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『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』GB版レビュー|今遊んでも面白い?

初代『聖剣伝説』GB版レビュー|今遊んでも面白い?リメイクとの違いも解説

1991年6月28日にゲームボーイで発売された『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』。

現在まで続く『聖剣伝説』シリーズの第1作であり、タイトルが示すように『ファイナルファンタジー』の外伝として世に出た作品です。チョコボやFFでおなじみの魔法などを取り込みながら、戦闘ではコマンドを選んで待つのではなく、フィールド上で主人公を直接動かして敵へ攻撃します。

物語の印象が強い作品でもありますが、結末を知らなければ魅力を説明できないゲームではありません。

斧で木を切る。

鎌でイバラを刈る。

チェーンフレイルを杭へ引っ掛けて向こう岸へ渡る。

敵に合わせて武器を持ち替える。

レベルが上がれば、次にどの能力を伸ばすか選ぶ。

一時的に仲間になる人物の助けを借りながらダンジョンを進む。

こうした操作が一本のアクションRPGとしてつながっているところに、初代『聖剣伝説』の面白さがあります。

初代『聖剣伝説』はどんなゲーム?

項目内容
正式タイトル聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-
ハードゲームボーイ
発売日1991年6月28日
発売・開発スクウェア
ジャンルアクションRPG
プレイ人数1人
当時価格4,800円
型番DMG-FFJ
ROM容量2Mbit
セーブバッテリーバックアップ/2データ
シリーズ『聖剣伝説』第1作

スクウェア・エニックスの現行公式ページでは、1991年発売のゲームボーイ用ソフトであり、『聖剣伝説』シリーズ第1作として紹介されています。発売日は1991年6月28日です。

型番、ROM容量、当時価格、セーブ仕様については、現存するカートリッジ情報やゲーム資料でもDMG-FFJ、2Mbit、4,800円、2つのセーブデータという内容で一致しています。

『ファイナルファンタジー外伝』として始まった『聖剣伝説』

1991年時点では、現在のように巨大な『聖剣伝説』シリーズが先に存在していたわけではありません。

本作は『ファイナルファンタジー外伝』という位置付けからスタートしました。

チョコボが登場し、魔法やアイテムにもFFシリーズとのつながりがあります。一方、ゲーム画面は見下ろし型で、主人公を直接移動させ、その場で敵へ攻撃するアクションRPGです。

スクウェア・エニックスも2026年のシリーズ紹介で、本作がFFのスピンオフとして始まりながら、フィールド上で敵へ直接攻撃し、武器・魔法・アイテムを切り替えて戦う作品だったことを振り返っています。

「FFの名前を借りただけ」と切り離すのも、「普通のFFをゲームボーイへ移した」と考えるのも違います。

FFから受け継いだ要素を持ちながら、操作するゲームとしては別の方向へ踏み出した作品でした。

闘技場から脱出し、自分で剣を振るところから始まる

主人公はグランス公国に囚われ、闘技場で戦わされている奴隷剣士です。

そこから脱出し、ひとりの少女と出会うことで旅が動き始めます。

グランス公国を支配するシャドウナイトは、触れた者に強大な力を与えると伝えられる「マナの樹」を狙っていました。主人公は少女と旅を続けるうち、その争いへ巻き込まれていきます。

ここから先は、人との出会いと別れを繰り返しながら物語が広がっていきます。

ただ、物語を見るために戦闘が挟まっているわけではありません。

スタート直後からプレイヤー自身が主人公を動かし、敵との距離を取りながら武器を振る。

『聖剣伝説』がどんなRPGなのかは、最初の操作からすでに示されています。

攻撃しない間にパワーがたまり、武器ごとの強い一撃を放てる

通常攻撃はボタンを押せばすぐ出せます。

その一方、攻撃せずにいると画面下部のパワーゲージが徐々にたまり、最大まで待ってから攻撃すると、装備している武器に応じた強力な攻撃を繰り出せます。精神の成長は、このゲージがたまる速さにも関係します。

ずっとボタンを連打するより、

敵との距離を取る。

ゲージがたまるまで待つ。

近づいて強い一撃を入れる。

という選択肢が生まれます。

ボスだけでなく通常戦闘でも、攻め続けるか、一度離れるかという小さな間ができます。

このゲージを「Willゲージ」と呼び、英単語の“意志”と物語テーマを結び付ける必要はありません。

ゲーム上で面白いのは名前ではなく、攻撃を急がず待つことにも意味を持たせていることです。

武器は敵を倒すだけでなく、道を開くためにも使う

初代で特に分かりやすい特徴が、武器と探索の結び付きです。

スクウェア・エニックス自身が現在も、

  • 木を切る
  • イバラを刈る
  • 杭に巻き付いて崖を渡る

といった使い方を初代の特徴として挙げています。

たとえば斧なら木を切れる。

鎌ならイバラを刈れる。

チェーンフレイルなら対岸の杭へ引っ掛け、離れた足場へ移動できます。

新しい武器を手に入れることは、攻撃力が上がるだけではありません。

今まで通れなかった場所へ行けるようになる。

この変化が探索へそのまま返ってきます。

「一番強い武器だけ装備しておけばいい」とはならない

武器にはそれぞれ攻撃方法の違いがあり、敵によって武器との相性もあります。

さらに探索では、地形に応じて特定の武器が必要です。

そのため、新しい武器を手に入れたから古い武器は全部不要、という一直線の更新にはなりません。

目の前に木があれば斧がいる。

イバラなら鎌。

杭があればチェーンフレイル。

戦闘では相手へ有効な武器を選びたい。

装備変更が戦闘と探索の両方へ関わります。

その反面、現在遊ぶと武器を切り替えるたびにメニューを開く手間も感じます。

現代のアクションRPGなら複数武器をショートカットへ登録できそうな場面でも、本作ではメニュー操作が挟まります。

面白い仕組みと古いインターフェースが、同じところにあります。

マトックは武器ではない

地形を変えるものを全部「武器」とまとめると、本作のアイテム構造が分かりにくくなります。

壁を壊すマトックは消費アイテムです。

武器として敵を攻撃する斧や鎌、チェーンフレイルとは扱いが違います。

ダンジョンではカギも消費しながら扉を開けるため、探索用アイテムをどれだけ持ち込むかが進行へ影響します。

不足した場合は、その場で進めなくなって補充を求められることがあります。

だからといって「カギやマトックがなくなれば必ず永久に詰む」と一般化するのも大げさです。

問題は、準備不足によってダンジョン内で足止めされ、戻る手間が大きくなること。

現在では、この消耗品管理がかなり昔らしく感じる部分です。

レベルアップするたび、4つの成長タイプから選ぶ

経験値がたまってレベルアップすると、成長方向を4種類から選びます。

正式なタイプは、

  • せんしタイプ
  • モンクタイプ
  • まどうしタイプ
  • けんじゃタイプ

です。

大まかには、

せんしなら力。

モンクなら体力。

まどうしなら賢さ。

けんじゃなら精神。

を重点的に伸ばせます。

剣や斧による直接攻撃を強くしたいなら力。

打たれ強さが欲しいなら体力。

魔法を重視するなら賢さ。

MPやパワーゲージの回復を意識するなら精神。

レベルアップのたびに、その時点で欲しい能力を自分で選べます。

ただし、現在のRPGにある巨大なスキルツリーやクラス転職を想像すると違います。

複雑なビルドを作るゲームではなく、次の成長で何を優先するかを毎回一つ選べる程度の分かりやすい仕組みです。

仲間は「3人パーティ」の原型として扱わない方がいい

旅の途中では、主人公に同行する人物が何度も変わります。

彼らはストーリー上ついてくるだけではなく、戦闘を助けたり、「そうだん」で固有の支援を行ったりします。

同行者によって役割が異なるため、仲間が変わると戦い方や探索中に使える助けも変化します。

ただし、後の『聖剣伝説2』のように3人全員を切り替えて操作するパーティ制ではありません。

基本的に操作するのは主人公で、同行者は一時的に冒険を支える存在です。

この作りのおかげで、人物との出会いや離脱がストーリーだけのイベントにならず、その間のプレイ感にも小さな変化が出ます。

魔法と消費アイテムもダンジョン攻略の一部

主人公は武器だけでなく魔法も覚えていきます。

回復系と攻撃系があり、MPを消費して使用します。

武器が効きにくい敵へ魔法を使うこともあり、「物理攻撃だけで全部倒す」というゲームではありません。

ダンジョンではそこへカギ、マトック、回復アイテムなどの管理が加わります。

武器の選択。

魔法。

残りMP。

カギ。

マトック。

回復。

それらを抱えて部屋を進みます。

ここは現在遊んだときの評価が分かれやすいところです。

持ち物管理を含めて探索するのが楽しい場面もある一方、必要な物を切らして引き返すと移動のやり直しが発生します。

ダンジョンは現在では迷いやすい

フィールドやダンジョンは、一画面ずつ切り替わりながら進みます。

ダンジョンでは似た構造の部屋が続き、分岐や隠された通路、カギ付き扉、壊せる壁なども混ざります。

画面の構造を覚えながら進む必要があり、現在のゲームのような常時表示の詳細マップや目的地マーカーは期待できません。

さらに武器やアイテムの交換で何度もメニューを開きます。

戦闘自体はすぐ始まり、すぐ終わる軽快さがありますが、探索については1991年のRPGらしい手間がかなり残っています。

「古いから全部不便」で片付ける必要はありませんが、方向感覚を失ったときの戻りにくさは明確な弱点です。

チョコボはFFとのつながりをゲーム上でも見せる

本作にはチョコボも登場します。

ファイナルファンタジーの名前がタイトルに付いているだけではなく、実際の冒険の中でFF由来のキャラクターや魔法を見ることができます。

チョコボは物語上の顔見せだけではなく、移動にも関係する存在です。

後半には大きな変化もありますが、そこは初めて遊ぶ人に残しておいた方がいいところでしょう。

初代『聖剣伝説』がFF外伝として始まったことを、一番直感的に感じられる要素の一つです。

物語が強く残る理由は、結末を書かなくても説明できる

主人公は闘技場から逃げ出し、ひとりの少女と出会います。

シャドウナイトが狙うマナの樹。

旅先で加わる仲間。

グランス公国とは別に動くジュリアス。

物語が進むほど主人公の目的は大きくなっていきます。

軽快なアクションRPGの見た目に対して、ストーリーでは死や別れも扱います。

河津秋敏氏も30周年企画で、初めて本作の闘技場を見たときに、かなり暗い話だと感じたことを振り返っています。

ただ、その先の具体的な展開を書かなくても十分です。

「何が最後に起きるか」ではなく、明るい冒険だけでは済まない物語が、戦いと移動の合間に少しずつ入り込んでくる。

その温度差が、本作の物語を印象に残りやすくしています。

北瀬佳範、渋谷員子、伊藤賢治らが初期の小規模チームに参加

初代には、後にスクウェア作品で大きな役割を担うスタッフも参加しています。

石井浩一氏は『聖剣伝説』シリーズの生みの親として、初代ではゲームデザインに関わり、モンスターやボスキャラクターのデザインも担当しました。

北瀬佳範氏はシナリオ・イベント担当

渋谷員子氏はグラフィック担当

伊藤賢治氏は音楽担当です。

北瀬氏にとって本作は入社後初めて携わったゲームでした。本人は30周年企画で、FF本編とゲームボーイの『魔界塔士Sa・Ga』を目標として意識していたと振り返っています。

渋谷氏によれば、グラフィック担当は自身ひとりで、企画は7人ほどの小規模チームから始まりました。

少人数だったこと自体を作品評価に変える必要はありません。

ただ、戦闘、探索、シナリオ、グラフィック、音楽をまとめた最初の『聖剣伝説』が、比較的小さな体制から作られたことは制作背景として興味深い部分です。

伊藤賢治の音楽は、場面が変わったことをはっきり伝える

音楽は伊藤賢治氏が中心です。

公式サウンドトラックには、

「Rising Sun」
「格闘技場」
「Requiem」
「果てしなき戦場」
「聖剣を求めて」
「最後の決戦」
「伝説よ永遠に」

などが日本公式名で収録されています。

フィールドを歩く時間が長いゲームだけに、「果てしなき戦場」のような曲は冒険そのものと一緒に耳へ残ります。

また、すべてが伊藤氏の新規曲というわけではありません。

「チョコボ誕生」は伊藤賢治氏の曲ですが、「チョコボのテーマ」は植松伸夫氏作曲の既存FF曲です。

FF外伝という出自は、キャラクターだけでなく音楽にも残っています。

今遊んでも面白いところ

現在遊んでも分かりやすいのは、手に入れた装備がその場で行動を増やすことです。

強い斧を手に入れたからダメージが増えた、だけではない。

木を切れる。

チェーンフレイルを取れば、届かなかった足場へ渡れる。

新しい能力がそのままマップへ返ってきます。

アクションも複雑ではなく、敵を見て移動し、攻撃し、必要なら距離を取るという基本はすぐ理解できます。

レベルアップの4タイプ選択も、育成へ少しだけ自分の意思を入れられる。

同行者が入れ替われば支援も変わる。

一つ一つのシステムは小さくても、戦闘だけ、探索だけ、育成だけで孤立していません。

そこが現在でも遊びとして残っている部分です。

現在では不便に感じるところ

一方、メニュー操作はかなり多めです。

探索用に武器を変更する。

戦闘相手に合わせてまた変更する。

魔法やアイテムもメニューから選ぶ。

カギやマトックといった消耗品も管理する。

現在のゲームならショートカットで済みそうな操作を何度も繰り返します。

ダンジョンの方向も分かりづらく、必要な消耗品が足りなければ戻る負担が大きい。

このあたりは『聖剣伝説COLLECTION』でクイックセーブが追加されても、原作のマップやメニュー構造そのものが変わるわけではありません。

アクション部分は入りやすい。

探索部分には古さが残る。

2026年に遊ぶと、その差がかなりはっきりしています。

『新約 聖剣伝説』はGB版をそのまま豪華にした作品ではない

2003年8月29日には、ゲームボーイアドバンスで『新約 聖剣伝説』が発売されました。

こちらは原作をベースにしながら、かなり大きく作り直したリメイクです。

スクウェア・エニックス自身が、システム、イベント、グラフィックを「フルモデルチェンジ」した作品として紹介しており、男性主人公と女性主人公の2人から選んで物語を追えるようになっています。

30周年資料では、亀岡慎一氏がキャラクターデザインとシナリオアレンジを担当したことも確認できます。

つまり、『新約』を遊べば1991年版をそのまま現代的な映像で体験できる、という関係ではありません。

同じ題材を使いながら、物語もゲームも広く再構築した別リメイクです。

2016年版は原作の骨格を3Dで作り直したリメイク

2016年2月4日には、PS Vita、iOS、Android向けに再び『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』が発売されました。

海外では『Adventures of Mana』の名前で展開された3Dリメイクです。日本版の正式タイトルは原作と同じ『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』です。

こちらは3Dグラフィックに変わり、操作体系も現代向けに調整されていますが、『新約』ほど大規模に物語を再解釈する方向ではありません。

2026年8月現在もスクウェア・エニックス公式サイトからiOS版とAndroid版への購入導線が残っており、両プラットフォームの現行ゲーム一覧にも掲載されています。

GB版の雰囲気そのものを知りたいなら別ですが、「初代の物語を3Dの操作で追いたい」という場合はこちらが選択肢になります。

オリジナルGB版を2026年現在遊ぶなら『聖剣伝説COLLECTION』

1991年版そのものを現在遊ぶ方法として分かりやすいのが、Nintendo Switch用『聖剣伝説COLLECTION』です。

2017年6月1日に発売された商品で、

  • 『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
  • 『聖剣伝説2』
  • 『聖剣伝説3』

の初期3作品を収録しています。

初代についてはリメイクではなく、オリジナル版をベースにした収録です。

そのうえでCollection側の追加機能として、

  • どこでも使えるクイックセーブ
  • 3作品のゲーム音源を聴けるミュージックモード
  • 初代のみ複数サイズから選べる画面切り替え

が用意されています。

2026年8月現在もNintendo Storeではダウンロード版が5,280円で掲載されており、Nintendo Switch 2向けの商品検索にも表示されています。

つまり、

GB版そのものを知りたい
→ 『聖剣伝説COLLECTION』

大きく再構築された別解を遊びたい
→ 『新約 聖剣伝説』

原作寄りの内容を3Dで遊びたい
→ 2016年版

という違いがあります。

まとめ|物語へ行くまでの「遊ぶ部分」もしっかり残っている

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』は、物語だけを切り出して評価するには惜しいゲームです。

敵を倒すために使っていた武器で、木を切る。

イバラを刈る。

杭へチェーンフレイルを引っ掛ける。

次の道が開く。

レベルが上がれば、攻撃を伸ばすか、耐久を伸ばすか、魔法を伸ばすかを選ぶ。

仲間が変われば支援も変わる。

ダンジョンでは武器、魔法、カギ、マトックを使い分ける。

そこには、ちゃんと自分で動かして進むアクションRPGがあります。

メニューの切り替えや消耗品管理、迷いやすいダンジョンには古さも残っています。

それでも、戦闘で使うものが探索でも役立ち、新しい装備が次の場所へ進む手段になる作りは現在でも理解しやすい。

そして、その旅を続けた先に物語が待っています。

結末を先に知る必要はありません。

初代『聖剣伝説』は、自分で武器を振り、自分で道を開きながら最後まで進んでこそ味わえるゲームです。

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