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2026年はなぜ台風が多い?9月初めで24号、55年ぶりハイペースの理由

2026年はなぜ台風が多い?24号が55年ぶりハイペース、気象庁が分析

2026年は9月初めで台風24号まで発生し、55年ぶりのハイペースとなっていることを示すアイキャッチ

2026年9月1日、沖縄の南で台風24号が発生しました。

9月に入ったばかりなのに、もう24号。

「今年はやけに台風が多くないか」と感じていた人も多いと思いますが、その感覚は数字でも裏付けられています。

気象庁の日本標準時基準の速報値では、2026年は9月1日までに24個の台風が発生しました。この時期までに24号へ達するのは1971年以来55年ぶりです。

特に多かったのが8月で、1か月だけで10個。1966年以来60年ぶりで、1960年、1966年と並ぶ月間最多タイとなりました。

そして9月1日、気象庁は2026年夏の異常気象について分析結果を公表。

6~8月に発生した台風は17個で、平年の11.0個を大きく上回り、1951年の統計開始以降3位タイだったとしています。 (jma.go.jp)

では、なぜ2026年夏はこれほど台風が多かったのでしょうか。

気象庁が主な要因として挙げたのは、海面水温だけではありません。

重要だったのは、熱帯の大気で起きていた「偏東風波動」の活発化でした。

2026年は本当に台風が多い?9月1日ですでに24個

まず、2026年の発生数を確認してみます。

気象庁の日本標準時基準の速報値では、1月から9月1日までの発生数は次の通りです。

2026年の台風発生数
1月1個
2月1個
3月1個
4月1個
5月2個
6月2個
7月5個
8月10個
9月1日まで1個
合計24個

年間の台風発生数の平年値は25.1個です。

つまり2026年は、9月に入ったばかりの段階ですでに年間平年値にかなり近いところまで来ています。 (data.jma.go.jp)

ただし、ここから「2026年は年間最多になる」と考えるのは早すぎます。

年間発生数の最多記録は1967年の39個。2026年はまだシーズン途中なので、年間の最終的な順位も決まっていません。

珍しいのは、24個という年間総数そのものではなく、その24個目が9月1日という早い時期に発生したことです。

台風24号の発生時期としては、統計開始以降2番目の早さ。最も早かったのは1971年の8月26日でした。 (weathernews.jp)

「55年ぶりに台風24号が発生した」という意味ではなく、

この時期までに24号へ達するほど発生ペースが速いのが55年ぶり

ということです。

8月だけで10個 60年ぶりの月間最多タイ

2026年の多さが特に目立ったのは8月でした。

発生した台風は10個

8月の平年値は5.7個なので、平年を大きく上回っています。 (data.jma.go.jp)

気象庁が統計を取り始めた1951年以降、1か月に10個の台風が発生したのは、

  • 1960年8月
  • 1966年8月
  • 2026年8月

の3回だけです。

11個以上発生した月はありません。

そのため2026年8月は、1966年以来60年ぶりとなる月間最多タイでした。

さらに8月には、一時的に台風18~21号の4個が同時に存在する状況も起きています。

ただし「台風が年間でたくさん発生したこと」と「複数の台風が同時に存在したこと」は別の話です。

なぜ台風が4個も同時に?18~21号の同時発生は珍しい?過去例と日本への影響を整理では、4個同時になった仕組みや過去の例を詳しく整理しています。

気象庁も「2026年夏は台風が多かった」と正式分析

「今年は多い気がする」という印象だけではありません。

気象庁は9月1日、「令和8年夏を対象とした異常気象分析検討会」の結果を公表しました。

対象となったのは2026年6~8月です。

この3か月の台風発生数は、

17個。

夏の平年値11.0個に対して約1.5倍となり、1951年の統計開始以降では3位タイでした。 (jma.go.jp)

ここで数字を混同しないようにしたいところです。

24個
→ 1月1日から9月1日までの累計。

17個
→ 6~8月の「夏」だけの発生数。

「2026年の年間発生数17個」でもなければ、「年間24個が歴代3位」という意味でもありません。

気象庁が統計的にもかなり多かったと評価しているのは、2026年夏の17個です。

なぜ台風が多かった?気象庁が挙げた「偏東風波動」

では、なぜ2026年夏は多くの台風が発生したのでしょうか。

気象庁が主な要因として挙げたのが、

7~8月に偏東風波動の活動が活発だったこと

です。 (jma.go.jp)

偏東風波動と聞いても、普段の天気予報ではあまり耳にしません。

熱帯の低緯度地域では、東から西へ吹く風の中に、波のような大気の乱れが現れることがあります。

その中には低気圧性の渦ができ、雲や積乱雲がまとまりやすくなります。

海面水温や湿った空気、上空の風など他の条件もそろえば、こうした乱れが熱帯低気圧へ発達し、さらに台風になることがあります。

つまり偏東風波動は、

「必ず台風になるもの」ではないものの、台風が生まれる種の一つになり得る大気の乱れ

と考えると分かりやすいでしょう。

2026年7~8月は、この活動が活発でした。

気象庁は、8月中旬までに発生した台風の多くが偏東風波動に起源を持っていたと分析しています。 (jma.go.jp)

過去48年間の解析でも、偏東風波動の活動が活発な夏ほど台風発生数が多くなる傾向が確認されています。

2026年夏は、台風が発達できる暖かい海があっただけではなく、台風のきっかけになる大気の乱れそのものが次々と現れやすい状態だったわけです。

エルニーニョも関係?2026年は7月として過去最大級

偏東風波動が活発になった背景として、気象庁が可能性を示しているのがエルニーニョ現象です。

2026年は春からエルニーニョ現象が発生しているとみられています。

7月には、エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より2.5℃高い状態となりました。

これは1949年以降、1997年と並んで7月として最も大きな値です。 (data.jma.go.jp)

エルニーニョが発生している夏には、西太平洋の熱帯域で偏東風波動の活動が強まりやすい傾向があります。

気象庁はその点から、

2026年の顕著なエルニーニョ現象が、偏東風波動の活発化を通じて台風発生数の多さに影響した可能性

を示しています。 (jma.go.jp)

ただし、

「エルニーニョだから台風が必ず増える」

という単純な関係ではありません。

エルニーニョが起きた年でも台風発生数は年ごとに違います。

2026年についても、

エルニーニョ

偏東風波動が活発になりやすい環境

実際に7~8月の偏東風波動が活発

台風発生数の多さに影響した可能性

というところまでが気象庁の分析です。

「エルニーニョだけが24個すべてを発生させた」という意味ではありません。

8月前半は「モンスーンジャイア」周辺でも発生

8月前半には、もう一つ特徴的な大気の流れがありました。

日本の南海上に形成されたモンスーンジャイアです。

これは広い範囲を覆う大規模な低気圧性の循環で、その周辺でも台風が発生しました。

気象庁も、2026年8月前半にモンスーンジャイアが形成・維持され、その周辺で発生した台風があったとしています。 (jma.go.jp)

ただし、2026年の台風24個すべてがモンスーンジャイアから生まれたわけではありません。

夏全体の発生数が多かった主な要因として気象庁が挙げているのは、あくまで偏東風波動の活発化です。

「海が暑いから台風が多かった」だけでは説明できない

台風の話になると、

「海面水温が高いからでは?」

という疑問も出てきます。

暖かい海は、台風の発生や発達にとって確かに重要です。

海から供給される大量の水蒸気が積乱雲を発達させ、台風のエネルギー源になります。

しかし、海面水温が高いだけで次々と台風が生まれるわけではありません。

そもそも低気圧性の渦や大気の乱れがなければ、発達のスタート地点そのものがありません。

今回、気象庁が2026年夏の「発生数の多さ」について示した主な要因は、

暖かい海そのものではなく、偏東風波動が活発だったこと

でした。

2026年夏は、

暖かい海に加えて、

台風の種となり得る大気の乱れが多かった

と考える方が、今回の分析には合っています。

地球温暖化で台風が増えた?

これも分けて考える必要があります。

2026年夏は日本の気温も非常に高く、気象庁は西日本の記録的な高温について、地球温暖化の影響を明確に指摘しています。 (jma.go.jp)

しかし、

2026年夏に17個の台風が発生した原因を「地球温暖化」とは分析していません。

台風発生数について気象庁が示したのは、

  • 偏東風波動の活発化
  • その背景として顕著なエルニーニョが影響した可能性

です。

地球温暖化と台風については、将来的な台風の強度や降水量などさまざまな研究があります。

それと、

「2026年に台風がたくさん発生した理由」

は分けて考えた方がいいでしょう。

「海が暑いから」「温暖化だから」という一言だけでは、2026年夏の17個を説明できません。

台風が多い年は、日本への上陸も増える?

これも必ずしもそうではありません。

台風には、

発生数
日本への接近数
日本への上陸数

という別々の統計があります。

2026年は8月31日までに23個の台風が発生していました。

一方、同じ8月31日時点で気象庁の速報値を見ると、北海道・本州・四国・九州への接近は4個、日本への上陸は2個です。 (data.jma.go.jp)

「23個発生したから23個が日本へ来た」ということではありません。

台風がどこへ進むかは、

  • 太平洋高気圧
  • 偏西風
  • 周辺の気圧配置
  • 台風自身の位置

などによって変わります。

発生数が多ければ、日本へ影響する台風が増える可能性を意識する必要はあります。

ただし、

台風の数が多い年=日本上陸も多い年

と単純には決まりません。

むしろ防災上は、台風が何個発生したかより、自分の地域へ近づく1個がどの進路・勢力なのかを見る方が重要です。

9月以降も台風は増える?年間最多になる可能性は?

9月に入っても、台風シーズンは終わっていません。

気象庁の平年値では、

  • 9月:5.0個
  • 10月:3.4個

の台風が発生しています。

年間では25.1個です。 (data.jma.go.jp)

2026年は9月1日時点ですでに24個なので、年間平年値にはかなり早い段階で近づきました。

とはいえ、

「今年は30号まで確実に行く」
「35号まで発生する」
「年間最多になる」

と予想できるわけではありません。

エルニーニョが続く可能性が高いことも、それだけで秋の台風発生数を決める材料にはなりません。

今後何個発生するかは、これからの熱帯域の大気や海洋の状態によって変わります。

現時点で確実に言えるのは、

9月、10月も平年では台風が発生する時期であり、シーズンはまだ続く

ということです。

今後見るべきなのは「何号まで行ったか」だけではない

2026年は9月初めですでに24号。

数字だけを見ると、どうしても「今年はあと何号まで行くのか」が気になります。

ただ、台風の危険度は番号や発生数だけでは決まりません。

少ない台風でも、強い勢力で日本へ上陸したり、動きが遅く大量の雨を降らせたりすれば、大きな被害につながります。

逆に多く発生しても、その大半が日本から離れた海上を進む年もあります。

さらに秋は、台風本体が遠くにあっても、台風から流れ込む暖かく湿った空気によって前線の活動が活発になり、大雨となることがあります。

だからこそ、

「今年は24個もできた」

という年間の数字と、

「今ある台風が自分の地域へどう影響するか」

は分けて見る必要があります。

台風が発生したときは、気象庁の台風情報だけでなく、大雨の危険度を確認できる「キキクル」や自治体の避難情報など、その時点の最新情報を確認することが大切です。

まとめ 2026年の台風の多さは気のせいではなかった

2026年は9月1日までに24個の台風が発生しました。

この時期までに24号へ達するのは1971年以来55年ぶり。

8月だけでも10個が発生し、1966年以来60年ぶりの月間最多タイとなりました。

さらに6~8月の夏全体では17個。

平年の11.0個を大きく上回り、1951年の統計開始以降3位タイです。

そして気象庁が夏の台風の多さについて示した主な要因が、7~8月に偏東風波動の活動が活発だったことでした。

偏東風波動は熱帯を西へ進む大気の乱れで、条件がそろえば台風発生のきっかけになります。

2026年夏はその活動が活発で、8月中旬までに発生した台風の多くが偏東風波動に起源を持っていました。

背景には、2026年の顕著なエルニーニョ現象が影響した可能性も指摘されています。

つまり今年の台風の多さは、

「海が暑かったから」だけではありません。

熱帯の大気そのものが、台風の種となる乱れを生みやすい状態になっていたことが大きかったとみられています。

ただし、台風が多いことと、日本への上陸が多いことは別です。

9月以降も台風シーズンは続きますが、「今年は何号まで行くのか」という数字だけではなく、一つ一つの台風の進路、勢力、前線との関係を確認していくことの方が、実際の備えには重要です。

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