- 十勝岳は噴火する?レベル3で何が変わる?美瑛・富良野への影響
- 十勝岳は今、噴火している?
- 十勝岳はこれから噴火するの?
- なぜ9月12日にレベル3へ上がった?
- 6月から十勝岳では何が起きていた?
- 噴火警戒レベル3になると何が変わる?
- 美瑛町は避難しなければならない?
- 望岳台には行ける?登山はできる?
- 上富良野町はどこが避難対象?
- 十勝岳温泉・白銀荘・白金温泉は営業している?
- 十勝岳だけでなく周辺の山も登れない?
- 富良野市の市街地も避難が必要?
- 南富良野町・新得町はどうなっている?
- 道路は通れる?十勝岳スカイラインは?
- 上富良野町営バスは動いている?
- 火山灰は美瑛や富良野、旭川、札幌まで来る?
- 美瑛・富良野旅行はキャンセルした方がいい?
- 1926年の大噴火から100年、今回も同じことが起きる?
- まとめ|新しい噴火は未確認だが、十勝岳の活動は明らかに高まっている
十勝岳は噴火する?レベル3で何が変わる?美瑛・富良野への影響

※この記事は、2026年9月12日18時55分ごろまでに確認できた気象庁、札幌管区気象台、美瑛町、上富良野町、富良野市、南富良野町、新得町などの公式情報をもとに整理しています。火山活動や避難・道路規制は急に変わる可能性があるため、実際に現地へ向かう場合は最新情報も確認してください。
2026年9月12日9時30分、北海道の十勝岳で噴火警戒レベルが「2(火口周辺規制)」から「3(入山規制)」へ引き上げられました。
「十勝岳はもう噴火したのか」「美瑛や富良野からも避難しなければならないのか」と不安になった人もいると思います。
まず、9月12日夕方時点の状況を整理すると、9月12日に新たな噴火が起きたことは確認されていません。
一方で、火山活動そのものは高まっています。気象庁は、62-2火口から概ね3kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性が高まったとしてレベル3へ引き上げました。9月12日16時の最新情報でもレベル3は継続しています。
つまり現状は、「噴火が確定した」「大噴火が目前」という段階ではありませんが、これまでより広い範囲に影響する噴火を想定して、山への立ち入りを強く規制する必要がある状態です。
また、気象庁の警報対象には富良野市、美瑛町、上富良野町、南富良野町、新得町が入っていますが、これは5市町の全域に避難指示が出ているという意味ではありません。実際の避難や立ち入り規制は、火口に近い山岳部や一部施設が中心です。
十勝岳は今、噴火している?
9月12日夕方の時点で、この日に新たな噴火が発生したという気象庁の発表はありません。
気象庁の「噴火に関する火山観測報」で掲載されている直近の噴火は8月6日です。9月12日の新たな観測報は確認されていません。
9月12日16時に札幌管区気象台が発表した解説情報でも、「12日9時以降、火山活動に特段の変化はありません」とされ、15時現在、62-2火口付近の噴煙や噴気にも特段の変化は確認されていません。
ただし、これを「噴火の心配はない」と受け取るのも違います。
気象庁は現在、火口から概ね3kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性が高まっていると評価しています。
「今まさに噴火しているか」と「これから噴火する可能性が高まっているか」は分けて考える必要があります。
十勝岳はこれから噴火するの?
「いつ噴火するのか」「本当に噴火するのか」について、現時点で日時を予測することはできません。
気象庁も「明日噴火する」「数日以内に噴火する」といった予報は出していません。
分かっているのは、これまでの観測結果から、従来より規模の大きい噴火が起きる可能性が高まったということです。
十勝岳では3月ごろから、山体付近のやや深い場所で膨張を示す地殻変動が続いています。4月以降は火山ガスの二酸化硫黄放出量が増加し、62-2火口周辺の地震活動もやや活発になりました。5月以降は噴煙や噴気が以前より高くなる日も増えています。
そこへ最近、振幅の大きな火山性地震が増えてきました。
複数の異なる観測データが同じ時期に変化しているため、警戒範囲を広げる判断につながっています。
それでも、レベル3になったからといって「噴火が確実」「大噴火寸前」とまでは言えません。火山活動には不確実性があり、噴火の有無や規模、時期を正確に決めることはできないからです。
なぜ9月12日にレベル3へ上がった?
今回の引き上げでは、振幅の大きな火山性地震が一つの重要なポイントになっています。
気象庁によると、山麓の硫黄沢観測点で最大振幅2マイクロメートル以上となった火山性地震は、8月17日に1回、8月20日に2回、9月12日に2回発生しました。
これで前30日間の合計が5回に達しました。
さらに9月12日8時20分ごろには、一連の活動では特に規模の大きな地震が発生しています。
硫黄沢観測点で観測された変位最大振幅は約24マイクロメートルで、気象庁は十勝岳付近で体に感じる揺れがあった可能性があるとしています。
なお、この「24マイクロメートル」は地震のマグニチュードを表す数字ではありません。観測点で測った揺れの振幅です。
ここで重要なのが、十勝岳の噴火警戒レベル判定基準です。
レベル3へ上げる基準には、噴煙・噴気の高さや火口温度などから高い熱活動が認められている状態で、
「硫黄沢観測点で最大振幅2マイクロメートル以上の火山性地震が増加し、30日積算で5回以上」
という条件があります。
9月12日の観測値は、まさにこの数字に達しました。
そのため今回の「5回」は単に回数が増えたというだけではなく、公表されているレベル3の判定基準に照らしても重要な節目だったことが分かります。
ただし、「5回になったから自動的にレベル3」とだけ考えるのは正確ではありません。
すでに山体の膨張、火山ガスの増加、熱活動の高まり、小規模な噴火などが続いており、その状態で振幅の大きな地震が増えています。気象庁はそれらを合わせて火山活動を評価しています。
6月から十勝岳では何が起きていた?
今回、突然何もない状態からレベル3になったわけではありません。
十勝岳では2026年に入ってから活動の高まりが確認され、6月18日に噴火警戒レベルが1から2へ引き上げられていました。
その後、7月22日には62-2火口でごく小規模な噴火が発生しています。
さらに気象庁の9月12日付の火山活動解説資料では、7月22日、8月5日、8月6日の3回、62-2火口付近でごく小規模な噴火が発生したと整理されています。
8月17日以降は振幅の大きな火山性地震が増え、9月12日朝に30日間で5回へ到達しました。
流れを見ると、
火山活動の高まり → レベル2 → ごく小規模な噴火が複数回 → 大きな火山性地震の増加 → レベル3
という経過です。
一方で、7月や8月に小噴火が起きたからといって、今回も同じ規模の噴火になるとは限りません。逆に、さらに大きくなると決まったわけでもありません。
現在は、その先の展開に備えて警戒範囲を広げている段階です。
噴火警戒レベル3になると何が変わる?
レベル2のキーワードは「火口周辺規制」、レベル3は「入山規制」です。
十勝岳ではレベル2の段階で、62-2火口から概ね1.5kmが主な警戒範囲でした。それが今回、概ね3kmへ拡大しました。
違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 噴火警戒レベル | キーワード | 主な対応 |
|---|---|---|
| レベル2 | 火口周辺規制 | 火口周辺への立ち入りを規制 |
| レベル3 | 入山規制 | 登山禁止や入山規制など、危険区域への立ち入りを規制 |
| レベル4 | 高齢者等避難 | 警戒が必要な居住地域で高齢者などが避難、住民は避難準備 |
| レベル5 | 避難 | 危険な居住地域から避難 |
ここで誤解しやすいのが、レベル3=住民全員が避難する段階ではないことです。
気象庁自身も、レベル3について「登山禁止や入山規制等」と説明しています。避難や規制の対象は火山や地域の状況によって異なります。
ただし、火口に近い施設についてはレベル3でも個別に避難対応が行われる場合があります。今回の上富良野町がそのケースです。
美瑛町は避難しなければならない?
美瑛町全域に避難指示が出ているわけではありません。
美瑛町は9月12日の公式情報で、今回の規制について**「火口周辺のみの規制で、白金地区及び居住地区への規制ではありません」**と説明しています。
白金温泉地区についても平常営業としています。
ただし、夕方に公表された新しい案内では状況が少し踏み込んでいます。
白金温泉地区の住民、事業者、観光客に対して、今後の火山活動に関する情報へ十分注意し、いつでも避難できるよう準備を始めることを呼び掛けています。
したがって現在の白金温泉は、
避難指示が出ているわけではなく、営業も続いている。しかし今後の変化に備えて避難準備を意識する段階
と捉えるのが適切です。
「平常営業」と「避難の準備」は一見矛盾するように見えますが、現時点で規制対象ではないことと、今後状況が変わった場合に備えることは両立します。
望岳台には行ける?登山はできる?
望岳台については、美瑛町が**「望岳台からの制限区域内への立ち入りは固く禁じられています」**と案内しています。
つまり、望岳台を登山口として規制区域へ入ることはできません。
また、美瑛町が公表した規制図では、美瑛岳方面、美瑛富士方面を含め、複数の登山道にレベル3の立入規制地点が設定されています。十勝岳山頂だけを避ければ登山できるという状況ではありません。
一方、現時点の美瑛町資料だけから「望岳台の駐車場や施設そのものが全面閉鎖されている」とまでは断定できません。
望岳台そのものを目的に訪れる場合も、道路規制を含めて出発直前に美瑛町の最新情報を確認した方が安全です。
上富良野町はどこが避難対象?
ここは「上富良野町に避難指示」とだけ書いてしまうと、大きな誤解につながります。
上富良野町が9月12日現在、避難対応を案内しているのは山麓の限られた施設です。
町公式では、十勝岳温泉地区の「凌雲閣」と「カミホロ荘」が高齢者避難、吹上温泉地区の「白銀荘」が避難指示とされています。
そのうえで町は、**「その他地区の住民の皆様の生活には、影響はありません」**と明記しています。
つまり、上富良野町の市街地まで避難指示が出ているわけではありません。
「富良野」という名前だけを見て富良野一帯が避難地域になったと受け取らないことが大切です。
十勝岳温泉・白銀荘・白金温泉は営業している?
温泉についても「全部閉鎖」「全部通常営業」とまとめることはできません。
9月12日夕方時点の公式情報を整理すると、次の状態です。
| 施設・地域 | 現在の状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 白金温泉地区 | 平常営業 | 美瑛町はいつでも避難できる準備を呼び掛け |
| 十勝岳温泉 湯元 凌雲閣 | 通常営業 | 65歳以上は入場制限 |
| 十勝岳温泉 カミホロ荘 | 通常営業 | 65歳以上は入場制限 |
| 吹上温泉保養センター 白銀荘 | 休館 | 再開日未定、避難指示対象 |
| 吹上露天の湯 | 閉鎖 | 再開日未定 |
凌雲閣とカミホロ荘は営業を続けていますが、上富良野町では両施設について高齢者避難を案内しています。
そのため、予約済みの場合でも「営業しているから何も変わっていない」と考えず、宿泊施設からの連絡や当日の公式案内を確認する必要があります。
特に火山情報が更新された場合、営業状況が短時間で変わる可能性があります。
十勝岳だけでなく周辺の山も登れない?
上富良野町側では、かなりはっきりした規制が出ています。
かみふらの十勝岳観光協会は、十勝岳温泉登山口と吹上登山口を利用して大雪山連峰方面へ向かう登山を全面禁止と案内しています。
つまり、「十勝岳山頂へ行かなければ大丈夫」という規制ではありません。
美瑛町側でも望岳台から制限区域への立ち入りが禁止され、新得町側では十勝岳新得町側登山口から先が立入規制になりました。新得町は災害対策基本法に基づき、火口から概ね3km以内には絶対に入らないよう呼び掛けています。
一方で、大雪山系すべての山や登山道が一律に閉鎖されたという意味でもありません。
登ろうとしている山が十勝岳周辺の場合は、「山頂が規制円の外だから大丈夫」と自己判断せず、利用する登山口とルート単位で自治体の規制を確認する必要があります。
富良野市の市街地も避難が必要?
富良野市と上富良野町は別の自治体です。
今回のニュースでは両方の名前が出てくるため、混同しやすいところです。
富良野市も気象庁の警報対象市町村に含まれていますが、市が9月12日に公表した情報は、火口から概ね3kmで大きな噴石に警戒するよう求める内容です。
富良野市街地に対する避難指示は、確認時点では発表されていません。
そのため「富良野市まで避難」「富良野観光全体ができない」といった理解は、現在の公式情報とは合いません。
ただし、富良野岳など十勝岳連峰へ向かう場合は話が別です。山岳部の規制を確認する必要があります。
南富良野町・新得町はどうなっている?
南富良野町も気象庁の警報対象市町村に含まれています。
ただ、9月12日夕方に町公式サイトを確認した時点では「緊急情報はありません」と表示されており、町の居住地域に対する新たな避難指示などは確認できませんでした。
新得町では住民の避難ではなく、山岳地域への立入規制が実施されています。
十勝岳新得町側登山口から先への立ち入りが禁止されており、規制区域には入らないよう案内されています。
ここでも、気象庁の「警報対象市町村」という表示と「自治体全域が避難対象」という意味は分ける必要があります。
道路は通れる?十勝岳スカイラインは?
道路にも影響が出ています。
かみふらの十勝岳観光協会によると、十勝岳スカイラインを使って、美瑛町の白金温泉から十勝岳温泉へ通り抜けることはできません。
吹上丁字路から美瑛方面のゲートが封鎖されています。
これは冬季通行止めとは別の、今回の火山活動に伴う規制です。
白金温泉が営業しているから、そのまま十勝岳温泉まで山越えできるという状態ではありません。
旅行で美瑛と上富良野を車で移動する場合は、普段使うルートによっては迂回が必要になります。
上富良野町営バスは動いている?
上富良野町営バスは、9月12日夕方時点では通常ダイヤで運行しています。
ただし、吹上温泉方面では変更があり、吹上露天の湯と白銀荘のバス停には停車しません。
凌雲閣やカミホロ荘方面については通常ダイヤと案内されていますが、火山活動によって変更される可能性があります。
公共交通を利用する場合も、当日の運行状況を確認した方がよいでしょう。
火山灰は美瑛や富良野、旭川、札幌まで来る?
気象庁は、火口から概ね3kmの範囲では大きな噴石に警戒するよう求めています。
一方、火山灰や小さな噴石は風下側で遠方まで流されて降るおそれがあるともしています。
ただし、「遠方まで」という表現だけを使って、
「旭川まで降灰する」
「札幌にも火山灰が来る」
と具体的な地域を決めつけることはできません。
実際の降灰範囲は、噴火の規模、噴煙の高さ、その時の風向きや風速などによって変わります。
気象庁が発表する「降灰予報(定時)」にも注意が必要です。
定時の降灰予報は、現在すでに噴火して火山灰が降っていることを示すものではなく、「もし噴火した場合」にどちらへ火山灰が流れる可能性があるかを示した予測です。
9月12日に新しい噴火が確認されていない以上、定時予報を見て「すでにこの地域で降灰が始まっている」と受け取るのは誤りです。
実際に噴火が発生した場合は、その後の噴火情報や降灰予報を改めて確認する必要があります。
美瑛・富良野旅行はキャンセルした方がいい?
現時点で、美瑛や富良野への旅行を一律に中止しなければならない状況ではありません。
富良野市街地や美瑛町の居住地域全体に避難指示が出ているわけではなく、白金温泉も営業しています。
ただし、旅行の目的によって状況は大きく違います。
十勝岳登山や周辺の縦走を予定している場合は、規制区域や対象ルートへ入ることはできません。
白銀荘や吹上露天の湯を目的にしている場合も、現在は利用できません。
一方、凌雲閣やカミホロ荘は現時点で営業していますが、65歳以上の入場制限があり、施設周辺では避難対応も取られています。白金温泉も営業を続けていますが、美瑛町は避難できる準備を呼び掛けています。
そのため「富良野旅行だから全部中止」「温泉が営業しているから予定通りで問題なし」と、どちらか一方に決めつけるのではなく、自分が訪れる場所ごとに規制と営業状況を確認するのが現実的です。
1926年の大噴火から100年、今回も同じことが起きる?
2026年は、1926年の十勝岳大正噴火から100年にあたります。
1926年には噴火に伴って大規模な泥流が発生し、多くの犠牲者が出ました。美瑛町なども過去の災害を踏まえて火山防災を進めています。
ただし、100年前の噴火と今回の火山活動をそのまま結び付ける根拠はありません。
「100周年の年だから再び大噴火する」「今回も同じ泥流が発生する」と判断できる公式情報も出ていません。
過去に大きな災害を起こした活火山であることは重要ですが、現在の危険度は現在の観測データと警戒情報で判断する必要があります。
まとめ|新しい噴火は未確認だが、十勝岳の活動は明らかに高まっている
2026年9月12日、十勝岳の噴火警戒レベルは2から3へ引き上げられました。
9月12日夕方までに新たな噴火は確認されていません。
しかし、3月以降の地殻変動、4月以降の火山ガス増加や熱活動の高まり、7~8月のごく小規模な噴火に加え、8月17日以降は振幅の大きな火山性地震が増えています。
9月12日には、最大振幅2マイクロメートル以上の地震が直近30日間で5回に達しました。これは十勝岳で公表されているレベル3の判定基準と一致する重要な変化です。
ただし、レベル3は「美瑛・富良野から住民全員が避難する」という意味ではありません。
現在の中心的な警戒範囲は62-2火口から概ね3km。美瑛町や富良野市などの市街地全体が避難対象になっているわけではありません。
その一方で、登山道は広範囲に規制され、白銀荘には避難指示、凌雲閣とカミホロ荘には高齢者避難が案内されています。十勝岳スカイラインも白金温泉から十勝岳温泉へ通り抜けることができません。
今後、噴火が発生するのか、いつ発生するのかは分かりません。
だからこそ、「大噴火が来る」と必要以上に怖がるのでも、「まだ噴火していないから大丈夫」と考えるのでもなく、現在出ている規制を守り、気象庁と各自治体の最新情報を確認することが重要です。
9月12日16時時点で、十勝岳の噴火警戒レベル3は継続しています。