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台風24号はなぜUターン?北上→南下→再び北寄り予想、「迷走」する理由を整理

台風24号はなぜUターン?北上→南下予想、「迷走」する理由を整理

台風24号が北上後に南下し再び北寄りへ進む予想と、太平洋高気圧・偏西風の影響を示したアイキャッチ

2026年9月4日、台風24号(クロヴァン)が奄美の北西まで北上しています。

ところが、この先の予報を見ると進路は南へ反転。沖縄本島の南まで下がったあと、今度は東へ回り込み、さらに北寄りへ向きを変える予想です。

「台風って普通は北へ進むんじゃないの?」
「どうして来た方向へ戻るの?」

そんな疑問が浮かぶ進路ですが、台風24号が自分の意思でUターンしているわけではありません。

台風の進路は、主に周囲の大規模な風によって決まります。

今回は太平洋高気圧の縁を進んで北上したものの、この先は台風を運ぶ上空の風が弱くなり、北側の高気圧や気圧の谷との位置関係も複雑になります。偏西風につながる流れにもすぐ乗れないため、北へ抜けず、いったん南へ戻るような進路が予想されているのです。

ただし、9月5日以降はあくまで予報です。

台風24号がきれいに円を描いて一周することが決まったわけではありません。

台風24号は現在どこ?9月4日12時45分発表の最新状況

気象庁の9月4日12時45分発表によると、台風24号は12時現在、奄美市の北西約220kmにあります。

項目9月4日12時現在
台風台風24号(クロヴァン)
存在地域奄美市の北西約220km
進行方向北北西
速さ10km/h
中心気圧992hPa
最大風速18m/s
最大瞬間風速25m/s

朝9時には北西へ時速15kmで進んでいましたが、12時には北北西へ時速10kmとなっています。

すでに動きが少し遅くなってきました。

そして、このあと進路が大きく変わる予想です。

北上したあと南へ 台風24号の進路予想

9月4日12時45分発表の予報を時系列に並べると、進路の異様さがよく分かります。

9月4日12時【実況】

奄美市の北西約220km。

北北西へ10km/h。

9月5日12時【予報】

奄美市の西約210km。

南南西へゆっくり。

ここで進行方向が北寄りから南寄りへ変わります。

9月6日9時【予報】

那覇市の南約80km。

南へ15km/h。

沖縄本島付近を通り越し、さらに南へ進む予想です。

9月7日9時【予報】

南大東島近海。

東北東へ15km/h。

今度は東寄りへ方向転換します。

9月8日9時【予報】

日本の南。

北へ15km/h。

この段階では台風ではなく、熱帯低気圧へ変わっている予想です。

地図上で予報円の中心を追うと、

北へ
→南へ
→東へ
→再び北へ

と、円を描くような形になります。

では、なぜこんな進み方になるのでしょうか。

台風24号はなぜUターンする?

今回の進路を理解するうえで、一番大事なのが、

台風は進みたい方向へ自分で走っているわけではない

ということです。

台風そのものには強い渦がありますが、台風全体がどこへ移動するかは、周囲の高気圧や低気圧、上空の風などによって大きく左右されます。

特に重要なのが、台風を大きく運ぶ上空の風です。

気象庁も、台風を移動させる上空の風が弱いと、複雑な経路をたどったり、進路予報が大きく変化したりすることがあると説明しています。

今回の台風24号では、この「台風を運ぶ風」が途中から弱くなります。

それだけではありません。

周囲にある高気圧や上空の気圧の谷も、ちょうど進路を決めにくい位置関係になっています。

一つの原因だけでUターンするのではなく、いくつもの大きな気圧の流れの間に入り、進む方向が次々と変わるのが今回の特徴です。

最初に北上したのは太平洋高気圧の縁を進んだから

台風24号は、9月1日には日本の南でほとんど停滞していました。

その後、2日から4日にかけて北上。

この段階で進路を決めていた大きな要素が太平洋高気圧です。

ウェザーニュースは2日の時点で、台風24号が太平洋高気圧の縁に沿って北上すると予想していました。

台風は、勢力の強い高気圧の中心へそのまま突っ込んでいくというより、高気圧の周辺を流れる風に沿って進むことがよくあります。

今回もまず、

太平洋高気圧の縁
→南西諸島方面
→奄美の北西

という流れで北上してきました。

ここまでは比較的分かりやすい動きです。

問題は、この先です。

なぜ今度は南へ戻る?北へ抜けられない理由

普通なら、ここからさらに北上して日本付近を東へ抜けていく姿を想像したくなります。

ところが台風24号は、その流れにうまく乗れません。

ウェザーニュースは2日の時点で、九州の南まで進んだあと、東西の高気圧の間に入り、台風を動かす上空の風が弱くなる可能性を指摘していました。

さらに気象庁の9月4日の短期予報解説資料では、台風24号について、4日は東シナ海を北上するものの、5日に本州付近を通る上空の気圧の谷に乗れず、8日ごろまで南西諸島近海にとどまる見通しとしています。

ここでいう「気圧の谷」は、天気図でよく見る地上の低気圧そのものとは少し違い、上空で気圧が低くなっている領域です。

台風がこうした流れにうまく取り込まれれば東へ進みやすくなりますが、今回はそのタイミングを逃す予想になっています。

さらに台風の北側には高気圧があります。

だからといって、高気圧が固い壁のようになって台風を跳ね返すわけではありません。

高気圧の周囲を流れる風によって、台風を運ぶ風向きそのものが変わる。

その結果として、北へ進んでいた台風が南寄りへ向きを変える予報になっています。

偏西風に乗れないことも「迷走」のポイント

日本付近の台風は、北へ進んだあと急に速度を上げ、東や北東へ抜けていくことがあります。

そのとき大きな役割を持つのが偏西風です。

偏西風は、中緯度の上空を西から東へ流れる強い風です。

台風がこの流れに入ると、東~北東方向へ運ばれやすくなります。

しかし今回は、台風がその流れにすぐ取り込まれない予想です。

サガテレビの気象解説でも、台風24号について、偏西風に乗れば東へ進む一方、乗れなければ九州南方で動きが定まりにくくなると説明されていました。9月3日時点では後者の可能性が高まり、九州の南付近にとどまる予想へ変化しています。

つまり今回の「迷走」は、

太平洋高気圧の縁で北上
→北へ抜ける流れが弱まる
→上空の気圧の谷や偏西風にうまく乗れない
→周囲の風向きが変わり南へ
→その後また別の流れに乗って東~北寄りへ

という流れです。

「偏西風が台風を南へ押している」という単純な話ではありません。

むしろ、偏西風へすぐ乗れないことが、いつもの東へ抜けるルートを取りにくくしていると考える方が分かりやすいでしょう。

「迷走台風」って正式な名前?

「迷走台風」はニュースなどで使われる分かりやすい表現ですが、気象庁では「台風が迷走しているわけではない」として、この言葉を使わず「複雑な動きをする台風」と表現しています。

周囲の風が弱かったり気圧配置が複雑だったりして、

  • 動きが極端に遅い
  • いったん来た方向へ戻る
  • 大きく方向転換する
  • ループ状の経路になる

といった分かりにくい進路を取る台風を、一般的に「迷走台風」と呼ぶことがあります。

台風が進路を迷っているわけではなく、周囲の風そのものが複雑なのです。

なお、気象庁には「ループを描く」という用語もあり、進路を180度以上変え、元の経路と交差するようになる場合を指します。

今回の24号が最終的にこの条件を満たすかどうかは、まだ分かりません。

台風24号は本当にぐるっと一周する?

9月4日時点の進路予想だけを見ると、確かに一周するような形に見えます。

すでにニュースでも「ループ」「ぐるり」といった表現が出ています。

ただし、ここで進路図の見方に注意が必要です。

予報図の中心を結んだ線は、

「台風が必ずこの線の上を進む」

という線ではありません。

台風の予報円は、その時刻に台風の中心が約70%の確率で入ると予想される範囲を示しています。

5日、6日、7日と先になるほど予報円が大きくなっているため、実際の進路は中心線からずれる可能性があります。

ですから現時点で言えるのは、

「円を描くような複雑な進路が予想されている」

までです。

「台風24号が一周することが確定した」とは言えません。

予報円が大きいのは台風が巨大になるから?

進路図を見て、

「後半になるほど台風がものすごく大きくなっている」

と感じる人もいるかもしれません。

しかし、予報円の大きさは台風本体の大きさではありません。

予報円が大きいほど、

その時刻に中心がどこにいるのか、予測の幅が大きい

という意味です。

気象庁は、台風を動かす上空の風が弱かったり、その風の予測が安定しなかったりする場合、進路予想が難しくなって予報円が大きくなると説明しています。

まさに今回がそのケースです。

高気圧や上空の気圧の谷との位置関係が少し変わるだけで、台風が向かう方向も変わりやすくなっています。

そのため、「中心線が自分の地域から外れたから大丈夫」と見るより、予報円全体と最新情報を見ることの方が大切です。

今年はそもそも台風が多い?

今回が「24号」なのを見て、

「まだ9月初めなのに、もう24号?」

と感じた人もいると思います。

2026年は実際に台風の発生ペースがかなり速く、9月1日までに24個へ達したのは1971年以来55年ぶりです。

なぜ今年これほど台風が多いのかについては、気象庁が2026年夏の状況を分析しています。

詳しくは、

2026年はなぜ台風が多い?9月初めで24号、55年ぶりハイペースの理由

で整理しています。

ただし、台風が多いことと、今回の24号が迷走することは別の問題です。

24号の複雑な進路は、現在の高気圧や上空の風の配置によって決まっています。

台風24号は強い台風ではないのに、なぜ大雨になる?

9月4日12時現在の台風24号には、「強い」「非常に強い」といった強さの階級は付いていません。

中心気圧は992hPa、最大風速18m/sです。

それでも今回、大雨にはかなり注意が必要です。

理由は、台風だけを見ていてはいけないからです。

本州付近には秋雨前線があり、その前線へ台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んでいます。

気象庁の短期予報解説資料でも、台風から流れ込む下層の暖かく湿った空気などによって前線の活動が活発になり、大雨となる所があるとしています。

9月4日はすでに西日本を中心に雨が強まっており、日本気象協会も台風24号と秋雨前線によって警報級の大雨となる地域があると警戒を呼びかけています。

台風の中心が遠くても、

台風から湿った空気が送られる
→秋雨前線付近で空気が持ち上げられる
→雨雲が発達する

ということがあります。

「台風本体が直撃しないから大丈夫」とは限りません。

なぜ「迷走」すると大雨が長引きやすい?

今回さらに厄介なのが、台風24号の動きが遅くなることです。

普通なら台風が短時間で通り過ぎれば、湿った空気を送り込む場所も次第に移っていきます。

しかし、台風24号は南西諸島近海で数日間にわたって複雑な動きをする予想です。

気象庁は、8日ごろにかけて南西諸島近海にとどまる見込みを示しています。

すると、

同じような方向から暖かく湿った空気が前線へ供給される状態が長く続く

可能性があります。

日本気象協会も、台風24号と秋雨前線の組み合わせによって大雨が長期化するおそれを指摘しています。

今回、本当に注意したいのは「台風が変なコースを通ること」そのものだけではありません。

その変な動きによって、日本付近への湿った空気の供給が長引くことです。

熱帯低気圧になればもう安心?

現在の予報では、9月8日9時には台風24号は熱帯低気圧に変わり、日本の南を北へ進む見込みです。

ここで、

「台風じゃなくなるなら終わり」

と思うのは早いです。

「台風」と「熱帯低気圧」の違いは、主に最大風速による分類です。

名前が台風ではなくなったからといって、周囲の湿った空気や雨雲まで突然消えるわけではありません。

今回の場合は秋雨前線もあるため、熱帯低気圧へ変わった後も、前線への湿った空気の流れ込みが続けば大雨の影響が残る可能性があります。

気象庁の予報でも、台風だけでなく周辺の低気圧性循環や前線への暖湿気の流入を含めて、大雨への警戒を呼びかけています。

「台風ではなくなる=安全になった」ではない

という点は覚えておきたいところです。

台風24号の動きを時系列で整理

最後に、ここまでの流れを簡単にまとめます。

9月1日ごろ

日本の南でほとんど停滞。

9月2~4日

太平洋高気圧の縁に沿って北上。

9月4日12時

奄美市の北西約220km。

北北西へ10km/h。

9月5~6日【予報】

北へ抜けず、南南西~南へ反転。

沖縄本島の南まで南下。

9月7日【予報】

南大東島近海を東北東へ。

9月8日【予報】

熱帯低気圧に変わり、日本の南を北へ。

こうして並べると、

北上 → 南下 → 東進 → 北寄り

という非常に複雑な形です。

ただし5日以降は予報であり、このコースをそのままたどると決まったわけではありません。

台風24号についてよくある疑問

台風24号はなぜUターンするの?

台風を運ぶ上空の風が弱く、周囲の高気圧や上空の気圧の谷との位置関係が複雑だからです。

太平洋高気圧の縁を北上したあと、そのまま北や東へ運ぶ強い流れに乗れず、南へ反転するような進路が予想されています。

台風は自分で進んでいるわけではない?

台風の渦そのものと、台風全体の移動は別です。

進路は主に、太平洋高気圧や偏西風など周囲の大規模な風の影響を受けます。

台風24号は本当に一周する?

9月4日現在の予報では、円を描くような進路になっています。

ただし予報円には大きな幅があり、きれいに一周することが確定しているわけではありません。

なぜ南へ進むの?

台風の北側などの気圧配置が変わり、北へ運ぶ風が弱くなる一方、台風を流す風向きが南寄りへ変化するためです。

高気圧が壁のように台風を跳ね返すわけではありません。

偏西風に乗ったらどうなる?

一般には東~北東方向へ進みやすくなり、移動速度も上がります。

今回はその流れにすぐ乗れないため、南西諸島付近で複雑な動きになる予想です。

台風24号は強い台風?

9月4日12時現在、「強い」などの強さ階級は付いていません。

ただし秋雨前線へ暖かく湿った空気を送り込んでいるため、台風から離れた地域でも大雨になるおそれがあります。

熱帯低気圧になれば安心?

必ずしもそうではありません。

熱帯低気圧になった後も、湿った空気や前線の影響で大雨などが続く可能性があります。

まとめ|台風24号が迷っているのではなく「流す風」が複雑

台風24号の予想進路を見ると、まるで途中で考えを変えてUターンしているように見えます。

実際は、台風が勝手に進路を選んでいるわけではありません。

最初は太平洋高気圧の縁を流れる風に乗って北上しました。

ところが九州の南付近まで来ると、台風を動かす上空の風が弱まり、北側の高気圧や上空の気圧の谷との位置関係も複雑になります。

さらに、いつものように偏西風へすぐ乗って東へ抜けることもできません。

そのため現在は、

北上
→南へ反転
→東へ
→再び北寄り

という、一周するようにも見える進路が予想されています。

ただし予報円は先になるほど大きく、実際の進路にはまだかなり幅があります。

そして今回、進路の珍しさ以上に注意したいのが大雨の長期化です。

南西諸島付近で台風の動きが遅くなれば、秋雨前線へ暖かく湿った空気が長時間送り込まれます。

台風の中心が自分の地域へ来るかどうかだけではなく、前線や雨雲の動きも含めて見る必要があります。

台風24号については進路予報そのものが変わりやすい状況です。

この記事の実況・進路情報は2026年9月4日12時45分発表時点。このあと予報が大きく変わった場合は、最新の気象庁情報を基準に確認してください。

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