマンド入力を使って攻撃する、かなり異なるシューティングへ変化しました。

つぶログのPCエンジンTierでは『愛・超兄貴』はB Tier・73点

続編だから初代の完全上位互換、という関係ではありません。

初代で作った、

通常射撃
溜め撃ち
速度変更
オプション育成

を磨くだけではなく、シリーズ自体を別方向へ振った作品です。

そのため、初代『超兄貴』の横シューティングとしての仕組みは、第1作ならではのものとして見た方がいいでしょう。

2024年、『超兄貴COLLECTION』で正式復刻

現在は、昔の実機を用意しなくても初代を遊べます。

2024年12月12日にNintendo Switch向け『超兄貴COLLECTION』が発売されました。

収録作品は、

『超兄貴』
『愛・超兄貴』

のPCエンジン2作品。

リメイクではなく、エディアが完全移植として展開しているコレクションです。

現代向け機能として、

  • 巻き戻し
  • セーブ/ロード
  • 電子マニュアル
  • サウンドモード
  • ビジュアルモード

などが追加されています。

巻き戻しは『超兄貴』と相性がいい

巻き戻し機能は、単に難易度を下げるためだけの機能ではありません。

『超兄貴』では、ミスするとオプションが消えます。

アドンやサムソンを育てている最中なら、火力だけでなく敵弾を受ける防御力まで失う。

その結果、次の区間がさらに厳しくなることがあります。

巻き戻しがあれば、

どこで敵弾を見落としたか
ボスの攻撃をどこで避ければいいか
オプションを地形に挟んだ位置はどこか

をすぐ確認できます。

ゲームを全部巻き戻して楽にクリアするためだけではなく、攻略パターンを覚える練習機能として使いやすいです。

2025年にはSteam版も登場

『超兄貴COLLECTION』はNintendo Switchだけで終わりませんでした。

公式サイトでは2025年11月19日にSteam版の配信開始を告知しています。Steamストアでは地域・時差の関係で11月18日表記になっていますが、日本向け公式告知では11月19日です。

Steam版にも初代『超兄貴』と『愛・超兄貴』を収録し、サウンドモード、ビジュアルモード、巻き戻しなどが用意されています。

昔の珍しいソフトを中古で探さなければ評価できない作品ではなくなりました。

これは現在レビューを書くうえでかなり大きいです。

Nintendo Switch 2でもSwitch版を利用できる

My Nintendo Storeの『超兄貴COLLECTION』商品ページには、Nintendo Switch 2での動作確認情報が設けられ、Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)での言語についても案内されています。

専用のNintendo Switch 2版が発売されたわけではありません。

Nintendo Switch版『超兄貴COLLECTION』を互換環境で遊ぶ形です。

したがって2026年現在の代表的な公式プレイ環境は、

Nintendo Switch/Nintendo Switch 2の互換環境/Steam

となります。

超兄貴COLLECTION - Switch

1992年PCエンジン版『超兄貴』と、1995年の続編『愛・超兄貴』を収録したNintendo Switch向け完全移植コレクション。巻き戻し、電子マニュアル、サウンドモード、ビジュアルモードを搭載し、初代の横スクロールSTGと大きくシステムを変えた続編を現行環境で遊び比べられます。

価格・在庫・仕様や版の違いなどは変動します。購入の際は各ショップの商品ページで最新情報をご確認ください。

PCエンジン miniにも収録されていた

過去の公式復刻では、2020年発売のPCエンジン miniにも初代『超兄貴』が収録されました。

KONAMI公式の収録タイトル一覧にも掲載されています。

それ以前にはWiiやWii Uのバーチャルコンソールでも配信され、Wii U版は2016年3月23日に配信されています。

ただし、これらは復刻の歴史としての話。

2026年に新しく入手するなら、現行販売されている『超兄貴COLLECTION』の方が分かりやすい選択肢です。

今遊んでも面白いところ

現在でも評価しやすいのは、ゲームの操作がすぐ理解できるのに、触れる部分は意外と多いことです。

ショットを撃つ。

そのまま溜める。

必要な瞬間に強攻撃を放つ。

速度を変える。

アドンやサムソンを連れていく。

敵弾をオプションへ受けさせる。

プロテインを誰へ渡すか決める。

この流れが、難しいメニュー操作なしにすべて画面上で進みます。

システムを覚えるために長い説明を読む必要はない。

けれど、慣れてくるとアイテムの渡し先や速度を意識するようになる。

この入りやすさと、小さな判断の積み重ねは今でも十分機能しています。

現在では物足りないところ

一方、81点からさらに上へ行かない理由も明確です。

全5ステージなので、長期的な攻略量はそれほど多くない。

中ボスや大型敵は多くても、ステージごとにゲームルールが大幅に組み替わるわけではない。

プロテイン配分は面白いものの、自機とオプションを育てる選択が複雑なビルド構築へ発展するわけでもありません。

敵配置も、映像や音楽と同じ水準で毎回新しい解法を求めてくるほど濃密ではない。

世界観を普通にし、音楽も一般的なものへ置き換えたとしても良質な横シューティングは残る。

ただし、それだけでPCエンジン最高峰へ並ぶかといえば、そこまでは行かない。

この差はかなり大きいです。

なぜA Tier・81点なのか

『超兄貴』を81点にした理由は、「珍しいから」ですませることはできません。

まず、シューティングとして土台があります。

通常ショットは扱いやすい。

溜め攻撃は回数制限を気にせず使える。

イダテンとベンテンには性能差がある。

速度を途中で変えられる。

アドンとサムソンは攻撃だけでなく防御へ使える。

しかも耐久力を持ち、自機とは別に成長する。

プロテインを誰へ取らせるかで資源配分が生まれる。

これだけあれば、ゲーム部分は飾りではありません。

そのうえに、大型キャラクターを次々出すグラフィックと、葉山宏治氏のCD音楽、プレイ中の音声が加わります。

ここまで揃えば80点台に入る価値はある。

一方で、全5面という規模と、敵配置・攻略パターンの厚みは、映像・音楽・企画の強烈さほど突出していません。 つぶログのTier短評でも、ここを81点の上限として評価しています。

だからS Tierではない。

しかし、奇抜な見た目だけの作品としてB Tierへ落とすのも違う。

A Tier・81点は、その中間ではなく、

「ゲームとしてすでに良作。その上に表現面の大きな加点があるが、STG設計だけで最高峰には届かない」

という位置です。

まとめ|筋肉を消してもゲームは残る。でも筋肉と音楽を戻したとき、81点になる

『超兄貴』から世界観と音楽を取り除いてみても、

性能の異なる2人の自機。

通常ショットと溜め攻撃。

任意の速度変更。

耐久力を持つオプション。

自機とオプションを別々に育てるプロテイン。

大型敵との戦闘。

そうした横スクロールシューティングとしての仕組みが残ります。

だから、「見た目が珍しかったから名前だけ残ったゲーム」ではありません。

一方、ゲームシステムだけを取り出して90点級へ持ち上げる必要もない。

5ステージを進む中で、敵配置や攻略方法が無限に深くなっていく作品ではなく、オプション育成も高度なビルドゲームまで発展するわけではありません。

そこで、もう一度『超兄貴』本来の姿へ戻します。

アドンとサムソンが飛ぶ。

プロテインを取ると声が鳴る。

大きな敵が画面へ入ってくる。

葉山宏治氏の曲が流れる。

普通なら別々に存在するはずのゲームシステム、絵、声、音楽が、全部同じ方向へ振り切れる。

ゲーム部分だけでも遊べる。
けれど、ゲーム部分だけでは『超兄貴』にならない。

その両方が成立しているから、A Tier・81点です。

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