- 名古屋市に災害救助法適用|誰が対象?住宅修理・仮設住宅など何が変わるか整理
- 名古屋市全域に災害救助法を適用 適用日は9月8日
- 「名古屋市全域が対象」でも市民全員に給付金が出るわけではない
- 災害救助法が適用されると何が変わる?
- 名古屋市が用意している住宅支援は6種類
- 仮設住宅・みなし仮設は誰でも利用できる?
- 住宅の応急修理は「修理代を現金でもらう制度」ではない
- 住宅修理はいくらまで?現時点では今回の上限額を断定しない
- 床上浸水・床下浸水なら住宅修理の対象?
- 申請はもう始まっている?住宅支援は追加案内待ち
- 片付けや修理の前に被害写真を残しておく
- 罹災証明書はどうやって取る?
- ブルーシートや土砂の撤去を先に頼む場合は注意
- 災害救助法=激甚災害や一律給付金ではない
- まとめ|全市適用でも全員に給付ではない 住宅支援は今後の案内を確認
名古屋市に災害救助法適用|誰が対象?住宅修理・仮設住宅など何が変わるか整理

※2026年9月9日11時30分時点の情報を反映しています。住宅支援の受付方法などは今後更新される可能性があります。
2026年9月9日、名古屋市は前日の大雨による災害について、9月8日付で市全域に災害救助法を適用したと発表しました。
「名古屋市全域が対象」と聞くと、市民全員が給付金を受け取れたり、浸水した住宅の修理費が一律で支給されたりするようにも見えますが、そういう意味ではありません。
全域というのは、あくまで災害救助法が適用される地域の範囲です。実際に住宅の応急修理や応急仮設住宅などを利用できるかどうかは、住宅の被害程度や現在の生活状況など、それぞれの制度の要件によって決まります。
また、災害救助法が適用されたこと自体は確定していますが、9日11時10分までに名古屋市公式サイトで確認できた範囲では、今回の大雨を対象にした住宅支援について、具体的な受付開始日や申請方法はまだ案内されていません。
被災した住宅をすでに片付け始めている場合は、支援制度の詳細を待つこととは別に、被害の状態が分かる写真を片付けや修理の前に残しておくことが重要です。
名古屋市全域に災害救助法を適用 適用日は9月8日
名古屋市の発表によると、災害救助法の適用区域は名古屋市全域、適用年月日は2026年9月8日です。
9月9日に突然発生した制度ではなく、8日の災害にさかのぼって適用されています。
内閣府の第2報でも、
- 法適用市町村:名古屋市
- 法適用日:9月8日
- 公示日:9月9日
と確認できます。
適用されたのは、災害救助法施行令第1条第1項第4号です。
名古屋市は理由について、多数の人が生命または身体に危害を受ける、あるいはそのおそれが生じ、多数の人が避難して継続的な救助を必要とする状態だったためと説明しています。
住宅被害の棟数だけを基準に決まったわけではない
ここは今回の災害救助法適用を理解するうえで重要な点です。
9日朝の段階では住宅被害の集計はまだ途中で、数字だけを見ると「なぜこの段階で災害救助法が適用されたのか」と疑問に感じるかもしれません。
しかし、今回の適用基準は「住宅が何棟壊れたか」だけで判断するものではありません。
8日の名古屋では猛烈な雨によって河川の水位が急上昇し、レベル5「緊急安全確保」や庄内川の「氾濫特別警報」も発表されました。
市内で実際にどこが冠水したのかについては、名古屋の大雨でどこが冠水?栄・千早・昭和区など浸水状況と交通への影響を整理で地点ごとに整理しています。
また、スマートフォンに相次いで届いた緊急速報やレベル4・レベル5の違いは、名古屋で緊急速報はなぜ鳴った?レベル5緊急安全確保・避難指示の対象と記録的大雨を整理で詳しくまとめています。
今回の災害救助法は、こうした多数の人の生命・身体に危険が及び、多数の避難者に継続的な救助が必要となる状況を踏まえて適用されたものです。
「名古屋市全域が対象」でも市民全員に給付金が出るわけではない
今回、最も誤解しやすいのが「名古屋市全域」という表現です。
これは、
名古屋市の16区すべてが災害救助法の適用区域になった
という意味です。
一方で、
名古屋市に住んでいれば誰でも住宅修理費や給付金を受け取れる
という意味ではありません。
たとえば住宅の応急修理なら、住宅が一定以上の被害を受けていることなどが条件になります。応急仮設住宅にも、自宅に住み続けられないことや、自力で住まいを確保することが難しいことなどの要件があります。
整理すると、
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 名古屋市全域が適用区域 | 市内全域で災害救助法に基づく救助を実施できる |
| 名古屋市民である | それだけで個別支援の対象になるわけではない |
| 住宅が浸水・損壊した | 被害程度などによって利用できる制度が変わる |
| 災害救助法適用 | 一律の現金給付が決まったという意味ではない |
「地域として対象になっているか」と「自分が個々の支援制度の対象になるか」は分けて考える必要があります。
災害救助法が適用されると何が変わる?
名古屋市は今回、すでに実施した措置として避難所の設置等を挙げています。
また、災害救助法が適用されることで、名古屋市が行う避難所の設置や食品の給与などの災害救助活動について、経費の一部を国が負担できるようになります。
救助の内容は住宅だけではありません。
災害の状況に応じて、避難所、食料や飲料水、生活必需品、応急的な住まい、住宅修理など、被災直後の生活を支える救助が行われます。内閣府も2026年6月版の被災者向け資料で、避難所や食料・飲料水のほか、応急仮設住宅、住宅の応急修理などを案内しています。
名古屋市は2020年4月1日から「救助実施市」になっており、大規模災害時には災害救助法に基づく避難所運営や応急仮設住宅の供与などを、市自身の権限で実施できる体制になっています。
名古屋市が用意している住宅支援は6種類
名古屋市が平時から公開している「災害時における住宅支援制度」では、災害救助法が適用された場合に実施する住宅支援として、主に次の6つを挙げています。
| 制度 | どんな支援? |
|---|---|
| 建設型応急住宅 | 市が仮設住宅を建設して一時的な住まいを提供 |
| 賃貸型応急住宅 | 市が民間賃貸住宅などを借り上げて提供 |
| 住宅の応急修理 | 日常生活に必要な最低限の部分を応急的に修理 |
| 緊急修理 | ブルーシートなどで住宅被害の拡大を防ぐ |
| 障害物の除去 | 住宅に流れ込んだ土砂やがれきなどを除去 |
| 市営住宅の一時使用 | 自宅に住めなくなった人へ市営住宅を一時提供 |
ただし、6制度すべてを自由に選べるわけではありません。
住宅被害の程度や、修理後に自宅へ戻れるのか、別の住まいを自力で確保できるのかなどによって利用できる制度は変わります。
仮設住宅・みなし仮設は誰でも利用できる?
応急仮設住宅には、大きく分けて市が新たに住宅を用意する建設型と、民間賃貸住宅などを借り上げる賃貸型があります。
賃貸型はいわゆる「みなし仮設」と呼ばれる仕組みに近いものです。
名古屋市の平時の制度案内では、住宅が全壊・全焼・流出し、自力で住宅を確保できないことなどを基本的な要件として挙げています。
一方、内閣府の2026年6月版資料では、全壊だけでなく、中規模半壊や半壊でも住宅として利用できない状態など、一定のケースでは応急仮設住宅の対象になり得ることが示されています。
つまり、
「全壊でなければ絶対に対象外」
とも、
「浸水したから仮設住宅に入れる」
とも一律には言えません。
名古屋市の平時ページにも、災害発生時には詳細な条件を改めて案内すると記載されています。
今回の大雨で実際にどの条件を適用するのかは、今後の名古屋市の案内を確認する必要があります。
住宅の応急修理は「修理代を現金でもらう制度」ではない
自宅が被害を受けた場合、特に気になるのが住宅の応急修理です。
名古屋市の制度案内では、被災した住宅のうち、居室、台所、トイレなど日常生活に欠かせない部分を応急的に修理する制度とされています。
主な要件としては、
- 現在住んでいる住宅であること
- 住宅が準半壊以上の被害を受けていること
- 修理すれば避難所や応急仮設住宅を利用せず生活できる見込みがあること
- 半壊・準半壊の場合は自力で修理することが難しい世帯であること
などがあります。
ここで注意したいのが、一般的なリフォーム補助とは違う点です。
内閣府の最新案内では、住宅の応急修理は自治体が修理業者と契約して修理を行う仕組みで、被災者へ現金を直接支給する制度ではないと説明されています。
修理できるのも、原則として生活に必要な最低限の部分です。
「災害救助法が適用されたから、壊れた住宅を好きな内容で全面改修できる」という制度ではありません。
住宅修理はいくらまで?現時点では今回の上限額を断定しない
過去の災害救助法の資料を見ると、住宅の応急修理には費用の限度額が設定されています。
ただし、2026年6月に内閣府が作成した最新の被災者向け資料では、具体額を一律に掲載せず、被害の程度によって上限額が異なるため自治体に確認するよう案内しています。
名古屋市の現在の住宅支援ページにも、今回の大雨について適用する上限額はまだ掲載されていません。
そのため、過去年度の金額をそのまま今回の名古屋市に当てはめて、
「○万円もらえる」
と考えるのは避けた方がいいでしょう。
今回の正式な金額や手続きは、名古屋市が住宅支援の受付を開始した際の案内で確認する必要があります。
床上浸水・床下浸水なら住宅修理の対象?
「床上浸水なら対象」「床下浸水なら対象外」と水の高さだけで簡単に分けることもできません。
住宅の応急修理では、住家の被害認定による準半壊以上などが要件になります。
そのため「床上浸水」という事実だけで、応急修理の対象になると確定するわけではありません。
一方、土砂やがれきなどの障害物の除去については、名古屋市の制度案内で「半壊以上または床上浸水」が主な対象要件の一つとして挙げられています。
ただし、こちらも、
- 現在住んでいる住宅である
- 障害物を取り除けば住めるようになる
- 自力で除去することが難しい
といった別の条件があります。
床上浸水しただけで自動的に現金が支給される制度ではありません。
申請はもう始まっている?住宅支援は追加案内待ち
9月9日11時10分までに名古屋市公式サイトで確認できた範囲では、今回の大雨に伴う住宅の応急修理や応急仮設住宅について、具体的な申請受付開始日や今回専用の申請方法はまだ案内されていません。
名古屋市が5月7日に更新した住宅支援ページには、
「現在は、災害救助法の適用を受けていないため、申請の受付はしておりません」
という記載が残っています。
しかし、これは今回の大雨より前に作られたページです。
9月8日付で名古屋市への災害救助法適用はすでに正式決定しているため、この古い一文を根拠に「今回も申請できない」と判断することはできません。
同じページには、住宅支援制度の申請を開始した際にはウェブサイトで案内すると明記されています。
現段階では、
災害救助法の適用は決定済み。ただし住宅支援の具体的な受付案内は追加発表待ち
という整理が最も正確です。
片付けや修理の前に被害写真を残しておく
住宅が浸水した場合、制度の受付を待っている間にも泥や水を片付けなければならないケースがあります。
その場合、先にやっておきたいのが写真の記録です。
名古屋市は、建物を片付けたり修繕・取り壊したりする前に、被害状況が分かる写真を残すよう案内しています。
建物の外は、
- 4方向から撮った全景
- 壊れた箇所
- 浸水した場合は水の深さが分かる状態
を撮影します。
室内についても、被災した部屋ごとの全景と、壊れたり水につかったりした箇所を残します。
内閣府も2026年6月版資料で、片付けや修理をしてしまうと正確な調査が難しくなる場合があるため、事前に写真を撮るよう案内しています。
スマートフォンでの撮影でも構いません。
罹災証明書はどうやって取る?
自然災害で住宅に被害を受けた場合、支援制度や保険などの手続きで必要になることがあるのが罹災証明書です。
名古屋市では、豪雨などの自然災害で被害を受けた住家について、申請を受けた後に建物被害認定調査などを行い、被害の程度を証明する罹災証明書を交付しています。
申請手数料は無料です。
通常は被害を受けた建物がある区の区役所総務課が窓口となり、オンライン申請も用意されています。ただし、大規模災害時には受付方法を別途案内する場合があるとされています。
なお、豪雨などの自然災害で使う「罹災証明書」と、消防署が火災や焼損事故について発行する「り災証明書」は別です。
今回の大雨による住宅被害で調べる場合は、風水害など自然災害向けの罹災証明書を確認してください。
ブルーシートや土砂の撤去を先に頼む場合は注意
名古屋市の住宅支援制度には、壊れた屋根にブルーシートを設置したり、住宅へ入り込んだ土砂などを取り除いたりする支援もあります。
ただし、市の平時の制度案内には、緊急修理や障害物の除去について、制度開始前に自主的に行った措置は補助対象にならないとの注意書きがあります。
とはいえ、雨漏りや倒壊のおそれ、衛生上の問題などがあるのに、制度が始まるまで危険な状態を放置するという意味でもありません。
安全を確保することが最優先です。
可能であれば作業前に被害写真を残し、制度を利用できる可能性がある場合は、契約や大規模な修理へ進む前に名古屋市へ確認するのが安全です。
被災直後は高額な修理契約を迫る悪質商法が発生することもあり、内閣府も被災者向け資料で注意を呼びかけています。
災害救助法=激甚災害や一律給付金ではない
最後に、よく似た制度との違いも確認しておきます。
災害救助法の適用と「激甚災害」の指定は別です。
今回、9月9日午前までに公式に確認できるのは、名古屋市への災害救助法適用です。内閣府の災害救助法適用状況にも、名古屋市が9月8日付で追加されています。
また、災害救助法が適用されたことだけをもって、被災者生活再建支援金や新たな一律給付金が名古屋市民全員へ支給されるわけでもありません。
被災者生活再建支援制度には、災害の規模や住宅の被害程度など別の条件があります。
9日11時10分時点で、今回の大雨を理由に名古屋市民全員へ支給する新たな一律給付金が決まったという公式発表も確認できません。
まとめ|全市適用でも全員に給付ではない 住宅支援は今後の案内を確認
名古屋市は、2026年9月8日の大雨による災害について、市全域に災害救助法を適用しました。
適用日は9月8日、公示は9月9日です。
ただし、「名古屋市全域が対象」というのは災害救助法の適用区域を示すもので、市民全員に給付金や住宅修理費が一律支給されるという意味ではありません。
住宅が被害を受けた人については、応急仮設住宅、住宅の応急修理、緊急修理、障害物の除去、市営住宅の一時使用などの制度がありますが、それぞれ利用条件があります。
9日11時10分までに確認できた範囲では、今回の大雨について住宅支援の具体的な受付方法はまだ発表されていません。
一方、被災住宅については、片付けや修理を始める前に建物の外観、室内、被害箇所、浸水の高さが分かる写真を残しておくことを名古屋市が呼びかけています。
災害救助法の適用は決まりましたが、ここから先は「自分がどの制度の対象になるのか」と「いつ、どこで申請できるのか」を分けて確認することが大切です。
名古屋市から今回の大雨に対応した住宅支援の受付案内が出た場合は、平時の制度説明ではなく、今回の災害向けに発表された最新の条件を優先して確認してください。